2006年3月29日、米国の環境保護庁(EPA)はニュースリリースにおいて、超ウラン核種を含む放射性廃棄物(TRU廃棄物)の地層処分場である廃棄物隔離パイロットプラント(WIPP)についての適合性再認定の決定を行ったことを公表した。WIPPは、1999年3月からTRU廃棄物の地層処分が開始され、処分開始後の5年毎に適合性再認定が必要となっており、2004年3月26日にエネルギー省(DOE)から適合性再認定申請書が提出された 後、規制当局であるEPAによる検討が続けられていた 。
ニュースリリースによれば、環境保護庁(EPA)は、廃棄物隔離パイロットプラント(WIPP)はEPAの放射性廃棄物処分に関する規則に引続き適合していることが確認されたとしている。今回の再認定は、1998年に最初の認定が行われた以降、第1回目の再認定となる。EPAは、WIPP及びDOEのWIPPで処分される廃棄物発生サイトの監視を続け、対象となる全てのEPAの規則への適合を確認していくとしている。今回の決定は2週間以内に連邦官報に掲載予定で、連邦官報での通知をもって正式な再認定が行われることとなる。
環境保護庁(EPA)のウェブサイトでは、連邦官報に掲載予定の再認定決定文書の他、DOEの再認定申請書、技術的な検討資料、パブリックコメントや公聴会資料など、EPAによる再認定の決定に関連した文書が公開されている。
連邦官報に掲載予定の再認定決定文書では、廃棄物隔離パイロットプラント(WIPP)土地収用法を始めとする法令上で規定された手続きの概要とともに、再認定の決定はDOEの提出書類の徹底した審査、独立の技術的分析、パブリックコメントに基づいて行われたことが述べられている。また、この決定はWIPPの操業を開始した決定自体を再検討するものではなく、WIPPで生じた変化を評価して規則適合性の判断を行うものであり、定期的な再認定はWIPPの適合性が正確で最新の情報に基づいて確保され続けることを保証する手続きであるとしている。
また、DOEからもプレスリリースが出されており、廃棄物隔離パイロットプラント(WIPP)における処分の安全性が改めて認定され、WIPPの任務がさらに強化されるなどのDOE次官補や現地事務所長のコメントが、再認定決定に至る経緯とともに紹介されている。
【参考】
- 環境保護庁(EPA)WIPPファクトシートNo.1:廃棄物隔離パイロットプラント(WIPP)再認定の概要
(WIPPの経緯や施設概要も含めて再認定についてコンパクトにまとめられています)〔約1MB〕
【出典】
- 環境保護庁(EPA)2006年3月29日ニュースリリース
(yosemite.epa.gov/opa/admpress.nsf/a8f952395381d3968525701c005e65b5/a71c21b1196633798525714000714b9d!OpenDocument) - 環境保護庁(EPA)の廃棄物隔離パイロットプラント(WIPP)再認定に関するウェブページ(www.epa.gov/radiation/wipp/2006recertification.htm)
- 連邦官報掲載予定の廃棄物隔離パイロットプラント(WIPP)再認定通知文書
- エネルギー省(DOE)2006年3月29日ニュースリリース(www.energy.gov/news/3414.htm)
(post by 原環センター , last modified: 2023-10-10 )