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《米国》WIPP適合性再認定でパブリック・コメント募集開始-廃棄物既処分量も2万m³を超える

米国エネルギー長官は、2004年3月26日に、超ウラン核種を含む放射性廃棄物(TRU廃棄物)の地層処分場である廃棄物隔離パイロットプラント(WIPP)についての適合性再認定申請書(CRA:Compliance Recertificate Application)を環境保護庁(EPA)に提出していたが、2004年5月24日には、WIPPの適合性再認定申請書に関するEPAによる「審査意向通知」が連邦官報に掲載され、再認定申請に対するパブリック・コメントの募集が開始された。WIPPは、1999年3月からTRU廃棄物の処分が開始されており、処分開始後の5年毎に適合性再認定が必要となっている。

適合性再認定申請書の審査に当たっては、先ず、提出された申請書が完全なものであるかどうかの決定がEPAによって行われる。この完全性についての決定には約4~6カ月を要することが示されており、EPA長官による決定は書面でエネルギー長官に通知されると共に、連邦官報にも掲載される。今回開始されたパブリック・コメントの受付期間も少なくともこの完全性についての決定通知以降まで延長されることとなっており、受付終了期日は改めて連邦官報に掲載される予定となっている。また、WIPPの規制枠組の基本を定めているWIPP土地収用法の規定により、EPAは完全性決定の通知から6カ月以内に最終的な適合性再認定についての決定を行うこととされている。

なお、WIPPにおけるTRU廃棄物の処分量が、2004年5月に入って20,000m3を超えたことがWIPPウェブサイトで公表されている情報誌(TeamWorks)で示されている。これによると、2004年5月27日現在で、全輸送回数は2,631回、全処分量は20,653m3(200リットルドラム缶で約103,200本相当)であることが示されている。

また、WIPPウェブサイトにおいて2004年度実績値として示されている、WIPPの契約操業者ワシントンTRUソルーション社資料では、総輸送距離は2,671,255マイル(約430万km)に上るものとされている。
この資料では、2004年3月31日までのWIPPの操業により、直接ハンドリングが可能な放射性廃棄物(CH廃棄物)の全量の内の約15%が核兵器開発サイト等から除去されたことが示されている。
さらに、2004会計年度においても、1,417回の放射性廃棄物の輸送が計画されており、処分の目標量は12,170m3(200リットルドラム缶で約60,900本相当)、内4月までの処分量は4,534.03m3(200リットルドラム缶で約22,700本相当)であることも示されている。

【出典】

【2005年10月5日追記】

2005年9月29日、環境保護庁(EPA)は、DOEが提出した適合性再認定申請書についての完全性確認の決定を下した。EPAのウェブサイトでは、2004年5月以降EPAが行った補足情報及び分析の要求、並びにDOEの回答などが示されている。EPAはこの完全性決定から6カ月以内に適合性再認定についての決定を行うこととされている。

(post by 原環センター , last modified: 2023-10-10 )