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カナダサイト選定状況201706

NWMOによるサイト選定プロセスの進捗動向(2017年6月時点)

カナダの使用済燃料処分の実施主体である核燃料廃棄物管理機関(Nuclear Waste Management Organization, NWMO)は、2017年6月23日付で、サイト選定プロセスの第3段階第2フェーズが実施されていたオンタリオ州のセントラルヒューロン自治体(右上図21番)とホワイトリバー・タウンシップ(右上図10番)を、サイト選定プロセスから除外したことを公表した。NWMOは、これら2地域ではプロジェクトに対する関心はあるものの、それぞれの地域内で地質工学的な調査を進める上で、十分な信頼感を住民に与えられるほどには関心・学習を拡大することができなかったとしている。 NWMOは、使用済燃料処分場の立地に好ましい1カ所のサイトを選定するためには、安全要件に合致する可能性がより高く、プロジェクト実施に対して地元住民が関心を持ち続けるための基盤を有する地域に絞り込んでいく必要があるとしている。 NWMOは、サイト選定プロセスに残っている7自治体において、現在進行中の第3段階第2フェーズのフィールド調査の中でボーリング調査の実施を予定している。これら7自治体を地理的な近さに応じて以下の4グループにまとめ、ボーリング調査の実施に向けた計画の策定を進めるとしている。

  • ホーンペイン/マニトウェッジ地域:処分場の立地に潜在的に適すると考えられるボーリング調査地点1カ所の特定に向けて、このエリアの住民と協力する取組みを計画している。技術的な適性があり、社会的に受け入れられるボーリング調査地点1カ所を特定できた場合には、初期ボーリングの掘削を2018年に開始する。
  • ヒューロン=キンロス/サウスブルース地域:処分場の立地に潜在的に適すると考えられる地点でのボーリング調査の前に、この地域の地質に関する理解の向上を図るため、複数の地点でボーリング調査を行う計画である。ボーリング掘削の時期や詳細は検討中である。
  • イグナス地域:初期ボーリング調査を2017年に開始する計画であり、先住民等との協力の下、「レヴェル底盤」(Revell Batholith)として知られている深成岩の地層の一部を対象とする調査地点を特定済みである。この調査地点は、処分場サイトとして技術的な適性があり、社会的に受け入れられる可能性がある。
  • エリオットレイク/ブラインドリバー地域:先住民の助言と参加を得て、地質学的・環境学的なマッピング調査を実施中である。初期ボーリング調査に関する計画は、その実施に関する判断を含めて2018年初めに決定する予定である。

NWMOは、第3段階第2フェーズのフィールド調査の途中段階でも、得られた情報に基づいて、適性が低いと思われる地域を除外していく考えであり、2023年には1カ所の好ましいサイトを選定する準備が整うとしている。

《参考》カナダにおける核燃料廃棄物処分場のサイト選定プロセス

カナダにおける核燃料廃棄物処分場のサイト選定プロセス

【参考出典】『連携して進む:カナダの使用済燃料の地層処分場選定プロセス』(NWMO, 2010年)

【出典】

カナダの使用済燃料処分の実施主体である核燃料廃棄物管理機関(NWMO)は、「適応性のある段階的管理」(APM詳細はこちら)の実施に関して、2017年~2021年の5年間における実施計画案を公表し、2016年10月31日までの期限で意見募集を開始した。NWMOは2008年以降毎年、向こう5年間の行動計画をまとめた実施計画案を事前に公表し、幅広く国民から意見を聞く機会を設けている。最終版の実施計画書は、2017年3月に公表する予定である。

サイト選定プロセスの参照スケジュールの提示

サイト選定プロセスに参加している9自治体

サイト選定プロセスに参加している9自治体(出典:NWMO、2017-2021年実施計画書案)

NWMOは今回意見募集を行っている実施計画案において、使用済燃料処分場のサイト選定プロセスのリファレンスとなるスケジュールを示している。カナダでは現在、サイト選定プロセス第3段階にあたる“使用済燃料処分場の潜在的な適合性の予備的評価”が進められている。NWMOは、机上調査を行う前期(第3段階第1フェーズ)と、現地調査を行う後期(第3段階第2フェーズ)とに分けており、サイト選定プロセスの第3段階第1フェーズが完了した21自治体のうち、9つの自治体が第3段階第2フェーズに進んでいる。NWMOは、これまでのサイト選定プロセスの進行状況に基づいて、第3段階第2フェーズを2022年までに完了できるとの見通しを明らかにした。第3段階第2フェーズの途中段階でも、現地調査等から得られた情報に基づいて、適性が低いと思われる地域を除外していくが、2023年にはNWMOが1カ所の好ましいサイトを選定する準備が整うとしている。この好ましいサイトの所在自治体がサイト選定プロセス第4段階に進むことを望む場合、NWMOが詳細なサイト調査を実施するほか、サイト調査をサポートする専門技術センターの建設が行われる。また、NWMOは将来の作業計画を立案するための前提条件として、処分場の操業開始を2040~45年と仮定していることを明らかにした。

NWMOは2010年に策定したサイト選定プロセス(下記《参考》コラムを参照)において、各段階で実施する調査の期限やスケジュールを意図的に設定せず、サイト選定プロセスに参加する自治体がプロセス自体に関与し、使用済燃料処分場プロジェクトの安全性と地元の福祉への貢献を確認するために必要な時間を確保する姿勢を明確にし、堅持してきた。NWMOは今回の実施計画案において、サイト選定プロセスに参加する自治体や関係組織がサイト選定プロセスの今後の進行見通しを必要としているとの理解から、NWMOが現在までに得た情報に基づく最良のリファレンスとなるスケジュールを提示すると説明している。

