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《米国》DOEが廃棄物隔離パイロットプラント(WIPP)の火災事故に関する事故調査報告書を公表

米国のエネルギー省(DOE)の環境管理局(EM)は、2014年3月14日に、廃棄物隔離パイロットプラント(WIPP)の地下施設内で2014年2月5日に発生した岩塩運搬車の火災事故についての事故調査報告書を公表した。本事故調査報告書は、DOEが2014年2月7日に設置した事故調査委員会による調査結果の最終報告書である。

DOEのEMのニュースリリースでは、事故調査報告書は火災に繋がった事象と火災に対する対応について徹底的な検証を行ったものであり、今後のWIPPの安全な操業に多くの教訓を与えるものとしている。また、事故調査委員会の公式調査と並行して、独自のレビューと対策を実施してきているが、事故調査報告書で指摘された問題に対する正式な是正措置計画は策定中としている。

事故調査報告書では、火災事故の直接原因(DC)は、岩塩運搬車の油圧作動油、または軽油が過熱した触媒コンバータなどに接触したことでエンジンルームの火災となったとしており、タイヤ2本も焼失したとことが報告されている。また、火災事故の根本原因(RC)としては、日常のメンテナンス不足、火災抑制システム解除などの管理・操業(M&O)契約者の不適切な管理が問題とされており、さらに、火災事故に繋がった寄与要因(CC)として、放射性廃棄物に直接関連しない機器・活動の管理上の問題、不十分・不適切なメンテナンス・プログラム、訓練などの10項目が挙げられている。また、調査により確認された22項目の問題点(CON)及び35項目の措置必要事項(JON)も示されている。

なお、DOEは、2014年3月14日に、WIPPが立地するニューメキシコ州カールスバッド市でタウンホール・ミーティングを開催しており、事故調査委員会の委員長から火災事故に関する事故調査報告書の概要が説明されている。

【出典】

(post by inagaki.yusuke , last modified: 2023-10-11 )