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このWebサイトでは、諸外国における高レベル放射性廃棄物の最終処分や地層処分の計画の動きに注目し、 "海外情報ニュースフラッシュ"として 最新の正確な情報を迅速に提供しています。 ニュースフラッシュを発行した後も、記事トピックをフォローしています。必要に応じて、情報の"追記"を行っています。


米国のエネルギー省(DOE)は、2021年6月10日までに、DOEのウェブサイトにおいて、2022会計年度1 の「原子力ほか」(第3巻パート2)及び「環境管理」(第5巻)の予算要求に係る詳細資料(以下「DOE予算要求資料」という。)を公表した。2022会計年度の予算要求については、2021年5月28日に、大統領の予算教書が公表されたが、使用済燃料管理等に係るDOEの予算要求資料については、概要資料のみが公表されていた。DOE予算要求資料では、使用済燃料及び高レベル放射性廃棄物(以下「高レベル放射性廃棄物」という。)の管理については、予算教書の添付資料で示されていた「統合放射性廃棄物管理システム(IWMS)プログラム」の38,000千ドル(40億円、1ドル=105円で換算)のほか、「使用済燃料処分等研究開発プログラム」として62,500千ドル(65億6,250万円)が要求されている。

米国における放射性廃棄物管理に関連する予算の構造は、以下のようになっている。なお、表中には、放射性廃棄物処分等に関係が深い独立機関の予算も参考として併せて示している。

 

予算項目

プログラム

サブプログラム
(サブプログラムがない場合は括弧内に概要説明)

2022会計年度要求額(単位:千ドル)

財源

DOE

原子力(Nuclear Energy)

燃料サイクルR&D
(Fuel Cycle Research and Development)

使用済燃料処分等研究開発(Used Nuclear Fuel Disposition R&D)

62,500

一般

統合放射性廃棄物管理システム(IWMS)
(Integrated Waste Management System)

38,000

放射性廃棄物処分
(Nuclear Waste Disposal)

放射性廃棄物基金(NWF)監督(Nuclear Waste Fund Oversight)

(NWFの監督、ユッカマウンテンサイトの維持・管理)

7,500

NWF

エネルギー先端研究計画局(ARPA-E)
(Advanced Research Projects Agency – Energy)

ARPA-Eプロジェクト

(廃棄物減少技術を含め、新たに15のFOA)

(FOA全体で500,000)

一般

国防環境クリーンアップ
(Defense Environmental Cleanup)

廃棄物隔離パイロットプラント(WIPP)

WIPP操業ほか
(換気システム等の設備更新を含む)

437,230

独立機関

原子力規制委員会(NRC)

高レベル放射性廃棄物処分

(高レベル放射性廃棄物処分場の許認可審査)

0

NWF

放射性廃棄物技術審査委員会(NWTRB)

活動費

(DOE研究開発活動の評価等)

3,800

NWF

FOA:資金提供公募(Funding Opportunity Announcement)

■DOEの放射性廃棄物処分関連予算の全体概要

DOEの高レベル放射性廃棄物処分関連の予算については、DOE予算要求資料「原子力ほか」(第3巻パート2)の原子力(Nuclear Energy)の予算項目でのDOE原子力局(NE)の予算として、燃料サイクル研究開発(R&D)プログラムの下で、「使用済燃料処分等研究開発プログラム」及び「統合放射性廃棄物管理システム(IWMS)プログラム」の予算が要求されている。また、放射性廃棄物処分(Nuclear Waste Disposal)の予算項目の中で、放射性廃棄物基金(NWF)の監督やユッカマウンテンサイトの維持・管理を行う放射性廃棄物基金監督プログラムの予算がNWFを財源として計上されている。その他、2022会計年度には、新たにエネルギー先端研究計画局(ARPA-E)における資金提供公募(FOA)のテーマの1つとして、「高レベル放射性廃棄物を飛躍的に減少させる技術」が示されている。さらに、TRU廃棄物処分関連の予算については、DOE予算要求資料「環境管理」(第5巻)の国防環境クリーンアップの予算項目として、廃棄物隔離パイロットプラント(WIPP)の予算が計上されている。

■原子力/燃料サイクル研究開発(R&D)プログラムの予算

DOE予算要求資料「原子力ほか」(第3巻パート2)でのDOEの燃料サイクル研究開発(R&D)プログラムのうち、使用済燃料処分等研究開発プログラムでは、処分方策に中立な放射性廃棄物管理プログラムの開発や高レベル放射性廃棄物のインベントリを勘案したオプションを開発することに主な焦点を当てるものとして、前年度の歳出予算額と同額の62,500千ドル(65億6,250万円)の予算が示されている。今回のDOE予算要求資料で、処分の研究開発では、引き続き3つの母岩(粘土質岩、岩塩及び結晶質岩)における処分システムの長期的性能の理解を深めることを目的としている。具体的に、使用済燃料処分等研究開発プログラムにおいて2022会計年度に実施する活動のうち、直接的に処分に関連する事項としては以下が示されている。

  • 新しい事故耐性燃料(accident tolerant fuels)の貯蔵・輸送・処分性能特性の試験、評価
  • 様々な地層で実施されている研究開発を活用するための国際的パートナーとの協力を含め、様々な廃棄物及び使用済燃料の廃棄体の処分オプション探求に関連した、高優先度の研究開発活動の継続
  • キャニスタの再パッケージの必要性を解消することができるよう、輸送・貯蔵兼用キャニスタの直接処分での技術的フィージビリティを評価
  • 廃棄物隔離パイロットプラント(WIPP)における原位置試験プロジェクトを含め、岩塩における発熱性廃棄物の処分に係る科学的・工学的技術基盤の継続

また、使用済燃料処分等研究開発プログラムにおいては、原子力規制委員会(NRC)や産業界と協力して、高燃焼度燃料の貯蔵に係るフルスケールでのキャスク実証試験、及び高燃焼度燃料の輸送・貯蔵に係る研究開発活動等を継続することも示されている。

