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英国

英国カンブリア州は、2009年11月11日付プレスリリースにおいて、”西カンブリア放射性廃棄物安全管理パートナーシップ”が同州のアラデール市及びコープランド市の全家庭に対して、高レベル放射性廃棄物等の地層処分場のサイト選定に関する小冊子を送付するとともに、両市において公聴会を開催することを公表した。今回の小冊子の送付及び公聴会の開催は、地層処分場のサイト選定プロセスに参加すべきかについてのアラデール及びコープランド両市議会、カンブリア州議会による意思決定に関与する機会をすべての住民に与える包括的なプロセスの第一段階であるとしている。英国政府が実施している地層処分場のサイト選定プロセスでは、カンブリア州のコープランド市が2008年7月、カンブリア州が2008年12月、同州のアラデール市が2009年2月にそれぞれ関心表明を行っている。

西カンブリア放射性廃棄物安全管理パートナーシップは、地層処分場サイト選定プロセスに参加すべきか市議会に勧告を与えることを目的とする諮問組織として設立されており、関心表明を行った市議会の他に、カンブリア州内の他の市議会、カンブリア州地方議会連合、全国農業者連盟(NFU)、地方労働組合やステークホルダーグループなどによって構成されている。

プレスリリースによると、同パートナーシップが配布する小冊子では、政府による地層処分場のサイト選定の進め方、同パートナーシップのサイト選定プロセスへの関与方法についての情報が提供されるとしている。また、公聴会は、2009年11月12日からアラデール市及びコープランド市の様々な地域において開催される。各公聴会ではパートナーシップを構成する団体からのプレゼンテーションが行われるとともに、公聴会の開始前にポスターセッションが行われ、住民が発表者と個々に話しをすることができるとされている。

英国における高レベル放射性廃棄物等の地層処分場サイト選定におけるパートナーシップについては、2008年6月の白書『放射性廃棄物の安全管理』において、自治体などの自発的なアプローチの支援のために利用することが示されていたものである。また、同白書では、サイト選定プロセスの第2段階において、関心表明を行った自治体を対象に、不適格な地域を判断するための初期スクリーニングが実施されることが示されている。政府は、この初期スクリーニングの報告書を最終化する前に、原子力廃止措置機関(NDA)、放射性廃棄物管理委員会(CoRWM)などと協力してピアレビューを実施することとしており、地域の意見反映のためにパートナーシップがピアレビューに参加することを想定している。

【出典】

  • カンブリア州、2009年11月11日付プレスリリース、 http://www.cumbria.gov.uk/news/2009/november/11_11_2009-100455.asp
  • 西カンブリア放射性廃棄物安全管理パートナーシップのウェブサイト、
    http://westcumbriamrws.org.uk/
  • エネルギー・気候変動省(DECC)、英国地質調査所ピアレビュー、2009年10月

【2009年11月25日追記】


サイト選定に関する小冊子

西カンブリア放射性廃棄物安全管理パートナーシップは、自身のウェブサイト上に、地域住民に配布している高レベル放射性廃棄物等の地層処分場のサイト選定に関する小冊子を掲載した。


英国の原子力廃止措置機関(NDA)は、2009年11月9日付プレスリリースにおいて、新規原子力発電所建設計画に基づき建設される原子炉からの放射性廃棄物及び使用済燃料の地層処分の可能性を評価した報告書を作成したことを発表し、同報告書を公表した。また、英国のエネルギー・気候変動省(DECC)は、2009年11月9日付プレスリリースにおいて、原子力発電を含むエネルギー・インフラに関する6つの国家政策声明書案を公表し、2010年2月22日までの期間、同案に対する意見募集を開始した。

原子力廃止措置機関(NDA)のプレスリリースによると、今回公表されたのは、フランス電力株式会社(EDF)及びAREVA社によって提案されている欧州加圧水型原子炉(EPR)、ウェスティングハウス社によって提案されているAP1000、それぞれの原子炉からの放射性廃棄物等の地層処分場での処分可能性を評価した2つの報告書である。

同プレスリリースによると、今回の評価は、2008年の原子力白書に示された要件を満たすために、原子力発電事業者が新規原子炉からの放射性廃棄物及び使用済燃料が地層処分場での処分に適しているかについての評価をNDAに依頼して行われていたものである。

公表された2つの報告書によると、事業者が提供した新規原子炉の運転及び廃止措置から発生する中レベル放射性廃棄物及び使用済燃料に関する情報、廃棄物のパッケージに関する情報を、NDAの廃棄物パッケージの基準及び仕様に基づき、処分への影響を評価したとしている。評価では、放射性廃棄物等の輸送、取り扱い、地層処分場への定置の安全性、処分システムの長期性能や、地層処分場の大きさ及び設計への影響が考慮された。評価結果に基づき、NDAは過去の廃棄物や現在の使用済燃料と比較した場合、新規原子炉からの廃棄物の処分によって新たな問題が生じることはないとしている。また、適切な処分場サイトにおいて、新規原子炉からの廃棄物及び使用済燃料は処分可能であると結論付けている。