2017年から5年間の主要マイルストーン

NWMOは、今回公表した2017年~2021年の実施計画案において、期間中の主要なマイルストーンとして以下の点を示している。

  • 安全性の評価のための予備的な現地調査と技術的評価の実施、及び対象地域の絞り込みに向けた強固なパートナーシップの構築
  • 詳細サイト特性調査の対象となる好ましいサイトの特定に向けた予備的な現地調査と評価の実施、及び強固なパートナーシップの構築
  • これらの活動を、先住民族などを含む関係自治体と協力して実施することによる、パートナーシップを構築してプロジェクトを実施するための基礎固め
  • NWMOの試験施設における使用済燃料コンテナ及び輸送用コンテナの試作品の設計と製造
  • 処分環境で発生しうる微生物学的プロセスの統合的評価の完了
  • サイト選定プロセスに関与している自治体との議論を通じた、選定されたサイトに設置される専門技術センター(Centre of Expertise)の設計計画の推進
  • サイト選定プロセスに関与している自治体との協力による、地元雇用の機会の創出と、「適応性のある段階的管理(APM)」による処分場の建設と操業に関連する将来の雇用のために必要な能力・技能の形成の機会の創出
  • コンテナの設計と試験、及び計画の枠組みの開発に関する情報の提供による公衆の関与を通じた、輸送計画の策定
  • 現在、使用済燃料が貯蔵されている施設からの使用済燃料の輸送計画の立案における廃棄物所有者との協力

《参考》カナダにおける核燃料廃棄物処分場のサイト選定プロセス

カナダにおける核燃料廃棄物処分場のサイト選定プロセス

【参考出典】『連携して進む:カナダの使用済燃料の地層処分場選定プロセス』(NWMO, 2010年)

【出典】

 

【2017年4月3日追記】

カナダの使用済燃料処分の実施主体である核燃料廃棄物管理機関(NWMO)は、「適応性のある段階的管理」(APM詳細はこちら)の実施に関して、今後5年間の行動計画をまとめた実施計画書の最終版を公表した。本最終版では、2016年7月の実施計画書案で示されていた主要マイルストーンに変更はない。なお、これと併せて、2014年から2016年までの事業内容等を取りまとめた報告書(以下「3年次報告書」という。)も公表している1

今回公表された実施計画書においてNWMOは、早ければ2023年としている1カ所の好ましいサイトの選定に向けて、当該サイトに設置される専門技術センター(Centre of Expertise)の設計計画の立案などの取組について、サイト選定プロセスに関与している自治体との議論を通じて進めていく意向を示している。

【出典】


  1. 3年次報告書の作成については、核燃料廃棄物法第18条で規定されており、同条では3年次報告書において、今後5年間のAPMの実施に向けた計画を記載すべきことが規定されている。 []

カナダ原子力安全委員会(CNSC, Canadian Nuclear Safety Commission)は、2016年5月24日、カナダ原子力研究所(CNL)が計画している「チョークリバー研究所(CRL)における浅地中処分施設プロジェクト」の環境影響評価手続きのためのパブリックコメントの募集を開始した。今回のコメント募集は、カナダ原子力研究所が作成した『プロジェクト概要書』について、プロジェクト実施予定のサイトや環境影響評価のための情報を一般から幅広く収集する目的であり、書面によるコメントの受付締め切りは2016年6月24日(1ヶ月間)である。CNSCは、コメントの募集期間終了後、環境影響評価で検討すべき事項や範囲を決定するとしている。

カナダ原子力研究所(CNL)は、カナダ原子力公社(AECL)のCANDU炉開発部門が2011年に売却された後に残された原子力研究等の業務を継承した民間企業であり、AECLとの長期契約に基づき、AECLが所有する放射性廃棄物の管理を実施する。チョークリバー研究所(CRL)1 は、CNLに管理を託されているAECLの施設の一つであり、研究炉のほか、複数の原子力施設が存在している。

CNLの浅地中処分場プロジェクトの計画概要

図: カナダ原子力研究所(CNL)が計画している浅地中処分場の概念図

図: カナダ原子力研究所(CNL)が計画している浅地中処分場の概念図.低レベル放射性廃棄物をマウンド状に積み上げ、上部を覆土する。

カナダ原子力研究所(CNL)は、自社の活動で発生する低レベル放射性廃棄物を受け入れる浅地中処分施設(右図参照)をチョークリバー研究所(CRL)の敷地内に建設する計画である。当初は現時点で発生が見込まれている約50万m3の処分施設を建設し、最終的に100万m3に拡張する。カナダ原子力研究所は、処分施設の操業期間を2020~2070年の約50年間とし、施設閉鎖後の監視段階を2400年まで継続する計画としている。浅地中処分施設で処分する低レベル放射性廃棄物には、以下の3つの種類のものがある。

  1. カナダ原子力研究所(CNL)が過去に行った研究や廃止措置を通じて発生し、現在貯蔵されている廃棄物
  2. 既存のCNLの建屋や構造物の廃止措置、及び汚染された土地の環境修復を通じて発生する廃棄物
  3. CNLの今後の研究や商業活動、将来建設される建屋や構造物の廃止措置、サイトの最終的な閉鎖時に実施される土地の環境修復を通じて発生する廃棄物