「統合放射性廃棄物管理システム(IWMS)プログラム」については、前政権の2021会計年度の予算でDOEは廃止を提案したが、2020年12月27日に成立した2021会計年度包括歳出法(H.R.133、Public Law No.116-260として成立)ではIWMSプログラムの予算が計上されていた。なお、2021会計年度については、前政権が新設を要求した「中間貯蔵及び放射性廃棄物基金監督」プログラムにおいて、中間貯蔵及び輸送計画に関する活動に係る予算が計上されていたが、2022会計年度の予算要求では、中間貯蔵等の活動予算はIWMSプログラムに移管されている。今回のDOE予算要求資料では、IWMSプログラムの予算として38,000千ドル(39億9,000万円)が要求されており、うち少なくとも20,000千ドル(21億円)は、商業用使用済燃料の短期的な貯蔵への要求に対応するため、同意に基づく中間貯蔵プログラムの開発・実施をサポートする予算とされている。2021会計年度包括歳出法では、IWMSプログラムの予算は18,000千ドル(18億9,000万円)であったが、「中間貯蔵及び放射性廃棄物基金監督」プログラムの中で20,000千ドル(21億円)が中間貯蔵プログラムの予算として割り当てられていた。

今回のDOE予算要求資料では、IWMSプログラムは、包括的な使用済燃料管理システムの一部として、同意に基づく中間貯蔵プログラムの開発・実施の取組みをサポートするとともに、貯蔵や輸送等に係る活動を行うものであり、高レベル放射性廃棄物が現在貯蔵されている地域や政府、関係者との協働も含まれるとの考え方が示されている。また、潜在的な立地自治体(potential host communities)との協働による同意に基づくサイト選定アプローチに係る具体的な活動としては、以下が示されている。

  • 連邦中間貯蔵施設の同意に基づくサイト選定プロセス実施のために考慮すべき要因に焦点を当てて情報要求(Request for Information)を発出
  • 連邦・州・地方の議員、組織、担当官、コミュニティ及び先住民族を含むステークホルダーからのフィードバックを要請
  • 前回の同意に基づくサイト選定イニシアチブに参画していたステークホルダーと接触し、立場の変化の確認とともに追加的な考慮事項を議論する機会を提供
  • 社会的公正と環境正義(environmental justice、環境に係る利益と負担の不公平な配分の是正)を織り込んだ廃棄物管理システムの構築
  • 連邦と民間の中間貯蔵施設アプローチの費用便益評価
  • 予備的設計概念の開発
  • 様々な設計・立地における規制に関する環境の考慮事項の分析
  • オプション解析と輸送計画への情報として、対象の放射性廃棄物インベントリの量及び詳細情報の収集に係る重要データの更新と分析
  • 大規模輸送のためのシステム能力とインフラのニーズを確立するための取組みを継続

IWMSプログラムにおける2022会計年度の実施事項としては、これらの同意に基づくサイト選定アプローチに係る活動に加えて、先進技術を踏まえた貯蔵アプローチ・解決策の開発継続、施設許認可や操業計画を支援するコンピュータ解析ツールの開発継続のほか、輸送に係るものとして、輸送インフラの評価や鉄道輸送車両の試験・実証の継続、鉄道輸送のセキュリティ・安全監視システム開発の着手などが挙げられている。

■放射性廃棄物処分/放射性廃棄物基金(NWF)監督プログラムの予算

DOE予算要求資料「原子力ほか」(第3巻パート2)では、放射性廃棄物基金からの支出で賄うものとされる「放射性廃棄物基金(NWF)監督」プログラムについては、2022会計年度の実施活動として、以下が示されている。

  • 放射性廃棄物基金(NWF)の投資ポートフォリオに係る適切な投資戦略の実施と慎重な管理
  • 標準契約2 の管理
  • ユッカマウンテンサイトについて、DOE令(DOE Order 473.3A)に基づく物理的セキュリティ要件、メンテナンスや環境要件の維持
  • 連携連邦スタッフ等のサポート

■国防環境クリーンアップ/廃棄物隔離パイロットプラント(WIPP)の予算

米国で超ウラン元素を含む放射性廃棄物(TRU廃棄物)の地層処分場として操業中の廃棄物隔離パイロットプラント(WIPP)については、DOE予算要求資料「環境管理」(第5巻)において、2022会計年度の実施項目として、メンテナンスや鉱山活動を含む処分活動の継続のほか、換気システムや新たな立坑の建設、代替処分パネル建設に向けた規制対応、環境保護庁(EPA)の適合性再認定やニューメキシコ州環境省(NMED)への対応なども挙げられている。WIPPに係る予算要求額が、2021会計年度歳出予算から17,164千ドル(約18億円)増額の430,424千ドル(約451億円)となっている理由としては、各廃棄物発生サイトからの輸送費用の増加のほか、インフラ再整備プロジェクトの継続や鉱山の近代化が挙げられている。DOE予算要求資料では、WIPPにおけるインフラや機器の一部は設計寿命を超えて使用されるなど劣化等が進んでおり、大掛かりな補修・交換による鉱山内施設の近代化が必要なことが示されている。

【出典】

 

【2021年7月2日追記】

米国の原子力規制委員会(NRC)は、2021年7月1日に、2022会計年度の予算要求に係る詳細資料(以下「NRC予算要求資料」という。)を公表した。2022会計年度の予算要求については、2021年5月28日に大統領の予算教書が公表され、さらに、2021年6月10日までにエネルギー省(DOE)の予算要求詳細資料が公表されていたが、NRCの予算要求については予算教書の添付資料で概要が示されるのみとなっていた。今回公表されたNRC予算要求資料では、使用済燃料のためのユッカマウンテン処分場の建設認可に係る許認可申請書の審査活動及び高レベル放射性廃棄物のためのその他の予算は要求されていないことが、予算の概要及び「核物質・廃棄物安全」の予算項目で明示された。

NRC予算要求資料の「核物質・廃棄物安全」の予算項目においては、放射性廃棄物処分及び貯蔵に関連する活動のための予算が示されている。このうち、使用済燃料の貯蔵に関する活動項目では、民間で計画している2カ所の集中中間貯蔵施設に対する安全性・セキュリティ・環境の審査について、裁判形式の裁決手続を含むものとして、約40万ドル(約4,200万円、1ドル=105円で換算)、常勤換算人員数では1.0の予算が要求されている。集中中間貯蔵施設に係る予算については、許認可申請書の審査が完了することにより、2021会計年度よりも減少することが示されている。なお、2021会計年度のNRC予算要求資料では、集中中間貯蔵施設の許認可審査に係る予算要求額は約4百万ドル(約4,000万円)、常勤換算人員数では12となっていた。

2014~2022会計年度のNRC予算
(NRC予算要求資料から引用)

また、NRC予算要求資料によれば、2022会計年度のNRC全体の予算要求額は約887.7百万ドル(約932億円)、常勤換算人員数では2,879となっている。これは、2014会計年度と比較すると、予算額で約16%、常勤換算人員数では約24%の減少となる。