また、エネルギー・気候変動省(DECC)のプレスリリースによると、今回公表された原子力発電に関する国家政策声明書案では、新規原子力発電所の必要性が示されるとともに、2008年6月の白書『放射性廃棄物の安全管理』に基づく処分プログラムの進展や原子力廃止措置機関(NDA)の処分可能性の評価などに基づき、新規原子炉からの放射性廃棄物を管理・処分するために効果的な方策が将来的に存在するという政府の見解も示されている。さらに、この政府の見解について国民が同意するかどうかも意見募集の対象とするとしている。この政府の見解は、2008年の原子力白書において示された、政府は新規原子力発電所の開発を認める前に、放射性廃棄物等を管理・処分するために効果的な方策が将来的に存在することを確認する必要があるという方針によるものである。

【出典】

  • 原子力廃止措置機関(NDA)、2009年11月9日付プレスリリース
    http://www.nda.gov.uk/news/disposability-assessment.cfm
  • 原子力廃止措置機関(NDA)、一般設計評価:ウェスティングハウスAP1000の運転による廃棄物及び使用済燃料の処分可能性評価の要約、2009年10月
  • 原子力廃止措置機関(NDA)、一般設計評価:欧州加圧水型原子炉(EPR)の運転による廃棄物及び使用済燃料の処分可能性評価の要約、2009年10月
  • エネルギー・気候変動省(DECC)ウェブサイト
    https://www.energynpsconsultation.decc.gov.uk/home/intro/
  • エネルギー・気候変動省(DECC)、原子力発電に対する国家政策声明書案、2009年11月
  • エネルギー・気候変動省(DECC)、エネルギー・インフラに関する国家政策声明書案に関する協議文書、2009年11月

英国の放射性廃棄物管理委員会(CoRWM)は、自身のウェブサイトにおいて、2009年7月27日付で高レベル放射性廃棄物等の中間貯蔵及び地層処分、核物質管理のための研究開発に関する報告書の草案を公表した。CoRWMは同報告書草案についての意見募集を2009年9月11日まで行い、寄せられた意見を検討した後、最終報告書を2009年10月に政府へ提出することとしている。

放射性廃棄物管理委員会(CoRWM)が、2009年3月に公表した2009年から2012年の作業プログラムにおいては、2008年に公表された白書『放射性廃棄物の安全な管理』(以下「白書」という、既報を参照)に示された中間貯蔵、地層処分及び研究開発の3つの主要な分野に関して、2009年中に各々の分野についての報告書を政府へ提出することとなっていた。これまでに、中間貯蔵に関する報告書が2009年3月に政府へ提出されており、地層処分に関する報告書の草案が2009年5月に意見募集のため公表され2009年7月末に最終版が政府に提出される予定となっている

今回公表された報告書草案は、研究開発に関する以下の4つの点について、放射性廃棄物管理委員会(CoRWM)が2008年から2009年に行った精査・評価の結果をまとめたものである。

  • 英国における高レベル放射性廃棄物等の管理に関する研究開発の実施プロセス
  • 白書に示された放射性廃棄物の安全な管理計画における研究開発を支援するための技術要件、特に地層処分の実施を可能にする技術要件
  • インフラの要件、特に放射性物質に関する研究開発と地下における研究開発のサポート施設
  • 上記3点ににおける公衆及びステークホルダーの関与

放射性廃棄物管理委員会(CoRWM)は、同報告書草案において、これら4点についてそれぞれ現状をまとめ、今後数十年間以上にわたって行われるべき研究開発のための計画策定への勧告を示している。さらに、CoRWMは、政府及び他の機関によりこれらの勧告が活用されているか、また、どのように活用されているかについて確認していくとしている。

放射性廃棄物管理委員会(CoRWM)が同報告書草案において示している政府に対する勧告は以下の6点である。

  • 高レベル放射性廃棄物等の管理に関する研究開発の戦略レベルにおいて、調整メカニズムを実現すること(そのような戦略的な調整は、原子力廃止措置機関(NDA)自身、NDAと原子力産業及び研究機関との関連、並びに、研究機関と原子力産業及び規制機関との関連において必要とされる)
  • イングランドとウェールズの環境規制機関(EA)及びスコットランド環境保護機関(SEPA)が、高レベル放射性廃棄物等の管理に関する規制のために、独立した研究を行えるような資源を確保できるようにすること
  • 放射性廃棄物の長期管理に関連した研究開発スキルの準備に向けた、戦略的な方向性の提示と国家的リーダーシップを発揮する役割を単一の機関に与えること
  • 高レベル放射性廃棄物等の管理に関連する広範な基礎研究及び応用研究をサポートするための放射性物質を扱う施設に関して、国家的な必要性に合致するような仕組みを整備すること
  • 放射性廃棄物の安全な管理計画において、処分場サイトでの地下施設の建設を含む、地下における研究開発の実施段階を特定すること
  • 高レベル放射性廃棄物等の長期管理のための技術開発要件を設定する際に、これまでより幅広いステークホルダーが関与するようにすること。また、研究開発の必要性、計画及び進捗について公衆が情報を得ることができるようにすること

