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フランスの放射性廃棄物管理機関(ANDRA)は、2018年9月26日付プレスリリースにおいて、2018年9月6日に、政府と原子力安全機関(ASN)主導で、地層処分の対象であり、発熱反応のリスクが指摘されているビチューメン(アスファルト)固化体の管理に関する国際レビューが開始されたことを公表した。

ビチューメン固化体は、Orano社(旧AREVA社)や原子力・代替エネルギー庁(CEA)の再処理工場の廃液処理で発生したスラッジ等をビチューメン(アスファルト)にて固化し、金属製容器に封入したものであり、長寿命中レベル放射性廃棄物に分類されている。ビチューメン固化体は、ANDRAによる高レベル放射性廃棄物及び長寿命中レベル放射性廃棄物の地層処分場において処分が予定されている長寿命中レベル放射性廃棄物の廃棄物量72,000m3の18%(約13,000m3)を占めており、この廃棄物量は高レベル放射性廃棄物(ガラス固化体)の廃棄物量12,000m3を上回るものとなっている。

今回設置されたビチューメン(アスファルト)固化体の管理に関する国際レビューチームは、国内外の専門家や有識者等で構成されており、以下の内容についてレビューを実施する。

  • ビチューメン固化体の特性と挙動に関する科学的知見
  • ビチューメン固化体で生じる化学反応の抑制に関して、現在実施中の研究の妥当性
  • 急激な発熱反応のリスクを排除するためにANDRAが実施している地層処分場の設計変更に関する検討の妥当性

政府やASNは、ビチューメン固化体の安全対策を重要視し、これまでに、以下のような検討を行っており、今回の国際レビューチームの設置はこれらに基づくものである。

  • 2016~2018年を対象とした「放射性物質及び放射性廃棄物の管理に関する国家計画」(PNGMDR)において、原子力・代替エネルギー庁(CEA)がANDRAと協力して実施するビチューメン固化体に関する研究成果に基づく報告書を2017年6月末までに政府に提出し、さらにANDRAは同報告書を踏まえ、地層処分場にビチューメン固化体を受け入れた際の影響分析結果を2018年6月末までに政府に提出する方針が示された
  • ANDRAが提出した地層処分場の安全オプション意見請求書(DOS)について、ASNが2018年1月に公表した見解書では、ビチューメン固化体の処分坑道における火災対策として、発熱反応を抑えるための研究を優先的に実施するとともに、発熱反応の過剰な進行を防げるように処分場の設計を変更する場合の検討を実施することが勧告された
  • 2018年3月に開催された地層処分プロジェクトに関する高レベル委員会(CHN)において、地層処分プロジェクトに関する透明性強化の方針の中で、政府及びASNの指示の下、ビチューメン固化体に関する国際専門委員会を2018年中に設置することが決定された
  • 2018年6月に公開された国家評価委員会(CNE)1 の第12回評価報告書では、国際的な検証が行われるべきであるとの立場が示され、地層処分プロジェクトに関する高レベル委員会(CHN)で設置が決定されたビチューメン固化体に関する国際専門委員会における検討状況を注視する方針が示された

また、原子力安全機関(ASN)は、現状の設計と、ビチューメン固化体に関する知見のレベルからは、同廃棄物を地層処分場に処分することはできないと考えており、以下のいずれかを明らかにすべきであるとの立場をとっている。

  • 設計変更により地層処分場にビチューメン固化体を安全に処分できること。
  • 化学反応を抑制するための処理をビチューメン固化体に対して行う場合の技術的な実現可能性。

なお、今回の国際レビュー会合には、国防原子力安全機関(ASND)2 と国家評価委員会(CNE)の代表も参加している。

今後、ビチューメン(アスファルト)固化体の管理に関する国際レビューチームは、2018年10月、11月及び12月に会合を開催し、2019年半ばまでに、検討結果に関する報告書を取りまとめる予定である。

【出典】


  1. フランスにおいて放射性廃棄物等の管理計画に関する研究・調査の進捗状況を評価する組織 []
  2. 原子力・代替エネルギー庁(CEA)は軍事由来のビチューメン固化体をマルクールサイトに保有しており、これを規制・監督するのはASNDである。 []

フランスの放射性廃棄物管理機関(ANDRA)は、2018年7月13日に、「放射性物質及び放射性廃棄物の国家インベントリレポート」(以下「インベントリレポート」という)の2018年版を公表した。ANDRAは2006年の放射性廃棄物等管理計画法の規定に基づいて、3年毎にインベントリレポートを改訂しており、前回のインベントリレポートの改訂は2015年に行われていた

インベントリレポートにおいては、2016年末時点でフランス国内に存在する放射性廃棄物の総量は約154万m3であり、前回2013年末時点から約8.5万m3増加していることが示されている。この増加の理由としてANDRAは、原子力発電利用、研究、産業・医療分野などでの通常の放射性廃棄物の発生に加えて、原子力施設の解体による極低レベル放射性廃棄物や短寿命低中レベル放射性廃棄物の発生を主な要因としている。

