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カナダ

カナダにおける核燃料廃棄物管理の実施主体である核燃料廃棄物管理機関(NWMO)は、2005年5月24日、「進むべき道の選択-ドラフト」と題する報告書を公表した。NWMOは、この報告書の中で、使用済燃料の長期管理方法に関して、「適応性のある段階的管理」(Adaptive Phased Management)と呼ばれる3つの段階を含む方法で地層処分を行うことを提案している。なお、NWMOは、核燃料廃棄物法に基づき、2005年11月に政府に対して使用済燃料の長期管理アプローチを勧告するための最終報告書を提出することとなっており、今回の報告書は、この最終報告書のドラフトである。

報告書と共に公表されたNWMO理事長のメッセージによると、適応性のある段階的管理は、技術的手法及び管理システムの2つの要素から構成されており、核燃料廃棄物法に規定されている3つの使用済燃料管理アプローチ(地層処分、サイト貯蔵、集中貯蔵)の利点を組み合わせたもので4番目のオプションである としている。

NWMOによる今回のニュースリリースによると、適応性のある段階的管理における技術的手法は、使用済燃料を集中的に深い地層中の適切な岩盤内に隔離することであるとしている。適切な岩盤に関してはカナダ楯状地の結晶質岩もしくは、その他の堆積岩を想定していることが示されている。使用済燃料の処分は、3つの段階を経て実現される予定であり、最終的に処分場が閉鎖されるまでに300年以上かかることを想定しており、その間、使用済燃料は監視され回収可能とするとしている。管理システムの重要な特徴は、それぞれの段階で管理オプションが検討され、処分の過程を前進、中断もしくは逆戻りするかどうかについて、関心を持つ市民および影響を受ける市民が意思決定に参加することができるとしている。NWMOが示している3つの段階の典型例を以下に示す。

・第1段階 約30年間の準備期間であり、使用済燃料は原子力発電所サイトに安全に管理される。この間に関心のある市民と協力しつつ、集中中間貯蔵施設のサイト選定および地層処分場のための技術を確認する等を目的とした地下研究所の建設を行う。また、浅地中中間貯蔵施設を建設するか否かの決定も行う。
・第2段階 約30年の期間で、使用済燃料が集中中間貯蔵施設へと移される。また、使用済燃料管理に関する研究及び実証が継続して行われる。
・第3段階 2060年頃から始まる最終段階で、使用済燃料が処分場に定置される。また、将来の世代が、処分場を閉鎖するのか、いつ閉鎖するのか、また、閉鎖後の監視について決定を行う。

同ニュースリリースによると、今回の報告書により示された提案は、技術者や15,000人以上の関心ある市民との対話から得られた、社会的に受け入れ可能で、環境面で責任を持ち、技術的に妥当で経済的に実現可能な廃棄物管理アプローチに必要とされる原則等を参考に策定されたとしている。また、今回の管理方法に関する提案に関して、2005年11月の最終報告書提出までに更に対話が行われることも示されている。

また、同ニュースリリースによるとNWMOは、集中中間貯蔵施設を設置する地域については、主に、現在原子力から恩恵を受けているサスカチュワン州、オンタリオ州、ケベック州およびニューブランズウィック州でサイト選定を行う意向を示している。また、この適応性のある段階的管理が政府によって選ばれた場合、実現のためには244億ドルの費用が必要であることが示されている。

【出典】

  • 核燃料廃棄物管理機関(NWMO)2005年5月24日付けニュースリリース http://www.nwmo.ca/Default.aspx?DN=1238,50,19,1,Documents
  • 核燃料廃棄物管理機関(NWMO) 理事長のメッセージ http://www.nwmo.ca/adx/asp/adxGetMedia.asp?DocID=1224,1026,20,1,Documents&MediaID=2409&Filename=Choosing+a+Way+Forward.pdf

