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カナダ

カナダ原子力安全委員会(CNSC)は、2006年6月5日付けのプレスリリースにおいて、オンタリオ・パワー・ジェネレーション(OPG)社がオンタリオ州キンカーディン自治体のブルース原子力発電所サイトでの建設・操業を提案している低・中レベル放射性廃棄物の地層処分場に関して、環境評価のための方法等を示したスコーピング1 報告書案に対するパブリックコメントの募集を開始したことを公表した。

同プレスリリースによると、今回のスコーピング報告書案はカナダ原子力安全委員会(CNSC)のウェブサイトをはじめ、キンカーディン周辺の公立図書館、原子力発電所のビジターセンターなどで公開されており、2006年7月17日までの期間、パブリックコメントを受け付けるとしている。また、OPG社は2006年6月12日に、ブルース地区の公民館において、今回のスコーピング報告書案に関する情報提供の場を設けている。

また、カナダ原子力安全委員会(CNSC)のウェブサイトの環境評価に関するページでは、ブルース原子力発電所サイトへの建設・操業が提案されている低・中レベル放射性廃棄物の地層処分場について、ブルース原子力発電所内のウェスタン廃棄物管理施設(WWMF)に貯蔵されている廃棄物に加え、現在操業を続けているOPG社所有のブルース、ピッカリング、ダーリントンの各原子力発電所で発生する低・中レベル放射性廃棄物が処分される予定であることが示されている。

同ウェブサイトによると、OPG社は原子力安全管理法の下、地層処分場計画に関して実施される活動についてCNSCから許可を得ることが求められている。これを受けて、2006年1月30日にOPG社がCNSCに対して、地層処分場に関する準備、建設、操業に向けた許可申請の意向を正式に伝えていた。また、CNSCの許可発給の前に、OPG社は環境評価法に従って、環境評価に関する詳細調査を実施しなければならないとされており、環境評価の全体手続きについて、以下のように示されている。

  • スコーピング報告書、環境評価ガイドラインの準備
  • 計画の範囲・目的などの環境大臣への報告

同ウェブサイトによれば、さらに、環境大臣より詳細調査の継続を指示された場合は、以下のような手続きがOPG社により行われることになる。

  • 詳細調査の完了
  • 詳細調査報告書の準備
  • 詳細調査報告書に関するパブリックコンサルテーションの実施
  • 詳細調査報告書の環境大臣への提出

なおこの地層処分場の建設については、2004年10月、OPG社とオンタリオ州キンカーディン自治体との間で、低・中レベル放射性廃棄物の長期管理のための立地協定が締結されている

【出典】

  • カナダ原子力安全委員会(CNSC)ウェブサイト 2006年6月5日付けプレスリリース、http://www.nuclearsafety.gc.ca/eng/assessments /RFPC_deep_geological_
    repository.cfm

【2007年1月15日追記】

2006年12月21日、カナダ原子力安全委員会(CNSC)はプレスリリースにおいて、オンタリオ・パワー・ジェネレーション(OPG)社の提案している低・中レベル放射性廃棄物の地層処分場に関する計画の環境評価について、環境評価法に基づき、評価パネルへの付託を連邦環境大臣に勧告する決定を行ったことを公表した。これを受けて、連邦環境大臣は勧告に対する決定を行うことになる。また、CNSCは同計画に関する環境評価方法等を示したスコーピング報告書の修正版について、環境評価法に基づいて承認することも合わせて発表した。なお、CNSCのウェブサイトによると、このスコーピング報告書については、2006年6月のパブリックコメントの結果を受けて修正版が公表され、2006年10月23日にはCNSCによって公聴会が開催されている。

【追記部出典】

  • カナダ原子力安全委員会(CNSC)ウェブサイト のOPG社の地下処分場の環境評価に関するページ、http://www.nuclearsafety.gc.ca/eng/assessments /EA_06_03_17520.cfm

  1. スコーピングとは、環境評価の手続き、評価項目及び手法の選定などの枠組みを決定するための仕組みである。 []