【出典】

  • 放射性廃棄物管理委員会(CoRWM)ウェブサイト、http://www.corwm.org.uk/default.aspx
  • 放射性廃棄物管理委員会(CoRWM)、高レベル放射性廃棄物の中間貯蔵及び地層処分、核物質管理のための研究開発に関する報告書草案、2009年7月
  • 放射性廃棄物管理委員会(CoRWM)、2009年―2012年作業プログラム、2009年3月

【2009年11月2日追記】

放射性廃棄物管理委員会(CoRWM)は、自身のウェブサイトにおいて、2009年10月30日に高レベル放射性廃棄物等の地層処分及び中間貯蔵の研究開発に関する最終報告書を政府へ提出したことを公表した。同報告書は、2009年9月11日まで行われた意見募集期間中に、同報告書草案に対し寄せられた37の団体や個人からの意見を考慮し策定されたものである。なお、同報告書及び同報告書草案に対する意見は、自身のウェブサイトで公開している。

【追記部出典】

  • 放射性廃棄物管理委員会(CoRWM)ウェブサイト
    (http://www.corwm.org.uk/default.aspx)
  • 放射性廃棄物管理委員会(CoRWM)、高レベル放射性廃棄物等の地層処分及び中間貯蔵の研究開発に関する報告書草案への意見募集に対する回答の記録、2009年10月(CoRWM文書2630

英国の放射性廃棄物管理委員会(CoRWM)は、自身のウェブサイトにおいて、2009年4月24日付の高レベル放射性廃棄物等の地層処分に関する報告書の草案を公表した。CoRWMは同報告書草案についての意見募集を2009年5月22日まで行い、寄せられた意見を検討した後、最終報告書を2009年7月末に政府へ提出することとしている。

今回公表された高レベル放射性廃棄物等の地層処分に関する報告書草案は、放射性廃棄物管理委員会(CoRWM)が、中間貯蔵及び地層処分を含む放射性廃棄物の長期管理に関する政府及び実施主体の原子力廃止措置機関(NDA)による提案、計画、プログラムに対する精査・助言を行うという役割に基づき実施した評価をまとめたものである。2009年3月に公表されたCoRWMの2009年から2012年の作業プログラムにおいては、2008年に公表された白書『放射性廃棄物の安全な管理』(以下「白書」という。既報を参照)に示された中間貯蔵、地層処分及び研究開発の3つの主要な分野に関して、2009年中に各々の分野についての報告書を政府へ提出することとなっていた。

同報告書草案では、白書に示された放射性廃棄物の安全な管理計画による地層処分の実施の進捗に関して、以下の5つの主要分野について、放射性廃棄物管理委員会(CoRWM)が評価を行っている。

  • 地層処分場サイト選定プロセスのための自発性及びパートナーシップ
  • 地層処分の実施管理
  • 規制
  • 管理すべき廃棄物及び物質
  • 技術的な設計及びサイト選定に関する問題

放射性廃棄物管理委員会(CoRWM)は、同報告書草案において、白書に示されたサイト選定プロセスが、CoRWMの助言に従っていることを評価したうえで、これまでに一部の地域からのみ関心表明が行われていることに懸念を表明し、原子力施設を持たない地域などに対する更なる情報提供や支援が必要であることなどを示している。また、CoRWMは、政府に対して、関心表明を行った地域に対する利益のパッケージが適切に提供されるという保証を含む方針を策定するよう勧告している。この他に、CoRWMは、政府に対して原子力廃止措置機関(NDA)にさまざまな地層処分概念及び設計を検討するオプション評価の実施などを勧告している。

なお、放射性廃棄物管理委員会(CoRWM)が、2009年中に政府へ提出することとなっている地層処分に関する報告書以外の2つの報告書については、中間貯蔵に関する報告書が2009年3月にすでに政府へ提出されており、研究開発に関する報告書が2009年10月に提出される予定となっている。CoRWMは中間貯蔵に関する報告書において、以下の点についての現状をまとめ、政府に対する今後数年間の計画策定のための助言として、適切な情報公開の必要性などを示している。

  • 高レベル放射性廃棄物等のコンディショニング、パッケージング、中間貯蔵、輸送
  • 使用済燃料、プルトニウム、ウランの将来廃棄物とされる可能性のある核物質の管理
  • これら2点に関する公衆及びステークホルダーの関与

