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スイスの放射性廃棄物管理基金と廃止措置基金の両基金の管理委員会(以下「基金委員会」という)と連邦原子力安全検査局(ENSI)は2017年12月21日に、原子力発電事業者が2016年12月に取りまとめた放射性廃棄物管理の費用見積りに対する審査結果を公表した。廃止措置・廃棄物管理基金令(以下「基金令」という)に基づいてENSIは、安全技術の観点から原子力発電事業者が行った費用見積りに対する審査を行っている。また、基金委員会は、原子力発電事業者が基金に拠出する金額を決定する上で必要となる将来費用の額を環境・運輸・エネルギー・通信省(UVEK)に提案する役割を担っている。

■原子力発電所の廃止措置と運転終了後の放射性廃棄物管理に要する費用

スイスの地層処分場サイト選定プロセスでは、①高レベル放射性廃棄物と低中レベル放射性廃棄物用の処分場をそれぞれ1カ所ずつの計2カ所に建設するケースと、②両方の処分場を同じ場所に建設するとの2つのオプションが検討されている。原子力発電事業者は、サイト選定プロセスの結果として最終的にケース②となった場合には、処分費用の削減が期待できるとしており、ケース①と②の可能性を共に50%と仮定した場合の期待値を将来費用の額として設定するよう提案していた。

これに対し、基金委員会は、将来費用の資金確保を確実にする観点から、将来費用の金額を高めに設定するように、ケース①と②の可能性を60%、40%の確率で重みをつけて期待値を算出すべきとしている。さらに、基金委員会は、地層処分費用に関して、原子力発電事業者による見積りが楽観的であるとして、事業者が積算した基本コストの12.5%を一般予備費(ドイツ語でgenereller Sicherheitszuschlag)として加算すべきとしている。

上記のような見直しの結果、基金委員会は、原子力発電事業者が提案していた将来費用の額である 217億6,700万スイスフラン(約2兆5,000億円)に対して、約7.9%上回る 234億8,400万スイスフラン(約2兆7,000億円)を環境・運輸・エネルギー・通信省(UVEK)に提案するとしている。

表:地層処分費用の見積り(単位:百万スイスフラン 1スイスフラン=115円で換算)
項目 原子力発電事業者の
見積額
基金委員会が提案する
将来費用の額
備考
(A)地層処分費用 11,303
(約1兆3,000億円)
12,693
(1兆4,600億円)
 
内訳      
(1)基本コスト 8,125
(約9,300億円)
8,229
(約9,500億円)

変動コストは、処分場立地ケースによって変動する部分のコストである。処分場立地ケースの確率配分は、原子力発電事業者と基金委員会で異なる。

(2)変動コスト 3,178
(約3,700億円)
3,435
(約3900億円)
(3)一般予備費
(計上せず)
1,029
(約1,200億円)

基金委員会は、基本コストの12.5%を設定

(B)中間貯蔵、輸送、輸送・貯蔵容器、再処理費用 7,058
(約8,100億円)
7,058
(約8,100億円)
 
(C)廃止措置費用 3,406
(約3,900億円)
3,733
(約4,300億円)
 
合計
(A)+(B)+(C)
21,767
(約2兆5,000億円)
23,484
(約2兆7,000億円)

基金委員会の提案額は、原子力発電事業者の見積りの約7.9%増

 

■ENSIによる安全技術の観点からの審査

連邦原子力安全検査局(ENSI)は、エンジニアリング会社等の外部専門家の協力を得て、原子力発電事業者が取りまとめた費用見積りを審査している。ENSIは、スイスニュークリアが費用算定に用いた技術、スケジュール、組織、操業に係る想定は、現行の基準規則類に適合しており、これまでの知見や最新の科学技術水準に見合うものであり、技術データに関しても品質基準を満たしていると評価し、費用算定の技術的根拠として妥当なものであると結論付けている。

その上でENSIは、放射性廃棄物管理に関して、次回2022年に行われる費用見積りにおける主要課題として、以下の3点を勧告している。

  • 高レベル放射性廃棄物と低中レベル放射性廃棄物を同じ場所に処分するケースを検討する場合について、処分場の地上施設の設計・操業の具体的な概念を示し、その概念に基づいた見積りを行うこと。
  • 高レベル放射性廃棄物用処分場の地上施設について、使用済燃料を受け入れから処分廃棄体を製造するまでの一連の作業手順を具体化すること。
  • 地上施設を構成する建屋間のインターフェースに着目したモデル解析を再度実施し、既に見つかっている不整合を是正し、不足点を補うこと。

■今後の予定

基金委員会は、環境・運輸・エネルギー・通信省(UVEK)よる将来費用の決定を待って、2017年から2021年において原子力発電事業者が基金へ拠出する金額を決定することになる。基金委員会は、UVEKによる決定は2018年秋になるとの見通しを示している。

 

【出典】

【2018年4月20日追記】

スイスの環境・運輸・エネルギー・通信省(UVEK)は2018年4月12日に、原子力発電所の廃止措置と運転終了後の放射性廃棄物管理に要する将来費用の見積額を245億8,100万スイスフラン(約2兆8,300億円、1スイスフラン=115円で換算)と決定したことを公表した。今回UVEKが決定した見積額は、放射性廃棄物管理基金と廃止措置基金の両基金の管理委員会(以下「基金委員会」という)がUVEKに提案した見積額よりも約11億スイスフラン(約1,300億円)多く、この費用の増加は以下の項目で見直しを加えたことによるものと説明している。

<地層処分費用>

  • 高レベル放射性廃棄物の処分場と低中レベル放射性廃棄物の処分場とを異なる場所に建設するケースで将来費用を決定したことによる費用増:
    スイスの地層処分場選定プロセスでは、①高レベル放射性廃棄物と低中レベル放射性廃棄物の処分場をそれぞれ1カ所ずつの計2カ所に建設する場合、②両方の処分場を同じ場所に建設する場合が検討されており、費用算定においても、これらの2つのケースのオプションが検討されている。②のケースでは、①のケースと比較して処分費用の削減が期待される。原子力発電事業者は、ケース①と②の可能性を50%、50%の確率で重みをつけて期待値を算出するよう提案していたが、基金委員会は、60%、40%の確率とするよう提案していた。一方、UVEKは、現在の処分場選定プロセスでは、②のケースの是非を決定できる段階には至っていないとして、①の2カ所に建設するケースで将来費用を決定した。これによりUVEKの決定は、基金委員会の提案と比較すると、約6億5,100万スイスフラン(約750億円)の増額となっている。
  • 地層処分場立地地域への交付金支払いの可能性を高く見積ることによる費用増:
    スイスでは、国としての課題解決への貢献に対する経済的措置として、処分場の立地地域に対して交付金を支払うとされている。廃棄物管理基金から支出される立地地域に対する交付金の支払いについては、法的根拠が存在しておらず、自由意思によって行われる関係者との交渉の結果として取り決められることから、原子力発電事業者と基金委員会は4億スイスフラン(約460億円)を確保するよう提案していたが、UVEKは将来費用を確実に確保する観点から8億スイスフラン(約920億円)を確保するように決定した。

