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《米国》DOEが廃棄物隔離パイロットプラント(WIPP)に係る適合性再認定申請書を提出

エネルギー省(DOE)は、2014年3月26日付けのニュースリリースにおいて、米国における超ウラン核種を含む放射性廃棄物(TRU廃棄物)の地層処分場である廃棄物隔離パイロットプラント(WIPP)について、適合性再認定申請書(CRA)を環境保護庁(EPA)に提出したことを公表した。WIPPについては、廃棄物処分の開始以降の5年ごとにEPAの適合性再認定を受けることが必要とされており、これまで2回の適合性再認定申請・決定が行われており、今回が3回目の適合性再認定申請となる。

  • 第1回適合性再認定申請:2004年3月26日
  • 第1回適合性再認定の決定:2006年3月29日
  • 第2回適合性再認定申請:2009年3月24日
  • 第2回適合性再認定の決定:2010年11月18日

ニュースリリースでは、今回の適合性再認定申請により、2段階の手続きが開始されることが示されている。第1段階としては、EPAがDOEの適合性再認定申請書の完全性を判断し、必要に応じて審査のために必要な追加的情報の要求が行われる。また、EPAは、適合性再認定申請に対するパブリックコメントも考慮するとしている。第2段階として、EPAは、適合性再認定申請書の完全性について決定した後、6カ月以内の期間で技術的評価を実施し、WIPPの法令への適合性の認定についての最終決定を行うとしている。

なお、ニュースリリースでは、この適合性再認定の手続きは、最近の放射線事象等からの回復作業に関連するものではなく、過去5年間におけるサイトの変化が、EPAのTRU廃棄物処分の環境放射線防護基準に適合していることを証明するための手続きであるとしている。

【出典】

 

【2014年10月2日追記】

環境保護庁(EPA)は、エネルギー省(DOE)に宛てた2014年9月29日付けの書簡により、DOEが2014年3月26日にEPAへ提出した廃棄物隔離パイロットプラント(WIPP)の適合性再認定申請書について、完全性の審査を開始したことを通知した。

DOEに宛てた書簡の中で、EPAは、2014年2月にWIPPで発生した放射線事象への対応が進行中のため、適合性再認定申請書に係る完全性の審査を遅らせていたとしている。また、放射線事象の発生前に適合性再認定申請書が準備されたものであるため、DOEは、処分場の操業の再開に向けてWIPPの処分システムで変更が必要になることを表明しており、規制遵守に与える影響等に関してDOEから補足情報が提供される予定であることなどを伝えている。

【出典】

 

【2014年10月14日追記】

環境保護庁(EPA)は、エネルギー省(DOE)が提出した廃棄物隔離パイロットプラント(WIPP)に係る適合性再認定申請書について、パブリック・コメントの募集を開始することを2014年10月10日の連邦官報に掲載した。EPAは、コメントの提出期限は適合性再認定申請書の完全性の確認後、改めて連邦官報に掲載するとしている。

EPAは、今回の連邦官報の中で、2014年2月にWIPPで発生した放射線事象は、適合性再認定申請書の審査において重要な考慮事項になるとしている。なお、EPAは、放射線事象についてEPAが行ったレビューにおいて、DOEはEPAの基準を遵守しているものの、事象発生時の情報提供には改善の余地があることが確認されたとしている。

また、適合性再認定申請書は放射線事象の発生前に準備されたものであるため、処分場の操業の再開に向けて必要とされるWIPPの処分システムの変更については、DOEから補足情報が提供される予定であること、提供された補足情報はウェブサイトで公開されることも連邦官報に示されている。

【出典】

 

【2014年12月22日追記】

環境保護庁(EPA)は、2014年12月17日に、エネルギー省(DOE)が2014年3月に提出した廃棄物隔離パイロットプラント(WIPP)に係る適合性再認定申請書について、完全性の確認の審査に係るDOEに対する質問書を公表した。

DOEに対する質問書では、適合性再認定申請書の内容に係る技術的な質問などとともに、2014年2月14日に発生した放射線事象に関連する事項として、液体廃棄物を浸み込ませる吸収材として使用された猫砂(Kitty litter)が封入された廃棄物の特性・量などの詳細な記述、有機配位子や界面活性剤など廃棄物の溶解性に影響を与え得る有機物の量、猫砂が放射性核種の移行に与える影響などについて情報が要求されている。

なお、EPAは、完全性の確認の審査のため、今後もさらに質問を行う予定としている。

【出典】

 

【2017年2月28日追記(2017年3月28日再追記:コメント期限を2017年4月10日とする連邦官報2017月3月10日を出典に追加)】

環境保護庁(EPA)は、エネルギー省(DOE)が提出していた適合性再認定申請書に関して、適合性再認定申請書の完全性を確認して決定したこと(以下「完全性決定」という。)について、2017年1月13日付けの書簡でエネルギー長官に通知した。本書簡は、連邦政府の規制情報ウェブサイトの廃棄物隔離パイロットプラント(WIPP)適合性再認定のページにおいて、2017年2月24日に公表された。適合性再認定申請書についてEPAは、既に2014年10月10日からパブリックコメントの募集を行っており、今回の完全性決定に関するコメントの募集は本書簡の連邦官報への掲載から30日後まで続けられる。

EPAは、DOEの適合性再認定申請書を詳細に評価し、関連するパブリックコメントを考慮した上で、適合性再認定に関する最終決定を行うとしている。

【出典】

(post by inagaki.yusuke , last modified: 2023-10-11 )