今回の2018年版インベントリレポートの公表に先立ち、フランスにおいて放射性廃棄物等の管理計画に関する調査研究の進捗状況を評価する国家評価委員会(CNE)は、2018年6月21日に公表した第12回評価報告書において、今後のフランスでの原子力・燃料サイクル政策が取りうる戦略オプションは以下の3つであると指摘している。

  • 中長期的に高速炉開発も含めて原子力発電利用を継続するオプション 
  • 高速炉開発を想定せずに原子力発電利用を継続するオプション 
  • 運転寿命を迎える既存炉のリプレースも増設も行わずに原子力発電から撤退するオプション 

2018年版インベントリレポートでは、将来のインベントリ予測として、CNEが指摘した戦略オプションに合致した形で以下の3つのシナリオを設定し、それぞれ、既存炉58基の運転と解体による廃棄物発生量の予測が示されている。なお、既存炉をリプレースした新規炉から発生する廃棄物量は予測に含められていない。

  • シナリオ1:既存炉を50~60年間運転した後に、欧州加圧水型原子炉(EPR)、さらには高速炉(FR)によってリプレースしていく。使用済燃料は全量再処理し、分離した核物質をMOX燃料として既存炉とEPRで再利用し、さらに高速炉においてマルチリサイクルを実施する。 
  • シナリオ2:既存炉を50~60年間運転した後に、EPRによってリプレースする。高速炉は導入しない。使用済のウラン燃料は全量再処理し、分離した核物質をMOX燃料として既存炉とEPRで再利用する。 
  • シナリオ3:既存炉は40年間、フラマンヴィル3号機(EPR)は60年間運転した後に閉鎖し、リプレースは行わない。使用済みのウラン燃料のみを再処理し、分離した核物質のMOX燃料としての再利用は、既にMOX燃料の装荷許可を受けている既存炉のみに限定し、その後中止する。使用済のMOX燃料や回収ウラン燃料は再処理しない。 

これら3つのシナリオにおける、地層処分対象となる放射性廃棄物の発生量の予測は以下の表のとおりである。シナリオ2と3では、使用済燃料を直接処分する必要性が生じるほか、高速炉を導入しないことにより、ウラン濃縮によってU-235が減損した劣化ウランが長寿命低レベル放射性廃棄物として、それぞれ470,000tHM及び400,000tHM発生するとしている。

 

シナリオ1 シナリオ2 シナリオ3

原子力発電

既設炉(PWR)

50~60年

50~60年

40年

EPRによるリプレース

実施

実施

1基のみ

高速炉

導入あり

導入なし

導入なし

再処理

ウラン燃料

全量

全量

限定

MOX燃料

全量

高レベル放射性廃棄物

使用済のウラン燃料

3,700tHM

25,000tHM

使用済の
MOX燃料、FR燃料

5,400tHM

3,300tHM

ガラス固化体

12,000m3

9,400m3

4,200m3

長寿命中レベル放射性廃棄物

72,000m3

70,000m3

61,000m3

【出典】

フランスにおいて放射性廃棄物等の管理計画に関する研究・調査の進捗状況を評価する国家評価委員会(CNE)は、第12回評価報告書を2018年6月21日に議会科学技術選択評価委員会(OPECST)に提出し、CNEウェブサイトで公表した。CNEは、2006年の放射性廃棄物等管理計画法の規定に基づいて、放射性廃棄物等の管理に関する取組や調査研究等の進捗状況について毎年評価を行い、評価結果を報告書に取りまとめて議会に提出することになっている。第1回評価報告書は2007年6月に取りまとめられている

CNEは、放射性廃棄物管理機関(ANDRA)による高レベル放射性廃棄物及び長寿命中レベル放射性廃棄物の地層処分プロジェクトの他、長寿命低レベル放射性廃棄物や極低レベル放射性廃棄物の管理研究について、以下のような見解を示している。

  • 放射性廃棄物管理機関(ANDRA)は、地層処分場の設計を単純化し、掘削機械を活用した、より安全な工法を採用することによってコストを削減する方向で設計を進めている。ANDRAは地層処分プロジェクトのコスト試算をアップデートしたが、不確実性やリスクがコストに与える影響を明示すべきである。
  • ANDRAは、密閉構造物(プラグ)の性能についてより適切に評価し、閉鎖後の処分場の過渡的挙動を明らかにする研究を継続しているが、供用期間を通じた地層処分場の挙動のシミュレーションについては、サイトのパラメータの空間的分布の影響について詳細化しなければならない。なお、カロボ・オックスフォーディアン粘土層の境界部における放射性核種の長期的な移行について想定するための研究は十分である。
  • ビチューメン(アスファルト)固化体に関しては、長寿命中レベル放射性廃棄物の処分坑道における火災発生の可能性や、火災が発生した場合に、処分坑道全体への火災拡大に関する研究が実施されている1 。これまで得られた知見について多様な角度からの解釈が行われており、さらに補完的な研究も実施されている。この問題に関してCNEは、国際的な検証が行われるべきであるとの立場であり、2018年3月に地層処分プロジェクトに関する高レベル委員会(CHN)が設置を発表した、国際専門委員会による検討状況を注視する方針である。
  • ANDRAは、地層処分場開発計画を進めるのに十分な知見を蓄積してきている。政府は、廃棄物の貯蔵などの短期的方策を優先することのリスクを十分に認識し、全ての関係者を関与させて、ANDRAが2019年に設置許可申請書を提出できるように取り組むべきである。
  • 原子力施設の廃止措置等に伴って発生する長寿命低レベル放射性廃棄物に関しては、処分場がいまだ決定していないため、ANDRAと廃棄物発生責任者が緊密に連携し、これらの廃棄物の特性を踏まえた管理戦略を原子力安全機関(ASN)に提案すべきである。
  • 原子力施設の廃止措置に伴い、多量に発生する極低レベル放射性廃棄物については、現在の処分場の処分容量が2030年には飽和すると予測されている。それらの再利用を行うためには、クリアランス制度2 の制定に関する法改正が必要である。この問題については結論に至っていないが、問題解決のための政策は、廃棄物の有害性に関する研究と社会的な期待に基づくものとすべきである。