<廃止措置費用>

  • 原子力発電所サイトを全て更地に回復することによる費用増:
    原子力発電事業者の見積りでは、廃止措置の完了後に汚染のない建屋の一部がサイトに残る「ブラウンフィールド」と呼ばれる条件で算出していたが、基金委員会は建屋をすべて解体して、サイトを更地にする「グリーンフィールド」の可能性も費用見積りに含めるべきとの見解から、グリーンフィールドの可能性を80%、ブラウンフィールドの可能性を20%とした場合の期待値を算出するよう提案していた。UVEKは、廃止措置・廃棄物管理基金令(以下「基金令」という)における廃止措置費用の定義に従い、全ての建屋を撤去する費用を確保するとして、グリーンフィールドの条件で将来費用を決定した。これによりUVEKの決定は、基金委員会提案と比較すると、約4,600万スイスフラン(約53億円)の増額となっている。

 

原子力発電事業者の見積額、基金委員会が提案した将来費用額、UVEKが決定した費用額を下表に示す。

表:廃棄物管理・廃止措置費用の見積り(単位:百万スイスフラン 1スイスフラン=115円で換算)

項目 原子力発電事業者の見積額 基金委員会が提案した将来費用額  UVEKが決定した将来費用額 
 地層処分費用  11,303
(約1兆3,000億円)
12,693
(約1兆4,600億円)
13,744
(約1兆5,800億円)
 中間貯蔵、輸送、輸送・貯蔵容器、再処理費用  7,058
(約8,100億円)
 7,058
(約8,100億円) 
 7,058
(約8,100億円) 
 廃止措置費用  3,406
(約3,900億円) 
 3,733
(約4,300億円) 
 3,779
(約4,300億円) 
 合計 21,767
(約2兆5,000億円)

23,484
(約2兆7,000億円)

24,581
(約2兆8,300億円)

 

今後の予定

基金委員会は、今回のUVEKの決定に先立つ2016年12月に、2017年から2021年の期間に原子力発電事業者が基金へ支払うべき拠出金の暫定額を決定している。現在、スイスでは、基金令の改正が予定されており、基金委員会は2017年から2021年の期間に原子力発電事業者が基金へ支払うべき拠出金の正式な額については、改正した基金令の発効後に決定するとしている。基金令の改正の閣議決定は2019年前半と見込まれている。

 

【出典】

地層処分場のサイト選定手続きを監督する連邦エネルギー庁(Bundesamt für Energie、BFE)は2017年11月23日のプレスリリースにおいて、特別計画「地層処分場」(以下「特別計画」という)に基づくサイト選定第2段階の成果報告書の草案を公表し、意見聴取を開始した。現在、BFEは、サイト選定第3段階に進める候補の確定に向けて、連邦評議会1 による承認を受けるために成果報告書の取りまとめを行っている。今回公表された成果報告書の草案は、2011年12月から開始されたサイト選定第2段階において検討された6つの地質学的候補エリアのうち、「ジュラ東部」「チューリッヒ北東部」「北部レゲレン」の3つを第3段階に進む候補とする内容となっている。

現在行われているサイト選定第2段階では、サイト選定第1段階で選定された高レベル放射性廃棄物の3つ、低中レベル放射性廃棄物の6つの地質学的候補エリアの中から、高レベル放射性廃棄物用、低中レベル放射性廃棄物用のそれぞれの地層処分場について、2カ所以上の候補を提案することが目標となっている。2015年1月に処分実施主体である放射性廃棄物管理共同組合(Nationale Genossenschaft für die Lagerung radioaktiver Abfälle, NAGRA)は絞り込み作業の結果、高レベル放射性廃棄物用処分場の優先候補として2つの地質学的候補エリア「ジュラ東部」と「チューリッヒ北東部」を優先候補として提案し、「北部レゲレン」は予備候補として留保する提案を行った。NAGRAの提案に対して、規制機関である連邦原子力安全検査局(Eidgenössisches Nuklearsicherheitsinspektorat, ENSI)は2016年12月に、北部スイスの地質学的データが十分とは言えない中で、NAGRAが示したオパリナス粘土層の安定性と堅牢性に関する想定は、現在の科学技術的知見に照らして過度に保守的であると判断し、「北部レゲレン」も引き続き優先候補として検討すべきとの見解を示していた。また、原子力安全委員会(Eidgenössische Kommission für nukleare Sicherheit、KNS)も2017年7月に、ENSIの見解を支持するとしていた。

■サイト選定第2段階の成果報告書草案の主な内容

今回公表された成果報告書の草案は、上記のNAGRAの提案、連邦原子力安全検査局(ENSI)及び原子力安全委員会(KNS)の見解を踏まえたものである。成果報告書の草案の主な内容は以下の通りである。

  • サイト選定第2段階では、高レベル放射性廃棄物及び低中レベル放射性廃棄物の地層処分場の候補として、地質学的候補エリア「ジュラ東部」「北部レゲレン」「チューリッヒ北東部」まで絞り込む。NAGRAはサイト選定第3段階において、高レベル放射性廃棄物及び低中レベル放射性廃棄物の処分場を同一サイト内に設置する場合の長所と短所を検討する。
  • 地質学的候補エリアの絞り込みに伴い、地上施設の設置区域は、JO-3+(ジュラ東部)、NL-2またはNL-6(北部レゲレン)、ZNO-6b(チューリッヒ北東部)とする。
  • 地質学的候補エリア「ジュラ・ジュートフス」「ジュートランデン」「ヴェレンベルク」はサイト選定第3段階での詳細調査の対象とはしないが、特別計画に基づくサイト選定手続きが終了するまで、予備候補として留保する。
  • サイト選定第3段階ではサイト地域の範囲や地域会議の構成を変更する。サイト地域は、地上施設、地下施設、地上・地下のインフラの一部または全てが立地する「インフラ立地自治体」と「その他関係自治体」で構成される2

 

■今後の予定

BFEはプレスリリースにおいて、成果報告書の草案に対する意見聴取を2017年11月22日から2018年3月9日まで実施するとしている。特別計画に基づいてBFEは、州、関係する連邦機関及び隣接諸国、並びに国内の関係する組織にサイト選定第2段階でNAGRAが提出した報告書や規制機関等の審査結果、成果報告書とファクトシートの草案を送付することとなっており、2011年に終了した第1段階でも同様の手続きが取られた。今後の意見聴取の結果などを踏まえて連邦評議会は、成果報告書を承認するか否かを判断する。サイト選定第2段階の完了は2018年末となる見込みである。

【出典】


  1. 日本の内閣に相当 []
  2. サイト選定第2段階までは、特別計画「地層処分場」の「2.2.2 地質学的候補エリア、計画範囲、サイト地域」及び「略語一覧、用語」に従い、サイト地域は、「候補エリア所在自治体(地質学的候補エリアが領域の一部あるいは全体にわたって含まれる自治体)、並びに計画範囲(建設される可能性のある地上施設の配置を考慮して、地質学的候補エリアの広がりによって確定される地理的領域)の境界内に全体が含まれるか、それを管轄領域の一部に含む自治体によって構成される。また、事情によってはその他の自治体がサイト地域に含まれることもある」と定義されていたが、サイト選定第3段階では、サイト地域の構成に変更が加えられるということである。 []