低・中レベル放射性廃棄物の地層処分場の概念図(OPG社提供)courtesy Ontario Power Generation

カナダ、オンタリオ・パワー・ジェネレーション(OPG)社の10月15日付けニュースリリースにおいて、OPG社と同社のブルース原子力発電所があるオンタリオ州キンカーディン自治体は、低・中レベル放射性廃棄物の長期管理のための立地協定を締結したことを公表した。

OPG社はオンタリオ州内に3ヶ所の原子力発電所(原子炉計20基)を所有しており、これらの原子力発電所で発生した低・中レベル放射性廃棄物は、ブルース原子力発電所内のウェスタン廃棄物管理施設(WWMF)で貯蔵されている。OPG社は、低・中レベル放射性廃棄物の地層処分場をブルース発電所サイトにおいて建設することを検討しており、住民の賛同が得られた場合、この立地協定は処分場建設承認を支援するものとなる。

OPG社ウェブサイトの情報によると、今回の立地協定の主な点は以下の通りである。

  • OPG社は、キンカーディン自治体の支援の下、規制機関等からの地層処分場建設許可を求める。
  • 同自治体および周辺自治体は、一時金および毎年の金額として合計3,500万カナダドルの支援を受ける。
  • OPG社所有の原子力発電所について、2035年までの運転に伴い発生する低・中レベル放射性廃棄物と、原子炉解体に伴い発生する廃棄物との合計約20万m3を受け入れる。
  • 同自治体は新たにオンタリオ州に建設される原子炉からの低・中レベル放射性廃棄物のための処分場拡張の交渉に応ずる。
  • 使用済燃料は現在同自治体に提案されている処分場には処分しない。
  • OPG社は、廃棄物管理施設での新たな雇用の提供、資産価値の保全を行う。
  • OPG社と同自治体は、原子力に関する中核的研究拠点の構想、専門学校および海外視察をサポートする。
  • 規制機関から建設許可を得る前に、同自治体は、地元住民が地層処分オプションに関する自治体議会の決定を支持するかどうか住民と協議を行う。

OPG社ウェブサイトの情報によるこれまでのOPG社と同自治体との間での低・中レベル放射性廃棄物の長期管理に関する動きを以下に示す。

  • 2002年、OPG社とキンカーディン自治体は、ブルース原子力発電所内での低・中レベル放射性廃棄物の長期管理計画を策定するための覚書を締結。
  • OPG社とキンカーディン自治体は、第三者機関に対し、低・中レベル放射性廃棄物管理に関する以下の3つのオプションについて、技術的な実現可能性、安全性、環境および社会経済的影響などの調査・評価を委託。
    • 高減容化処理・建屋内貯蔵
    • 地表コンクリート・ピット
    • 深地層処分
  • 2004年2月、いずれのオプションも実現可能であるという評価結果が公表され、その後、同自治体議会が、地層処分が好ましい低・中レベル放射性廃棄物管理方法であるとして検討していくことを決議。
  • 2004年4月、同自治体とOPG社は立地協定の内容についての交渉を開始し、同年10月13日、立地協定を締結。

ニュースリリースによると、地層処分場の設置にはパブリックコメントを含む環境アセスメントが必要であり、またOPG社はカナダ原子力安全委員会(CNSC)から処分場の建設および操業許可を得る必要がある。

また、OPG社ウェブサイトの情報によると、今後2005年1月に、第三者機関による低・中レベル放射性廃棄物地層処分場の建設を支持するかどうかの地元住民の意識調査が行われる。住民の支持が得られた場合には、OPG社は規制機関からの許認可を得るためのプロセスを開始し、順調にプロセスが進むと、2013年に処分場建設許可取得、2017年に処分場操業許可を得る予定である。

