Learn from foreign experiences in HLW management

《米国》環境保護庁(EPA)が廃棄物隔離パイロットプラント(WIPP)の2度目の適合性再認定の決定

米国の環境保護庁(EPA)は、2010年11月18日に、超ウラン核種を含む放射性廃棄物(TRU廃棄物)の地層処分場である廃棄物隔離パイロットプラント(WIPP)についての適合性再認定の決定を行った。WIPPは、1999年3月から軍事用のTRU廃棄物の地層処分が開始されているが、1992年WIPP土地収用法により、処分開始以降の5年毎に、廃止措置段階が終了するまで、連邦規則の要件に適合していることの認定を受けることが要求されている。前回は2006年3月29日に適合性再認定の決定が行われており、今回は2度目の適合性再認定に当たり、2009年3月24日に適合性再認定申請書を連邦エネルギー省(DOE)がEPAに提出していた

連邦官報に掲載された適合性再認定の決定文書において、適合性再認定の決定は、DOEが提出した書類の審査、独自の技術的な解析、パブリックコメントに基づいて行われたことが示されている。また、本決定は、WIPPの操業開始に係る適合性認定の決定を再検討するものではなく、WIPPでの種々の変更点を評価して、連邦規則の要件への適合性を判断するものであるとしている。さらに、EPAは、DOEが継続してWIPPに適用される全ての連邦規制の要件を満たしていることを確認したとしている。

なお、DOEの適合性再認定申請に関する説明資料においては、前回の適合性再認定申請書からの大きな変更はないものの、以下のような変更点があったとされている。

  • TRU廃棄物のインベントリ(既に処分された廃棄物、処分予定の廃棄物、将来発生が予測される廃棄物で情報をアップデート)
  • 遠隔ハンドリングが必要なTRU廃棄物(RH廃棄物。WIPPでは2007年1月からRH廃棄物の処分が行われている)
  • 性能評価(処分場の長期性能評価で使用するコンピュータ・モデルでの、ガス発生モデル、パラメータなどの変更、コードの更新・改良)
  • 人工バリア(放射性核種の移行を遅延するために人工バリアとして使われる酸化マグネシウムの使用量の低減)
  • ピア・レビュー(RH廃棄物の目視検査データの確認及びロスアラモス国立研究所での密封線源に関するWIPPピア・レビューの文書化及び結果)

【出典】

(post by inagaki.yusuke , last modified: 2023-10-11 )