カナダの環境影響評価プロセス

カナダにおける環境影響評価の根拠法であるカナダ環境評価法に基づくパブリックコメント募集は、計画されているプロジェクトに対して、関係する個人、団体、組織のほか、国・地方自治体のあらゆるレベルの行政当局から書面による意見を収集するプロセスである。提出された意見書は原則として、カナダ環境評価局(CEAA, Canadian Environmental Assessment Agency)のインターネットサイト(環境評価レジストリと呼ばれる)に登録・公開される。カナダ原子力研究所(CNL)が計画している浅地中処分施設プロジェクトの環境評価レジストリのURLは以下の通りである。

http://www.ceaa-acee.gc.ca/050/details-eng.cfm?evaluation=80122

またCNSCは今回のコメント募集の開始とともに、今後の環境影響評価プロセスにおいて、一般公衆やその他の関係者を支援するための参加団体の募集を開始している。この参加団体には、最大10万カナダドル(約920万円)の資金提供がなされることになっており、CNLが今後作成する環境影響評価書などのレビューや公聴会への参加するための費用に利用できるほか、評価プロセスにおいて独自の意見を提出することが期待されている。

【出典】

 

【2017年3月22日追記】

カナダ環境評価局(CEAA, Canadian Environmental Assessment Agency)は、2017年3月17日付けの公告で、カナダ原子力研究所(CNL)が計画している「チョークリバー研究所(CRL)における浅地中処分施設プロジェクト」(NSDFプロジェクト)に関して、CNLが提出したドラフト環境影響評価書(EIS)を公開するとともに、カナダ原子力安全委員会(CNSC, Canadian Nuclear Safety Commission)が60日間の期限でドラフトEISに対するパブリックコメントの募集を開始したことを明らかにした。書面でのコメント提出期限は2017年5月17日とされている。

「カナダ環境評価法」では、環境影響評価書(EIS)において、事業者が申請するプロジェクトについて、技術的・経済的に実現可能な代替手段を説明し、その環境影響も検討するよう定めている。このためCNLはドラフトEISにおいて、施設の種類、設計、立地等の5項目について、実現可能性のある代替手段とNSDFプロジェクトで採用する手段を比較・分析した結果を提示している。このうち施設の設計に関してCNLは、「工学閉じ込めマウンド」(ECM)2 案と「地表コンクリートボールト」(AGCV)3 案を比較することにより、ECM案が好ましい選択であることを説明している。

NSDFプロジェクトの環境影響評価プロセスの今後の予定として、パブリックコメントの募集期間の終了後、CNSCはCNLが今回提出したドラフトEISの内容が十分かどうかを検討し、必要に応じて追加情報の提出を求める。また、CNSCは、今回のパブリックコメントで寄せられた意見書の全てに回答を提示する意向である。最終的な環境影響評価書の受領後、CNSCは環境アセスメント(EA)報告書を作成する。EA報告書は、2018年1月に開催予定のEAに関する公聴会の60日前に公表される予定である。

【出典】

 

【2017年9月5日追記】

カナダ原子力安全委員会(CNSC, Canadian Nuclear Safety Commission)は2017年8月31日付けのプレスリリースにおいて、カナダ原子力研究所(CNL)が計画している「チョークリバー研究所(CRL)における浅地中処分施設(NSDF)プロジェクト」に関して、CNLが提出したドラフト環境影響評価書(EIS)の技術的評価が終了したことを公表した。CNSCは、ドラフトEISに対するパブリックコメントの募集期間に寄せられた意見を含め、記載内容に関する情報の追加要求や意見を約200項目リストアップしている。

CNLは、ドラフト環境影響評価書(EIS)に対する情報の追加要求などを反映した最終的な環境影響評価書(EIS)を2018年1月にCNSCに提出する予定である。最終的なEISの受領後、CNSCは環境アセスメント(EA)報告書を作成する。CNSCは、2018年7月に開催予定の環境アセスメントに関する公聴会の60日前までに、EA報告書を公表するとしている。

【出典】


  1. CRLは、首都オタワから北西に約200km、ケベック州との州境のオンタリオ州側のレンフルー郡に位置している。 []
  2. Engineered Containment Mound []
  3. Above-ground Concrete Vaults []
NWMOによるサイト選定プロセスの進捗動向(2015年10月時点)

NWMOによるサイト選定プロセスの進捗動向(2015年10月時点)

カナダの使用済燃料処分の実施主体である核燃料廃棄物管理機関(Nuclear Waste Management Organization, NWMO)は、2015年10月29日付で、オンタリオ州セントラルヒューロン自治体(右上図21番)で実施していたサイト選定プロセスの第3段階第1フェーズの机上調査の結果を公表した。NWMOは、セントラルヒューロン自治体がサイト選定要件に合致する可能性が高いと評価し、今後、第3段階第2フェーズの現地での調査を実施するとしている。

セントラルヒューロン自治体は、2014年7月に、使用済燃料処分場のサイト選定プロセスの第3段階にあたる“使用済燃料処分場の潜在的な適合性の予備的評価”に進む意思をNWMOに伝え、これを受けてNWMOは第3段階第1フェーズとなる机上調査を実施していた。NWMOは第3段階第1フェーズで得られた知見として以下の3点を示している。

  • 予備的な地質学的机上調査によれば、同自治体の地質は、使用済燃料の地層処分場を受け入れるための多くの有利な地質学的特性を備えている。
  • 予備的な調査によれば、同自治体は、エンジニアリング、輸送、及び環境と安全性の観点から求められる要件を満たす可能性を備えている。
  • 「適応性のある段階的管理」(APM)(詳しくは こちら)の実施によって、自治体の福祉が向上する可能性がある。