【出典】

  • オンタリオ・パワー・ジェネレーション(OPG)社 2004年10月15日付ニュースリリース http://www.opg.com/info/news/NewsOct15_04.asp
  • オンタリオ・パワー・ジェネレーション(OPG)社ウェブサイト 2004年11月4日
    http://www.opg.com/ops/NwasteIAS1.asp
    http://www.opg.com/ops/NwasteIAS4.asp
    http://www.opg.com/ops/NwasteIAS10.asp
  • 放射性廃棄物等安全条約に基づくカナダ国別報告書(第1回) Canadian National Report for the Joint Convention on the Safety of Spent Fuel Management and on the Safety of Radioactive Waste Management, CNSC 2003

カナダにおける核燃料廃棄物管理の実施主体である核燃料廃棄物管理機関(NWMO)は、2004年9月15日、「選択肢についての理解 カナダの使用済燃料の長期管理」と題する報告書を公表した。この報告書は使用済燃料の長期管理方法の決定に向けた公衆との議論を行うための第2回目の報告書で、第1回目の報告書「適切な問題を設定しているか?」は、2003年11月に公表されている。NWMOのニュースリリースによると、この第2回報告書では、国民の価値観、倫理的考察や技術面での専門家のアドバイスに基づいた枠組みが示されており、以下の4つの点を示すことによって、将来カナダがどのように使用済燃料を管理すべきかについての対話を進めるとしている。

  • NWMOが国民や専門家から学んだことの報告
  • 現在検討されている使用済燃料管理アプローチの記述
  • 管理アプローチを評価する枠組みがどのように構築されてきたかの記述
  • 議論のための管理アプローチの予備的な評価の提示

また、NWMOが国民や専門家から学んだこととして、全国で開催した対話集会から得た国民の価値観等や第1回報告書に対する意見やアドバイス等が示されるとともに、現在検討されているサイト貯蔵、集中貯蔵、地層処分の3つのアプローチに関する詳細記述及び予備的な評価がなされ、それぞれの利点、欠点が述べられている。なお上記以外のアプローチに関しては、評価の対象外としているが、ある程度、国際的に関心を集めているアプローチ、特に核種分離・変換技術や国際共同処分場に関しては、引き続き注意を払うことが述べられている。

本報告書では、NWMOの今後の活動として、検討中の管理アプローチそれぞれの経済面での評価を含めた特徴、カナダ楯状地以外の地層での処分、また管理すべき廃棄物のタイプや量及び再利用の可能性を検討していくとともに、管理アプローチの実施計画の策定も始め、これらの作業が終了し、本報告書についての意見を得た後、最終報告書の草案作成に着手する予定となっている。NWMOは、この草案を公表することにより、最終報告書作成以前に国民の意見等を得ることを望んでいるとしている。

NWMOのウェブサイトでは、NWMOが国民の意見等に今後も継続的に耳を傾けていくことが重要であるとし、本報告書を通して、幅広く意見等を募っており、特にNWMOが提案する管理アプローチを比較するための方法やそれぞれのアプローチの利点、欠点についての意見を求めている。

今後のスケジュールとしては、2005年初頭に、「進むべき道の選択-草案」という最終報告書の草案を第3回目の報告書として公表し、2005年11月15日に天然資源大臣に対して最終報告書を提出した後、最終的には、2006年に管理アプローチが決定される予定である。

【出典】

  • 核燃料廃棄物管理機関(NWMO)9月15日付けニュースリリース http://www.nwmo.ca/Default.aspx?DN=740,50,19,1,Documents
  • 核燃料廃棄物管理機関(NWMO)ウェブサイト 9月15日 http://www.nwmo.ca/Default.aspx?DN=164,163,159,18,1,Documents
  • Understanding the choices. The Future Management of Canada’s Used Nuclear Fuel, 2004, NWMO

