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《カナダ》使用済燃料処分場のサイト選定の状況-オンタリオ州南部の2地域を除外

カナダの使用済燃料処分の実施主体である核燃料廃棄物管理機関(NWMO)は、2014年1月16日付で、使用済燃料処分場の潜在的適合性の予備評価を行っていたオンタリオ州南部の2地域について、以降の調査対象から除外する決定を行った。今回除外するとした2地域は、アラン=エルダースリー自治体とソーギーンショアーズ町であり、NWMOは、これら2自治体宛の書簡で決定事実を伝えるとともに、自身のウェブサイトで公表した。

カナダ参加自治体数_02

(NWMOによるサイト選定プロセスの進捗動向)

NWMOは、9段階から成るサイト選定プロセスに参加している21地域のうち、オンタリオ州ブルース郡内にある5地域(右地図上の16~20)について、第3段階の第1フェーズの作業として、既存文献による地質科学面の評価を一括して行っていた。NWMOが公表した書簡によれば、これら5地域の評価作業は未完了であるが、除外するとした2地域には地層処分場の地下施設または地上施設を設置できる見通しが低いことが評価の中間段階において明らかとなったため、当該2自治体に対してNWMOの判断を先行的に通知したとしている。なお、書簡の中でNWMOは、地層処分場の立地見通しが低いことを示唆する情報が得られた際には、早めの情報提供をするように自治体から求められていたことを指摘している。

NWMOは書簡の中で、5地域のうちの他の3地域については有望である見通しであり、他の技術面を含めた評価及び社会面の評価を進めていくとしている。今後、これらの3地域で第3段階の第2フェーズを実施することになった場合、今回除外された2自治体についても、広域を対象として実施される対話に周辺自治体として参画することになるため、サイト選定プロセスに関わり続けるとしている。

なお、NWMOは2013年11月21日付で、第3段階の第2フェーズの調査を実施する4地域(右上図の3、5、7、9)と第2フェーズの調査に移行しない4地域(右上図の1、2、4、11)を公表している。第3段階は、当該地域の潜在的な適合性の予備的評価を行うことになっており、2つのフェーズで構成されている。第1フェーズでは、机上調査により、地層科学的な評価、並びに処分プロジェクトが地域や周辺地域の福祉に及ぼす可能性のある影響の評価が実施される。第3段階の第2フェーズでは、詳細な技術調査とフィールド調査を実施し、潜在的な適合性をさらに評価していく。NWMOは、2013年4月に公表した「適応性のある段階的管理」(詳細はこちら)の実施に関する5カ年の実施計画書において、第3段階の第1フェーズの作業完了後に潜在的な適合性が低いと判断した地域をサイト選定プロセスから除外していき、第3段階の第2フェーズの作業終了後に、第4段階へ進む可能性がある地域として1つまたは2つの地域を選定する意向を示していた。

【出典】

(post by sahara.satoshi , last modified: 2023-10-11 )