なお、CNEは第12回評価報告書において、フランスの原子力・燃料サイクル政策が不透明であることの問題を指摘し、フランスが取りうる戦略オプションは以下の3つであるとしている。

  • 中長期的に高速炉開発も含めて原子力発電利用を継続するオプション
  • 高速炉開発を想定せずに原子力発電利用を継続するオプション
  • 運転寿命を迎える既存炉のリプレースも増設も行わずに原子力発電から撤退するオプション

CNEは、選択するオプションによって、放射性廃棄物の発生量、さらには地層処分場の設計にも影響が及ぶことから、現在実施されている多年度エネルギー計画(PPE)の見直しに関する公開討論会の終了後に3 、政府が原子力・燃料サイクル政策に関する中長期的な戦略を明示することを勧告している。ただし、CNEは、どのようなオプションを選ぶとしても、既に発生した放射性廃棄物の量と既に得られた技術的知見に鑑み、地層処分場の設置に向けた手続きを遅延させるべきではないとしている。

【出典】


  1. 原子力安全機関(ASN)は2018年1月に公表した地層処分場の安全オプション意見請求書に関する見解書において、ビチューメン固化体の特性を廃棄物発生者が速やかに明確化したうえで、処分坑道における火災を想定した対策に関する研究を実施するようANDRAに要請している []
  2. 放射性廃棄物のうち、放射性物質の放射能濃度が低く、健康への影響がほとんどないものについて、普通の廃棄物として再利用又は処分できる制度 []
  3. 2015年8月に制定されたエネルギー転換法に基づき、フランス政府は、エネルギー供給保証、エネルギー効率、再生可能エネルギー利用促進、エネルギー価格の競争力維持等の観点から、連続する2期間(各5年)を対象としてPPEを策定する。PPEは第1期間の終了時点で見直されるが、第1次PPEは2018年が見直し時期にあたっており、3~6月末までの予定で公開討論会が実施されている。 []

フランスのエネルギー政策を所管する環境連帯移行省(Ministère de la Transition écologique et solidaire)は2018年3月7日に、地層処分プロジェクトに関する透明性強化の方針を公表した。今回の透明性強化の方針は、同日開催された、ルコルニュ環境連帯移行大臣付副大臣が座長を務める地層処分プロジェクトに関する高レベル委員会(CHN)1 において、「一般公衆との協議の実施」及び「地域経済開発計画と財源確保」についての措置を決定したものである。

一般公衆との協議の実施

  • 透明性を確保した全国規模での対話を行うため、政府は近日中に、2019~2021年を対象とする「放射性物質及び放射性廃棄物の管理に関する国家計画」(PNGMDR)に関する公開討論会2 の実施を国家討論委員会(CNDP)に付託する。公開討論会は2018年末に実施される予定であり、地層処分プロジェクトに限らず、放射性廃棄物に関する広範な問題を討論テーマとする。
  • 意思決定の根拠となる情報を一般公衆に開かれたものとするため、政府は以下の措置を講じる。
    • 政府、原子力安全機関(ASN)、放射線防護・原子力安全研究所(IRSN)の主導で、地層処分計画に関するオンラインの情報センターを設置する。情報センターには、プロジェクトを推進する研究だけでなく、計画に対する反対意見も集められる。また、一般公衆は質問等を投稿できる。
    • 地層処分プロジェクトの実施主体である放射性廃棄物管理機関(ANDRA)は、許認可申請に先立ち、政府による公益事業宣言(DUP)3 を受ける必要がある。ANDRAが政府に対してDUPの申請書を提出するまでの間、ユロ環境連帯移行大臣及びルコルニュ環境連帯移行大臣付副大臣は、3カ月に1度のペースで「専門家と市民社会」の対話フォーラムを開催する。同フォーラムには、議会科学技術選択評価局(OPECST)の議員、労働組合、NGO、有識者が参加する。なお、地層処分プロジェクトに関するDUPの申請は2018年中に予定されている。
    • 政府及び原子力安全機関(ASN)の指示の下、ビチューメン(アスファルト)固化体4に関する国際専門委員会を2018年中に設置する。なお、地層処分プロジェクトに関連するその他の科学的議論を行うため、別に同様な委員会を設置する可能性がある。
    • 国家討論委員会(CNDP)は、放射性廃棄物管理機関(ANDRA)の要請を受け、地層処分場プロジェクトに関する情報提供及び公衆参加を監督する2名の保証人(garants)を既に任命している
  • 地層処分プロジェクトを地域に根付かせるために、政府は、地層処分プロジェクトに関する高レベル委員会(CHN)の開催頻度を年2回に増やす。1回はパリの環境連帯移行省で、1回はムーズ県またはオート=マルヌ県の県庁で交互に開催する。また、2018年夏までに、フィンランド、ドイツ等の国外における放射性廃棄物の処分に関する調査ミッションを実施し、その結果を公開する。同ミッションには、ルコルニュ環境連帯移行大臣付副大臣、国会議員、地方議員及び専門家が参加する。