スイスにおける地層処分場のサイト選定手続きを監督する連邦エネルギー庁(Bundesamt für Energie、BFE)は2017年10月3日に、地層処分場の設置に係る立地地域への経済的措置としての「交付金」及び場合によって支払われる「補償金」に関して、今後行われる交渉プロセスの枠組みを示した「交付金・補償金の交渉プロセスの枠組み(ガイドライン)」を公表した。本ガイドラインは、交渉の当事者、交渉の開始時期と組織などを定めた12の条項で構成されている。交付金及び補償金に関する交渉は、2019年の開始が見込まれるサイト選定第3段階において、早ければ、処分実施主体である放射性廃棄物管理共同組合(NAGRA)が概要承認の申請準備を行うサイトを提案した時点から開始されることになる。

本ガイドラインは、交渉プロセスの枠組みのドラフト作成の委託を受けたスイス連邦工科大学チューリッヒ校の協力のもと、地層処分場の地質学的候補エリアが所在する4州、3つの地域会議の代表、スイスの民間の原子力発電事業者らが参加する協働作業サブグループ(Untergruppe Zusammenarbeit)が作成した文書である。本ガイドラインは2017年9月22日付けで、協働作業サブグループ15名の合意署名に加え、BFE、NAGRA、スイス連邦工科大学チューリッヒ校の参加者5名の賛同署名がされている。

本ガイドラインには、交付金と補償金の支払いについてはいかなる法的根拠も存在しておらず、自由意思によって行われる関係者との交渉の結果として取り決められるとする共通認識が示されている。

ガイドライン策定の背景

スイスにおける地層処分場のサイト選定プロセスの手続きを定めている 特別計画「地層処分場」では、交通インフラなど他の事業にも共通する土地収用法に基づく補償義務に加え、放射性廃棄物処分場の立地地域に対する経済的措置としての「交付金」の他、立地地域へ及ぼす影響に対する措置として場合によって支払われる「補償金」が規定されている。交付金と補償金の分配方法・使途等については、サイト選定第3段階において、NAGRAがサイト地域ごとに設置されている地域会議 や 、関係する州、自治体と協議して取り決めるとしていた。

スイスの連邦評議会1 は2015年10月に公表した報告書「地層処分場の影響—国民議会環境・都市計画・エネルギー委員会(UREK-N)要請13.3286(2014年4月9日付)に対応する連邦評議会報告」において、サイト選定第3段階で実施される交付金及び補償金の交渉に先立ち、第2段階のうちに、交渉プロセスの枠組みをガイドラインとして取りまとめる方針を示していた

交渉プロセスの枠組み

今回公表されたガイドラインでは、交付金、並びに場合によって支払われる補償金の使途、配分及び管理については、特別計画「地層処分場」に基づく手続きの終了後に設置される組織が決定するとしているが、交付金及び補償金の支払いに関する事項について、以下のような枠組みで交渉が行われるとしている。

■交渉当事者

交渉の当事者は、3つのグループから構成され、サイト選定第3段階で提案される高レベル廃棄物用処分場、低中レベル廃棄物用処分場の2カ所(または、それらを統合した処分場の場合は1カ所)について、①当該のサイト地域が含まれる全ての自治体、②サイト地域が所在する州、③廃棄物発生者の三者である。交渉にあたって、各当事者グループは、全権委任された交渉代表団を任命するとしており、自治体の代表団は最大6名2 、州の代表団は最大5名、廃棄物発生者の代表団は最大5名の合計で最大16名とすることを取り決めている。

■交渉の開始と組織

当該の地域会議が見解を取りまとめる上で十分な時間を確保できるよう、サイト選定第3段階において、NAGRAが概要承認申請準備を行うサイトを提案した後、可能な限り早期に開始するとしている一方、最も遅い場合には、当局による概要承認申請書類の審査が終了する時点から開始するとしており、幅をもたせている。

交渉当事者は、議長を選出し、事務局を設置する。事務局を外部委託するための費用は、交渉当事者間で均等に分担する。必要に応じて、外部専門家を交渉会議に招聘できる。また、BFEも議決権のないオブザーバーとして参加することとなっている。

■交渉の終了

交渉の結果、取り決めた内容は協定として文書化され、交渉に参加する自治体、州及び廃棄物発生者の代表団による署名をもって交渉終了となる。協定発効には、交渉終了から2年以内に、全ての廃棄物発生者、全州及び6割以上の自治体で所定の手続きを経て承認される必要がある。

 

【出典】


  1. 日本の内閣に相当。 []
  2. ドイツの自治体からの1名も含む。 []

スイスの連邦原子力安全検査局(ENSI)は、2017年8月3日に、地層処分場プロジェクトにおけるENSIの役割を記したポジションペーパー「地層処分場の規制監督」を公表した。スイスでは、特別計画「地層処分場」(以下「特別計画」という)に基づくサイト選定手続きが実施されており、現在、サイト選定第2段階にある。実施主体である放射性廃棄物管理共同組合(NAGRA)の地質学的候補エリアの絞り込み提案について、今後、連邦評議会1 の承認プロセスを経て、2018年末までにサイト選定第3段階へ進む予定である。ENSIは、サイト選定第3段階においてNAGRAが実施するボーリング調査を含む地球科学的調査に対するレビューや安全評価報告書の審査を行うなど、今後のENSIの役割が拡大していくことを見据え、今回、地層処分場の規制監督を担うENSIの役割と姿勢をポジションペーパーとして整理したとしている。

ENSIは、地層処分場プロジェクトにおける自らの役割と姿勢について、以下の5つの基本方針を示している。

  • 基本方針1:地層処分場プロジェクトの特徴を踏まえた監督の実施
    ENSIは、地層処分場に対する監督を行う期間が、原子力発電所の場合よりもはるかに長期にわたることを踏まえた規制を実施していく。また、バックエンド関連の人材確保と育成は課題である。
  • 基本方針2:指針の策定と精緻化
    ENSIは、法令の要件を具体化する指針を策定し、安全目標や基本原則、安全基準を規定する。また、ENSIは、指針について、処分場の安全確保のための指針「ENSI-G03:地層処分場の設計原則とセーフティケースに関する要件」を2009年に策定しているが、こうした要件や規定内容の精緻化に取り組み、最新の科学技術水準に適合した基準値を適時に提示し、地層処分場の安全・技術面の規制枠組みを構築していく。
  • 基本方針3:実施主体との役割分担について
    実施主体は地層処分場の設置に関する提案を行う一方で、ENSIはそれらの提案を専門的見地から審査し、安全目標や基本原則、安全基準に適合しているかを評価する。
  • 基本方針4:ステークホルダーへの対応
    ENSIは、全てのステークホルダーから早期に安全上の疑問を受理し、これらの疑問点を考慮に入れて安全面の監督を行う。
  • 基本方針5:法整備への働きかけ
    ENSIは、地層処分に関連する法令の改正が必要であると判断した場合には、所轄官庁である環境・運輸・エネルギー・通信省(UVEK)及び連邦エネルギー庁(BFE)に対して改正手続きを促す。

 

【出典】


  1. 日本の内閣に相当 []