【出典】


  1. 米国における会計年度は、前年の10月1日から当年9月30日までの1年間となっており、今回対象となっている2022会計年度の予算は2021年10月1日からの1年間に対するものである。 []
  2. DOEは、1982年放射性廃棄物政策法により、使用済燃料処分のための「標準契約」を原子力発電事業者と締結することが必要とされている。標準契約では、原子力発電事業者による拠出金の支払義務、DOEによる使用済燃料引取り義務等が定められている。 []

米国で2021年5月28日に、2022会計年度1 の大統領の予算教書が連邦議会に提出され、大統領府管理・予算局(OMB)のウェブサイトで公表された。2022会計年度の予算要求については、2021年4月9日に、裁量的予算(discretionary funding)に関する概算要求が示されていたが、詳細な予算教書の提出は遅れていた。

今回の大統領の予算教書は、2021年1月に誕生した民主党のバイデン政権による初めての予算教書となるが、共和党のトランプ政権や民主党のオバマ政権とは異なり、使用済燃料及び高レベル放射性廃棄物(以下「高レベル放射性廃棄物」という。)の管理・処分については、重要方針の中で言及されていない。

ただし、予算教書の添付資料では、放射性廃棄物基金からの支出で賄われる予算として、高レベル放射性廃棄物処分(Nuclear Waste Disposal)の項目において、「放射性廃棄物基金監督(Nuclear Waste Fund Oversight)」プログラムとして7,500千ドル(約7億9,000万円)が要求されている。同プログラムでは、ユッカマウンテンサイトの維持や環境要件、セキュリティ関連の活動などユッカマウンテンサイトの安全性確保、並びに、1982年放射性廃棄物政策法で規定された管理義務を含め、放射性廃棄物基金の監督を継続することが示されている。なお、トランプ政権の2021会計年度の予算要求では、高レベル放射性廃棄物処分の項目において「中間貯蔵及び放射性廃棄物基金監督(Interim Storage and Nuclear Waste Fund Oversight)」プログラムの予算として27,500千ドル(約28億8,750万円)が要求され、2020年12月27日に成立した2021会計年度包括歳出法(H.R.133、Public Law No.116-260として成立)でも同額が承認されていた。

エネルギー省(DOE)の予算概要資料では、ユッカマウンテン計画の再開に関する予算は要求されておらず、使用済燃料中間貯蔵の同意に基づくサイト選定について、基盤作りに向けた活動を行う方針が示されている。

高レベル放射性廃棄物の管理・処分に係る予算については、DOEの予算要求に係る詳細資料が公表されていないために詳細は不明であるが、DOEの予算概要資料では、「燃料サイクル研究開発プログラム」の一部として、38百万ドル(約40億円)を「統合廃棄物管理システム(IWMS)」サブプログラムに計上することが示されている。燃料サイクル研究開発プログラムの下では、民間使用済燃料の中間貯蔵オプションを確立するための取組を含め、高レベル放射性廃棄物の管理・処分の進展を促進し得る先進燃料サイクル技術の研究開発の実施、並びに、使用済燃料の中間貯蔵に係る同意に基づくサイト選定を効果的に、環境公正的に実施するための基盤作りに必要な活動の計画や策定のための予算も含まれていることが、DOEの予算概要資料で示されている。2

なお、高レベル放射性廃棄物管理に関する研究開発については、DOEのエネルギー先端研究計画局(ARPA-E)における2022会計年度の資金提供公募(FOA)の新規テーマの1つとして、「高レベル放射性廃棄物を飛躍的に減少させる技術」が示されている。DOEの予算概要資料では、安全性及びセキュリティの面で放射性廃棄物に内在するリスクを排除する新しい技術・プロセスを通じて、放射性廃棄物処分の喫緊の必要性に応えることが重要な要素であるとの考え方を示している。

DOEのその他の放射性廃棄物処分関連の予算では、ニューメキシコ州で操業中の軍事起源のTRU廃棄物の地層処分場である廃棄物隔離パイロットプラント(WIPP)について、437,230千ドル(約459億920万円)が要求されている。2021会計年度歳出予算から約17百万ドルの増額となっている理由として、インフラ再整備プロジェクトの継続や鉱山活動の近代化、各廃棄物発生サイトからの輸送費用の増加が挙げられている。

一方、原子力規制委員会(NRC)の予算要求についても、詳細な予算要求資料は未だ公表されていないが、2022会計年度の予算教書の添付資料によれば、ユッカマウンテン処分場の建設認可に係る許認可申請書の審査活動のために放射性廃棄物基金から支出される予算は要求されていない。

また、放射性廃棄物技術審査委員会(NWTRB)については、2021会計年度歳出予算から微増の3,800千ドル(3億9,900万円)の予算が要求されている。NWTRBの予算要求資料では、DOE研究開発活動の評価、客観的な技術的・科学的情報の構築や連邦議会及びエネルギー長官への報告など、2021~2022会計年度の戦略目標や達成目標も示されている。なお、NWTRBは、1987年放射性廃棄物政策修正法に基づいて、エネルギー長官が行った高レベル放射性廃棄物処分に係る活動の技術的及び科学的有効性を評価するため、行政府に設置された独立の評価機関である。

【出典】


  1. 米国における会計年度は、前年の10月1日から当年9月30日までの1年間となっており、今回対象となっている2022会計年度の予算は2021年10月1日からの1年間に対するものである。 []
  2. 中間貯蔵の同意に基づくサイト選定のための活動がIWMSで、先進燃料サイクル技術の研究開発が使用済燃料処分等研究開発(UNFD研究開発)プログラムと思われるが、UNFD研究開発プログラムの予算金額を含め、詳細は示されておらず、不明である。 []

米国の放射性廃棄物技術審査委員会(NWTRB)は2021年4月30日に、「米国の放射性廃棄物管理プログラムを進めるための6つの包括的な勧告」と題する報告書(以下「NWTRB報告書」という。)を公表した。今回のNWTRB報告書の目的は高いレベルでの提言をエネルギー省(DOE)に示すものであり、もし採用された場合、NWTRBは、地層処分を成功に導くための基礎を築くことを含め、米国における頑健で(robust)、安全、実効的な放射性廃棄物管理能力の形成をサポートすることを確信すると考えていると表明している。NWTRBは、1987年放射性廃棄物政策修正法に基づいて、エネルギー長官が行った高レベル放射性廃棄物処分に係る活動の技術的及び科学的有効性を評価するため、行政府に設置された独立の評価機関であり、今回のNWTRB報告書も連邦議会及びエネルギー長官に宛てられたものである。