カナダの核燃料廃棄物管理機関(NWMO)は、2005年11月3日付のニュースリリースにおいて、使用済燃料の長期管理アプローチに関する最終報告書「進むべき道の選択」を天然資源大臣へ提出したことを公表した。 NWMOは、核燃料廃棄物法に基づき2005年11月15日までに使用済燃料の長期管理アプローチを天然資源大臣に勧告することとなっており、今回の最終報告書で、2005年5月に公表されたドラフト報告書で提案されていた「適応性のある段階的管理」(詳しくは こちら)を使用済燃料の長期管理アプローチとして正式に勧告している。

今回の最終報告書と同時に公表された、ドラフト報告書からの変更に関する資料によると、最終報告書では、先住民や市民との対話、パブリックコメントへの対応等の反映や最終報告書での検討のためにNWMOの諮問評議会が提案した分野においての情報の詳細化等がなされたとしている。

ニュースリリースによると、核燃料廃棄物法によってNWMOが検討することとなっていた地層処分、サイト貯蔵、集中貯蔵の3つの管理アプローチは、どのアプローチも利点を持っているものの、いずれも市民が重要と考える目的全てを満たしておらず、NWMOは3つのアプローチそれぞれの利点に基づいた4つ目のアプローチを開発したとしている。

同ニュースリリースでは、適応性のある段階的管理について以下のように述べている。

  • 現世代が作り出した使用済燃料の管理へ向けて、現世代が最初のステップを踏み出す。
  • 制度や管理形態の変化する中で、長期間にわたり人間の管理システムに依存することは適切ではないことを認める。
  • 設計やプロセスを通して厳格な安全基準等に適合させる。
  • 段階的な意思決定が可能で、経験や社会変化に対応する柔軟性を提供する。
  • 財政的に保守的なアプローチを採用すること及び世代から世代へと受け渡されることに適合できる能力を備えることで、真の意味での選択を提供する。
  • 継続的な知見の向上を促進し、性能を強化したり不確実性を減少させる操業や設計の改良を可能とする。
  • 最終段階が実施される前に、技術及び支援システムへの信頼性を構築する。
  • 将来の世代が施設の閉鎖に十分な信頼を置けるまで、使用済燃料の回収可能性を維持した形で、現実的で、安全確実な使用済燃料の長期貯蔵を提供する。
  • 自然もしくは人為的な不測の事態に対する継続的な監視及び備えを提供する。
  • 市民の価値、倫理観、及びそれぞれのステップへ進むための十分な確実性が存在するかどうかについて、社会的な判断を可能にする市民の参加に基づく。

同ニュースリリースによると、カナダ政府による使用済燃料の管理アプローチの決定後、NWMOは管理アプローチの実施主体となるとしている。NWMOによれば、サイト選定は開かれた包括的で公正なものでなくてはならず、全ての関心のある地域が自らの見解をNWMOへ伝える機会を持ち、それらが考慮されなくてはならないとしている。また、集中中間貯蔵施設を設置する地域については、核燃料サイクルに直接関わっているオンタリオ、ケベック、ニューブランズウィック、サスカチュワン各州に重点を置くことを示している。

今後は、核燃料廃棄物法に従い、天然資源大臣が使用済燃料の長期的な管理アプローチに関して勧告を行い、最終的に総督によって管理アプローチが決定されることとなっている。


【2005年11月17日追記】

2005年11月4日、天然資源大臣はNWMOの最終報告書「進むべき道の選択」を議会へ提出した。

  • 核燃料廃棄物局(NFWB)プレスリリース(2005年11月4日)(http://www.nfwbureau.gc.ca/english/view.asp?x=645&id=34)


【出典】

  • 核燃料廃棄物管理機関(NWMO)2005年11月3日付けニュースリリース
    http://www.nwmo.ca/default.aspx?DN=1498,50,19,1,Documents
  • 核燃料廃棄物管理機関(NWMO)、ドラフト報告書から最終報告書への変更点に関する資料
  • 核燃料廃棄物の長期管理に関する法律(An act respecting the long-term management of nuclear fuel waste)