今回のセントラルヒューロン自治体における第3段階第1フェーズの机上調査が完了したことにより、カナダの使用済燃料処分場のサイト選定プロセスにおいて、初期スクリーニングで良好と判断された全21自治体について、第3段階第1フェーズが完了したこととなる。その結果、11の自治体が第3段階第2フェーズでの現地調査に進んでいるが、このうち、空中物理探査などの初期フィールド調査により、2自治体は地層処分場に適切な場所を特定できる見通しが低いと判断され、サイト選定プロセスから除外されている。このため、2015年10月時点で9自治体がサイト選定プロセスに参画していることになる。

《参考》カナダにおける核燃料廃棄物処分場のサイト選定プロセス

カナダにおける核燃料廃棄物処分場のサイト選定プロセス

【参考出典】『連携して進む:カナダの使用済燃料の地層処分場選定プロセス』(NWMO, 2010年)

【出典】

(NWMOによるサイト選定プロセスの進捗動向)

(NWMOによるサイト選定プロセスの進捗動向)

カナダの使用済燃料処分の実施主体である核燃料廃棄物管理機関(Nuclear Waste Management Organization, NWMO)は、2015年3月3日付で、サイト選定プロセスの第3段階第2フェーズが実施されていたサスカチュワン州のクレイトン・タウンシップとオンタリオ州のシュライバー・タウンシップを、サイト選定プロセスから除外したことを公表した。NWMOは、空中物理探査などの初期フィールド調査で取得したデータを分析した結果、クレイトン・タウンシップとシュライバー・タウンシップの調査対象エリアについて、地質構造が複雑であり、地下に多くの亀裂があることを確認しており、これら2地域において地層処分場に適切な場所を特定できる見通しが低いと判断した。

カナダでは、9段階で使用済燃料処分場のサイト選定を進めることとなっており、現在サイト選定プロセスに第3段階である“使用済燃料処分場の潜在的な適合性の予備的評価”が行われている。NWMOは、机上調査を行う前期(第3段階第1フェーズ)と、現地での調査を行う後期(第3段階第2フェーズ)に分けており、サイト選定プロセスの第3段階第1フェーズが完了した20自治体のうち、半数の10自治体が第3段階第2フェーズに進んでいる。今回、NWMOがサイト選定プロセスから除外したクレイトン・タウンシップ及びシュライバー・タウンシップでは、2014年4月から第3段階第2フェーズの調査が開始されていた

サイト選定プロセスの第3段階第2フェーズでは、初期フィールド調査の実施、処分施設の立地見通しの検討、集中的なフィールド調査の実施を通して、当該地域の潜在的な適合性を評価することになっている(下記参照)

〇初期フィールド調査の実施

  • 関心表明を行った自治体、その周辺自治体、及び先住民コミュニティとの対話を行い、技術的評価、安全評価、より広範な自治体の参画、自治体の福祉向上に関する調査の実施計画を策定する。
  • NWMOが設定した技術的なサイト評価要素を満たす可能性がある地域を特定し、潜在的な適合性を評価するため、空中物理探査、環境調査、地質図の作成を行う。

〇処分施設の立地見通しの検討

  • 初期フィールド調査の結果に基づいて、技術的要件と自治体の福祉向上に係る要件を満たす可能性が低い自治体については、フェーズの途中でも評価を終了する。
  • 処分プロジェクトの要件を満たす可能性が高い地域を、集中的なフィールド調査を行う対象とする。

〇集中的なフィールド調査の実施

  • 適合性があると選定された地域において、限定的なボーリング調査を実施する。
  • 関心表明を行った自治体、その周辺自治体、及び先住民コミュニティを交えたパートナーシップのもとで以降のサイト選定作業を行えるようにするため、周辺自治体等に参画を促す活動を行う。

今回、クレイトン・タウンシップとシュライバー・タウンシップの2自治体を調査対象から除外したことから、NWMOはサイト選定プロセスの第3段階第2フェーズの調査を残りの8カ所で継続するとしている。これら8カ所のほかに、オンタリオ州南部のセントラルヒューロン自治体では、第3段階第1フェーズの調査が継続中である。

《参考》カナダにおける核燃料廃棄物処分場のサイト選定プロセス

カナダにおける核燃料廃棄物処分場のサイト選定プロセス

【参考出典】『連携して進む:カナダの使用済燃料の地層処分場選定プロセス』(NWMO, 2010年)

【出典】

(NWMOによるサイト選定プロセスの進捗動向)

(NWMOによるサイト選定プロセスの進捗動向)

カナダの使用済燃料処分の実施主体である核燃料廃棄物管理機関(Nuclear Waste Management Organization, NWMO)は、2015年1月22日付で、オンタリオ州北部の6地域で実施していたサイト選定プロセスの第3段階第1フェーズの調査結果を公表した。サイト選定プロセスの第3段階は、机上調査を行う前期(第1フェーズ)と、現地での調査を行う後期(第2フェーズ)で構成されている。NWMOは、サイト選定要件に合致する可能性が高いと評価された4地域〔マニトウェッジ・タウンシップ(図の8番)、ホワイトリバー・タウンシップ(10番)、ブラインドリバー町(12番)及びエリオットレイク市(13番)〕で第3段階第2フェーズの調査を実施するとしている。ノースショア・タウンシップ(14番)とスパニッシュ町(15番)は調査対象から除外された。