NWTRB報告書の表紙

NWTRB報告書「米国の放射性廃棄物管理プログラムを進めるための6つの包括的な勧告」

NWTRB報告書の第1章から第3章では、報告書の目的・範囲、課題の規模、地層処分を巡るこれまでの取組、米国の使用済燃料管理プログラムにおける制約を示したうえで、第4章でNWTRBからの6つの包括的な勧告が示されている。

課題の規模(1.2節)については、軍事起源のDOE管理の高レベル放射性廃棄物のほか、将来的に13万トン以上まで増加が見込まれる民間からの使用済燃料など、米国における高レベル放射性廃棄物のインベントリが示され、ゼロカーボン電源である原子力発電の将来のためにも、地層処分の実現に向けた動きが急務との認識が示されている。また、地層処分の課題(第2章)については、地層処分は評価の時間枠が100万年に及ぶなど、他に類を見ない長期を対象とするため、処分場の性能評価にも不確実性が伴い、特に、将来の地質、環境、人間活動の変化が起こり得る中で、科学的・技術的課題は大きいことが指摘されている。このような科学的・技術的課題の克服は、ユッカマウンテン処分場の建設認可に係る許認可申請書で立証されたように可能ではあるが、純粋に技術的な問題に加え、社会的、政治的な問題も大きな課題としてあることが指摘されている。

米国における高レベル放射性廃棄物管理プログラムにおける制約(第3章)については、廃棄物管理プログラムの推進のための国家的な計画の欠如に加え、組織的な複雑さが課題として挙げられている。米国では、原子力発電及び使用済燃料貯蔵は民間事業者の責任であるが、使用済燃料の輸送と処分は連邦政府であるDOEの責任とされている。前段の原子力発電の運転段階や貯蔵に係る活動は輸送や処分に影響することから、このような組織の複雑性は、放射性廃棄物管理システムに影響することが指摘されている。

NWTRB報告書では、処分事業が進んでいる国のプログラムを見ることで示唆が得られるとの認識が示されており、その勧告の多くは、他国や米国の廃棄物隔離パイロットプラント(WIPP)での進展事例の調査結果から得られたものであることが示されている。具体的には、処分場建設に向けて進んでいる国のプログラムには、以下の特性があると指摘している(「第4章 勧告」のBox 4-1)。

  • 独立の外部審査(external review)で得られる強固な科学・技術基盤
  • 新たな知見や公衆の意見に照らして適応・変更への意欲
  • 透明性・公開性を大きく強調
  • 安全性の立証、安全文化の構築、短期・長期安全や操業能力に対する公衆の信認の獲得を最重点化
  • 同意に基づく処分場サイトの選定プロセス(または、少なくとも公衆の関与)
  • サイトのスクリーニングに使用される明確なサイト適合性基準(site-suitability criteria)
  • 処分場候補サイトと同様の母岩における地下研究所での長期的研究プログラム

NWTRB報告書の第4章では、このような他国におけるプログラムとの交流や、過去のDOE向けの報告書などから、放射性廃棄物管理プログラムの構築をサポートするために現在実施可能なものとして、以下に示すような6つの包括的な勧告がまとめられている。

  1. 統合的な組織のアプローチを確保
    • DOE担当部局、国立研究所、及び契約者の間のより広い情報共有を促進
    • 協力の最適化、重複の最小化、効果の最大化のため、DOEの環境管理局(EM)、原子力局(NE)、その他の部局で実施されている研究開発プログラムの更なる統合強化
    • 原子力産業の事業者、キャスク製造会社、燃料製造者等と、より効果的な放射性廃棄物管理プログラムの開発・実施のための協働を模索
    • 放射性廃棄物管理に関わる様々な主体のコミュニケーションや関与の改善を促進するため、DOE主導の会議やワークショップを通じた革新的情報の共有方法の模索
  2. 必要なインフラと人的ニーズの予測
    • 今後10年にわたる物理的なインフラ、情報技術、及び人的ニーズに係る統合的計画の開発及び情報交換
    • 施設の老朽化(aging)の影響を想定する研究プログラムやインフラの継続的支援の形成・実施
    • バックエンド燃料サイクルに関連したプロセスやシステムの解析・シミュレーションのため、DOEの先端的・高性能なコンピュータ資源を活用する能力の構築・維持
    • 現在及び可能な範囲で過去の関連研究開発プログラムの情報を、長期間、オープンかつ効率的に取り出せるデータ管理システムのインフラ構築と実施
    • 技術訓練プログラム、より効果的な学部生奨学金・特別研究員・ポスドク研究員、地下研究所でのインターンシップ設立などを通して新しい世代に指導体制を拡張し、人員の高齢化に対応
  3. 仮説検証(Hypothesis Testing)も包含するよう研究パラダイムを拡張
    • 研究開発プログラムでの予期しない結果の可能性を想定し、すべての研究プログラムが方向性や焦点の変更の可能性に対応できるよう十分な準備を確保
    • 研究室から地下研究所での実規模原位置試験まで、複数のスケールでの実験的設計を活用して代替仮説を検証
    • 重要プロセスを捉えている既存モデルの能力を検証し、システム特性の推定を改善する新たな概念モデルの必要性を評価するため、新たな計測を継続してデータベースを構築する
    • 性能評価におけるモデルの有用性強化のため、既存及び新たな仮説の反復的な検証結果を活用
    • 地下プロセスの原位置調査やモデルの検証、さらには、国際共同作業を行うための研究者や学生に必要な機会を提供する、国内の地下研究所を1箇所以上設置する
  4. 放射性廃棄物管理プログラムの開発・管理に反復的で適応性のあるアプローチを適用
    • 放射性廃棄物管理プログラムの個々の構成要素の試験と、廃棄物管理システム全体の統合モデルの試験を、試験から得られた知見に基づいてそれぞれのアプローチを適応させることを念頭に、反復的に実施
    • 放射性廃棄物管理プログラムのあらゆる側面で予期しない事実に対応できるように構造化し、門戸を開き、常に以前の決定の再評価・再考への意欲
    • 放射性廃棄物管理プログラムの外部の独立の科学者・技術者、州・地方政府等、原子力発電事業者、関心を持つ公衆など、すべての影響を受けるステークホルダーからの意見やフィードバックを促し、奨励するためのメカニズムを進行中の評価の一部として確立
  5. 教訓を活かすための国際的コミュニティとの関与(engagement)を拡張
    • 世界的で重大な環境課題の中で、科学・技術の世界的協力の必要性を認識し、国際的コミュニティとの関与を拡張するため、現在のイニシアチブを強化・継続
    • 緊密な関係で得られる明確な有益性に鑑み、国際的プログラムへの積極的な関与を維持
    • 共同国際地下研究所活動への参加を継続・拡張。仮にDOEが米国内で地下研究所を開発した場合は、国際参加を奨励
    • 処分場開発の実証/建設承認段階の知見強化のため、これらの段階にある国との関与を強化
  6. 公開性、透明性及び関与を重視
    • 放射性廃棄物管理プログラムのあらゆる側面の計画・審査の早い段階で、公衆や他のステークホルダーに対する情報提供と関与
    • 意思決定の透明性とステークホルダーの有意義な参加へのサポートを提供
    • コミュニケーションの改善、自治体の視点のより良い理解、プログラムの無用な遅延回避のため、公衆への情報提供と公聴についての他国で得られた教訓を考慮
    • 許認可の要件ではないが、DOEは、廃棄物管理概念や多重バリアその他の安全性に寄与する特性に関する施設の明確な特性を、プロセスの早い段階で構築し、公表すべき。新たな情報・知見が得られた場合には、安全性概念は改定されることを明確に認め、伝達、確約することも必要
    • 曖昧さや解釈の幅を最小化するため、サイト選定の開始前にサイト適合性基準を開発し、プロセスの客観性と結果への公衆の信頼の確保を支援。サイト選定プロセスの途中で基準変更が必要な場合は、透明で有意義な参加プロセスが必要
    • 米国内で地下研究所が開発される場合、研究機能に加え、地下へのアクセス、安全概念や操業能力の背後にある科学・技術への信頼と信頼構築のために、広報や公衆との関与のために活用されるべき