スイスのジュラ州にあるモン・テリ岩盤研究所を管理するスイス国土地理院(swisstopo)は、岩盤研究所の坑道拡張工事を2017年6月15日に開始したことを公表した。モン・テリ岩盤研究所では、放射性廃棄物の地層処分や二酸化炭素の地中貯留に関連して、今後10年の計画として約50件の新規研究プロジェクトが計画されているが、既存坑道ではスペースが不足することから、既存部分の南側に全長約600メートルの坑道を新たに掘削する。

今回の坑道拡張工事の総費用は約400万スイスフラン(日本円で約4億5,200万円、1スイスフラン=113円で換算、以下同様)と見積っている。坑道拡張工事は2019年半ばまでに完了する見込みであるが、工事中にも坑道掘削による水理・岩盤力学的な影響を調べる試験(Mine-by Test)が実施される予定である。

モン・テリ岩盤研究所の概要

モン・テリ岩盤研究所は、高速道路の避難・管理用トンネルと周囲のオパリナス粘土層を利用して設置された国際共同研究施設であり、1996年以降、約150件に及ぶ試験が実施されている。複数回に及ぶ坑道拡張工事により2017年6月現在、モン・テリ岩盤研究所の坑道延長は約700メートルとなっている。スイスの放射性廃棄物処分実施主体である放射性廃棄物管理共同組合(NAGRA)はモン・テリ岩盤研究所において、地層処分の候補母岩であるオパリナス粘土層中でのガスの拡散挙動、微生物の活動、母岩に対する熱影響に関する試験研究などを実施している。モン・テリ岩盤研究所における国際共同研究プロジェクトには、スイスを含めた8か国から以下の16の組織が参加しており、今回の坑道拡張工事の費用を分担するとしている。

  • スイス国土地理院(swisstopo、スイス)
  • 連邦原子力安全検査局(ENSI、スイス)
  • 放射性廃棄物管理共同組合(NAGRA、スイス)
  • 原子力研究センター(SCK・CEN、ベルギー)
  • 連邦原子力管理庁(FANC、ベルギー)
  • 放射性廃棄物管理機関(ANDRA、フランス)
  • 放射線防護・原子力安全研究所(IRSN、フランス)
  • 連邦地球科学・天然資源研究所(BGR、ドイツ)
  • 施設・原子炉安全協会(GRS、ドイツ)
  • 株式会社大林組(日本)
  • 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構(JAEA、日本)
  • 一般財団法人電力中央研究所(CRIEPI、日本)
  • 放射性廃棄物管理公社(ENRESA、スペイン)
  • 核燃料廃棄物管理機関(NWMO、カナダ)
  • シェブロン・エネルギー技術社(Chevron Energy Technology ETC、米国)
  • エネルギー省(DOE、米国)

モン・テリ岩盤研究所には、これまでに総額約8,000万スイスフラン(約90億4,000万円)が投じられており、上記の16の組織も費用を分担してきた。

モン・テリ岩盤研究所の地下部分はジュラ州が所有権を有しているが、今回の坑道拡張工事についてジュラ州は2016年12月に、坑道拡張工事に必要な許可を発給していた。また、管理・操業者であるswisstopoは毎年、ジュラ州から研究プロジェクトの実施のための地下利用の許可を得ている。なお、モン・テリ岩盤研究所は研究施設として供用されており、将来にわたり放射性廃棄物処分場として利用されることはない。

mont-terri

モン・テリ岩盤研究所の位置

【出典】

スイスの処分実施主体である放射性廃棄物管理共同組合(NAGRA)は、2016年12月20日に、『放射性廃棄物管理プログラム2016』及び本プログラムに沿って実施される研究開発計画書を連邦エネルギー庁(BFE)に提出したことを公表した。放射性廃棄物管理プログラムは、スイスの4カ所の原子力発電所にある5基の原子炉の運転、廃止措置、並びにそれらから発生する放射性廃棄物の貯蔵、処分の計画を示したものであり、2005年施行の原子力法及び原子力令に基づいて、5年毎に更新することになっている。放射性廃棄物管理ブログラム2016によると、医療・産業・研究等から発生してNAGRAが処分することになっている放射性廃棄物を含め、最終的に地層処分する放射性廃棄物の総量は、最大で約9万2千m3となると推定している。

 

表:放射性廃棄物管理プログラム2016における放射性廃棄物発生量の推定

 

放射性廃棄物の分類と廃棄物量(廃棄体の体積m

放射性廃棄物の発生

高レベル放射性廃棄物(HAA)

アルファ廃棄物
(ATA)

低中レベル放射性廃棄物
(SMA)

合計

使用済燃料(BE) 8,995 8,995
英国、フランスに委託した再処理に伴って返還される廃棄物(WA) 398 414 812
炉内構造物等(BA) 31,271 31,271
原子炉の運転廃棄物(RA) 1,811 1,811
原子炉の廃止措置廃棄物(SA) 24 27,366 27,390
医療、産業及び研究分野の廃棄物(MIF) 8 634 19,010 19,652
使用済燃料及びガラス固化体の廃棄体製造施設から発生する廃棄物(BEVA) 2,302 2,302

合計

9,402 1,072 81,760 92,234

*:わが国のTRU廃棄物に相当

 

○処分場サイト選定のスケジュール

スイスでは、NAGRAが特別計画「地層処分場」(以下「特別計画」という)に基づき、3段階からなるサイト選定プロセスを実施しており、現在、サイト選定第2段階にある。放射性廃棄物管理プログラム2016においてNAGRAは、公衆参加や各段階での審査手続、許認可手続の所要時間に不確定要素が多いことなどから、処分サイトの決定と概要承認手続きの終了を2031年としている。また、低中レベル放射性廃棄物用地層処分場の操業開始を2050年、高レベル放射性廃棄物用地層処分場の操業開始を2060年としている。

スイスにおける地層処分場サイト選定スケジュール

○処分費用見積り

NAGRAは放射性廃棄物管理プログラム2016において、原子力発電事業者の団体であるスイスニュークリアが2016年12月に提出した原子力発電所の廃止措置及び放射性廃棄物の処分に関する費用見積りに基づいて、処分及び廃止措置の費用を示している。低中レベル放射性廃棄物処分、高レベル放射性廃棄物処分、廃止措置の費用見積りはそれぞれ以下の表のとおりである。

表:放射性廃棄物管理プログラムにおいて示された費用の見積り

項目

費用(1スイスフラン=105円で換算)

低中レベル放射性廃棄物処分 44億2,400万スイスフラン(約4,645億円)
高レベル放射性廃棄物処分 76億9,400万スイスフラン(約8,079億円)
原子力発電所の廃止措置* 34億600万スイスフラン(約3,576億円)

*:原子力発電所の廃止措置は電力会社が実施する。

○研究開発計画書

NAGRAは『放射性廃棄物管理プログラム2016』と合わせて取りまとめた研究開発計画書において、今後5~10年に実施する研究を以下の図のような6つのテーマに分けて示している。これらのテーマの間では相互にデータや情報を交換しながら取り組みが進められる。NAGRAは研究開発の基本戦略について、今後、サイト選定第3段階で地質学的候補エリアが確定した際に見直しが必要になるとの認識を示している。

