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英国政府が地層処分施設のサイト選定プロセスに関する公開協議を開始

英国政府のエネルギー・気候変動省(DECC)は、2013年9月12日のプレスリリースにおいて、地層処分施設のサイト選定プロセスの改善に向けた協議文書を公表し、公開協議を開始したことを公表した。この協議文書では、サイト選定プロセスの見直し、改善を図ったものの、地元の自発性、パートナーシップに基づくアプローチは堅持したとしている。なお、英国政府は、公開協議の期限を2013年12月5日までとしており、2014年に改善されたサイト選定プロセスによりサイト選定を開始する予定である。

今回公表された協議文書は、2013年5月~6月に実施された「根拠に基づく情報提供の照会」 を踏まえた結果であり、地層処分の政策に関する背景情報、現行のサイト選定プロセスからの変更点の説明、英国政府が提案しているサイト選定プロセスの改善案を示すとともに、これらの提案に関する具体的な質問を提示し、公衆からの見解を求めている。この結果を受けて英国政府は、自治体がより高い信頼を持って地層処分施設のサイト選定プロセスに関われるようにするだけでなく、最終的な地層処分施設の実現に役立つように現行のサイト選定プロセスを改善する余地があることを認めている。サイト選定プロセスに関する改善案として、以下のようなものを挙げている。また、本協議文書では、改善案とともに大枠のタイムスケールを例示している(下図)。

  • 第一段階として、公衆への情報提供及び情報共有、協議するための期間を設けており、その期間中に、英国政府は国全体で地層処分プロジェクトに対する国民の認識が高まるよう努力する。
  • 自治体が得ることのできる利益と地層処分事業の実施において見込まれる投資の規模及び時期に関する情報が、以前よりも明確な形で、早い段階から示される。
  • サイト選定プロセスは、2つの主要な段階として「学習」(Learning)及び「集中」(Focusing)で構成され、より連続的なプロセスに変更している。自治体の準備が十分に整う前に、何らかの約束をする状況に追い込まれることがないようにするため、英国政府はこのサイト選定プロセス全体を通じて「決定ポイント」を設けないことにしている。

英国速報20130913

※図は、自治体がサイト選定プロセスに関与するものを対象としており、環境影響評価や持続可能性評価、原子力施設としての許認可などの規制判断に関するものについては省略している。

また、本協議文書において提示されている具体的な質問は、以下の通りである。

  • 自治体が撤退権を失う前に、住民の支持を調査・確認(test)することに賛成しますか。もし、住民の支持を調査・確認するなら、どのような方法が最適であり、いつ行うべきだと思いますか。また、住民の支持の調査・確認に賛成しない場合は、その理由を示して下さい。
  • 「放射性廃棄物の安全な管理」(MRWS)のサイト選定プロセス中の意思決定に関する見直し案に賛成しますか。賛成しない場合は、提案した段階的な方法をどのように修正すればよいのか、もしくは、別の方法を理由とともに示して下さい。
  • MRWS白書で設定されたサイト選定プロセスにおける関係機関の役割を修正することに賛成しますか。賛成しない場合は、別の方法を理由とともに示して下さい。
  • MRWSによるサイト選定プロセスの一部として、提案した地質学的な適合性を評価する手法について賛成しますか。賛成しない場合は、別の方法を理由とともに示して下さい。
  • 提案した地層処分施設の計画に賛成しますか。賛成しない場合は、別の方法を理由とともに示して下さい。
  • 地層処分対象の放射性廃棄物のインベントリについての説明に賛成しますか。また、自発的に地層処分施設を受け入れる自治体にどのように伝えられるか。賛成しない場合は、別の方法を理由とともに示して下さい。
  • 地層処分施設のサイト選定に関連した自治体の利益に関する提案を支持しますか。賛成しない場合は、別の方法を理由とともに示して下さい。
  • 地層処分施設が及ぼす社会経済面での効果を取り上げた提案について賛成しますか。賛成しない場合は、別の方法を理由とともに示して下さい。

 

【出典】

 

【2014年3月3日追記】

英国政府のエネルギー・気候変動省(DECC)は、2014年2月27日に、地層処分施設のサイト選定プロセスに関する公開協議に寄せられた見解、その要約書 1 等を公表した。2013年9月から開始した公開協議は2013年12月で終了し、現在、英国政府は寄せられた見解を踏まえて新たなサイト選定プロセスの策定作業を行っている。今後は、新たなサイト選定プロセスについての英国政府としての見解及び白書を2014年後半に発行するとしている。

英国政府は、今回の公開協議において、DECCのウェブサイト、電子メール、書簡を通じて公衆からの見解の募集を行った。英国政府の見解要約書によると、個人及び市民社会団体、地方自治体、NGO、産業界、学術団体、国会・地方議会議員、規制機関、英国政府の諮問機関である放射性廃棄物管理委員会(CoRWM) 等から合計719件の見解が寄せられたとしている。

また、英国政府は、公開協議を補足する目的で2013年11月から12月にかけて、ステークホルダー向けのワークショップを4回、産業界、地方自治体、NGOの代表者とのワークショップを各1回(計3回)、公衆との対話集会を4カ所で開催した。英国政府は、ワークショップ等を開催することによって、公衆の見解をより良く理解することができたことから、それらを新しいサイト選定プロセスの策定作業に役立てるとの考えを示している。

 

【出典】


  1. 見解要約書は、DECCが寄せられた見解を整理したものであり、英国政府としての見解に対する回答やサイト選定プロセスの見直しに関する英国政府の結論を含むものではない。[]

(post by f-yamada , last modified: 2014-03-03 )