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《英国》処分関連組織の動き-放射性廃棄物管理局(RWMD)と原子力規制局(ONR)が新組織に移行

原子力廃止措置機関(NDA)が放射性廃棄物管理局(RWMD)を子会社化

英国における高レベル放射性廃棄物等の地層処分の実施主体である原子力廃止措置機関(NDA)は、2014年4月1日付のプレスリリースにおいて、NDAの内部組織であった放射性廃棄物管理局(RWMD:Radioactive Waste Management Directorate)を分離し、同日より政府外公共機関(NDPB)であるNDA所有の100%子会社としたことを公表した。

RWMDの新しい名称は「放射性廃棄物管理会社(Radioactive Waste Management Limited)」となる。同社はRWMDの事務所と約100名の職員を引き継ぎ、高レベル放射性廃棄物等の地層処分の実施主体となる。今後、NDAは、放射性廃棄物管理会社をサイト許可会社(SLC)に位置付ける方針である。地層処分場のサイト選定に向けたボーリング調査等の実施、原子力施設である高レベル放射性廃棄物等の地層処分場の設置のためには、1965年原子力施設法による原子力サイト許可を取得する必要があり、原子力サイト許可の取得は法人にしか認められないため、放射性廃棄物管理会社のように法人化する必要がある。

原子力規制局(ONR)が独立・公法人化

英国における原子力施設の安全規制機関である原子力規制局(ONR)は、2014年3月31日付のプレスリリースにおいて、2013年エネルギー法1  に基づいて、労働年金省(DWP)所管の政府外公共機関(NDPB)である保健安全執行部(HSE)から分離され2 、同日付で単独の公法人に移行したことを公表した。独自のウェブサイト(www.onr.org.uk)も新たに開設し、公法人化後のONRの業務所掌等を取り決めた枠組文書、2014年度の年間活動計画書、規制方針文書を公表している。

ONRは、環境規制機関(EA)3 とともに、放射性廃棄物の地層処分施設に係る環境保護、安全、セキュリティ、廃棄物管理、輸送において事業者が満たすべき水準を高く引き上げるべく、必要な規制活動を行うとしている。ONRは、地層処分場のサイト選定に係る規制に関して直接的な役割は有していないが、処分前の貯蔵施設に対する規制を所管する。このため、ONRはEA等と共同で、処分要件と処分前の廃棄物管理において考えられる相互影響を踏まえて、新たなガイダンスを策定している。また、地層処分施設は1965年原子力施設法で定義されている「原子力施設」に該当するため、ONRは処分実施主体に対して原子力サイト許可の発給と許可条件を付与する権限を持っている。このような正式な規制活動に加え、ONRは、英国政府、処分の実施主体、地方自治体、ステークホルダーなどに対して、規制面からアドバイスする役割があるとしている。

 

【出典】

  1. ONRの設置は2013年12月18日に制定されたエネルギー法の第77条において規定されており、同条は2014年2月10日付の政令により2014年3月10日に発効されている。 []
  2. ONRは、2011年4月1日にHSEの暫定組織として設置され、規制業務を行っていた []
  3. 環境規制機関(EA)は、イングランドとウェールズを所掌する環境規制に係る機関であったが、2013年4月にイングランドのみが所掌となっている。なお、ウェールズでは、新たな組織として、天然資源ウェールズ(NRW:Natural Resources Wales)が設置され、ウェールズに所在していた環境規制機関(EA)の機能などを引き継いでいる。 []

(post by f-yamada , last modified: 2023-10-11 )