カナダにおける核燃料廃棄物管理の実施主体である核燃料廃棄物管理機関(NWMO)は、2004年8月26日のニュースリリースで、使用済燃料の長期管理に対する市民の意見に関する調査プロジェクトの報告書を公表した。このプロジェクトは、全国12の都市で市民との対話集会を開催し、合計462人から得られた意見を分析したもので、研究機関であるカナダ政策研究ネットワーク(Canadian Policy Research Network, CPRN)と合同で行われたものである。

このニュースリリースにおいて、CPRNの理事長は、使用済燃料の長期管理に関する決定にあたり、以下に示す6つの価値観に従うべきであると市民が述べていることを伝えている。このうち最初の3つは、世代間で権利や責任がどのように分担されるべきかということに、また残りの3つはどのように決定がなされ、誰がその決定をするのかということに関連している。

・責任 自らの責任を果たし、自らが作り出した問題への対処
・順応性 新たな知識の発展、利用
・管理責任 資源を大切にし、将来の世代への健全な遺産を継承する義務
・説明責任と透明性 信頼の再構築
・知識 現在と将来において、より良い決定のための公共の財産
・参加 すべての人が果たすべき役割を持つこと

また使用済燃料の長期管理にあたり、市民は以下に示すようなことを要望している。

  • 自分たちの使用した電気を作るために発生した廃棄物に関して責任を持ち、現段階で行動すること
  • 将来の世代が新たな知識や技術に基づき、今日の決定に立ち戻ることができること
  • 使用済燃料の長期管理に関する決定に貢献するために必要な情報を適切に受け取れること
  • 情報が提供されているか、政府や企業が役割を果たしているかを監視する専門家や市民の代表からなる独立機関の設置すること

CPRNの理事長は、最も重要なことは市民がNWMOの行っているアプローチを承認し、将来の意思決定のモデルと考えているということであるとしている。

NWMOの理事長は、市民が明らかにしたこれらの価値観は、NWMOのこれからの活動に生かされ、使用済燃料の長期的管理方法の最終的な推薦に反映されるであろうと述べている。

なお、このプロジェクトの対話集会は、2004年1月24日および25日にオタワとモントリオールから始まり、3月27日まで全国各地で開催された。NWMOは、対話集会に先立って2003年11月に、市民との議論を行うために第一回目の報告書を発表している。また、2004年中には、議論のための第二回報告書を発表する予定である。

【出典】

  • 核燃料廃棄物管理機関(NWMO)ウェブサイト8月26日ニュースリリース http://www.nwmo.ca/Default.aspx?DN=716,50,19,1,Documents
  • カナダ政策研究ネットワーク(CPRN)ウェブサイト http://www.cprn.org/en/doc.cfm?doc=1050

カナダにおける核燃料廃棄物管理の実施を行う核燃料廃棄物管理機関(NWMO)は、2004年3月26日に、2003年の年報「対話から意思決定へ:核燃料廃棄物管理」を天然資源大臣に提出、公開した。この年報は、2002年11月に施行された「核燃料廃棄物の長期管理に関する法律」(略称:核燃料廃棄物法)における規定(第16条(1)および第26条(1))に基づくもので、設立後約3ヶ月で発行された第一回目の年報に引き続き、今回が二回目のものである。

この年報によると、2003年における公衆や様々な団体との対話活動として、円卓会議やワークショップの開催のほか、上半期に250回を超える非公式な対面形式の会合をもったこと、全国を対象に1900人規模の電話意識調査を実施したことが紹介されている。また、公衆との議論を進めるために計画された第一段の報告書「適切な問題設定をしているか? カナダの使用済燃料の長期管理」を11月28日に公表し、この報告書についての意見募集の活動を開始したことが示されている。

2004年の活動予定については、公衆との議論を進めるために計画された第二段の報告書「選択肢についての理解」の公表に向けて、核燃料廃棄物の様々な管理アプローチの評価に重点をおいた活動を行うとされている。管理アプローチの評価のために、NWMOは、社会問題、市民の関与、科学、原子力工学、環境保護、経済学、リスク評価などの分野に精通する人から構成される評価チームを結成したことが紹介されている。