なお、NWTRB報告書とは別の動きとして、米国原子力学会(ANS)、廃止措置プラント連合(DPC)、エネルギー自治体連合(ECA)、全米公益事業規制委員協会(NARUC)、原子力エネルギー協会(NEI)、放射性廃棄物戦略連合(NWSC)らが、2021年5月3日に、エネルギー長官宛の書簡を送付している。本書簡では、使用済燃料及び高レベル放射性廃棄物に係る活動の中心となり、外部のステークホルダーとの関与、有意義な活動を行うものとして、エネルギー長官直属の専門機関を早急に設置することなどを要求している。

【出典】

米国のエネルギー省(DOE)のカールスバッド・フィールド事務所(CBFO)は、2021年4月8日付けのニュース記事において、軍事起源のTRU廃棄物の地層処分場である廃棄物隔離パイロットプラント(WIPP)について、2つの代替処分パネルの建設などに係る補足分析(SA:Supplement Analysis、以下「補足分析」という。)を完了したことを公表した。補足分析は、1969年国家環境政策法(NEPA)の要件を満たすためのものであり、代替処分パネルの建設によっても環境への影響に重大な変化が生じることはなく、現行の環境影響評価書(EIS)は引き続き有効であるとのDOEの判断が示されている。WIPPでは、2014年2月の放射線事象によって、処分エリアの一部のエリアが汚染されたことなどから、代替処分パネルの建設が提案されたものである。

新たに建設される代替処分パネルは、WIPPの既存の処分パネルと同様の方式で掘削され、処分パネル内に設置される処分室も既存と変わらない設計となっている。WIPPの各々の処分パネルには、長さが約300ft(約91m)、幅が33ft(約10m)、高さが13ft(約4m)の処分室が7つ設けられている。代替処分パネル(第11処分パネル及び第12処分パネル)は、以下の配置図に示されるように、既存の処分パネルとは離れた位置に建設される計画となっている。

代替処分パネル(第11処分パネル及び第12処分パネル)の提案配置図

WIPPにおけるTRU廃棄物の処分容量は、1992年WIPP土地収用法において620万ft3(約17.6万m3)と規定されている。建設される第11処分パネル及び第12処分パネルは、未使用の処分パネルの代替として建設されるものであり、WIPPの処分容量は変更されない。WIPPの既存の処分エリアでは、第1処分パネル~第8処分パネルのアクセス坑道として使用されていた部分について、第9処分パネル(相当)及び第10処分パネル(相当)として廃棄物が定置される予定となっていたが、2014年2月の放射線事象による一部エリアの汚染、及び岩盤管理状態の悪化による作業安全上の問題から、未使用のまま閉鎖されることとなった1

既存処分エリアの未使用処分スペース

補足分析によれば、第11処分パネル及び第12処分パネルの掘削にはニューメキシコ州環境省(NMED)の事前の承認が必要とされている。DOEは、2023年夏にNMEDの承認を得ることにより、第8処分パネルでの操業終了時に代替処分パネルでの定置が可能になるように計画している。なお、これら代替処分パネルへのアクセス坑道の掘削については、2021年夏にも開始される可能性があると指摘している。また、DOEのニュースリリースによると、WIPPでの将来的な開発については、2021年の後半に開始する予定のパブリックミーティングで議論することとなっている。

【出典】


  1. 第9処分パネルに相当するエリアは、2016年に閉鎖の方針が決定され 、未使用のまま閉鎖された []

原子力規制委員会(NRC)は、2020年5月8日付けの連邦官報において、中間貯蔵パートナーズ(ISP)社がテキサス州アンドリュース郡で計画している使用済燃料等の中間貯蔵施設について、建設・操業・廃止措置等に係るドラフト環境影響評価書(DEIS)に対するパブリックコメントの募集を開始することを告示した。NRCは、2020年5月6日付けのニュースリリースにおいて、DEISを公表するとともに、DEISに対するパブリックコメントの募集及びパブリックミーティングを開催することを公表していた。先に公表されたDEISにおいては、ISP社が計画している使用済燃料等の貯蔵による環境への影響は小さいとして、許認可発給を勧告するとしたNRCスタッフの評価が示されている。NRCスタッフは、パブリックコメントのレビューを行った上で、2021年5月までに、最終環境影響評価書(FEIS)を発行する予定としている。

DEISでは、ISP社が2018年6月8日及び7月19日付けでNRCに提出した中間貯蔵施設の許認可申請書の改定2版(Revision 2)を踏まえて、プロジェクトの第1段階(Phase 1)として行われる5,000トンの使用済燃料等の貯蔵についての評価が行われている。ISP社は、全8段階で貯蔵プロジェクトを実施し、最終的には最大4万トンの使用済燃料等の貯蔵を行う計画である。NRCは、保守的な境界条件の下での解析(bounding analysis)を行うものとして、第2~8段階の実施を含む貯蔵プロジェクト全体についての評価も行っており、予測される環境影響は小さいとしている。