カナダにおける核燃料廃棄物管理の実施主体である核燃料廃棄物管理機関(NWMO)は、2005年5月24日、「進むべき道の選択-ドラフト」と題する報告書を公表した。NWMOは、この報告書の中で、使用済燃料の長期管理方法に関して、「適応性のある段階的管理」(Adaptive Phased Management)と呼ばれる3つの段階を含む方法で地層処分を行うことを提案している。なお、NWMOは、核燃料廃棄物法に基づき、2005年11月に政府に対して使用済燃料の長期管理アプローチを勧告するための最終報告書を提出することとなっており、今回の報告書は、この最終報告書のドラフトである。

報告書と共に公表されたNWMO理事長のメッセージによると、適応性のある段階的管理は、技術的手法及び管理システムの2つの要素から構成されており、核燃料廃棄物法に規定されている3つの使用済燃料管理アプローチ(地層処分、サイト貯蔵、集中貯蔵)の利点を組み合わせたもので4番目のオプションである としている。

NWMOによる今回のニュースリリースによると、適応性のある段階的管理における技術的手法は、使用済燃料を集中的に深い地層中の適切な岩盤内に隔離することであるとしている。適切な岩盤に関してはカナダ楯状地の結晶質岩もしくは、その他の堆積岩を想定していることが示されている。使用済燃料の処分は、3つの段階を経て実現される予定であり、最終的に処分場が閉鎖されるまでに300年以上かかることを想定しており、その間、使用済燃料は監視され回収可能とするとしている。管理システムの重要な特徴は、それぞれの段階で管理オプションが検討され、処分の過程を前進、中断もしくは逆戻りするかどうかについて、関心を持つ市民および影響を受ける市民が意思決定に参加することができるとしている。NWMOが示している3つの段階の典型例を以下に示す。

・第1段階 約30年間の準備期間であり、使用済燃料は原子力発電所サイトに安全に管理される。この間に関心のある市民と協力しつつ、集中中間貯蔵施設のサイト選定および地層処分場のための技術を確認する等を目的とした地下研究所の建設を行う。また、浅地中中間貯蔵施設を建設するか否かの決定も行う。
・第2段階 約30年の期間で、使用済燃料が集中中間貯蔵施設へと移される。また、使用済燃料管理に関する研究及び実証が継続して行われる。
・第3段階 2060年頃から始まる最終段階で、使用済燃料が処分場に定置される。また、将来の世代が、処分場を閉鎖するのか、いつ閉鎖するのか、また、閉鎖後の監視について決定を行う。

同ニュースリリースによると、今回の報告書により示された提案は、技術者や15,000人以上の関心ある市民との対話から得られた、社会的に受け入れ可能で、環境面で責任を持ち、技術的に妥当で経済的に実現可能な廃棄物管理アプローチに必要とされる原則等を参考に策定されたとしている。また、今回の管理方法に関する提案に関して、2005年11月の最終報告書提出までに更に対話が行われることも示されている。

また、同ニュースリリースによるとNWMOは、集中中間貯蔵施設を設置する地域については、主に、現在原子力から恩恵を受けているサスカチュワン州、オンタリオ州、ケベック州およびニューブランズウィック州でサイト選定を行う意向を示している。また、この適応性のある段階的管理が政府によって選ばれた場合、実現のためには244億ドルの費用が必要であることが示されている。

【出典】

  • 核燃料廃棄物管理機関(NWMO)2005年5月24日付けニュースリリース http://www.nwmo.ca/Default.aspx?DN=1238,50,19,1,Documents
  • 核燃料廃棄物管理機関(NWMO) 理事長のメッセージ http://www.nwmo.ca/adx/asp/adxGetMedia.asp?DocID=1224,1026,20,1,Documents&MediaID=2409&Filename=Choosing+a+Way+Forward.pdf

