2006年3月、スペインの放射性廃棄物管理公社(ENRESA)はプレスリリースにおいて、第6次総合放射性廃棄物計画(詳細はこちら)の草案が産 業・観光・商務省(MITYC)のウェブサイトに掲載されたことを公表した。本草案は意見募集のために2006年3月15日から1カ月間公開され、その後は必要な修正を加えた上で、政府の承認を得るために提出される予定である。総合放射性廃棄物計画は、スペインにおける放射性廃棄物の処理・処分及び原子力施設の廃止措置に関して、政府の技術的戦略と経済的な対策を策定するものである。
産業・観光・商務省(MITYC)のウェブサイトでは、意見募集のための簡単なメッセージとともに草案を含む文書が公開されている。総合放射性廃棄物計画は1997年7月に承認された計画が有効となっているが、2005年12月にはスペイン下院議会の産業・観光・商務委員会において、政府により 総合放射性廃棄物計画の見直し手続きを進めるべきことが決議されていた。この目的のために放射性廃棄物管理公社(ENRESA)が、同計画の改訂案をMITYCに提出したことが示されている。
また、ENRESAのプレスリリースでは、総合放射性廃棄物計画をMITYCのウェブサイトに掲載すること、及び放射性廃棄物管理に直接的に関係する30以上の組織に本草案を送付することは、社会に対する本計画内容についての情報公開手続きの一環であるとしている。
公開された文書は以下に示す目次構成となっており、冒頭で簡単な概要が説明され、第6次総合放射性廃棄物計画の草案が添付書類として示される形となっている。
- 放射性廃棄物に関する総合計画の発表
- 放射性廃棄物に関する総合計画(添付書類)
- A.序文
- B.放射性廃棄物の発生
- C.行動方針
- C.I.低中レベル放射性廃棄物の管理
- C.II.使用済燃料及び高レベル放射性廃棄物の管理
- C.III.施設の閉鎖
- C.IV.その他の手続き
- C.V.調査・開発
- D.経済・財務的視点
- D.I.管理コスト
- D.II.管理コストの概要
- D.III.管理コストに対する資金供与
- E.法規定
- F.用語及び略語解説
公開された文書では、第6次総合放射性廃棄物計画草案の主要部分(B~D章)の概要が以下の通り示されている。
- B.放射性廃棄物の発生
- 放射性廃棄物の発生や処理、その発生源及び将来の発生予測に関する現状を、実際のデータを用いて提示している。
- C.行動方針
- 4段落に分け、期間中に予想される戦略的解決や今後の4~5年の詳細な手続きを進めるために、国内外の状況を示した上で手続きの方向性を示している。
- D.経済・財務的視点
- 徴収されるべき必要収入、費用見積りと資金調達システムなど、廃棄物管理などに関する経済的・財務的な問題を扱っている。
【出典】
- 放射性廃棄物管理公社(ENRESA)プレスリリース(2006年3月)(www.enresa.es/Actualidad/Comunicados_Corporativos/Publicos/es/PGRR_MITYC.htm?pagina=1)
- 産業・観光・商務省(MITYC)ウェブサイト(第6次総合放射性廃棄物計画草案の公開ページ) (www.mityc.es/Energia/Herramientas/Novedades/Borrador.htm)
(post by 原環センター , last modified: 2023-10-10 )