DEISは、500ページ近くに及ぶ文書となっており、2018年5月6日付けのNRCニュースリリースでは、DEIS本体のファイル、及び環境影響評価書(EIS)の読者ガイドへのリンクも掲載されている。読者ガイドでは、DEISの概要とともに、ISP社の中間貯蔵プロジェクトの概要、NRCの許認可審査手続きの概要などについても、図等を含めて示されている。

ISP社の集中中間貯蔵施設の建設予定サイト

DEISに対するパブリックコメントの募集は2020年9月4日までの期間1 で行われるものとされており、NRCは、パブリックコメントの募集と並行してパブリックミーティングやウェビナー(ウェブを活用したセミナー)も開催する予定としている。

ISP社の中間貯蔵施設については、テキサス州アンドリュース郡のウェースト・コントロール・スペシャリスト(WCS)社の自社所有サイトで、WCSテキサス低レベル放射性廃棄物処分場に隣接する区画において、使用済燃料等の中間貯蔵施設の建設を計画するものである。WCS社は、2016年4月28日に、使用済燃料等の中間貯蔵施設の建設・操業に係る許認可申請書をNRCに提出していたが、WCS社の売却の動きなどもあり、WCS社とOrano USA社との合弁会社として設立されたISP社が、2018年6月8日に、中間貯蔵施設の許認可審査の再開をNRCに申請していた。WCS社サイトにおいては、エネルギー省(DOE)が環境影響評価を実施するなど、クラスCを超える(GTCC)低レベル放射性廃棄物(以下「GTCC廃棄物」という。)の処分に関する検討も行われており、NRCによるGTCC廃棄物処分の規制に係る検討が続けられている

【出典】

 

【2020年12月3日追記】

中間貯蔵パートナーズ(ISP)社がテキサス州アンドリュース郡で計画している使用済燃料等の中間貯蔵施設については、原子力規制委員会(NRC)が策定したドラフト環境影響評価書(DEIS)に対するパブリックコメントの募集が2020年11月3日まで実施された。コメント募集においては、施設の建設が計画されているテキサス州の知事に加え、隣接するニューメキシコ州の知事がそれぞれ、ISP社の中間貯蔵施設の建設・操業に反対するコメントを提出した。

テキサス州知事は、2020年11月3日付けで提出したコメントにおいて、NRCが策定したDEISは、テロリズムによるリスクを適切に評価していないこと、使用済燃料の地層処分場が建設されない場合には中間貯蔵施設で永久に貯蔵される可能性があるにも拘わらず評価を行っていないことを指摘するなど、DEISには不備があるとしている。特に、テロリズムについては、ISP社が建設を計画しているウェースト・コントロール・スペシャリスト(WCS)社サイトが立地するテキサス州アンドリュース郡は世界最大の原油産出地域であるパーミアン盆地にあるため、テロリストの攻撃による被害が甚大であること、その影響の大きさもあってテロリストの主要な標的となり得ることなど、特異なリスクがあるため、DEISで示された一般的な評価では不適切であるとしている。

一方、隣接するニューメキシコ州の知事が2020年11月3日付けで提出したコメントにおいて、ISP社の中間貯蔵施設の建設が計画されているWCS社サイトはニューメキシコ州境から数百メートルに位置しており、ニューメキシコ州への影響が非常に大きいとした上で、中間貯蔵施設が事実上の恒久的な処分場となった場合の影響などの安全上の懸念がDEISでは適切に評価されていないこと、ISP社プロジェクトは大きな輸送リスクへの対応を資金提供なしにニューメキシコ州自治体に強いるものであること、ニューメキシコ州の経済に受容しがたいリスクがあることなどを指摘するなど、DEISは不適切であるとしている。

なお、NRCは、テキサス州知事に対しては2020年11月12日に、ニューメキシコ州知事に対しては2020年11月30日に、それぞれコメント受領を伝える書簡を送付し、最終環境影響評価書(FEIS)を準備する上で両知事のコメントを十分に配慮するとしている。

【出典】


  1. NRCのパブリックコメントの募集期間は60日間とされることが多いが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響を考慮して長期のコメント募集期間を設定するとして、120日間のコメント募集期間が設定されている。 []

原子力規制委員会(NRC)は、2020年3月20日付けの連邦官報において、ホルテック・インターナショナル社(以下「ホルテック社」という。)がニューメキシコ州で計画している使用済燃料等の中間貯蔵施設について、建設・操業・廃止措置等に係るドラフト環境影響評価書(DEIS)に対するパブリックコメントの募集を開始することを告示した。NRCは、2020年3月10日付けのニュースリリースにおいて、DEISを公表するとともに、DEISに対するパブリックコメントの募集及びパブリックミーティングの開催を行う予定を公表していた。DEISでは、ホルテック社が申請した使用済燃料等の貯蔵が環境に与える影響は小さいとして、許認可発給を勧告するNRCスタッフの評価が示されている。NRCスタッフは、パブリックコメントのレビューを行った上で、2021年3月までに最終環境影響評価書(FEIS)を策定する予定としている。

具体的にDEISでは、NRCがホルテック社から2017年3月31日に受領した中間貯蔵施設の許認可申請書等を踏まえて、プロジェクトの第1段階(Phase 1)として行われる500基の乾式貯蔵キャスクによる約8,680トンの使用済燃料等の貯蔵について評価が行われている。ホルテック社は、20段階に分けて貯蔵プロジェクトを実施し、最終的には10,000基の乾式貯蔵キャスクで約10万トンの使用済燃料等の貯蔵を行う計画である。NRCは、保守的な境界条件の下での解析(bounding analysis)を行うものとして、第2~20段階の実施を含む貯蔵プロジェクト全体についての評価も行っており、見込まれる環境影響は小さいとしている。また、DEISでは、内務省(DOI)土地管理局(BLM)による評価に基づいて、中間貯蔵施設への鉄道支線の建設及び運行に対して許認可発給を勧告するとのNRCの意見も示されている。

DEISは、500ページ近くに及ぶ文書となっており、NRCウェブサイトのホルテック社集中中間貯蔵施設のページでは、DEIS本体のファイルや連邦官報告示へのリンクとともに、環境影響評価書(EIS)の読者ガイドも公表されている。本読者ガイドでは、DEISの概要とともに、ホルテック社の中間貯蔵プロジェクトの概要、NRCの許認可審査手続きの概要などについても、図等を含めて示されている。