低・中レベル放射性廃棄物の地層処分場の概念図(OPG社提供)courtesy Ontario Power Generation

カナダ、オンタリオ・パワー・ジェネレーション(OPG)社の10月15日付けニュースリリースにおいて、OPG社と同社のブルース原子力発電所があるオンタリオ州キンカーディン自治体は、低・中レベル放射性廃棄物の長期管理のための立地協定を締結したことを公表した。

OPG社はオンタリオ州内に3ヶ所の原子力発電所(原子炉計20基)を所有しており、これらの原子力発電所で発生した低・中レベル放射性廃棄物は、ブルース原子力発電所内のウェスタン廃棄物管理施設(WWMF)で貯蔵されている。OPG社は、低・中レベル放射性廃棄物の地層処分場をブルース発電所サイトにおいて建設することを検討しており、住民の賛同が得られた場合、この立地協定は処分場建設承認を支援するものとなる。

OPG社ウェブサイトの情報によると、今回の立地協定の主な点は以下の通りである。

  • OPG社は、キンカーディン自治体の支援の下、規制機関等からの地層処分場建設許可を求める。
  • 同自治体および周辺自治体は、一時金および毎年の金額として合計3,500万カナダドルの支援を受ける。
  • OPG社所有の原子力発電所について、2035年までの運転に伴い発生する低・中レベル放射性廃棄物と、原子炉解体に伴い発生する廃棄物との合計約20万m3を受け入れる。
  • 同自治体は新たにオンタリオ州に建設される原子炉からの低・中レベル放射性廃棄物のための処分場拡張の交渉に応ずる。
  • 使用済燃料は現在同自治体に提案されている処分場には処分しない。
  • OPG社は、廃棄物管理施設での新たな雇用の提供、資産価値の保全を行う。
  • OPG社と同自治体は、原子力に関する中核的研究拠点の構想、専門学校および海外視察をサポートする。
  • 規制機関から建設許可を得る前に、同自治体は、地元住民が地層処分オプションに関する自治体議会の決定を支持するかどうか住民と協議を行う。

OPG社ウェブサイトの情報によるこれまでのOPG社と同自治体との間での低・中レベル放射性廃棄物の長期管理に関する動きを以下に示す。

  • 2002年、OPG社とキンカーディン自治体は、ブルース原子力発電所内での低・中レベル放射性廃棄物の長期管理計画を策定するための覚書を締結。
  • OPG社とキンカーディン自治体は、第三者機関に対し、低・中レベル放射性廃棄物管理に関する以下の3つのオプションについて、技術的な実現可能性、安全性、環境および社会経済的影響などの調査・評価を委託。
    • 高減容化処理・建屋内貯蔵
    • 地表コンクリート・ピット
    • 深地層処分
  • 2004年2月、いずれのオプションも実現可能であるという評価結果が公表され、その後、同自治体議会が、地層処分が好ましい低・中レベル放射性廃棄物管理方法であるとして検討していくことを決議。
  • 2004年4月、同自治体とOPG社は立地協定の内容についての交渉を開始し、同年10月13日、立地協定を締結。

ニュースリリースによると、地層処分場の設置にはパブリックコメントを含む環境アセスメントが必要であり、またOPG社はカナダ原子力安全委員会(CNSC)から処分場の建設および操業許可を得る必要がある。

また、OPG社ウェブサイトの情報によると、今後2005年1月に、第三者機関による低・中レベル放射性廃棄物地層処分場の建設を支持するかどうかの地元住民の意識調査が行われる。住民の支持が得られた場合には、OPG社は規制機関からの許認可を得るためのプロセスを開始し、順調にプロセスが進むと、2013年に処分場建設許可取得、2017年に処分場操業許可を得る予定である。