地域経済開発計画と財源確保

地層処分場の立地に必要なインフラ整備プロジェクトや経済支援に関する地方自治体と政府との間の協定について、2018年末までに内容を最終化する。この協定では、地域の経済発展を特に優先しながら、プロジェクトの優先順位付け行い、現実的な資金調達計画を策定することを目指す。

なお、政府は2019年度予算法の審議に向けて、地層処分場プロジェクトに関して徴収される税金の立地地域での分配について検討する作業部会を設置する。また、道路インフラの刷新に関する作業グループも設置する方針である。

 

【出典】


  1. 政府の代表、放射性廃棄物管理機関(ANDRA)、廃棄物発生者であるフランス電力株式会社(EDF)、Orano社(旧AREVA社)、原子力・代替エネルギー庁(CEA)、地元議員が参加し、地層処分場の立地が予定されているムーズ県及びオート・マルヌ県の地域経済開発プロジェクトについて協議する委員会である。 []
  2. フランスでは、環境法典に基づき、環境に多大な影響を及ぼす大規模公共事業や政策決定を行う際には、公開討論会の開催が義務付けられている。2013年には、放射性廃棄物管理機関(ANDRA)の地層処分場の設置許可申請に先立って、国民からの意見収集を行うための公開討論会が開催されている。 []
  3. 公益事業宣言(DPU)は、公用収用法典に基づいて、公共目的で行う開発のために私有地を収用する際の行政手続きである。当該開発プロジェクトを実施する事業者からの申請を受けて、公開ヒアリングを実施したうえで、政府が公益事業宣言を発出する。 []
  4. 原子力安全機関(ASN)は2018年1月に公表した地層処分場の安全オプション意見請求書に関する見解書において、ビチューメン固化体の特性を廃棄物発生者が速やかに明確化したうえで、処分坑道における火災を想定した対策に関する研究を実施するよう放射性廃棄物管理機関(ANDRA)に要請している 。 []

フランスの原子力安全機関(ASN)は2018年1月15日に、放射性廃棄物管理機関(ANDRA)が2016年4月にASNへ提出していた地層処分場の「安全オプション意見請求書」1 に関する見解書を公表した。ASNは、2016年11月の国際レビューチームの見解及び2017年5月の放射線防護・原子力安全研究所(IRSN)の見解、2017年8月1日~9月15日までの意見募集を踏まえ、今回の見解を取りまとめている。

今回公表されたASNの見解書は、2017年8月の意見募集時に付された見解書案と大きな違いは見られず、ANDRAの地層処分プロジェクトが、安全オプション意見請求書の段階としては技術的に十分に高いレベルに達しており、過去にANDRAが提出したプロジェクトの進捗報告書に比べて、大きな進展が見られたと評価している。一方でASNは以下のような課題を指摘している。

廃棄物インベントリについて

ANDRAが安全オプション意見請求書で示した廃棄物インベントリについて、2019年に予定されている地層処分場の設置許可申請においては、将来における燃料サイクル政策やエネルギー政策の変化に伴う不確実性を考慮した予備的なインベントリも提出すべきである。

地層処分場の設計変更の可能性について

  • 地層処分場の閉じ込め機能を強化するため、放射性廃棄物の処分エリアと地上へ通じる坑道の位置関係等の設計を検討する必要がある。設置許可申請において採用される設計については、長期にわたる操業期間中の原子力安全や放射線防護を考慮し、異なるオプションの長所と短所に関する研究成果を提示して妥当性を立証しなければならない。
  • 操業中から閉鎖後に至るまで、地層処分場において想定される自然災害リスク(特に、地震)のレベル及びそのリスクに関係する機器や構造物の要件や挙動の解析方法を設置許可申請書に記載し、設計の妥当性を立証する必要がある。
  • 設置許可申請書の作成に際しては、廃棄物に影響を与える程度の火災が地上施設において発生することを想定する必要がある。
  • 安全オプション意見請求書においては、処分場の操業中及び閉鎖後の安全性に関わるモニタリングに関する情報が限定的である。設置許可申請書においては、地層処分場のモニタリング戦略とその実施方法を記載し、妥当性を立証する必要がある。
  • 設置許可申請書における地層処分場の設計に関する記載内容に関して、想定した事故の発生後における処分場の機能回復など、長期にわたる地層処分場の操業の安全上の課題を提示し、以下のような点を考慮していることを説明する必要がある。
  • 地層処分場の操業を継続できること
  • 事故により影響を受けた廃棄物を回収できること
  • 地層処分場の閉鎖作業を実施できること