ホルテック社の集中中間貯蔵施設の建設予定サイト

なお、ホルテック社の中間貯蔵施設は、ニューメキシコ州南東部のエディ郡、リー郡、カールスバッド市及びホッブズ市の4自治体から構成されるエディ・リー・エナジー・アライアンス(ELEA)のサイトでの建設を計画するものであり、ニューメキシコ州環境省(NMED)も、NRCとの協定を締結して協力機関(cooperating agency)として位置付けられている。NMEDは、EISの策定において、水資源に関する問題でNRCスタッフと協力しているほか、DEISの草案段階でコメントも提出していた。NRCは、NMEDのコメントに対応した上でDEISを策定したとしている。

DEISに対するパブリックコメントの募集は2020年5月22日までの期間で行われるものとされ、NRCは、パブリックコメントの募集と並行してパブリックミーティングも開催する予定としている。

【出典】

 

【2021年4月2日追記】

米国のニューメキシコ州は、2021年3月29日に、ホルテック・インターナショナル社(以下「ホルテック社」という。)がニューメキシコ州で計画している使用済燃料の中間貯蔵施設 等の建設・操業に係る許認可審査手続の中止などを求めて、原子力規制委員会(NRC)などを提訴した。ニューメキシコ州司法長官の同日付けのプレスリリースにおいて、ニューメキシコ地区連邦地方裁判所に提出した訴状が公表された。ニューメキシコ州の訴訟は、ホルテック社が計画する中間貯蔵施設に加えて、中間貯蔵パートナーズ(ISP)社がテキサス州アンドリュース郡で計画している中間貯蔵施設についても、許認可審査手続の中止等を求めるものとなっている。

ニューメキシコ州の訴状では、以下の確認判決及び差止めの仮処分が請求されている。

  • NRCによる中間貯蔵施設の許認可発給について、1954年原子力法や1982年放射性廃棄物政策法(1987年修正)で規定された権限を越えるものであるとの確認判決
  • NRCによる中間貯蔵施設の許認可発給について、違法で資金提供なしに連邦義務を課すものであるとの確認判決
  • ホルテック社が中間貯蔵施設の建設を計画している土地について、石油・ガス、農業資源等の公共信託における権益を州が有していることの確認判決
  • ニューメキシコ州への回復不可能な損害を防止するため、中間貯蔵施設の許認可審査手続を差止める仮処分命令

ニューメキシコ州では、ホルテック社の中間貯蔵施設に係るドラフト環境影響評価書(DEIS)に対しても、ニューメキシコ州知事やニューメキシコ州環境省(NMED)などから反対するコメントが提出されており、今回の訴訟は、その一環の行動と見られる。2020年9月22日付けのニューメキシコ州知事のコメント文書では、中間貯蔵施設が事実上の恒久的な処分場となった場合の影響などの安全上の懸念がDEISでは適切に評価されていないこと、中間貯蔵施設建設は大きな輸送リスクへの対応等を資金提供なしにニューメキシコ州自治体に強いるものであること、石油・天然ガス資源等への影響を含めてニューメキシコ州の経済に受容しがたいリスクがあることなど、今般の訴状と同様の指摘が表明されていた。ニューメキシコ州知事は、隣接するテキサス州のISP社の中間貯蔵施設に係るDEISについても、同様のコメントを提出していた

なお、ホルテック社が計画する中間貯蔵施設の許認可審査については、2021年3月までに安全審査が完了する予定が示されていたが、NRCによる追加情報要求(RAI)に対するホルテック社の回答が不十分であるなどとして、スケジュールは遅延することが2021年3月25日付けのNRCの書簡で通知されている。NRCは、2021年4月に第2回のRAIを出す予定であるが、ホルテック社の回答が確認されるまでは改定スケジュールは発出しないことを表明している。

【出典】

 

【2021年7月7日追記】

原子力規制委員会(NRC)は2021年7月2日に、ホルテック・インターナショナル社(以下「ホルテック社」という。)宛に書簡を送付し、ホルテック社によるニューメキシコ州での使用済燃料の集中中間貯蔵施設 の建設・操業に係る許認可申請について、審査スケジュールを改定したことを通知した。NRCの書簡で示されたスケジュールによれば、これまで2021年7月と見込まれていた安全性・セキュリティ・環境の審査全体の完了は、2022年1月に先送りになる。

ホルテック社による集中中間貯蔵施設の建設・操業に係る許認可審査については、NRCによる追加情報要求(RAI)の発出及びホルテック社によるRAIへの対応、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響によるドラフト環境影響評価(DEIS)に対するコメント募集期間の延長などにより、数次にわたってスケジュールが改定されてきた。下表は、NRCスタッフによる安全審査の完了となる最終安全評価書(FSER)の発行、及び環境審査の完了となる最終環境影響評価書(FEIS)の発行に係るスケジュールについて、許認可申請書の受理当時の当初スケジュールからの改定状況を示したものである。

決定/改定日 最終安全評価書
(FSER)
最終環境影響評価書
(FEIS)
備考

2018年2月28日

2020年7月

2020年7月

許認可申請書の受理決定時の当初想定

2019年7月1日

2021年3月

2021年3月

追加情報要求(RAI)の発行/回答状況を考慮して改定

2020年9月22日

2021年5月

2021年7月

感染症の影響によるコメント募集期間の延長などを受けて改定

2021年7月2日

2022年1月

2021年11月

今回、安全性関連の2巡目のRAIへの対応を考慮して改定

【出典】

 

米国で2020年2月10日に、2021会計年度1 の大統領の予算教書が連邦議会に提出され、大統領府管理・予算局(OMB)のウェブサイトで公表された。使用済燃料及び高レベル放射性廃棄物(以下「高レベル放射性廃棄物」という。)の管理についてトランプ政権は、ユッカマウンテン計画の膠着状態を打破して進展を図るため、代替の解決策(alternative solutions)を開発するためのプロセスを開始し、実行可能な方策の開発において州を関与させていくとの方針が示されている。

また、大統領の予算教書では、代替の解決策の開発と並行して、立地点(host)になる意思のある場所での展開可能なシステムに焦点を合わせた、高レベル放射性廃棄物のロバストな中間貯蔵プログラムの実施、貯蔵・輸送・処分のための代替技術の研究開発をサポートすることも示されている。予算教書の添付資料では、高レベル放射性廃棄物処分の項目において、「中間貯蔵及び放射性廃棄物基金監督(Interim Storage and Nuclear Waste Fund Oversight)」プログラムの予算として27,500千ドル(29億7,000万円、1ドル=108円で換算)が計上されている。同プログラムでは、中間貯蔵プログラムの開発及び実施のほか、ユッカマウンテンの維持や環境要件、セキュリティ関連の活動など1982年放射性廃棄物政策法で規定された管理義務を含め、放射性廃棄物基金の監督を行うことが示されている。