放射性廃棄物処分についてNAGRAが実施する基礎研究テーマ

【出典】

 

【2018年5月29日追記】

スイスの連邦エネルギー庁(BFE)は2018年5月24日、放射性廃棄物管理共同組合(NAGRA)が2016年12月にBFEへ提出した『放射性廃棄物管理プログラム2016』に対する、BFE、連邦原子力安全検査局(ENSI)、原子力安全委員会(KNS)1 の見解書を公表した。BFEとENSIは審査の結果、NAGRAの放射性廃棄物管理プログラムが、原子力法及び原子力令で規定された要件を満たしていると評価し、次回の2021年の放射性廃棄物管理プログラムの更新に向けて、連邦評議会2 が決定すべき事項を勧告している。

2021年の放射性廃棄物管理プログラムに向けた各機関の勧告内容

BFEは今回の見解書で、放射性廃棄物管理プログラムと費用見積りとを同時に審査することが効率的であったとして、連邦評議会に対し、次回の2021年の放射性廃棄物管理プログラムの更新においても、NAGRAが費用見積りに関する報告書を同時に提出するよう決定すべきであると勧告している。また、NAGRAや原子力発電事業者に対して、今後も処分場に関する情報の長期保存や、放射性廃棄物処分に関する情報公開の取組を継続すべきとする見解を示している。

一方、ENSIは、次回2021年にNAGRAが取りまとめる放射性廃棄物管理プログラム及び研究開発計画3 の内容について、以下のように指摘している。

  • 高レベル放射性廃棄物と低中レベル放射性廃棄物の地層処分場を同じ場所に建設するケースを評価する場合に、それぞれの処分領域が相互にどのような影響を及ぼすかを評価すること
  • 地層処分場の長期安全性、操業の容易性、多額の費用を発生させない回収可能性の維持の観点から、処分場閉鎖の概念を複数提示し、それぞれについて長所・短所を説明すること
  • 地球科学的調査の各フェーズにおける要件を示すと共に、地下特性調査施設での調査終了後の処分場への転用に関して、いつ、どのような形で技術的に証明するのかを説明すること
  • NAGRAが考える現在未解決の問題点について、解決方法と解決期限とともにリストアップすること
  • 個々の研究開発相互の関連性や、地層処分場実現までのマイルストーンの説明のほか、サイト選定に関する意思決定を行う際に、どの研究で、どのような成果が得られている必要があるかを明確にすること
  • 使用済燃料及びガラス固化体の中間貯蔵施設に関して、貯蔵容量の増大に対応できる新しい概念を提示すること
  • 過去の研究計画に盛り込まれた各分野の研究プロジェクトや実験の成果を、失敗・中断したものも含めて盛り込むこと

連邦政府の原子力安全に関する諮問機関である原子力安全委員会(KNS)は、今回のENSIの審査結果を示した見解書について、十分に詳細な審査が行われており、包括的な記述が行われていると評価している。その上で、KNSは、今後の処分場サイト選定手続を円滑に進めるため、概要承認申請の具体的な内容や範囲について、関係機関が早期に示すように連邦評議会が指示すべきとの見解を表明している。

これらの審査結果を踏まえ、連邦評議会は2018年末までに、放射性廃棄物管理プログラムに対する最終的な承認及び次回2021年の放射性廃棄物管理プログラムに向けた指示について、判断を行う予定である。

 

【出典】


  1. KNSは、ENSI、環境・運輸・エネルギー・通信省(UVEK)、連邦評議会に対して安全性に関する重要な問題に関して助言する。 []
  2. 日本の内閣に相当 []
  3. 研究開発計画については、法令上の規定では官庁の審査は要求されていない。 []

連邦原子力安全検査局(Eidgenössisches Nuklearsicherheitsinspektorat, ENSI)は2016年12月14日、処分実施主体である放射性廃棄物管理共同組合(Nationale Genossenschaft für die Lagerung radioaktiver Abfälle, NAGRA)に対し、地層処分場のサイト選定第3段階において検討する地質学的候補エリアに「北部レゲレン」を含めるべきとの見解を表明した。

NAGRAは、2016年8月に、地層処分場の技術的実現可能性に関するサイトの評価基準に関して、最大深度に係る補足文書をENSIに提出しており、最大深度700mより深いオパリナス粘土層での処分場の建設は極めて困難であり、建設・操業に関する安全面で不利になるなどの考え方を示した。オパリナス粘土層の多くが700m以深に分布している「北部レゲレン」については、予備候補として留保する提案を行っていた。

これに対してENSIは今回、北部スイスの地質学的データが十分とは言えない中で、NAGRAが示したオパリナス粘土層の安定性と堅牢性に関する想定は現在の科学技術的知見に照らして過度に保守的であると判断し、処分場建設上の適性の点で、北部レゲレンが明らかに不利であると判断できないとする見解を表明した。ENSIは今後、サイト選定第3段階において検討対象とする地質学的候補エリアを「チューリッヒ北東部」「ジュラ東部」「北部レゲレン」の3つとすべきとした審査報告書を2017年春に取りまとめる予定である。

今回のENSIの見解表明を受けてNAGRAは、ENSIの勧告を受け入れる意向を示している。NAGRAはすでに2016年2月の段階で、ENSIによる審査の結果により、北部レゲレンが予備候補ではなく優先候補とされた場合のスケジュールの遅延を避けるため、北部レゲレンにおけるサイト選定第3段階の探査を想定した準備作業(探査計画策定、三次元弾性波探査及びボーリング候補地点の検討等)に着手していることを公表している。NAGRAは、北部レゲレンにおいて、他の2つの優先候補と同様、2016年秋から三次元弾性波探査を実施しており、2017年春にはボーリング調査に向けた許認可申請も予定している。

○スイスにおけるサイト選定の現状

「第3段階に向けたサイト提案」 (NAGRA、技術報告書14-01「地質学的候補エリアの安全性の比較及び第3段階において検討対象とするサイトの提案」、2014年12月より)

「第3段階に向けたサイト提案」
(NAGRA、技術報告書14-01「地質学的候補エリアの安全性の比較及び第3段階において検討対象とするサイトの提案」、2014年12月より)

現在行われているサイト選定第2段階では、サイト選定第1段階で選定された高レベル放射性廃棄物の3つ、低中レベル放射性廃棄物の6つの地質学的候補エリアの中から、高レベル放射性廃棄物用、低中レベル放射性廃棄物用のそれぞれの地層処分場について、2カ所以上の候補を提案することが目標となっている。

高レベル放射性廃棄物の地層処分場について、当初の地質学的候補エリアは「ジュラ東部」「北部レゲレン」「チューリッヒ北東部」である。NAGRAは、2014年12月に取りまとめた技術報告書において、岩盤強度及び変形特性を考慮した上での建設上の適性の観点からの最大深度を地下700mと設定し、これに基づいて、オパリナス粘土層の多くが700mより深いところに分布している「北部レゲレン」をサイト選定第3段階で検討する優先候補とせず、予備候補として留保する提案を行っていた。