年報によれば、NWMOは今後以下の報告書を作成する予定としている。

  1. 2004年中頃に、公衆との議論を進めるための第二段の報告書「選択肢についての理解」の発表
  2. 2005年初頭に、第三段の報告書「進むべき道の選択-草案」の発表
  3. 核燃料廃棄物法に基づき、核燃料廃棄物の管理アプローチの比較評価、実施計画、および最終的な勧告を含む報告書「進むべき道の選択」を2005年11月15日までに天然資源大臣に対して提出

カナダでは核燃料廃棄物管理の資金確保のために信託基金が設置されている。NWMOの2003年度の年報には以下のように、各原子力企業が核燃料廃棄物法に規定された2003年の拠出金を納付したことが示されている。(2002年における拠出金額は既報を参照)

オンタリオ・パワージェネレーション社 1億CAD(85億円)
ハイドロ=ケベック社 400万CAD(3.4億円)
ニューブランズウィック社 400万CAD(3.4億円)
カナダ原子力公社(AECL) 200万CAD(約1.7億円)

(CAD=カナダドル、1CAD=85円として換算)

なお、核燃料廃棄物法では、信託基金に拠出された資金は、最終的な核燃料廃棄物管理アプローチが決定された後、そのアプローチを実施する目的のためだけに引き出すことが可能であると規定されており、現在のNWMOの活動費用は、AECLを除くカナダの原子力企業が、その使用済燃料の保有量に基づいて負担している。

【出典】

  • 核燃料廃棄物管理機関(NWMO)ウェブサイト3月28日ニュースリリース http://www.nwmo.ca/default.htmx?DN=553,50,19,1,Documents
  • From Dialogue to Decision Managing Canada’s Nuclear Fuel Waste, 2004, NWMO
  • 核燃料廃棄物の長期管理に関する法律 (An act respecting the long-term management of nuclear fuel waste)

カナダにおける核燃料廃棄物管理の実施を行う核燃料廃棄物管理機関(NWMO)は、2004年1月22日、研究機関であるカナダ政策研究ネットワーク(Canadian Policy Research Network, CPRN)と合同で、使用済燃料の長期管理に対するカナダ国民の見解と期待について調査する研究プロジェクトを立ち上げたことをニュースリリースにて公表した。CPRNとNWMOは、2004年1月から3月にかけてカナダの12都市において全国対話集会を行うこととしている。ニュースリリースにおいて、各機関の理事長は以下のとおり述べている。

NWMO:使用済燃料の長期管理の問題は科学的または技術的な問題であると多くの人は考えているが、それらを超えた問題も含まれている。カナダは、最終的に、確かな科学に基づき、カナダの人々にとって社会的および倫理的に受入可能であり、カナダの人々の価値観を考慮した総合的な長期管理を採用しなければならない。

CPRN:重要な公共政策問題においては公衆の意見を考慮すべきである。このプロジェクトは、十分考慮された建設的な方法での使用済燃料の長期管理について事業に直接関係しない一般の人々に考えてもらい、また事業の進め方を決める上で何に価値を置くかについての意見を述べる機会を提供するものである。

また、ニュースリリースによると、「この研究プロジェクトは、1月24日および25日に、オタワとモントリオールでの対話集会の開催から始まり、引き続き3月27日までの週末に、ケベックシティー、サンダーベイ、ハリファックス、モントン、サドベリー、サスカトーン、カルガリー、バンクーバー、ロンドン、トロントで開催される」とされている。さらに、カナダ政策研究ネットワーク(CPRN)については、「独立で非営利の公共政策に関する研究機関で、カナダの人々の豊かな暮らしについて重要となる社会および経済問題に関し、知識を創出し、国民的論議を先導する使命を有している」と述べられている。

なお、NWMOは、2003年11月に公衆との議論を行うための第一回目の報告書を作成している(こちらを参照)