ビチューメン(アスファルト)固化体について

ビチューメン固化体の特性を廃棄物発生者が速やかに明確化したうえで、処分坑道における火災を想定した対策として、以下の研究を実施すべきである。

1.ビチューメン固化体の発熱反応を抑えるための研究を優先的に実施すべきである。

2.上記の研究と並行して、ビチューメン固化体の発熱反応が過剰に進行する恐れを排除できるよう、地層処分場の設計変更を意図した研究も実施すべきである2

 

ASNの見解書の公表を受けたANDRAのコメント

安全オプション意見請求書に対するASNの見解書の公表を受けて、ANDRAは2018年1月15日に、地層処分場に関する安全オプション意見請求書に対する見解の総括を文書として公表した。ANDRAは、今回公表されたASNの見解書は概ね肯定的なものであったとした上で、ASNの見解を今後の研究等の方向性を示すものと位置づけ、2019年に予定されている地層処分場の設置許可申請に向けて、以下のような研究を進めるとしている。

  • 地層処分場において想定される自然災害のリスク・レベルの特定のための条件設定の詳細化
  • 詳細なモニタリング計画の提示に向けたモニタリング戦略のさらなる検討
  • ビチューメン固化体の火災リスクを管理できるような設計オプションの検討

 

【出典】


  1. 原子力基本施設及び原子力安全・放射性物質輸送管理に関する2007年11月2日のデクレ(2007-1557)の第6条に基づいて、事業者(ANDRA)は、処分施設の安全を確保するために採用したオプションの全部または一部に対する見解を原子力安全機関(ASN)に請求することができる []
  2. ビチューメン固化体に関する2番目の意見は、当初2017年8月に公表されたASNの見解書案には含まれていなかったが、今回の最終的な見解書において追加されたものである。 []

フランスの国家評価委員会(CNE)は、2017年11月23日に、放射性廃棄物等の管理計画に関する研究・調査の進捗状況を評価した第11回評価報告書を議会科学技術選択評価委員会(OPECST)に提出し、CNEウェブサイトで公表した。CNEは2006年の放射性廃棄物等管理計画法に基づいて、放射性廃棄物等管理に関する取組や調査研究等の進捗状況について毎年評価を行い、評価結果を報告書に取りまとめて議会に提出することになっている。第1回評価報告書は2007年6月に取りまとめられている

CNEの第11回評価報告書では、放射性廃棄物管理機関(ANDRA)による高レベル放射性廃棄物及び長寿命中レベル放射性廃棄物の地層処分プロジェクトの他、特に、ビチューメン(アスファルト)固化体や極低レベル放射性廃棄物の管理研究について、以下のような見解が示されている。

高レベル放射性廃棄物及び長寿命中レベル放射性廃棄物の地層処分プロジェクト

  • 地層処分場とその操業の複雑さを考慮して、CNEは、ANDRAがインタラクティブな3次元デジタルモデルを作成し、作業員の育成等に活用するよう勧告する。
  • 地層処分プロジェクトはパイロット操業フェーズから開始されるが、この段階において、将来設置する様々なプラグ1 の適性を確認すべきである。
  • 高レベル放射性廃棄物の処分区画での廃棄物の定置作業が終了するまで、廃棄物を定置した処分孔を開放したままにしておくことは望ましくない。操業期間中、廃棄物の定置作業が完了した処分孔を段階的に隔離していくためにプラグを設置し、地質媒体による受動的安全性を確保できるようにすべきである。また、これらの処分孔を継続的にモニタリングすべきである。
  • 地層処分場の設置許可申請後に、地層処分事業に係る新たなコスト評価を行わなければならない2 。特に、パイロット操業フェーズのコストを詳細化すべきである。資金需要が長期にわたることを考慮して、試算には資金調達コストも含めなければならない。
  • 2016年の「長寿命高・中レベル放射性廃棄物の可逆性のある深地層処分施設の設置方法を明確にした法律」に基づき、CNEは、地層処分プロジェクトの進捗を透明性のある方法で監督する機関の設置を提言する。当該機関は、ANDRAが策定する地層処分プロジェクトの「操業基本計画」の進捗を毎年レビューする。