オンタリオ州北部は森林と湖水に覆われたカナダ盾状地が広がっており、人口が集中する市街地を含む自治体は点状に分布している。こうした地理的理由から、ディストリクトと呼ばれる上位自治体が行政サービスを提供しており、ディストリクトに属する下位自治体が連盟で行政を担っている1 。ディストリクトの領域には、特定の下位自治体に管轄権が設定されていない広大な土地が存在する。こうした理由のため、サイト選定プロセスに参加している自治体の管轄領域だけでなく、その周囲に広がる土地を含めたエリアを対象として調査が行われている。NWMOは、オンタリオ州北部の6地域について、自治体の外縁部分を含めた調査対象エリアには、いずれも地質学的な観点でサイトを評価する際の要件を満足しうる広いエリアがあり、エンジニアリング、輸送、環境の観点から求められる要件も満たす可能性があると評価している。しかし、ノースショア・タウンシップとスパニッシュ町は「小規模な町」という地元特性を維持したいとの意向を持っており、これらの自治体での処分プロジェクトの実施は、地元の期待する福祉の向上に結びつかないおそれがあると分析している。

今回、オンタリオ州北部6地域での第3段階第1フェーズの調査が完了したことから、このフェーズまでの調査が未完了の地域は1つを残すのみとなった。2015年1月時点では、サイト選定プロセスの第3段階第1フェーズが完了した20自治体のうち、半数の10自治体が第3段階第2フェーズに進む結果となっている。

なお、サイト選定プロセスの第3段階第2フェーズでは、関心表明を行った自治体、その周辺自治体、及び先住民コミュニティとの対話を行い、技術的評価、安全評価、より広範な自治体の参画・福祉向上に関する調査が実施されるほか、初期フィールド調査も開始される。この初期フィールド調査は、技術的な安全要件に則して地質やサイトの適性をより詳細に評価するものであり、早期にサイト選定プロセスに参加した自治体では既に空中物理探査が行われている。将来的には限定的なボーリング調査も実施される予定である。

《参考》カナダにおける核燃料廃棄物処分場のサイト選定プロセス

カナダにおける核燃料廃棄物処分場のサイト選定プロセス

【参考出典】『連携して進む:カナダの使用済燃料の地層処分場選定プロセス』(NWMO, 2010年)

【出典】


  1. サイト選定プロセスに参加しているオンタリオ州北部の6地域は、いずれも下位自治体である。右地図の4と5はケノーラ・ディストリクト、6~8はサンダーベイ・ディストリクト、9~15はアルゴマ・ディストリクトに属している []
(NWMOによるサイト選定プロセスの進捗動向)

NWMOによるサイト選定プロセスの進捗動向
(2014年12月時点)

Bluce-county

ブルース郡のサイト選定プロセス参加地域の位置

カナダの使用済燃料処分の実施主体である核燃料廃棄物管理機関(Nuclear Waste Management Organization, NWMO)は、2014年12月2日付で、サイト選定プロセスに参加していたオンタリオ州南部のブルース郡内で実施していた第3段階第1フェーズの調査がすべて完了したことを公表した。ブルース郡では5地域(右上図の16~20番)で調査を進めていたが、今回、ヒューロン=キンロス・タウンシップとサウスブルース自治体(図の19番及び20番)はサイト選定要件に合致する可能性が高いと評価し、第2フェーズの調査を実施するとした。一方、先に調査対象から除外していたアラン=エルダースリー自治体、ソーギーンショアーズ町に続いて(図の16番及び17番) 、今回、新たにブロックトン自治体(図の18番)を調査対象から除外した。NWMOは、ブロックトン自治体で地層処分場を建設できる見通しはあるものの、地元福祉や経済発展に対する住民意見の違いが見られており、地層処分場プロジェクトの議論が進行することによって自治体全体の福祉を損ねる可能性があるとしている。なお、ブルース郡のキンカーディン自治体には、ブルースパワー社が運転するブルース原子力発電所がある(右下図参照)。

サイト選定プロセスの第3段階では、“使用済燃料処分場の潜在的な適合性の予備的評価”が行われており、机上調査を行う前期(第1フェーズ)と、現地での調査を行う後期(第2フェーズ)で構成されている。右上の地図は、サイト選定プロセスが進められている地域の状況を整理したものである。オンタリオ州については、今回のヒューロン=キンロス・タウンシップとサウスブルース自治体を含めて、オレンジで示された6の地域において、サイト選定プロセスの第3段階第2フェーズが今後進められるか、または既に進められている。灰色で示された8地域は、NWMOがこれまでに第3段階第2フェーズに移行しないとの決定を行った地域 、または自治体がプロセスからの撤退を選択した地域 である。紫色で示された7つの地域では、第3段階の第1フェーズが進められている。

NWMOは、地層処分場のサイト選定プロセスに対するこれまでの貢献を高く評価し、ブルース郡内の5地域の各地域別の地域福祉準備基金に対して、40万カナダドル(3,760万円)を提供するとしている1 。この支援金は、各地域が管理し、地域の持続可能性の維持や福祉向上に向けた取り組みに活用できることになっている。

なお、今後実施されるサイト選定プロセスの第3段階第2フェーズでは、関心表明を行った自治体、その周辺自治体、及び先住民コミュニティとの対話を行い、技術的評価、安全評価、より広範な自治体の参画、自治体の福祉向上に関する調査が実施されることになっている。さらに、第3段階第2フェーズでは、初期フィールド調査も開始される。この調査は、技術的な安全要件に則して地質やサイトの適性についてより詳細に評価するものであり、空中物理探査や、将来的には限定的なボーリング調査も実施される予定である。