【出典】

  • 放射性廃棄物管理委員会(CoRWM)ウェブサイト、http://www.corwm.org.uk/default.aspx
  • 放射性廃棄物管理委員会(CoRWM)、高レベル放射性廃棄物等の地層処分に関する報告書草案、2009年5月
  • 放射性廃棄物管理委員会(CoRWM)、2009年―2012年作業プログラム、2009年3月
  • 放射性廃棄物管理委員会(CoRWM)、中間貯蔵に関する報告書、2009年3月

【2009年8月3日追記】

放射性廃棄物管理委員会(CoRWM)は、自身のウェブサイトにおいて、2009年7月31日に高レベル放射性廃棄物等の地層処分に関する最終報告書を政府へ提出したこと、及び同報告書を公表した。同報告書草案に対しては、2009年5月22日まで行われた意見募集期間中、16の団体や個人から意見が寄せられた。同報告書はこれらの意見を考慮し策定されたものである。

【追記部出典】

  • 放射性廃棄物管理委員会(CoRWM)ウェブサイト
    (http://www.corwm.org.uk/default.aspx)
  • 放射性廃棄物管理委員会(CoRWM)、高レベル放射性廃棄物等の地層処分に関する報告書草案への意見募集に対する回答の記録、2009年7月(CoRWM文書2592)
    (http://www.corwm.org.uk/Pages/current%20Publications/Forms/AllItems.aspx)

英国の原子力廃止措置機関(NDA)は、2009年3月、高レベル放射性廃棄物等の地層処分のための研究開発戦略を公表した。この文書では、現在のNDAの研究開発テーマ、研究開発の実施方法、外部機関との協力などが示されており、次の段階として、研究開発プログラムの詳細に関する報告書を2009年中に公表することも示されている。

原子力廃止措置機関(NDA)は、2008年6月に地層処分のための研究開発戦略のドラフトを公表し、2008年6月から11月までドラフトに対する意見募集を行っていた。この期間中に、政府、規制機関、サイト許可会社、大学などから合計で33件の意見が寄せられた。また、NDAは、同ドラフトに対する協議プロセスの一環として、2008年11月に関心を持つ個人を対象とし、ドラフトの内容を議論するために2日間にわたるワークショップを開催していた。NDAに寄せられたコメントには、研究開発戦略とその戦略を実施するための研究開発プログラムとを明確に切り離すべきであるという趣旨のコメントがあり、NDAでは、この意見を取り入れ、研究開発戦略及びその実現のための研究開発プログラムをそれぞれ別の文書として公表することとした。なお、研究開発プログラムについては、2009年中に公表されることとなっている。

今回公表された研究開発戦略では、現在のNDAの研究開発テーマとして以下の6つが挙げられている。

  • 高レベル放射性廃棄物及び使用済燃料に関する研究開発の進展・拡張
  • ウラン及びプルトニウムなどの核物質の将来の管理戦略の開発支援
  • 中レベル放射性廃棄物処分のための研究開発の継続
  • 処分プログラムの実施のための諸問題への対応
  • サイト特性調査の準備
  • 社会科学的研究の実施

上記の最初の3点に関しては、地層処分を必要とする廃棄物などの種類に対する理解を深めることに直接関連しており、残りの3点については、サイト選定での公募方式の採用により、さまざまな地質環境における処分を理解する必要があり、その後のサイト固有の調査の準備に関連したテーマとなっている。

この他に、今回の研究開発戦略では、研究開発の実施方法として、関連分野で専門性を有する機関への委託や入札に関することが示されている。また、ステークホルダーが研究開発に継続して関わっていくことができるように、大学、放射性廃棄物管理委員会(CoRWM)、規制機関、NGO、廃棄物発生者などの様々なステークホルダーと強い協力関係を結ぶこと、NDAの作業においてより透明性の高い方法を求めること、研究開発プログラム及び評価の段階においてステークホルダーの関与を増すことが示されている。

また、原子力廃止機関(NDA)は、2009年4月1日付のニュースリリースにおいて、2009年から2012年に対する事業計画書を公表したことを発表した。同事業計画書によると、NDAの2009/2010年の総支出は、約27億8,870万ポンド(約5,298億5,000万円)で、このうち、約16億3,290万ポンド(約3,102億5,000万円)が英国政府による直接の支給であり、約11億5,580万ポンド(約2,196億円)が商業収入となっている。また、2010/11年に関しては、総支出が約27億7,370万ポンド(約5,270億円)と予測されている(1ポンド=190円で換算)。また、NDAは、対象期間中に、サイトを特定しない条件での地層処分場の設計を行うと共に、サイト選定に関して、英国政府に対する支援を行うことが示されている。