放射性廃棄物の管理研究

  • ビチューメン(アスファルト)固化体の処分について、原子力・代替エネルギー庁(CEA)が研究結果を提示しているが、火災発生の可能性、さらに火災が処分区域全体に広がる可能性をさらに検証する必要がある。CNEは、本問題に関する試験を継続するよう勧告する。
  • 極低レベル放射性廃棄物の発生量は膨大であるが、ANDRAはその半分はより簡略化された処分場において処分可能と考えている。CNEは、原子力産業からの廃棄物であるか否かに関わらず、廃棄物の毒性に基づいて管理政策を決定すべきであると考える。本問題に関して、フランスでは現在、クリアランス制度3 が導入されていないが、欧州レベルあるいは国際レベルでの協調的な行動が取られることが望ましいと考えられる。CNEは、クリアランス制度の導入に関するフランスとしての詳細な検討を行うよう、改めて勧告する。

 

【出典】


  1. 坑道や処分孔に設置し密閉する構造物 []
  2. ANDRAは2014年にコスト評価書を取りまとめている []
  3. 放射性廃棄物のうち、放射性物質の放射能濃度が低く、人の健康への影響がほとんどないものについて、普通の廃棄物として再利用又は処分できる制度 []

フランスの国家討論委員会(CNDP)は2017年11月8日のプレスリリースにおいて、放射性廃棄物管理機関(ANDRA)の要請を受けて、地層処分場プロジェクトに関する情報提供及び公衆参加を監督する2名の保証人(garants)を任命したことを公表した。本保証人は、毎年、ANDRAの取組状況を評価し、地層処分場の設置許可発給に先立って実施される公開ヒアリングに向けて、最終報告書を提出する役割を担う。

■地層処分場の設置許可発給前に開催される公開ヒアリング

フランスでは地層処分事業への市民の意見の反映のため、設置許可申請前の公開討論会と、設置許可発給前の公開ヒアリングの実施が義務付けられている。このうち、公開討論会(débat public)については、ANDRAが国家討論委員会(CNDP)1 に付託して、2013年5月から12月にかけて既に開催されている。ANDRAは公開討論会の結果を踏まえ、2014年5月にプロジェクトの継続に関する方針を示している

ANDRAは今後、2019年に地層処分場の設置許可申請を行う予定であり、環境法典に基づく公開ヒアリング(enquête publique)への対応準備を進めている。公開ヒアリングは、環境に影響を与える可能性のある決定を行う際に公衆への情報提供及び参加を確保し、第三者の利益を考慮することを目的としている。公開ヒアリングは、県地方長官(県における国の出先機関)が主導して行われることになっており、地層処分場の境界から5kmの範囲に含まれるコミューン(我が国の市町村に相当)が対象となる。このプロセスによって、県議会及びコミューン議会の意見が県地方長官に提出されるため、公開ヒアリングは地方自治体の意見が地層処分事業に反映される機会と位置付けられる。

なお、ANDRAは、地層処分場プロジェクトに関する情報提供や地元との協議活動を継続しており、2014年から2016年までに行ったウェブサイトやセミナーを通じた情報提供、一般公衆向けの情報提供を行う場所・内容等に関する地元関係者からの意見聴取などを紹介した中間報告書を2017年11月6日に取りまとめている。

■国家討論委員会(CNDP)による保証人(garants)の任命

環境法典では、公開討論会から公開ヒアリングまでの間に、事業実施主体が行う情報提供や協議の取組を監督する保証人(garants)を国家討論委員会(CNDP)が任命できることが定められている。ANDRAは、地層処分場の設置は、国の原子力政策や放射性廃棄物管理政策に関わる重要なテーマであるとして、公開討論会の制度的枠組みを考慮して進めるべきであるとの考えから、2017年10月25日に、公開ヒアリングまでにANDRAが行う情報提供や公衆参加の取組を監督する保証人(garants)を任命するようCNDPに要請していた。

今回CNDPにより任命された保証人(garants)は、パリ市の事務局長を務めたピエール・ギノ=ドゥレリ氏、及びフランス北部のノール県のヴィルヌーヴ・ダスク市の首長を務めたジャン=ミシェル・スティヴナール氏である。CNDPは、地層処分場プロジェクトに関する適切な情報提供と公衆参加の複雑さを考慮して保証人(garants)を2名とするとともに、公開ヒアリングに提出される最終報告書の取りまとめに先立って、毎年の状況を中間報告書として作成することを決定した。

 

【出典】


  1. 国家討論委員会(CNDP)は、環境に多大な影響を及ぼす大規模公共事業や政策決定を行うにあたり、事業実施主体の付託を受けて公開討論会を開催する独立した行政委員会である。 []

フランスの原子力安全機関(ASN)は2017年8月1日に、放射性廃棄物管理機関(ANDRA)が2016年4月にASNへ提出していた地層処分場の「安全オプション意見請求書」1 に関する見解案を公表した。ASNは、2016年11月の国際レビューチームの見解及び2017年5月の放射線防護・原子力安全研究所(IRSN)の見解を踏まえ、今回の見解案を策定している。ASNは見解案について、9月15日まで意見を募集し、その結果を踏まえ、2017年10月に最終的な見解を出す予定である。