《参考》カナダにおける核燃料廃棄物処分場のサイト選定プロセス

カナダにおける核燃料廃棄物処分場のサイト選定プロセス

【参考出典】『連携して進む:カナダの使用済燃料の地層処分場選定プロセス』(NWMO, 2010年)

【出典】


  1. 地域福祉準備基金は、NWMOが設立し、同基金から各地域に対して支援金が提供される。NWMOは、第3段階第1フェーズを完了した地域に支援金を提供することを明らかにしていた。 []

カナダ環境評価局(CEAA, Canadian Environmental Assessment Agency)は、2014年11月18日付けで、オンタリオ・パワージェネレーション(OPG)社が計画している低・中レベル放射性廃棄物の地層処分場(DGR1 )の環境影響評価書等に関して、意見収集期間が終了したことを公告した。

OPG社は、オンタリオ州キンカーディン自治体のブルース原子力発電所サイトで低・中レベル放射性廃棄物処分の実施を計画しており、地下約680mの石灰岩層に建設する地層処分場(DGR)において、同社の原子力発電所から発生する約20万m3の低・中レベル放射性廃棄物を処分する計画である。OPG社が2011年4月に提出した環境影響評価書(EIS)及び予備的安全評価書等については、カナダ環境評価局(CEAA)とカナダ原子力安全委員会(CNSC, Canadian Nuclear Safety Commission)とが合同評価パネル(JRP)を設置して審査している。DGRプロジェクトの環境影響評価書等に関しては、2013年5月にパブリックコメントの募集が終了しており、その後、公聴会が開催され、OPG社及び公聴会での意見陳述者から最終意見書(closing remarks)の募集を行っていたが、今回の公告は、この終了を公表したものである。

カナダ原子力安全委員会(CNSC)のウェブサイトで公表されている、DGRプロジェクトに関する情報によると、公聴会は2013年9月中旬から2013年10月にかけて実施され、さらに追加の公聴会が2014年9月に開催された。公聴会の手続きによれば、合同評価パネル(JRP)は、公聴会で聴取すべき情報が全て入手されたと判断した後に、OPG社と意見陳述者に最終意見書を提示する機会を与えることとなっている。今回、最終意見書の募集が終了したことにより、これ以降に提出される情報は、JRPの検討対象とはされないこととなる。

今後、合同評価パネル(JRP)は評価報告書を2015年5月6日までに環境大臣に提出するとしている。環境大臣は、評価報告書を受領した後120日以内に地層処分場(DGR)プロジェクトの実施可否を合同評価パネルに回答することになっている。環境大臣がプロジェクトは実施可能であると判断した場合には、合同評価パネルはOPG社のDGRに関するサイト準備・建設に関する許認可を発給できるようになる。

なお、パブリックコメントとして提出された意見書や、公聴会の動画、最終意見等の環境影響評価書等の審査に関する情報は、カナダ環境評価局(CEAA)のインターネットサイト(環境評価レジストリと呼ばれる)に登録・公開されている。地層処分場(DGR)プロジェクトの環境評価レジストリには、2014年11月18日時点で約40件の最終意見書が公開されている。

【出典】

【2015年5月7日追記】

カナダ環境評価局(CEAA, Canadian Environmental Assessment Agency)は、2015年5月6日付けで、オンタリオ・パワージェネレーション(OPG)社が計画している低・中レベル放射性廃棄物の地層処分場(DGR)プロジェクトに関して、合同評価パネル(JRP)による評価報告書を環境大臣に提出したことを公表した。合同評価パネルは、OPG社が予定している環境影響の軽減対策に加えて、合同評価パネルが勧告している対策を付加することにより、環境に重大な影響が及ぶ可能性は低いと結論している。

合同評価パネルは評価報告書において、低・中レベル放射性廃棄物を地層処分場(DGR)に移すことにより、それらを地上で貯蔵する場合と比較して、人間の健康と環境に対するリスクが低減するとしている。また、特に長寿命核種を含む中レベル放射性廃棄物の危険性を低減するような技術開発の進展を待つことによるリスクは、期待される便益を上回ると考えられるため、地層処分場(DGR)の建設を先送りすべきではないとの考えを示している。

今後、環境大臣は、評価報告書を受領した後120日以内に地層処分場(DGR)プロジェクトの実施可否を合同評価パネルに回答することになっている。環境大臣がプロジェクトを実施可能と判断した場合には、合同評価パネルはOPG社の地層処分場(DGR)に関するサイト準備・建設に関する許認可を発給できるようになる。

【出典】

【2015年6月4日追記】

カナダ環境評価局(CEAA, Canadian Environmental Assessment Agency)は、2015年6月3日付けの公告において、オンタリオ・パワージェネレーション(OPG)社が計画している低・中レベル放射性廃棄物の地層処分場(DGR)プロジェクトの環境影響評価プロセスにおける最終段階として、2015年9月1日を期限としたパブリックコメントを実施することを明らかにした。CEAAは、DGRプロジェクトが承認された場合に適用される追加的な要件や環境影響の軽減対策を文書として取りまとめており、本文書に対する意見を地元の先住民、公衆及び評価への登録参加者から収集するとしている。パブリックコメントの結果は、DGRプロジェクトの実施可否を環境大臣が判断する際に考慮に入れられる。