【出典】

  • オンタリオ・パワー・ジェネレーション(OPG)社 2004年10月15日付ニュースリリース http://www.opg.com/info/news/NewsOct15_04.asp
  • オンタリオ・パワー・ジェネレーション(OPG)社ウェブサイト 2004年11月4日
    http://www.opg.com/ops/NwasteIAS1.asp
    http://www.opg.com/ops/NwasteIAS4.asp
    http://www.opg.com/ops/NwasteIAS10.asp
  • 放射性廃棄物等安全条約に基づくカナダ国別報告書(第1回) Canadian National Report for the Joint Convention on the Safety of Spent Fuel Management and on the Safety of Radioactive Waste Management, CNSC 2003

カナダにおける核燃料廃棄物管理の実施主体である核燃料廃棄物管理機関(NWMO)は、2004年9月15日、「選択肢についての理解 カナダの使用済燃料の長期管理」と題する報告書を公表した。この報告書は使用済燃料の長期管理方法の決定に向けた公衆との議論を行うための第2回目の報告書で、第1回目の報告書「適切な問題を設定しているか?」は、2003年11月に公表されている。NWMOのニュースリリースによると、この第2回報告書では、国民の価値観、倫理的考察や技術面での専門家のアドバイスに基づいた枠組みが示されており、以下の4つの点を示すことによって、将来カナダがどのように使用済燃料を管理すべきかについての対話を進めるとしている。

  • NWMOが国民や専門家から学んだことの報告
  • 現在検討されている使用済燃料管理アプローチの記述
  • 管理アプローチを評価する枠組みがどのように構築されてきたかの記述
  • 議論のための管理アプローチの予備的な評価の提示

また、NWMOが国民や専門家から学んだこととして、全国で開催した対話集会から得た国民の価値観等や第1回報告書に対する意見やアドバイス等が示されるとともに、現在検討されているサイト貯蔵、集中貯蔵、地層処分の3つのアプローチに関する詳細記述及び予備的な評価がなされ、それぞれの利点、欠点が述べられている。なお上記以外のアプローチに関しては、評価の対象外としているが、ある程度、国際的に関心を集めているアプローチ、特に核種分離・変換技術や国際共同処分場に関しては、引き続き注意を払うことが述べられている。

本報告書では、NWMOの今後の活動として、検討中の管理アプローチそれぞれの経済面での評価を含めた特徴、カナダ楯状地以外の地層での処分、また管理すべき廃棄物のタイプや量及び再利用の可能性を検討していくとともに、管理アプローチの実施計画の策定も始め、これらの作業が終了し、本報告書についての意見を得た後、最終報告書の草案作成に着手する予定となっている。NWMOは、この草案を公表することにより、最終報告書作成以前に国民の意見等を得ることを望んでいるとしている。

NWMOのウェブサイトでは、NWMOが国民の意見等に今後も継続的に耳を傾けていくことが重要であるとし、本報告書を通して、幅広く意見等を募っており、特にNWMOが提案する管理アプローチを比較するための方法やそれぞれのアプローチの利点、欠点についての意見を求めている。

今後のスケジュールとしては、2005年初頭に、「進むべき道の選択-草案」という最終報告書の草案を第3回目の報告書として公表し、2005年11月15日に天然資源大臣に対して最終報告書を提出した後、最終的には、2006年に管理アプローチが決定される予定である。

【出典】

  • 核燃料廃棄物管理機関(NWMO)9月15日付けニュースリリース http://www.nwmo.ca/Default.aspx?DN=740,50,19,1,Documents
  • 核燃料廃棄物管理機関(NWMO)ウェブサイト 9月15日 http://www.nwmo.ca/Default.aspx?DN=164,163,159,18,1,Documents
  • Understanding the choices. The Future Management of Canada’s Used Nuclear Fuel, 2004, NWMO

カナダにおける核燃料廃棄物管理の実施主体である核燃料廃棄物管理機関(NWMO)は、2004年8月26日のニュースリリースで、使用済燃料の長期管理に対する市民の意見に関する調査プロジェクトの報告書を公表した。このプロジェクトは、全国12の都市で市民との対話集会を開催し、合計462人から得られた意見を分析したもので、研究機関であるカナダ政策研究ネットワーク(Canadian Policy Research Network, CPRN)と合同で行われたものである。