ASNは今回の見解案において、ANDRAが安全オプション意見請求書で示した廃棄物インベントリの特定方法について、十分なものであると評価しつつも、地層処分場の設置許可申請に際しては、将来における燃料サイクル政策やエネルギー政策の変化に伴う不確実性を考慮した予備的なインベントリを提出すべきとしている。

さらにASNは、ANDRAの地層処分プロジェクトに対し、安全オプション意見請求書の段階としては技術的に十分に高いレベルに達しており、過去にANDRAが提出したプロジェクトの進捗報告書に比べて、大きな進展が見られたと評価している。一方でASNは、以下のような問題点を指摘している。

ビチューメン(アスファルト)固化体について

処分坑道における火災を想定した対策として、ビチューメン(アスファルト)固化体の発熱反応を抑えるための研究を優先的に実施すべきである。ただし、これに先立って、ビチューメン固化体の特性を発生者が速やかに明確化することが不可欠である。

地層処分場の設計変更の可能性について

  • 地層処分場の閉じ込め機能を強化するため、放射性廃棄物の処分エリアと地上への坑道の位置関係等の設計を検討する必要がある。設置許可申請において採用される設計については、長期にわたる操業期間中の原子力安全や放射線防護を考慮し、異なるオプションの長所と短所に関する研究成果を提示して妥当性を立証しなければならない。
  • 操業中から閉鎖後に至るまで、地層処分場において想定される自然災害(特に、地震)のリスクのレベル及びそのリスクにさらされる機器や構造物の要件や挙動の解析方法を設置許可申請書に記載し、その妥当性を立証する必要がある。
  • 設置許可申請書の作成に際しては、廃棄体の内容物に影響を与えるほどの火災が地上施設において発生することを想定する必要がある。
  • 安全オプション意見請求書においては、処分場の操業中及び閉鎖後の安全性に関わるモニタリングに関する情報が限定的である。設置許可申請書においては、地層処分場のモニタリング戦略とその実施方法を記載し、妥当性を立証する必要がある。
  • 設置許可申請書における地層処分場の設計に関する記載内容に関して、想定される事故の発生後における処分機能の回復等、長期にわたる地層処分場の操業の安全上の課題を提示し、以下のような点を考慮していることを説明する必要がある。
    ・地層処分場の操業を継続できること
    ・事故により影響を受けた廃棄物を回収できること
    ・地層処分場の閉鎖作業を実施できること

 

【出典】


  1. 原子力基本施設及び原子力安全・放射性物質輸送管理に関する2007年11月2日のデクレ(2007-1557)の第6条に基づいて、事業者(ANDRA)は、処分施設の安全を確保するために採用したオプションの全部または一部に対する見解を原子力安全機関(ASN)に請求することができる []

フランスの放射性廃棄物管理機関(ANDRA)は、2017年7月18日付けのプレスリリースにおいて、地層処分場の設置許可申請書の提出が2019年半ばの見込みであることを公表した。これまでANDRAは、2016年7月に制定された「長寿命高・中レベル放射性廃棄物の可逆性のある深地層処分施設の設置方法を明確にした2016年7月25日付法律」に基づいて、設置許可申請を2018年中に行う方針であった。ANDRAは設置許可申請時期の先送りについて、安全要件を満たしつつ大幅なコスト削減を実現するための最適化や変動要因へ対処するためであり、計画変更以外の部分では、地元自治体や住民との協議など含め、プロジェクトは順調に進捗しているとしている。

今回のプレスリリースにおいてANDRAは、放射線防護・原子力安全研究所(IRSN)から指摘を受けていた処分坑道での火災時の安全確保への対応について、2016~2018年を対象とした「放射性物質及び放射性廃棄物の管理に関する国家計画」(PNGMDR)に基づいて、補完的な安全性の実証に既に着手しており、IRSNの指摘にも対応できると説明している。ANDRAは2016年4月に地層処分場の「安全オプション意見請求書」1 を原子力安全機関(ASN)に提出しており、ASNの要請により評価を行った放射線防護・原子力安全研究所(IRSN)は、2017年7月に、地層処分場の安全確保について全体として肯定的な評価を示した一方で、ビチューメン(アスファルト)固化体について、処分坑道で火災が発生した場合の安全確保が不十分であることを指摘していた

また、今回のプレスリリースにおいてANDRAは、ムーズ県、オート=マルヌ県の両県にまたがるサイトにおける地層処分場の建設について、一部の反対運動が激化し、ANDRAの施設だけでなく、周辺の企業や住人等にも被害が及んでいることについて遺憾の意を表明している。ANDRAは2017年6月22日付のプレスリリースにおいて、周辺の企業や住人等に被害をもたらすような反対活動は許容しがたいとして、関係当局に被害状況を報告するとともに、周辺住民等に対する国の支援を要請するとしている。

 

 

【出典】


  1. 原子力基本施設及び原子力安全・放射性物質輸送管理に関する2007年11月2日のデクレ(2007-1557)の第6条に基づいて、事業者(ANDRA)は、処分施設の安全を確保するために採用したオプションの全部または一部に関する意見を原子力安全機関(ASN)に請求することができる []