なお、今回のパブリックコメントの実施に伴い、DGRプロジェクトの実施可否に関する環境大臣による判断の期限は、2015年12月2日までへと延長される。

【出典】

【2016年2月19日追記】

カナダ環境評価局(CEAA, Canadian Environmental Assessment Agency)は、2016年2月18日付けで、オンタリオ・パワージェネレーション(OPG)社が計画している低・中レベル放射性廃棄物の地層処分場(DGR)プロジェクトの実施可否に関する環境大臣による検討に関して、環境大臣が同社に対して追加の情報や調査を要求したことを公告した。環境大臣は、合同評価パネル(JRP)が提出した評価報告書を検討した結果、以下の3点に関する追加の情報や調査を要求したとしている。

  • OPG社が申請したサイトとは異なる場所でプロジェクトを実施する場合の環境影響の詳細調査。技術的及び経済的な実現可能性に関してOPG社が定める基準を満足する具体的な場所を示した上で、技術的及び経済的に実現可能であるとOPG社が判断する「しきい値(threshold)」を明らかにする。
  • DGRプロジェクトによる累積的な環境影響に関する解析について、核燃料廃棄物管理機関(Nuclear Waste Management Organization, NWMO)が実施した予備的評価2 の結果を反映したものとなるように更新する。

  • 2012年カナダ環境アセスメント法に従い、特定されている影響に対して、OPG社が実施することを予定している軽減対策のリストについて、内容が古いものや重複を取り除いて更新する。

公告によると、OPG社は2016年4月18日までに、環境大臣の要求に対する対応のスケジュールを提示しなければならない。また、環境大臣のJRPに対する回答期限は、JRPによる評価報告書の受領後120日以内とされているが、今回の環境大臣の要求により回答期限が保留される。今後、環境大臣は、総督に対して、回答期限の再延長を要求するとしている。

【出典】

【2016年4月18日追記】

オンタリオ・パワージェネレーション(OPG)社は、2016年4月15日付けのプレスリリースにおいて、環境大臣が2016年2月18日に同社に要求していた追加の調査を、2016年12月31日までに完了させる意向であることを連邦政府に通知したことを公表した。

【出典】

 

【2016年12月15日追記】

カナダ環境評価局(CEAA, Canadian Environmental Assessment Agency)は、2016年12月12日付けの公告で、オンタリオ・パワージェネレーション(OPG)社が計画している低・中レベル放射性廃棄物の地層処分場(DGR)プロジェクトに関して、プロジェクトの審査を行ってきた合同評価パネル(JRP)に対して環境大臣が提示するプロジェクトの実施可否に関する判断の期限を、総督が同日以降243日間の、2017年8月中旬まで延長したことを公表した。

なお、この延長は、2016年2月18日に環境大臣がOPG社に対して追加の情報や調査を要求したことによるものである。OPG社は2016年4月15日付けのプレスリリースにおいて、OPG社が申請したサイトとは異なる場所でプロジェクトを実施する場合の環境影響の詳細調査に関して、オンタリオ州南部の堆積岩サイトに立地する場合と同州北部の花崗岩サイトに立地する場合の2ケースを対象に調査するとしており、それらの結果を2016年末までに取りまとめる予定としている。

【出典】

 

【2017年1月5日追記】

オンタリオ・パワージェネレーション(OPG)社は、計画している低・中レベル放射性廃棄物の地層処分場(DGR)プロジェクトに関して、環境大臣が2016年2月18日にOPG社に対して要求していた追加の情報や調査に対応した報告書を取りまとめ、2016年12月28日にカナダ環境評価局(CEAA)に提出した。

OPG社は、オンタリオ州キンカーディン自治体のブルース原子力発電所サイトとは異なる別の場所に地層処分場を建設する場合の環境影響について、放射性廃棄物の輸送規模が拡大し、安全対策として追加的な廃棄物処理が必要になるとしている。さらに、OPG社は、プロジェクトのコストと不確実性が増加するとして、OPG社が申請したサイトが好ましいサイトであると説明している。

【出典】


  1. Deep Geologic Repository []
  2. OPG社とNWMOは、DGRプロジェクトに係る許認可申請に向けて、NWMOが技術支援等を行う契約を2009年1月に締結している。2011年にOPG社がカナダ原子力安全委員会(CNSC, Canadian Nuclear Safety Commission)に提出したDGRの許認可申請に添付された環境影響評価書や予備的安全評価書などは、OPG社のためにNWMOが準備したものである。 []
カナダ参加自治体数_02

(NWMOによるサイト選定プロセスの進捗動向)

カナダの使用済燃料処分の実施主体である核燃料廃棄物管理機関(NWMO)が2014年8月に発行したニュースレターにおいて、オンタリオ州セントラルヒューロン自治体(右上図21番)で、使用済燃料処分場のサイト選定プロセスの第3段階第1フェーズが開始されたことが公表された。2014年6月時点では、同自治体はサイト選定プロセスの第2段階にあったが、これで、サイト選定プロセスに参画しているすべての地域が第3段階へ進んだことになる。

NWMOは、第3段階にあたる“使用済燃料処分場の潜在的な適合性の予備的評価”を前期と後期に分けて実施しており、机上で調査を行う前期(第1フェーズ)、現地で調査を行う後期(第2フェーズ)で構成している。第3段階第1フェーズの調査結果をもとに、第3段階第2フェーズの調査を実施する地域の絞り込みなどが行われている。

