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《英国》原子力廃止措置機関(NDA)が2013年版の放射性廃棄物インベントリ報告書を公表

英国の原子力廃止措置機関(NDA)は、2014年2月13日に、放射性廃棄物インベントリ報告書の最新版である2013年版を公表した。NDAは、放射性廃棄物の管理計画を立案する上での重要なデータとして、将来を含めて対策が必要となる1 放射性廃棄物の物量を3年毎に評価している。放射性廃棄物のインベントリは、貯蔵用または処分用に設計された容器に収納した形態での分類別の体積(単位:m3)で示されている2

2013年版の放射性廃棄物インベントリ報告書では、下表のように、前回2010年版の報告書  での放射性廃棄物インベントリに比べ、低レベル放射性廃棄物が減少し、高レベル放射性廃棄物が増加している。低レベル放射性廃棄物のインベントリが減少した主な理由としてNDAは、セラフィールド再処理施設の廃止措置に伴う放射性廃棄物の物量の減少を挙げている。また、高レベル放射性廃棄物のインベントリの増加の理由については、セラフィールド再処理施設のガラス固化プラントの浄化作業(2021年の操業終了後から2027年まで)で発生するガラス固化体の本数を見込んだためとしている。

英国の分類別の放射性廃棄物インベントリ

廃棄物分類 2010年版報告書 2013年版報告書
低レベル放射性廃棄物
(極低レベル放射性廃棄物を含む)
4,400,000m3 4,200,000m3
中レベル放射性廃棄物 290,000m3 290,000m3
高レベル放射性廃棄物 1,000m3 1,100m3
合計 4,700,000m3 4,500,000m3

※表の数値は、それぞれ2010年4月1日(2010年版報告書)及び2013年4月1日(2013年版報告書)時点の物量と、2100年までに発生すると想定される物量を合計したものである。

 

【出典】

  1. 原子力施設の運転・廃止措置に伴って発生する放射性廃棄物の推定量を含む。 []
  2. 廃棄物を容器に収納するプロセスの仮定や設計の見直しなどにより、容器に収納した後の体積が増減するため、放射性廃棄物のインベントリの数値は、廃棄物の推定発生量が変わらなくても、評価のタイミングによって異なりうる。 []

(post by f-yamada , last modified: 2023-10-11 )