【出典】

  • 原子力廃止措置機関(NDA)、原子力廃止措置機関(NDA)放射性廃棄物管理局(RWMD)による研究開発戦略ドラフトに対する意見への対応、2009年3月
  • 原子力廃止措置機関(NDA)、高レベル放射性廃棄物の地層処分の実証のためのNDAの研究開発戦略、2009年3月
  • 原子力廃止措置機関(NDA)、事業計画書 2009/2012
  • 原子力廃止措置機関(NDA)、2009年4月1日付プレスリリース、 http://www.nda.gov.uk/news/business-plan-0912.cfm

英国カンブリア州のアラデール市の2009年1月30日付のプレスリリースによると、同市は英国政府が実施している地層処分場選定のためのプロセスに対して、責任を伴わない関心表明を行うことを決定した。現在、英国では、2008年6月の放射性廃棄物管理に関する白書 に基づいた公募方式による地層処分場選定プロセスが実施されており、その第一段階として、処分場受け入れに関する英国政府との協議への関心表明が募集されている。2008年7月には、カンブリア州のコープランド市が英国政府に関心表明を提出しており、2008年12月にはカンブリア州自身も提出している

同プレスリリースによると、アラデール市議会の全体会議(2009年1月28日開催)において、英国政府と「責任を伴わない」議論を行うべきであるとする執行委員会の勧告が、投票で支持された。全体会議では、アラデール市民の安全が最も重要であるため、英国政府の費用負担による地元自治体との協議が必要であるという点についても合意がなされた。また、地層処分場選定のためのプロセスを進める場合は全体会議での同意が必要であること、全ての可能性のあるサイトは地元自治体によって承認されなければならないことも確認された。アラデール市議らは、最終的に地元自治体に責任が発生する段階に至るまで、あらゆる段階で英国政府との協議から撤退する権利を確保しておくことが必要である点を強調している。さらに、廃棄物の回収可能性に関しても、今後の議論の重要な要素になるとされている。

同プレスリリースによれば、アラデール市議会議長は、アラデール市議会が地層処分場選定に関して英国政府と議論を行うべきであるとの勧告を受け入れたのは、アラデール市議会が雇用や発展をもたらすような機会を排除することはできないためとしている。ただし、アラデール市議会議長は、特定の処分場サイトが念頭にあるのではなく、また公衆の意見を無視して手続きを進めることはないとしている。また、アラデール市議会議長は、次の段階では地質学的調査による処分場建設が不可能な地域の除外と、地域の全構成員が意思決定に関わるための手段の開発が行われると述べている。

同プレスリリースによると、コープランド市議会とアラデール市議会は、英国のエネルギーコーストマスタープランにおいて、既に英国政府による地層処分場のサイト選定プロセスの枠組みの策定を支援していくことで合意しているとしている。

【出典】

  • アラデール市、2009年1月30日付プレスリリース
    http://www.allerdale.gov.uk/council-and-democracy/council-news/news-releases.aspx?prid=1020
  • アラデール市、2009年1月28日の市議会会議資料
    http://webapps.allerdale.gov.uk/moderngov/Published/C00000032/M00002602/$$ADocPackPublic.pdf

英国カンブリア州の2008年12月9日付のプレスリリースによると、カンブリア州は英国政府が実施している地層処分場選定のためのプロセスに対して、責任を伴わない関心表明を行うことを決定した。現在英国では、2008年6月に英国政府が公表した放射性廃棄物管理に関する白書 において示された、地層処分場選定プロセスの第一段階として、処分場受け入れに関する英国政府との協議への関心表明が募集されている。2008年7月に同州のコープランド市が既に英国政府に関心表明を提出しており、同じく同州のアラデール市も検討を進めている

同プレスリリースによると、今回の決定は、関心表明を行うという州議会の決定を閣議1 が認める、という形で行われた。関心表明を行う理由として、英国の高レベル放射性廃棄物等の70%が同州のセラフィールドに貯蔵されていること、またこの地域が英国の原子力産業の中心であることが挙げられている。

プレスリリースによると、今回のカンブリア州による関心表明は、既に関心表明を行ったコープランド市もカバーするものである。また、今回の閣議決定では、アラデール市議会が関心表明を決定した場合には、州の関心表明の効力がアラデール市も含むカンブリア西部全域に及ぶようになるとされている。今回の決定により、州はカンブリア西部が地層処分場を受け入れるのにふさわしいか否かに関する議論に参加できるようになるとともに、結論を得るために他のステークホルダーと協働作業を実施することができるようになる。

また、プレスリリースによると、今回の決定は、州議会が関心表明をするべきか否かについての主要な地元のステークホルダー等の見解を調べるプロセスを経て行われた。調査の結果、関心表明に対して広範な支持があることが明らかとなったとされている(35の町村のうちの23が関心表明を支持)。