【出典】

  • 核燃料廃棄物管理機関(NWMO)ウェブサイト1月22日ニュースリリース  http://www.nwmo.ca/default.htmx?DN=407,50,19,1,Documents

カナダにおける核燃料廃棄物管理の実施を行う核燃料廃棄物管理機関(NWMO)は、2003年11月28日、「適切な問題設定をしているか? カナダの使用済燃料の長期管理」と題する報告書を公表した。この報告書は公衆との議論を行うための第一回目の報告書で、NWMOは、この報告書は核燃料廃棄物の長期管理に関する複雑な問題について、カナダの公衆に関与してもらう手段であるとしている。NWMOはこの報告書の目的として以下の4点を挙げている。

  1. 法的な責務と、どのように研究を行うかについて提案を示す
  2. 議論を行うために、カナダの公衆とのこれまでの対話のなかで上がった幅広い問題と懸念を共有する
  3. 異なるアプローチの評価をどのような枠組みで分析するかについて当初の考え方を示す
  4. 背景情報として、使用済燃料管理に関する代替技術について、重要な情報を提供する。

NWMOは、予備的な議論などを踏まえ、公衆および機関との早期の会話、将来への構想、管理概念の探求、その他の幅広い問題等について検討を行ってきており、今後の議論を活発に行うために、今後の分析的枠組みのバックボーンとなる以下の主要な問題点を提起しており、これらについてのフィードバックを求めている。

全体的な側面
問1:制度と管理
問2:意思決定における関与と参加
問3:先住民の価値観
問4:倫理的な問題
問5:統一性および継続的な研究
社会的な側面
問6:公衆衛生、安全性、福祉
問7:安全保障(security)
環境的な側面
問8:環境保全
経済的な側面
問9:経済的な妥当性
技術的な側面
問10:技術的な妥当性

なお、NWMOはウェブサイトにおいてもコメントの受付を行っている。

NWMOは、上述の主要な問題点が確定したところで、さらに詳細な点についてまとめることとしている。NWMOは、2004年中頃に、2回目の議論のための報告書として、「選択肢についての理解」を発表する予定である。その後、2005年初頭には、「進むべき道の選択-草案」という最終報告書の草案を3回目の議論のための報告書として公表し、2005年11月15日に天然資源大臣に対して最終報告書を提出する予定である。

NWMOは、2002年に施行された「核燃料廃棄物の長期管理に関する法律」(核燃料廃棄物法)(制定については こちらを参照、また施行については こちらを参照)で規定されている3つの選択肢として、地層処分、集中貯蔵、サイト貯蔵について説明を行うとともに、国際的な検討が行われている再処理、核種分離・変換、国際処分場、超深孔処分、さらには、特には関心は得られていない海洋底下処分や宇宙処分のほか計8つの管理方法についてもコメントを行っている。その上で、NWMOは、核燃料廃棄物法に基づく研究を行うこととし、法律に規定された3つの選択肢の組合わせを始めとして、他の合理的な代替案があれば検討を行う準備があることも示している。

【出典】

  • 核燃料廃棄物管理機関(NWMO)ウェブサイト11月28日ニュースリリース
    http://www.nwmo.ca/default.htmx?DN=341,50,19,1,Documents
  • Asking the Right Quesions? The Future Management of Canada’s Used Nuclear Fuel, 2003, NWMO

諸外国では、高レベル放射性廃棄物を含む放射性廃棄物の管理に必要な費用を賄うために様々な形で資金確保が行われている。日本を含め多くの国においては、基金制度が導入されており、費用負担責任のある電力会社等は決められた拠出金を基金に払い込む方式を取っている。ただし、基金が設けられている場合でも、基金の対象となる費用の範囲は国により異なっている。