このニュースリリースにおいて、CPRNの理事長は、使用済燃料の長期管理に関する決定にあたり、以下に示す6つの価値観に従うべきであると市民が述べていることを伝えている。このうち最初の3つは、世代間で権利や責任がどのように分担されるべきかということに、また残りの3つはどのように決定がなされ、誰がその決定をするのかということに関連している。

・責任 自らの責任を果たし、自らが作り出した問題への対処
・順応性 新たな知識の発展、利用
・管理責任 資源を大切にし、将来の世代への健全な遺産を継承する義務
・説明責任と透明性 信頼の再構築
・知識 現在と将来において、より良い決定のための公共の財産
・参加 すべての人が果たすべき役割を持つこと

また使用済燃料の長期管理にあたり、市民は以下に示すようなことを要望している。

  • 自分たちの使用した電気を作るために発生した廃棄物に関して責任を持ち、現段階で行動すること
  • 将来の世代が新たな知識や技術に基づき、今日の決定に立ち戻ることができること
  • 使用済燃料の長期管理に関する決定に貢献するために必要な情報を適切に受け取れること
  • 情報が提供されているか、政府や企業が役割を果たしているかを監視する専門家や市民の代表からなる独立機関の設置すること

CPRNの理事長は、最も重要なことは市民がNWMOの行っているアプローチを承認し、将来の意思決定のモデルと考えているということであるとしている。

NWMOの理事長は、市民が明らかにしたこれらの価値観は、NWMOのこれからの活動に生かされ、使用済燃料の長期的管理方法の最終的な推薦に反映されるであろうと述べている。

なお、このプロジェクトの対話集会は、2004年1月24日および25日にオタワとモントリオールから始まり、3月27日まで全国各地で開催された。NWMOは、対話集会に先立って2003年11月に、市民との議論を行うために第一回目の報告書を発表している。また、2004年中には、議論のための第二回報告書を発表する予定である。

【出典】

  • 核燃料廃棄物管理機関(NWMO)ウェブサイト8月26日ニュースリリース http://www.nwmo.ca/Default.aspx?DN=716,50,19,1,Documents
  • カナダ政策研究ネットワーク(CPRN)ウェブサイト http://www.cprn.org/en/doc.cfm?doc=1050

カナダにおける核燃料廃棄物管理の実施を行う核燃料廃棄物管理機関(NWMO)は、2004年3月26日に、2003年の年報「対話から意思決定へ:核燃料廃棄物管理」を天然資源大臣に提出、公開した。この年報は、2002年11月に施行された「核燃料廃棄物の長期管理に関する法律」(略称:核燃料廃棄物法)における規定(第16条(1)および第26条(1))に基づくもので、設立後約3ヶ月で発行された第一回目の年報に引き続き、今回が二回目のものである。

この年報によると、2003年における公衆や様々な団体との対話活動として、円卓会議やワークショップの開催のほか、上半期に250回を超える非公式な対面形式の会合をもったこと、全国を対象に1900人規模の電話意識調査を実施したことが紹介されている。また、公衆との議論を進めるために計画された第一段の報告書「適切な問題設定をしているか? カナダの使用済燃料の長期管理」を11月28日に公表し、この報告書についての意見募集の活動を開始したことが示されている。

2004年の活動予定については、公衆との議論を進めるために計画された第二段の報告書「選択肢についての理解」の公表に向けて、核燃料廃棄物の様々な管理アプローチの評価に重点をおいた活動を行うとされている。管理アプローチの評価のために、NWMOは、社会問題、市民の関与、科学、原子力工学、環境保護、経済学、リスク評価などの分野に精通する人から構成される評価チームを結成したことが紹介されている。