なお、プレスリリースでは、英国政府が設定した現段階での暫定的なスケジュールが、次のように示されている。

  • 2012年4月まで:2つの候補サイトの特定
  • 2014~2015年:サイト調査
  • 2025年まで:候補サイトの発表
  • 2040年まで:最初の放射性廃棄物の定置
  • 2075年まで:最初の使用済燃料の定置
  • 2128年まで:処分場の閉鎖

【出典】

  • カンブリア州、2008年12月9日付プレスリリース、
    http://www.cumbria.gov.uk/news/2008/december/09_12_2008-121129.asp
  • カンブリア州、ウェブサイト情報、
    http://www.cumbria.gov.uk/council-democracy/councillors-democracy-elections/councillors/CabinetMembers.asp

【2008年12月17日追記】

2008年12月15日に、カンブリア州ウェブサイトにおいて、12月9日の閣議の議事録(抜粋、ドラフト版)が公表された。議事録には、以下が示された。

  • カンブリア州がコープランド・エリアについての関心表明を行うことを決定したこと
  • アラデール・エリアが関心表明を決定した場合、州の関心表明をアラデール・エリアにも拡大すること

出典

  • カンブリア州、ウェブサイト情報、 http://www.cumbria.gov.uk/councilmeetings/viewpdf.asp?File=/CouncilMeetings/Content/Public/2940/39797132353.pdf

【2008年12月24日追記】

2008年12月22日付のカンブリア州プレスリリースによると、州は正式に関心表明を行うことを示した書簡を、担当官庁であるエネルギー・気候変動省(DECC)の大臣に送付した。書簡には、サイト選定プロセスの第2・第3段階の進め方に関するDECCとの協議を、2009年早々に実施したいという州の意向が示されている。

  • カンブリア州、2008年12月22日付プレスリリース、 http://www.cumbria.gov.uk/news/2008/december/23_12_2008-092043.asp
  • カンブリア州、関心表明に関するエネルギー・気候変動省(DECC)への書簡、2008年12月19日、 http://www.cumbria.gov.uk/elibrary/Content/Internet/543/398059057.pdf

  1. 閣議は、州議会議員の中から選ばれた者によって構成されるものであり、州議会の所掌案件についての意思決定を行う責任を有している。 []

英国の放射性廃棄物管理委員会(CoRWM)の2008年9月付の文書によれば、英国(グレートブリテン及び北アイルランド連合王国)を構成するイングランドのカンブリア州コープランド市は2008年7月7日、環境・食糧・農村地域省(DEFRA)に対して、地層処分場選定に関する政府との協議への関心表明を提出した。この協議は、英国政府が2008年6月に公表した放射性廃棄物管理に関する白書で示した地層処分場選定プロセスの第一段階として予定されているものである。また、カンブリア州及び同州のアラデール市も、関心表明を提出するかどうかの検討を行っている。なお、カンブリア州には、ドリッグ低レベル放射性廃棄物処分場やセラフィールド酸化物燃料再処理工場(THORP)など、多くの原子力施設がある。

カンブリア州コープランド市は2008年6月25日のプレスリリースにおいて、市議会で関心表明を行う決定が行われたことを伝えていた。このプレスリリースによれば、同市は、今後は白書に示された内容を検討し、自治体の関与プロセスを進展させるために、カンブリア州やアラデール市の議会も含めて、パートナーシップを構築する予定であるとされている。また、こうした作業を受け、最終的にサイト選定手続への参加についての決定が行われるとされている。

カンブリア州は2008年6月26日のプレスリリースの中で、処分場選定におけるパートナーシップアプローチを支援していく意向を示していた。同州のウェブサイトによると、州は関心表明を行うべきかどうかについて検討しており、2008年7月31日に同州の自治体や地元のステークホルダーなどに意見を求める書簡を送付していた。地元住民は州のウェブサイトを通じて意見を提出することができるようになっており、2008年10月14日までに寄せられた意見が、2008年11月4日の州議会で報告されることになっている。なお、この意見募集は非公式なものとされており、白書で示された地層処分場選定プロセスに参加するかどうかについての公式な意見募集は、州議会が関心表明を行い、このプロセスの第二・第三段階に進んでから行われるとされている。

カンブリア州アラデール市は、2008年6月13日のプレスリリースにおいて、地層処分場サイト選定に関する関心表明の前に、同市や近隣の市の市民と協議を行う意向を示していた。

関心表明の状況について、CoRWMの2008年9月14日の文書によると、CoRWM委員長が国内全自治体に対して、サイト選定の進め方などを周知するとともに、自治体にCoRWMが個々にアドバイスを行えることを示した電子メールを送信したのに対して、イングランドの12自治体、スコットランド及び北アイルランドのそれぞれ1自治体から返信があり、ウェールズの2自治体から非公式の接触があったとしている。また、同文書では、カンブリア州の複数の自治体を除いては、サイト選定についての政府との協議に関心を示している自治体はないとされている。