一方フランス、ドイツ、英国では放射性廃棄物処分に関する基金制度が設けられていないため、廃棄物発生者が、各々に将来に必要な資金を引当金として内部留保している。最近、スウェーデン・スイス・カナダが2002年度の基金の情報を公表したことを受けて、以下に基金制度の有無別に、高レベル放射性廃棄物処分に関連する各国の資金確保制度の概要と最新の基金残高または引当金額を表にまとめた。

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カナダの連邦天然資源大臣は、2003年6月25日に、核燃料廃棄物管理の実施を行う核燃料廃棄物管理機関(NWMO)が2002年3月末に公表した年報(既報)に対する声明を公表した。連邦天然資源大臣は、NWMOが広範な対話活動を通じて研究を進めていることを評価し、また「総合的なプログラムを行うにあたっての素晴らしい第一ステップを踏み出した」とコメントしている。大臣による声明には、その他に以下のポイントが示されている。

NWMOの2002年の活動全体に対するコメント:
天然資源大臣は、NWMOの年報で倫理および社会的側面が考慮された廃棄物管理オプションを開発することに重点が置かれている点を評価している。この点は、2002年11月に施行された「核燃料廃棄物の長期管理に関する法律」(略称:核燃料廃棄物法)により要求されている研究の中心事項である。
カナダ政府は、核燃料廃棄物の安全で環境的に健全な管理を優先事項としている。政府は、長期的な管理として今後行われる活動が総合的、かつ経済的に健全な方法で実施されることをカナダ国民に対して保証している。天然資源大臣は、政府の考えと同じことがNWMOの年報でも強調されていることを評価し、核燃料廃棄物の長期的な管理の解決に向けた活動が着実に前進することへの期待を述べている。
広範な対話活動について:
NWMOは2005年11月に複数の長期的な管理オプションを提出することになっており、この目標に向けて研究を3段階で進め、そのなかでさまざまな利害関係者との対話を進めていく方針である。この対話活動では、先住民も含めた、カナダの様々な団体、天然資源省を交えた議論が進められている。天然資源大臣は、これら議論の過程において有益なコンサルテーションが実施されることへの期待を述べている。
「諮問機関」の役割について:
カナダにおける一般公衆の考えを考慮するとともに、NWMOは長期の活動について独立の専門家からの勧告を得る予定となっている。天然資源大臣は、核燃料廃棄物法に基づきNWMOが設置した諮問機関から重要な勧告が得られることへの期待を述べ、諮問機関によって行われるNWMOの活動のレビューがNWMOの活動の透明度を確保することに確信を持っているとコメントしている。
財政的な側面について:
年報では、原子力企業およびカナダ原子力公社(AECL)が信託基金に対して拠出金を支払ったことが示されており、カナダ国民は、原子力業界が、長期的に必要となる財政的な責任を果たす意思があることを確認することができる。
年報での主な記述:
NWMOの年報では、2002年10月の設立後3カ月における以下の活動について報告されている。

  1. NWMOの組織体制
  2. 原子力企業とカナダ原子力公社(AECL)の信託基金設立
  3. 信託基金に対する拠出合計額(5億5000万カナダ・ドル)【429億円(1カナダ・ドル=78円として換算)】

(なお、年報について詳しくは こちらを、また、核燃料廃棄物法の施行およびNWMOの設立については、こちらを参照のこと)

【出典】

  • 天然資源省 核燃料廃棄物局(NFWB)ウェブサイト 大臣の声明   http://www.nfwbureau.gc.ca/english/View.asp?x=645&oid=19#skipnav

カナダにおける核燃料廃棄物管理の実施を行う核燃料廃棄物管理機関(NWMO)は、機関設立の2002年秋からの3カ月間の活動をまとめた年報、「対話から意思決定へ:核燃料廃棄物管理」を公表した。この年報は、2002年11月に施行された「核燃料廃棄物の長期管理に関する法律」(略称:核燃料廃棄物法)における規定(第16条(1)および第26条(1))に基づいて作成されたものであり、2003年3月28日に初の年報として天然資源大臣に提出された。(核燃料廃棄物法の施行およびNWMOの設立については既報を参照のこと)。