年報によれば、NWMOは今後以下の報告書を作成する予定としている。

  1. 2004年中頃に、公衆との議論を進めるための第二段の報告書「選択肢についての理解」の発表
  2. 2005年初頭に、第三段の報告書「進むべき道の選択-草案」の発表
  3. 核燃料廃棄物法に基づき、核燃料廃棄物の管理アプローチの比較評価、実施計画、および最終的な勧告を含む報告書「進むべき道の選択」を2005年11月15日までに天然資源大臣に対して提出

カナダでは核燃料廃棄物管理の資金確保のために信託基金が設置されている。NWMOの2003年度の年報には以下のように、各原子力企業が核燃料廃棄物法に規定された2003年の拠出金を納付したことが示されている。(2002年における拠出金額は既報を参照)

オンタリオ・パワージェネレーション社 1億CAD(85億円)
ハイドロ=ケベック社 400万CAD(3.4億円)
ニューブランズウィック社 400万CAD(3.4億円)
カナダ原子力公社(AECL) 200万CAD(約1.7億円)

(CAD=カナダドル、1CAD=85円として換算)

なお、核燃料廃棄物法では、信託基金に拠出された資金は、最終的な核燃料廃棄物管理アプローチが決定された後、そのアプローチを実施する目的のためだけに引き出すことが可能であると規定されており、現在のNWMOの活動費用は、AECLを除くカナダの原子力企業が、その使用済燃料の保有量に基づいて負担している。

【出典】

  • 核燃料廃棄物管理機関(NWMO)ウェブサイト3月28日ニュースリリース http://www.nwmo.ca/default.htmx?DN=553,50,19,1,Documents
  • From Dialogue to Decision Managing Canada’s Nuclear Fuel Waste, 2004, NWMO
  • 核燃料廃棄物の長期管理に関する法律 (An act respecting the long-term management of nuclear fuel waste)

カナダにおける核燃料廃棄物管理の実施を行う核燃料廃棄物管理機関(NWMO)は、2004年1月22日、研究機関であるカナダ政策研究ネットワーク(Canadian Policy Research Network, CPRN)と合同で、使用済燃料の長期管理に対するカナダ国民の見解と期待について調査する研究プロジェクトを立ち上げたことをニュースリリースにて公表した。CPRNとNWMOは、2004年1月から3月にかけてカナダの12都市において全国対話集会を行うこととしている。ニュースリリースにおいて、各機関の理事長は以下のとおり述べている。

NWMO:使用済燃料の長期管理の問題は科学的または技術的な問題であると多くの人は考えているが、それらを超えた問題も含まれている。カナダは、最終的に、確かな科学に基づき、カナダの人々にとって社会的および倫理的に受入可能であり、カナダの人々の価値観を考慮した総合的な長期管理を採用しなければならない。

CPRN:重要な公共政策問題においては公衆の意見を考慮すべきである。このプロジェクトは、十分考慮された建設的な方法での使用済燃料の長期管理について事業に直接関係しない一般の人々に考えてもらい、また事業の進め方を決める上で何に価値を置くかについての意見を述べる機会を提供するものである。

また、ニュースリリースによると、「この研究プロジェクトは、1月24日および25日に、オタワとモントリオールでの対話集会の開催から始まり、引き続き3月27日までの週末に、ケベックシティー、サンダーベイ、ハリファックス、モントン、サドベリー、サスカトーン、カルガリー、バンクーバー、ロンドン、トロントで開催される」とされている。さらに、カナダ政策研究ネットワーク(CPRN)については、「独立で非営利の公共政策に関する研究機関で、カナダの人々の豊かな暮らしについて重要となる社会および経済問題に関し、知識を創出し、国民的論議を先導する使命を有している」と述べられている。

なお、NWMOは、2003年11月に公衆との議論を行うための第一回目の報告書を作成している(こちらを参照)

【出典】

  • 核燃料廃棄物管理機関(NWMO)ウェブサイト1月22日ニュースリリース  http://www.nwmo.ca/default.htmx?DN=407,50,19,1,Documents