【出典】

  • 放射性廃棄物管理委員会(CoRWM)、MRWS作業グループ(グループD)報告書、2008年9月 http://www.corwm.org.uk/Pages/Plenary%20Meetings%20Past/Post%20November%202007/2008/September%202008/2430%20-%20MRWS%20-%20Working%20group%20D%20progress%20report.doc
  • コープランド市、2008年6月25日付プレスリリース、http://www.copelandbc.gov.uk/main.asp?page=4912
  • カンブリア州、2008年6月26日付プレスリリース、http://www.cumbria.gov.uk/news/2008/june/27_06_2008-113054.asp
  • カンブリア州、ウェブサイト情報、http://www.cumbria.gov.uk/communications/mrws/default.asp
  • カンブリア州、2008年7月31日付のパートナーへの書簡、
    http://www.cumbria.gov.uk/elibrary/view.asp?ID=25305
  • アラデール市、2008年6月13日付プレスリリース、
    http://www.allerdale.gov.uk/council-and-democracy/council-news/news-releases.aspx?prid=895
  • 放射性廃棄物管理委員会(CoRWM)、地方政府からの一次回答、2008年9月14日
    http://www.corwm.org.uk/Pages/Plenary%20Meetings%20Past/Post%20November%202007/2008/September%202008/2446%20-%20Initial%20Responses%20From%20Local%20Government.doc

英国の放射性廃棄物管理・処分の実施主体である原子力廃止措置機関(NDA)のウェブサイトによると、2008年10月7~8日に、処分事業における公衆の関与及び環境評価に関するワークショップがNDAによって開催される。また、2008年11月17~18日には、地層処分に係る研究開発について検討するワークショップが開催される。

原子力廃止措置機関(NDA)は、白書『放射性廃棄物の安全な管理-地層処分の実施に向けた枠組み』に従い、地層処分に向けた公衆・ステークホルダーの関与とコミュニケーションの枠組みに関する協議文書と、地層処分のための持続性評価及び環境評価の枠組みに関する協議文書を公表し、2008年11月30日を期限として公衆からの意見を募集している

原子力廃止措置機関(NDA)のウェブサイトによると、NDAはこれら2件の公衆協議の一環として、2008年10月7~8日にワークショップを開催する。ワークショップの初日にはNDAが提案した公衆やステークホルダーの関与、及びコミュニケーションの枠組みを主題として、二日目には持続性評価及び環境評価の枠組みに関するNDAの協議文書に関する論点について討論が行われることとなっている。このワークショップの主な参加者としては、協議機関、規制機関、地層処分に関心を有する地方自治体及び非政府組織が想定されている。このワークショップのスケジュールは以下の通りである。

処分事業における公衆の関与及び環境評価に関するワークショップのスケジュール
一日目(10月7日) 公衆の関与に関するワークショップの内容
10:45~12:45 セッション1:協議文書のセクション3.1, 3.3及び3.4~3.7に関するプレゼンテーション及びグループ討論
 ・目的と目標
 ・実施者
 ・戦略基盤
13:30~15:30 セッション2:協議文書のセクション3.2, 4~7に関するプレゼンテーション及びグループ討論
 ・いつ関与するのか。
 ・誰が関与するのか。
 ・何に関与するのか。
 ・受け取った情報をフィードバックし、提供する。
 ・ステークホルダーの関与のレビュー
15:30~17:30 セッション3:協議文書のセクション8に関するプレゼンテーション及びグループ討論
 ・誰とコミュニケーションを取るのか。
 ・いつ、どのくらいの頻度でコミュニケーションを行うのか。
 ・何を伝えるか。
二日目(10月8日) 環境評価に関するワークショップの内容
8:55~11:00 セッション4:協議文書のセクション1~2.3に関するプレゼンテーション及びグループ討論
 ・背景
 ・目的、目標、アプローチ
 ・評価の利用方法
 ・用語
11:00~13:00 セッション5:協議文書のセクション2.4~2.8、及び4に関するプレゼンテーション及びグループ討論
 ・評価はいつなされるのか。
 ・評価は何を含むのか。
 ・評価の段階
 ・評価のアウトプット
 ・評価における選択肢の考慮
13:45~15:45 セッション6:協議文書のセクション3に関するプレゼンテーション及びグループ討論
 ・評価の異なる段階において、いつ、どのようにステークホルダーが関与するのか。
 ・ピアレビュー/諮問機関