NAGRAの提案に対し、連邦原子力安全検査局(ENSI)の依頼に基づく外部専門家によるレビューにおいて、NAGRAが提出した岩盤力学的な基本情報や想定条件、設計基準等が不十分かつロバストではないと指摘しており、2015年11月にENSIは、「建設上の適性の観点から見た最大深度(岩盤強度及び変形特性を考慮して)」を用いた評価を可能とするため、NAGRAに補足情報の提出を求めていた。

NAGRAは2016年8月に地層処分場の技術的実現可能性に関するサイトの評価基準に関して、最大深度に係る補足文書をENSIに提出し、地質学的候補エリアの地質工学的条件について、構造地質学的な履歴や処分深度に応じた変化を踏まえて評価するとともに、処分場の人工バリア及び天然バリアに及ぼす影響を長期安全性の観点から評価することにより、高レベル放射性廃棄物用の地層処分場の最大深度を地下700mとする根拠を明らかにしていた。NAGRAは、北部レゲレンを地層処分場とすることについて、「チューリッヒ北東部」及び「ジュラ東部」と比較して明らかに適性が劣ると評価していた

ENSIは、2014年12月にNAGRAが取りまとめた報告書と今回の補足文書とを合わせて、サイト選定第2段階の絞り込み結果について審査を継続しており、今回2016年12月に、オパリナス粘土等の堆積岩層においては、処分空洞やシーリング構造物を十分な信頼性をもって建設可能な深度は地下900mまでと考えられることから、処分場建設上の適性の点で、北部レゲレンが明確に不利であると判断できないとした見解を表明した。

ENSIは2017年春を目途に審査報告書を公表する予定であったが、サイト選定手続きを監督する連邦エネルギー庁(Bundesamt für Energie, BFE)はENSIと協議を行い、審査報告書の公表に先立ち、審査結果の概要を明らかするようENSIに依頼したとしている。

 

○今後の予定

今後、連邦原子力安全検査局(ENSI)による2017年春の審査報告書の公表の後、原子力安全委員会(KNS)1 と州委員会2 がENSIの審査結果に対する見解を表明する。なお、6つの地域会議もそれぞれ、NAGRAの絞り込み提案に対する見解(一部は暫定見解)を表明済みである。連邦エネルギー庁(BFE)はENSIの審査結果、KNSと州委員会の見解等を踏まえて、地質学的候補エリアの提案に関する成果報告書を作成する。2017年末には、成果報告書とENSIの審査結果、各種見解など資料一式が3カ月にわたって州、自治体、政党、関心のある住民、近隣諸国を対象とした意見聴取に付される。意見聴取の結果を踏まえ、2018年末に連邦評議会3 が地質学的候補エリアの提案を承認する予定となっている。

 

【出典】

【2017年4月20日追記】

スイスの連邦原子力安全検査局(Eidgenössisches Nuklearsicherheitsinspektorat、ENSI)は2017年4月18日に、「サイト選定第3段階で調査を継続するサイトの提案に関する安全技術審査報告書」を公表し、改めて「北部レゲレン」を検討対象にすべきとの見解を示した。

ENSIは2016年12月14日に、今回と同様な審査結果の概要をすでに公表しており、処分実施主体である放射性廃棄物管理共同組合(Nationale Genossenschaft für die Lagerung radioaktiver Abfälle、NAGRA)に対して、優先候補として提案されている地質学的候補エリア「チューリッヒ北東部」及び「ジュラ東部」に加えて「北部レゲレン」についても、サイト選定第3段階での検討対象とすべきとの見解を表明していた。その際ENSIは、2017年春に審査報告書を公開する予定を示していた。

なお、審査報告書と併せてENSIは、NAGRAの地質学的候補エリアの提案に対する専門的な検討を地層処分場専門家グループ(EGT)、スイス国土地理院(swisstopo)、環境コンサルタント会社など複数の専門家・専門組織に委託しており、これらの組織などが作成した20以上の報告書もENSIのウェブサイトで公表されている。

 

【出典】

【2017年7月4日追記】

スイスの原子力安全委員会(Eidgenössische Kommission für nukleare Sicherheit、KNS)は2017年7月3日に、連邦原子力安全検査局(Eidgenössisches Nuklearsicherheitsinspektorat、ENSI)が2017年4月18日に公表した「サイト選定第3段階で調査を継続するサイトの提案に関する安全技術審査報告書」に対する見解を公表した。ENSIの審査報告書に対する見解においてKNSは、ENSIによる審査は十分かつ妥当であるとしており、処分実施主体である放射性廃棄物管理共同組合(Nationale Genossenschaft für die Lagerung radioaktiver Abfälle, NAGRA)が優先候補として提案した地質学的候補エリア「チューリッヒ北東部」及び「ジュラ東部」に加え、予備候補として留保する提案を行っていた「北部レゲレン」をサイト選定第3段階での検討対象に含めるべきとするENSIの勧告を支持するとしている。

原子力安全委員会(KNS)は、原子力法に基づき連邦評議会(日本の内閣に相当)が設置している諮問組織であり、連邦原子力安全検査局(ENSI)、環境・運輸・エネルギー・通信省(UVEK)、連邦評議会に対して原子力の安全性に関する重要な問題に関して助言を行う役割を担う。また、KNSは、特別計画「地層処分場」(以下「特別計画」という)で定められる3段階のサイト選定手続きの各段階において、ENSIの審査報告書等に対する見解書を作成するとされている。

 

【出典】


  1. 原子力安全委員会(Eidgenössische Kommission für nukleare Sicherheit, KNS)は、ENSI、環境・運輸・エネルギー・通信省(UVEK)、連邦評議会に対して安全性に関する重要な問題に関して助言する。 []
  2. 州内に地質学的候補エリアが含まれる7つの州に、近接する地方バーゼル半州を加えた8つの州の代表が参加している。また、投票権は有さないが、BFE、ENSI、ドイツの連邦環境・自然保護・建設・原子炉安全省(BMUB)、及びドイツの3つの自治体の代表者も参加している。 []
  3. 日本の内閣に相当 []
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合計16カ所のボーリング調査予定地点

スイスの処分実施主体である放射性廃棄物管理共同組合(Nationale Genossenschaft für die Lagerung radioaktiver Abfälle, NAGRA)は、2016927日に、地質学的候補エリア「ジュラ東部」及び「チューリッヒ北東部」において、サイト選定第3段階で実施するボーリング調査に必要な許可申請書を連邦エネルギー庁(Bundesamt für Energie, BFE)に提出したことを公表した。NAGRAは、ボーリング調査地点を選定するにあたり、これら2つのエリアにおいて20162月までに地表からの地質構造を調査する三次元弾性波探査を完了させていた。ボーリング調査は、2つの地質学的候補エリアのそれぞれ8地点(右の図の△)、計16地点で実施し、最大2,000メートルの深度までボーリング孔を掘削する計画である。