カナダにおける核燃料廃棄物管理の実施を行う核燃料廃棄物管理機関(NWMO)は、2003年11月28日、「適切な問題設定をしているか? カナダの使用済燃料の長期管理」と題する報告書を公表した。この報告書は公衆との議論を行うための第一回目の報告書で、NWMOは、この報告書は核燃料廃棄物の長期管理に関する複雑な問題について、カナダの公衆に関与してもらう手段であるとしている。NWMOはこの報告書の目的として以下の4点を挙げている。

  1. 法的な責務と、どのように研究を行うかについて提案を示す
  2. 議論を行うために、カナダの公衆とのこれまでの対話のなかで上がった幅広い問題と懸念を共有する
  3. 異なるアプローチの評価をどのような枠組みで分析するかについて当初の考え方を示す
  4. 背景情報として、使用済燃料管理に関する代替技術について、重要な情報を提供する。

NWMOは、予備的な議論などを踏まえ、公衆および機関との早期の会話、将来への構想、管理概念の探求、その他の幅広い問題等について検討を行ってきており、今後の議論を活発に行うために、今後の分析的枠組みのバックボーンとなる以下の主要な問題点を提起しており、これらについてのフィードバックを求めている。

全体的な側面
問1:制度と管理
問2:意思決定における関与と参加
問3:先住民の価値観
問4:倫理的な問題
問5:統一性および継続的な研究
社会的な側面
問6:公衆衛生、安全性、福祉
問7:安全保障(security)
環境的な側面
問8:環境保全
経済的な側面
問9:経済的な妥当性
技術的な側面
問10:技術的な妥当性

なお、NWMOはウェブサイトにおいてもコメントの受付を行っている。

NWMOは、上述の主要な問題点が確定したところで、さらに詳細な点についてまとめることとしている。NWMOは、2004年中頃に、2回目の議論のための報告書として、「選択肢についての理解」を発表する予定である。その後、2005年初頭には、「進むべき道の選択-草案」という最終報告書の草案を3回目の議論のための報告書として公表し、2005年11月15日に天然資源大臣に対して最終報告書を提出する予定である。

NWMOは、2002年に施行された「核燃料廃棄物の長期管理に関する法律」(核燃料廃棄物法)(制定については こちらを参照、また施行については こちらを参照)で規定されている3つの選択肢として、地層処分、集中貯蔵、サイト貯蔵について説明を行うとともに、国際的な検討が行われている再処理、核種分離・変換、国際処分場、超深孔処分、さらには、特には関心は得られていない海洋底下処分や宇宙処分のほか計8つの管理方法についてもコメントを行っている。その上で、NWMOは、核燃料廃棄物法に基づく研究を行うこととし、法律に規定された3つの選択肢の組合わせを始めとして、他の合理的な代替案があれば検討を行う準備があることも示している。

【出典】

  • 核燃料廃棄物管理機関(NWMO)ウェブサイト11月28日ニュースリリース
    http://www.nwmo.ca/default.htmx?DN=341,50,19,1,Documents
  • Asking the Right Quesions? The Future Management of Canada’s Used Nuclear Fuel, 2003, NWMO

諸外国では、高レベル放射性廃棄物を含む放射性廃棄物の管理に必要な費用を賄うために様々な形で資金確保が行われている。日本を含め多くの国においては、基金制度が導入されており、費用負担責任のある電力会社等は決められた拠出金を基金に払い込む方式を取っている。ただし、基金が設けられている場合でも、基金の対象となる費用の範囲は国により異なっている。

一方フランス、ドイツ、英国では放射性廃棄物処分に関する基金制度が設けられていないため、廃棄物発生者が、各々に将来に必要な資金を引当金として内部留保している。最近、スウェーデン・スイス・カナダが2002年度の基金の情報を公表したことを受けて、以下に基金制度の有無別に、高レベル放射性廃棄物処分に関連する各国の資金確保制度の概要と最新の基金残高または引当金額を表にまとめた。

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