同法の定めによれば、NWMOは、2005年11月15日までに核燃料廃棄物の長期管理に対する計画を政府に対して提案しなければならない。この使命を達成するために、NWMOは、科学技術的な側面からだけでなく、倫理、社会、経済的な問題も考慮したさまざまな管理方法の総合的な研究を行わなければならない。

年報では、2002年における主な活動が記述され、また、関係機関との対話の開始、対話から得られた教訓および今後の予定などがまとめられている。主な内容は以下のとおりである。

1.2002年における主な活動

NWMOは、非営利の法人で、核燃料廃棄物の主な所有者であるオンタリオ・パワージェネレーション社、ハイドロ=ケベック社、ニューブランズウィック社によって創設されたものである。核燃料廃棄物法では、資金確保方策について「信託基金」の設立を規定し、基金への拠出は上述の3つの原子力事業者およびカナダ原子力公社(AECL)が行うことが規定されている。2002年における拠出額は以下のとおりである。

オンタリオ・パワージェネレーション社 5億CAD(約405億円)
ハイドロ=ケベック社 2,000万CAD(約16億円)
ニューブランズウィック社 2,000万CAD(約16億円)
カナダ原子力公社(AECL) 1,000万CAD(約8.1億円)

(CAD=カナダドル、1CAD=81円として換算)

また、NWMOは、2002年秋に「諮問機関」を設立しており、そのメンバーには原子力技術に精通した人だけでなく、連邦、州および地元レベルの政府機関において優れたキャリアを有し、公共政策の社会的な側面などの重要性についても見識のある人が選任された。この諮問機関は、NWMOの廃棄物管理オプションを倫理および社会的な側面から評価し、また市民を含めた関連機関とのオープンで透明性の高い対話を行うこととなっている。

さらに、NWMOは、設立の当初より、原子力発電所が所在する地元の市長、コンサルタント、規制機関、議員などを含めた幅広い利害関係者や、諸方面の専門家などとの対話を行ってきている。

2.今後の活動に向けて

さまざまな利害関係者との対話を通してNWMOが受けたメッセージには、「核燃料廃棄物管理研究の分析は、総括的、独立的かつ客観的でなければならず、また過度に原子力産業や政治による影響を受けてはならない」ことや、「研究の過程は、透明性が確保され、またさまざまな人が関与出来る方法で進めなければならない」というものがあった。

これらのコメントを受け、NWMOは今後の活動計画を予備検討段階で公表し、NWMOの考えを提供しつつ対話を進める方針である。NWMOは2005年11月15日までの3年間に行う研究を3段階に分け、それぞれの段階で以下の事項に焦点を置いて研究を進めようと考えている。

第1段階: 期待することについての対話
一般公衆と対話をし、NWMOの使命を知ってもらい、研究計画をまとめるために助言を得る
第2段階: 基本的な問題の探求
第1段階で明らかとなった基本的な問題を考慮し、さまざまな放射性廃棄物管理オプションを研究する
第3段階: 核燃料廃棄物の管理アプローチの評価
第2段階で明らかとなった特定の管理アプローチについて評価を行う

【出典】

  • 核燃料廃棄物管理機関(NWMO)ウェブサイト3月28日ニュースリリース http://www.nwmo.ca/default.htmx?DN=73,50,19,1,Documents
  • Annual Report 2002 From Dialogue to Decision: Managing Canada’s Nuclear Fuel Waste, NWMO, 2003 http://www.nwmo.ca/adx/asp/adxGetMedia.asp?DocID=72,18,1, Documents&MediaID=140&Filename=NWMO_2002_Annual_Report_E.pdf
  • 核燃料廃棄物の長期管理に関する法律(An act respecting the long-term management of nuclear fuel waste)