NAGRAは、特別計画「地層処分場」(詳細はこちら)に基づく地層処分場のサイト選定プロセス第2段階において、今回ボーリング調査の許可申請を行った2つの地質学的候補エリアを優先候補として提案している。この提案は、現在、BFE及び連邦原子力安全検査局(Eidgenössisches Nuklearsicherheitsinspektorat, ENSI)がレビュー等を行っており、サイト選定第3段階に進む地質学的候補エリアが確定するのは早くとも2018年末となる見込みである。サイト選定第3段階では最終的に、地層処分場を立地する1つのエリアを選定する計画となっており、ボーリング調査を含む地球科学的調査の結果に基づいて、地質学的候補エリア間の詳細な比較が行われることになっている。今回NAGRAが行ったボーリング調査の許可申請は、サイト選定第3段階に進む地質学的候補エリアが確定した後、速やかにボーリング調査に着手できるように、先行的に行ったものである。 

ボーリング調査の許可手続きと今後のスケジュール

原子力法第35条に基づいて、ボーリング調査のような地下に影響を及ぼす地球科学的調査の実施には、環境・運輸・エネルギー・通信省(Eidgenössisches Departement für Umwelt, Verkehr, Energie und Kommunikation, UVEK)の許可が必要となっており、UVEKの下で連邦エネルギー庁(BFE)が許可発給までの手続を担う1 。NAGRAが提出したボーリング調査の許可申請を受理したBFEは、許可申請書を2017年第1四半期に30日間の公衆縦覧に付す予定としている。また、BFEは、ボーリング調査に関する許可手続の状況について情報提供を行うため、2017年内に関係官庁や報道機関を対象としたセミナーを開催するとしている。BFEの作業と並行して、連邦原子力安全検査局(ENSI)は、今回NAGRAが許可申請したボーリング調査の内容について、安全面からの評価を行い、ボーリング調査が行われる16地点ごとに評価報告書を作成し、2017年末にBFEへ提出するとしている。ボーリング調査に関する許可手続が順調に進んだ場合、16地点でのボーリング調査のUVEKからの許可発給は2018年半ばとなる見込みである2

なお、現在進められているサイト選定第2段階のレビューの結果次第では、NAGRAが予備候補とした地質学的候補エリア「北部レゲレン」も、サイト選定第3段階に進む可能性が残っている。このため、NAGRAは、予備候補の北部レゲレンについても、ボーリング調査の実施地点を検討し、ボーリング調査の許可申請を行う意向である。 

【出典】

【2017年8月25日追記】

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NAGRAファクトシート「ボーリング地点の説明及びボーリング調査の目的-北部レゲレン」を基に原環センターが加工・作成

スイスの処分実施主体である放射性廃棄物管理共同組合(Nationale Genossenschaft für die Lagerung radioaktiver Abfälle, NAGRA)は2017年8月24日に、地質学的候補エリア「北部レゲレン」について、サイト選定第3段階で実施するボーリング調査に必要な許可申請書を連邦エネルギー庁(Bundesamt für Energie, BFE)に提出したことを公表した。北部レゲレンにおけるボーリング調査の対象地点数は6地点である(右の図の△)。

 

NAGRAは、サイト選定第3段階で検討対象とする優先候補として、「ジュラ東部」「チューリッヒ北東部」の2つのエリアを提案していた。この提案に対して連邦原子力安全検査局(Eidgenössisches Nuklearsicherheitsinspektorat, ENSI)は、2017年4月に公表された審査報告書において、これら2つに加え「北部レゲレン」も優先候補に加えてサイト選定第3段階での検討対象とすべきと勧告し、2017年7月には、原子力安全委員会(Eidgenössische Kommission für nukleare Sicherheit、KNS)3 がENSIの勧告を支持するとしていた。今後、他の官庁の審査、意見聴取の実施を経て、2018年末に連邦評議会4 がサイト選定第3段階へ進む地質学的候補エリアを承認する予定である。今回のNAGRAの許認可申請書の提出は、サイト選定第3段階で「北部レゲレン」が検討対象となることに備えたものであり、NAGRAはサイト選定第3段階が開始される2019年初頭から順次、ボーリング調査を実施するとしている。

 

【出典】

【2017年11月07日追記】

スイスの連邦原子力安全検査局(Eidgenössisches Nuklearsicherheitsinspektorat, ENSI)は、2017年11月2日に、処分実施主体である放射性廃棄物管理共同組合(Nationale Genossenschaft für die Lagerung radioaktiver Abfälle, NAGRA)が連邦エネルギー庁(Bundesamt für Energie, BFE)に提出していたボーリング調査の許可申請書のうち、2016年9月に提出した地質学的候補エリア「ジュラ東部」及び「チューリッヒ北東部」内でのボーリング地点に関する安全面からのレビュー結果を公表した。実際のボーリング調査は、サイト選定第3段階で実施されることとなり、各々の地質学的候補エリアで8地点の合計16地点である。

ENSIは、NAGRAが予定しているボーリング調査について、地層処分場の安全性の評価のために必要なデータを取得する手段として適切に計画されており、環境に大きな負荷をかけることなく実施可能であるとの判断を示している。

なお、NAGRAが2017年8月に提出した地質学的候補エリア「北部レゲレン」内での6地点のボーリング調査に関する申請書についてENSIは、2018年にレビュー結果を公表する見通しである。

 

【出典】

【2018年8月28日追記】

環境・運輸・エネルギー・通信省(UVEK)は、処分実施主体である放射性廃棄物管理共同組合(NAGRA)がボーリング調査の許可申請をした調査候補の合計22地点のうち、地質学的候補エリア「北部レゲレン」の1地点及び「チューリッヒ北東部」の2地点の合計3地点について、許可審査を終了し、2018年8月17日付でボーリング調査の許可を発給した。実際のボーリング調査については、2018年末に連邦評議会5 がサイト選定第3段階へ進む地質学的候補エリアを承認してサイト選定第2段階が終了するまでは、実施することはないとされている。

原子力法第49条は地球科学的調査の許可について地元州の意見の聴取を規定しており、環境・運輸・エネルギー・通信省(UVEK)は、ジュラ東部について472件、チューリッヒ北東部について99件、北部レゲレンについて132件のボーリング調査に対する異議が提出されたことも公表している。

 

【出典】


  1. 弾性波探査のように地下への影響の少ない調査の実施には、原子力法に基づく許可は不要である。ただし、原子力法令以外の連邦法や州法で別途定めがある場合は、それらの法令に基づく許可の取得が必要となっている。 []
  2. NAGRAはボーリング調査の過程で発生する新たな情報へ柔軟に対応するため、実際に必要とされるよりも多くの許可申請書を提出したとしており、全ての地点に対する許可が発給されない可能性を示している。 []
  3. KNSは、ENSI、環境・運輸・エネルギー・通信省(UVEK)、連邦評議会に対して安全性に関する重要な問題に関して助言する。 []
  4. 日本の内閣に相当 []
  5. 日本の内閣に相当 []