2014年8月時点でサイト選定プロセスに残っている地域は、オンタリオ州の13地域とサスカチュワン州の1地域の合計14地域であり、このうち、右上図の紫色で示された10の地域で第3段階第1フェーズの調査が進められており、早くからサイト選定プロセスに参加していたオレンジで示された4地域では既に第3段階第2フェーズの調査が進められている。また、灰色で示された7地域は、NWMOがこれまでに第3段階第2フェーズを実施しないとの決定を行った地域 、または自治体がプロセスからの撤退を選択した地域 である。

NWMOは、第3段階の第1フェーズと第2フェーズの調査を通じて、潜在的な適合性が低いと判断した地域をサイト選定プロセスから除外し、次の第4段階で注力する立地エリアを特定する意向である。第4段階では、処分場立地によって影響を受ける可能性のある周辺自治体も参加した上で、詳細なサイト評価を実施する計画である。

《参考》カナダにおける核燃料廃棄物処分場のサイト選定プロセス

カナダにおける核燃料廃棄物処分場のサイト選定プロセス

【参考出典】『連携して進む:カナダの使用済燃料の地層処分場選定プロセス』(NWMO, 2010年)

【出典】

(NWMOによるサイト選定プロセスの進捗動向)

(NWMOによるサイト選定プロセスの進捗動向)

カナダにおける使用済燃料処分場のサイト選定プロセスに参加していたオンタリオ州ニピゴン・タウンシップ(図中の⑥)は、2014年6月17日にサイト選定プロセスから撤退する決議を行った。この決定を受け、カナダの使用済燃料処分の実施主体である核燃料廃棄物管理機関(NWMO)は、同日、ウェブサイトにおいてニピゴン・タウンシップの決定を尊重するとの見解を公表した。

ニピゴン・タウンシップは、2011年11月にサイト選定プロセスに対する関心表明を行っており、2013年10月からはニピゴン地域連絡委員会(NCLC)を設置して、月一回のペースで会合を開催し、サイト選定プロセスの第3段階にあたる「使用済燃料処分場の潜在的な適合性の予備的評価」の前期・後期のうち、机上で行う前期の調査(第1フェーズ)の進捗を追跡していた。NCLCは、住民5名の委員のほか、ニピゴン・タウンシップ長とタウンシップ議会議員からなる5名の委員を加えた計10名で構成されており、当初は2014年11月までの会合予定を活動計画に組み込んでいた。

しかし、ニピゴン・タウンシップは、サイト選定プロセスへの参加継続をタウンシップ議会において早期に議決するための判断材料として、2014年5月21日にNWMOに対し、同地域において実施されてきた第3段階第1フェーズにおける調査の中間評価を求めた。これを受けてNWMOは2014年6月11日に、地域の地層科学面と地元福祉に及ぼす影響の二つの分野について、それぞれ外部コンサルタントに依頼して実施していた調査の中間評価をニピゴン・タウンシップ長宛ての書簡とともに提出した。NWMOは書簡において、次の第3段階第2フェーズである現地調査に進むかどうかを検討する際には、外部コンサルタントが指摘している不確実性の存在を重要視することになると説明し、中間評価の概要を以下のように整理している。

  • 地層科学面の中間評価
     ニピゴン・タウンシップ地域には、処分場設置のための十分な深さと横幅があり、天然資源の存在の可能性が低く、全般的にアクセスしやすい等、処分場設置に好ましい特性を持つと見られる岩盤のあるエリアが2カ所ある。しかし、これら2カ所のエリアには、サイトが処分場設置に求められる評価基準を満たしているとNWMOが判断する可能性を低くするような大きな不確実性がある。その不確実性とは、不均質な岩相、シル(貫入岩体)、貫入岩脈、近接地域に存在する断層である。
  • 処分プロジェクトが地域や周辺地域の福祉に及ぼしうる影響の中間評価
     処分プロジェクトにより、ニピゴン・タウンシップにおける人口の増加、労働力の増加、教育・訓練へのアクセス、保健・安全関連施設やサービスの向上、雇用・所得・事業活動・自治体の財政・自治体のインフラ整備への好影響等、タウンシップにとっての便益が見込まれる。しかし、それらがタウンシップの期待する価値に見合うものであるか、社会的資産を向上させる上で何を優先すべきかについては難しい判断を迫られるため、その判断に伴ってタウンシップ内に問題が生じかねないといった不確実性がある。また、処分プロジェクトに関して流布された誤った情報への対応や処分プロジェクトについての学習への住民の関心維持も解決すべき大きな課題となっている。

これらの中間評価の結果を受けて、ニピゴン・タウンシップ議会は、議決を行うに際しての情報が十分に揃っていると判断した上で、2014年6月17日にサイト選定プロセスから撤退する決議を行った。なお、ニピゴン・タウンシップは、NWMOがサイト選定プロセスから撤退した自治体についても、その後のプロセスに継続的に関与できるようにする枠組みを作る予定であることを示したことから、プロセスへの継続的な関与と関連情報の提供を望むとしている。

また、ニピゴン・タウンシップがサイト選定プロセスから撤退したことで、サイト選定プロセスに残っている地域は14地域(図中オレンジ4カ所、紫色9カ所、青色1カ所)となったが、NWMOは、今回のニピゴン・タウンシップにおける評価結果がこれら他の14地域に影響を及ぼすことは無いとしている。

《参考》カナダにおける核燃料廃棄物処分場のサイト選定プロセス

カナダにおける核燃料廃棄物処分場のサイト選定プロセス

【参考出典】『連携して進む:カナダの使用済燃料の地層処分場選定プロセス』(NWMO, 2010年)

【出典】