また、地層処分の研究開発に関しては、原子力廃止措置機関(NDA)は2008年6月11日付のプレスリリースで提案文書を公表し、意見募集を開始していた。NDAのウェブサイトによると、NDAはこの意見募集の一環として、2008年11月17~18日に地層処分に係る研究開発について検討するワークショップを開催する。このワークショップの主な参加者としては、研究者、技術コンサルタント、地層処分に関与する国の機関が想定されている。このワークショップのスケジュールは次の通りである。

地層処分に係る研究開発について検討するワークショップのスケジュール
一日目(11月17日) 内容
11:00~13:00 オープニングセッション
 ・一日目の議事の背景を説明するキーノートスピーチ
14:00~16:00 一日目:ワークショップセッション-研究開発戦略の策定方法に関するグループ討論。以下は討論テーマの例。
 ・ニーズに即した研究開発とは何か。
 ・どのように研究開発の優先順位を付けるのか。
 ・どのように研究開発戦略を実行するか。
16:30~17:30 一日目のワークショップのまとめ
二日目(11月18日) 内容
8:30~10:00 オープニングセッション
 ・二日目の議事の背景を説明するキーノートスピーチ
10:30~12:30 二日目:ワークショップセッション-技術的な事柄に関するグループ討論。以下は討論テーマの例。
 ・サイト選定の前に何を研究すべきか。
 ・重要となる技術的課題は何か。
 ・研究トピックをいつ「完了」とすることができるのか。
13:30~15:00 二日目のワークショップのまとめ
15:00~15:30 次のステップについて

【出典】

  • 原子力廃止措置機関(NDA)ウェブサイト情報(地層処分に関する諮問ワークショップについて)、http://www.nda.gov.uk/news/events/gdf-meetings-oct08.cfm
  • 公衆の関与及び環境評価ワークショップを紹介するウェブサイト、http://www.livegroup.co.uk/geologicaldisposal/index.php?view=agenda
  • NDAウェブサイト情報(研究開発ワークショップについて)、http://www.nda.gov.uk/news/events/researchanddevworkshop.cfm
  • 研究開発ワークショップを紹介するウェブサイト、http://livegroup.co.uk/ndaresearchworkshop/index.php?view=agenda

【2009年1月13日追記】

原子力廃止措置機関(NDA)のウェブサイトにおいて、2008年10月7~8日にNDAによって開催された、処分事業における公衆の関与及び環境評価に関するワークショップの報告書が公表された。

  • 原子力廃止措置機関(NDA)ウェブサイト、http://www.nda.gov.uk/news/events/gdf-meetings-oct08.cfm

英国の原子力廃止措置機関(NDA)は、2008年7月17日付のニュースリリースにおいて、英国議会及びスコットランド議会に対して2007/08年度の年報を提出したことを公表した。また、NDAは、同ニュースリリース及び2007/08年度の年報において、放射性廃棄物の地層処分場に関する費用見積りを公表した。

ニュースリリースでは、原子力廃止措置機関(NDA)が2006年10月に英国政府によって地層処分の実施主体とされた以降、地層処分場に関する費用の見積りを公表したのは今回が初めてとされている。NDAによる2007/08年度での地層処分及び廃止措置に関する費用見積りは、次に示す通りである。(1ポンド=238円で換算)

  割引前 割引後
廃止措置費用
(130年間分)
 635億ポンド
(15兆1,130億円)
 407億ポンド
(9兆6,866億円)
地層処分場に関する費用
(建設及びライフサイクルコスト)
101億ポンド
(2兆4,038億円)
 34億ポンド
(8,092億円)
原子力債務合計  736億ポンド
(17兆5,168億円)
441億ポンド
(10兆4,958億円)

ニュースリリースによると、原子力廃止措置機関(NDA)の見積りにおいては、割引前の地層処分場に関する総見積費用は、122億ポンド(2兆9,036億円)であるが、その内NDAが負担すべき分が、表で示した101億ポンド(2兆4,038億円)であり、残りはNDA以外の処分場利用者が負担すべき分とされている。なお、英国における地層処分に関する費用については、2007年6月に公表された政府文書において、約100億ポンド(約2兆3,800億円、2003年価格)という見積りが示されていた。

また、ニュースリリースでは、2007/08年度における、政府目標を考慮した原子力廃止措置機関(NDA)の重要な進捗として、次の点などが示されている。

  • 英国放射性廃棄物管理会社(UKNWM社)とのドリッグ低レベル放射性廃棄物処分場の管理契約(親会社(PBO)契約)の締結などの競争の導入(既報を参照)
  • コスト面での効率性の向上
  • 原子力施設の廃止措置・クリーンアッププログラムに関する費用見積りの実施

【出典】

  • 原子力廃止措置機関(NDA)、2008年7月17日付プレスリリース、
    http://www.nda.gov.uk/news/arac-0708.cfm
  • 環境・食糧・農村地域省(DEFRA)他、「放射性廃棄物の安全な管理、地層処分の実施に向けた枠組み」、2007年6月25日