フランスの原子力安全機関(ASN)は2017年2月27日に、2016~2018年を対象とした「放射性物質及び放射性廃棄物の管理に関する国家計画」(PNGMDR)を公表した。PNGMDRは、フランスにおける全ての放射性廃棄物の管理の現状分析と管理方策の実現に向けた、研究開発を含む取組を取りまとめたものである。

PNGMDRは2006年の放射性廃棄物等管理計画法により、政府が3年ごとに策定・改定することが義務付けられているものである。初めてのPNGMDRは2007年に策定されており、今回のPNGMDRは第4版となる。現在、PNGMDRの取りまとめは、原子力安全機関(ASN)及び環境・エネルギー・海洋省のエネルギー・気候総局(DGEC)が担当しており、PNGMDR(第4版)は2015年に制定された環境に関する取組を強化する法律の制定に伴う関連法令改定を受け、初めて環境行政の観点からの評価を組み込んでおり、環境・エネルギー・海洋省の環境庁(AE)の見解も聴取された。

PNGMDR(第4版)は、以前の計画に沿って実施された放射性廃棄物の管理方法の改善・最適化に向けた取組みの成果と2015年に公表された廃棄物インベントリの内容に基づいて、廃棄物の管理方法ごとのアプローチ、特に、包括的な産業レベルでの処分計画の作成・見直しを強化するものである。また、PNGMDR(第4版)では、特に放射性廃棄物の最終処分の開始期限を決定するために必要となる、放射性廃棄物の中間貯蔵の能力や貯蔵設備に関する調査も要請している。さらに、極低レベル放射性廃棄物の発生量の予測を明確化する必要性や、一部の放射性物質を再利用する可能性の妥当性の証明を強化する必要性を改めて確認している。

PNGMDRにおいて計画された内容の実施は、デクレ(政令)及びアレテ(省令)によって規定されることになっており、2017年2月23日付のデクレ(政令)及び同デクレ(政令)の施行に関する2017年2月23日付のアレテ(省令)が同月25日付官報に公示された。

PNGMDR(第4版)に関する2017年2月23日のデクレ(政令)の規定では1、放射性廃棄物の管理・研究の基本的な枠組みを定めている。このうち、極低レベル放射性廃棄物、長寿命低レベル放射性廃棄物に関しては、包括的な産業レベルでの処分計画を放射性廃棄物管理機関(ANDRA)が策定することを規定している。また、高レベル及び長寿命中レベル放射性廃棄物については、原子力・代替エネルギー庁(CEA)が核種分離・変換の研究を、ANDRAが地層処分場の設置許可申請に向けて必要な研究及び貯蔵の研究をそれぞれ実施することを規定している。

なお、同デクレ(政令)の施行に係る2017年2月23日付アレテ(省令)では、長寿命低レベル放射性廃棄物の管理、高レベル及び長寿命中レベル放射性廃棄物の管理に関して、それぞれ以下のような具体的な内容が規定されている。

<長寿命低レベル放射性廃棄物の管理>

  • 放射性廃棄物管理機関(ANDRA)が2017年3月末までに、処分場の操業開始に向けた目標日程を提案する。
  • ANDRAが2018年6月末までに、処分場の安全要件と設計研究を原子力安全機関(ASN)に提出する。
  • ANDRAが2019年6月末までに、概念設計段階の技術オプションと安全オプションをASNに提出する。
  • ANDRAが2021年末までに、基本設計段階の安全オプション文書をASNに提出する。

<高レベル及び長寿命中レベル放射性廃棄物の管理>

  • 放射性廃棄物の発生者であるフランス電力株式会社(EDF社)、AREVA社及び原子力・代替エネルギー庁(CEA)は2017年末までに、その時点までに調整された放射性廃棄物の廃棄体の地層処分場への受け入れ可能性について、ANDRAが提出した予備的な受け入れ仕様と比較して分析を実施する。ANDRAの仕様との乖離が明らかになった場合、事業者とANDRAが技術的協議を行う。
  • CEAは2015年までに発生した長寿命中レベル放射性廃棄物の特性評価と調整に関する研究を継続し、2017年6月末までに、今後の研究計画を政府に提出する。
  • CEAはANDRAと協力し、ビチューメン(アスファルト)廃棄物の挙動に関する研究を継続する。CEAは2017年6月末までに、研究結果に関する報告書を政府に提出し、ANDRAはこの研究結果について、ビチューメン廃棄物を地層処分場に受け入れた際の条件への影響について分析し、報告書を2018年6月末までに政府に提出する。
  • EDF社、CEA及びAREVA社は2017年6月末までに、今後少なくとも20年にわたる期間について、全ての高レベル及び長寿命中レベル放射性廃棄物の中間貯蔵の必要性を提示する。

 

【出典】


  1. 同デクレは、環境法典の規則の部において放射性廃棄物管理に関する規則を定める第5巻第4編第2章に第1節~第8節(第R542-1~R542-73条)の後に、PNGMDRに関する新たな節として第9節を追加する内容となっている。 []