スイスの処分実施主体である放射性廃棄物管理共同組合(Nationale Genossenschaft für die Lagerung radioaktiver Abfälle, NAGRA)は、2016年8月12日に、地層処分場の技術的実現可能性に関するサイトの評価基準に関して、最大深度に係る補足文書を規制機関に提出したことを公表した。また、NAGRAは、NAGRAが設定した最大深度700mより深いオパリナス粘土層での処分場の建設は極めて困難であること、最大深度700mよりも深く処分する場合には建設・操業に関する安全面で不利になることなどの見解を示した。
今回NAGRAが提出した補足文書は、2014年12月に取りまとめたNAGRA技術報告書『地質学的候補エリアの安全性の比較及び第3段階において検討対象とするサイトの提案』に対して、規制機関である連邦原子力安全検査局(Eidgenössisches Nuklearsicherheitsinspektorat, ENSI)が2015年11月に提示した補足情報の要求に対応するものである。ENSIは、地質学的候補エリアの絞り込みにNAGRAが用いた指標「建設上の適性の観点から見た最大深度(岩盤強度及び変形特性を考慮して)」に関する技術情報に不足があり、評価基準の妥当性を検証できないと指摘していた。今回の補足文書においてNAGRAは、様々な深度における処分空洞、密封、バリアの概念を比較した結果を示している。

○スイスにおけるサイト選定の現状

「第3段階に向けたサイト提案」 (NAGRA、技術報告書14-01「地質学的候補エリアの安全性の比較及び第3段階において検討対象とするサイトの提案」、2014年12月より)

「第3段階に向けたサイト提案」
(NAGRA、技術報告書14-01「地質学的候補エリアの安全性の比較及び第3段階において検討対象とするサイトの提案」、2014年12月より)

現在行われているサイト選定第2段階では、サイト選定第1段階で選定された高レベル放射性廃棄物の3つ、低中レベル放射性廃棄物の6つの地質学的候補エリアの中から、高レベル放射性廃棄物用、低中レベル放射性廃棄物用のそれぞれの地層処分場について、2カ所以上の候補を提案することが目標となっている。

高レベル放射性廃棄物の地層処分場について、当初の地質学的候補エリアは「ジュラ東部」「北部レゲレン」「チューリッヒ北東部」である。NAGRAは、2014年12月に取りまとめた技術報告書において、岩盤強度及び変形特性を考慮した上での建設上の適性の観点からの最大深度を地下700mと設定し、これに基づいて、オパリナス粘土層の多くが700mより深いところに分布している「北部レゲレン」をサイト選定第3段階で検討する優先候補とせず、予備候補として留保する提案を行っていた。

NAGRAの提案に対する連邦原子力安全検査局(ENSI)の依頼に基づく外部専門家によるレビューにおいて、NAGRAが提出した岩盤力学的な基本情報や想定条件、設計基準等が不十分かつロバストではないとの指摘を受けており、2015年11月にENSIは、「建設上の適性の観点から見た最大深度(岩盤強度及び変形特性を考慮して)」を用いた評価を可能とするため、NAGRAに補足情報の提出を求めていた。

今回、NAGRAは地質学的候補エリアの地質工学的条件について、構造地質学的な履歴や処分深度に応じた変化を踏まえて評価するとともに、処分場の人工バリア及び天然バリアに及ぼす影響を長期安全性の観点から評価することにより、高レベル放射性廃棄物用の地層処分場の最大深度を地下700mとする根拠を明らかにした。NAGRAは、北部レゲレンを地層処分場とすることについて、「チューリッヒ北東部」及び「ジュラ東部」と比較すると明らかに適性が劣ると評価している。

○今後の予定

今後、連邦原子力安全検査局(ENSI)は、2015年1月にNAGRAが取りまとめた報告書と今回の補足文書とを合わせて、サイト選定第2段階の絞り込み結果について審査を継続する。特別計画「地層処分場」(詳細はこちら)に基づいて、ENSIは審査結果の取りまとめを2017年春に公表する予定である。その後、原子力安全委員会(KNS)1 と州委員会2 がENSIの審査結果に対する見解を表明する。ENSIの審査結果、KNSと州委員会の見解を踏まえて、連邦エネルギー庁(BFE)は地質学的候補エリアの提案に関する成果報告書とファクトシートを作成する。2017年末には、成果報告書とファクトシートについて3か月にわたって州、自治体、政党、関心のある住民、近隣諸国を対象に意見聴取が実施される。意見聴取の結果を踏まえ、2018年末に連邦評議会3 が地質学的候補エリアの提案を承認する予定となっている。

 

【出典】


  1. 原子力安全委員会(Eidgenössische Kommission für nukleare Sicherheit, KNS)は、ENSI、環境・運輸・エネルギー・通信省(UVEK)、連邦評議会に対して安全性に関する重要な問題に関して助言する。 []
  2. 州内に地質学的候補エリアが含まれる7つの州に、近接する地方バーゼル半州を加えた8つの州の代表が参加している。また、投票権は有さないが、連邦エネルギー庁(Bundesamt für Energie, BFE)、連邦原子力安全検査局(ENSI)、ドイツの連邦環境・自然保護・建設・原子炉安全省(BMUB)、及びドイツの3つの自治体の代表者も参加している。 []
  3. 日本の内閣に相当 []

スイスの連邦原子力安全検査局(Eidgenössisches Nuklearsicherheitsinspektorat, ENSI)は、2016年7月28日付プレスリリースにおいて、スイス北部の高速道路トンネルの掘削現場において、オパリナス粘土層を対象とした岩盤力学的な調査を実施することを公表した。この調査は、2016年2月から開始されている「ベルヒェン代替トンネル」のトンネル掘削工事と並行して進められる予定であり、ENSIがチューリッヒ工科大学に委託して実施する。

ベルヒェン・トンネルの位置(Tagesanzeiger紙より引用)

ベルヒェン・トンネルの位置(Tagesanzeiger紙より引用)

ベルヒェン代替トンネル

スイスの高速道路A2ルート上にあるベルヒェン・トンネルは、1970年代に建設され、スイス北部のジュラ山脈を貫く上下2本、合計4車線のトンネルである。2023年から大規模な改修工事を行う計画であり、改修中に閉鎖するトンネルの代替として運用するため、2016年2月から全長3.2km、2車線のベルヒェン代替トンネルの建設が開始されている。代替トンネルの開通は2022年の予定であり、トンネル工事には、スイス最大級の掘削機が投入されている。

オパリナス粘土は、放射性廃棄物管理共同組合(Nationale Genossenschaft für die Lagerung radioaktiver Abfälle, NAGRA)が2015年1月に提案した地質学的候補エリア「ジュラ東部」及び「チューリッヒ北東部」の母岩である。ベルヒェン代替トンネルの位置は、これら2つの地質学的候補エリアとは重なっていないが、母岩と同様のオパリナス粘土層が存在する。連邦原子力安全検査局(ENSI)は、地層処分場プロジェクトとは直接関係のないベルヒェン代替トンネルにおいて、大規模なオパリナス粘土層を掘削する機会を利用することにより、既存の地下研究施設では実施できなかった岩盤力学的な調査を実施するとしている。

調査では、実際の構造地質学・水理地質学的条件下において、トンネル掘削機を用いた場合におけるオパリナス粘土層の挙動や掘削後のオパリナス粘土の膨張に係る挙動等を、光学スキャン、写真撮影、各種計測、実験室での分析等により確認する計画である。

ENSIは調査に向け、同トンネルを管轄する連邦道路庁(ASTRA)及びトンネル工事事業者らと協議を進める意向である。ENSIは本調査の予算として、17万5,000スイスフラン(2,030万円、1スイスフラン=116円で換算)を計上している。

 

【出典】