エネルギー省(DOE)のウェブサイトでは、2021会計年度の予算要求に関するプレスリリースが発出され、DOEの予算要求のファクトシートが公表されているが、高レベル放射性廃棄物の管理については言及されておらず、現状、予算要求の具体的な内容は不明である。

なお、DOEの高レベル放射性廃棄物処分に関連する活動について、2020会計年度の歳出法では、使用済燃料処分等(UNFD)研究開発プログラムとして62,500千ドル(67億5,000万円)、「統合放射性廃棄物管理システム」(IWMS)として25,000千ドル(27億円)を割り当てる歳出予算が計上されているが、これらの予算要求の詳細も不明である。

一方、原子力規制委員会(NRC)の予算要求資料では、2021会計年度の予算要求においては、ユッカマウンテン処分場の建設認可に係る許認可申請書の審査活動のための予算は含まれていないことが示されている。

これまでユッカマウンテン計画については、トランプ大統領の2020年2月6日のTwitter投稿において、ユッカマウンテンに関するネバダ州の意見を聴いて尊重すること、政権は革新的なアプローチを探ることを確約することが示されていた。ユッカマウンテン計画に反対するネバダ州では、ユッカマウンテン関連の予算を要求しないことを評価する旨のプレスリリースをネバダ州知事が発出している。

【出典】

 

【2020年2月27日追記】

米国のエネルギー省(DOE)は2020年2月26日に、DOEのウェブサイトにおいて、2021会計年度2 の原子力等(第3巻パート2)の予算要求に係る詳細資料(以下「DOE予算要求資料」という。)を公表した。2021会計年度の予算要求については、2020年2月10日に大統領の予算教書が公表されたが、使用済燃料管理等に係るDOEの予算要求資料については、概要資料のみが公表されていた。DOE予算要求資料では、使用済燃料及び高レベル放射性廃棄物(以下「高レベル放射性廃棄物」という。)の管理については、予算教書の添付資料で示されていた「中間貯蔵及び放射性廃棄物基金監督(Interim Storage and Nuclear Waste Fund Oversight)」プログラムの27,500千ドル(29億7,000万円、1ドル=108円で換算)のほか、「使用済燃料処分等(UNFD)研究開発プログラム」として60,000千ドル(64億8,000万円)が要求されている。

DOE予算要求資料では、新設する「中間貯蔵及び放射性廃棄物基金監督」プログラムの任務は、ロバストな中間貯蔵プログラムの構築と実施のほか、ユッカマウンテンの監督責任のサポート、放射性廃棄物基金の管理を継続することとしている。また、中間貯蔵の実施により以下のような便益が得られるとしている。

  • 連邦政府による高レベル放射性廃棄物のより早期の受入れ
  • 分散した貯蔵サイトのサイト数の減少
  • システムへの柔軟性の付加
  • 大規模な放射性廃棄物管理の制度的・技術的インフラの短期的な開発、実証

「中間貯蔵及び放射性廃棄物基金監督」プログラムのうち、中間貯蔵のための準備についての初期の重要な実施事項としては、以下が示されている。

  • 統合的なプログラムプランの開発
  • 州、先住民族及び地方政府と他の関係省庁との協働(Working with)
  • 可能性あるサイトの同定プロセスの開始
  • 予備的な設計概念の開発
  • オプション分析と輸送計画に情報提供するため、高レベル放射性廃棄物の発生量に関する重要データの分析・アップデート、並びにインベントリに関する詳細情報の収集
  • 計画の実施及び規制環境の要求を支援するためのプロセス及び手順の実施
  • 大規模な輸送のために必要なシステム能力及びインフラ整備のための継続的な取組

また、ユッカマウンテンの監督責任のサポート、放射性廃棄物基金の管理に関しては、以下の実施項目が示されている。

  • 放射性廃棄物基金の投資ポートフォリオに係る適切な投資戦略の実施と慎重な管理
  • ユッカマウンテンサイトについて、DOE令(DOE Order 473.3A)に基づく物的防護要件、メンテナンスや環境要件の維持
  • 連携する連邦スタッフ等をサポート

なお、「中間貯蔵及び放射性廃棄物基金監督」プログラムの活動は、放射性廃棄物基金からの支出で賄うものとされている。

一方、DOEの高レベル放射性廃棄物処分関連の研究開発に係る予算に関しては、DOE原子力局(NE)の燃料サイクル研究開発プログラムの下の「使用済燃料処分等研究開発プログラム」(UNFD研究開発プログラム)において、処分方策に中立的な放射性廃棄物管理プログラムの開発や高レベル放射性廃棄物のインベントリを勘案したオプションを開発することに主な焦点を当てるとして、60,000千ドル(64億8,000万円)の予算が要求されている。なお、これまでのUNFD研究開発プログラムについては、2019年12月に連邦議会が可決した2020会計年度歳出法では62,500千ドル(67億5,000万円)が計上されたが、DOEの予算要求額は5,000千ドル(5億4,000万円)のみであった。

DOE予算要求資料では、UNFD研究開発プログラムにおいて2021会計年度に実施する活動のうち、直接的に処分に関連する事項としては以下が示されている。

  • 粘土質岩及び結晶質岩における処分に係る性能評価ツールとプロセスレベルのモデルの統合及び実施手法の評価。不確実性の定量化と感度解析の解析ソフトウェアを含む統合モデル化ツール
  • 岩塩における発熱性廃棄物の処分に係る科学的・工学的技術基盤の継続
  • 様々な地層で実施されている研究開発を活用するための国際的パートナーとの協力を含め、様々な廃棄物及び使用済燃料の廃棄体の代替処分オプション探求に関連した研究開発活動の継続
  • キャニスタの再パッケージの必要性を解消することができるよう兼用キャニスタの直接処分の技術的フィージビリティを評価
  • 新しい事故耐性燃料の貯蔵・輸送・処分性能特性の試験、評価

UNFD研究開発プログラムにおいては、高レベル放射性廃棄物の貯蔵・輸送・処分の代替技術・経路に関して、展開可能な解決策に焦点を当てて評価することに加え、短期の貯蔵の解決策に係るプログラムの決定を支援する技術的解析には更なる焦点を当てることも示されている。

なお、2020年度歳出法で25,000千ドル(27億円)が計上された「統合放射性廃棄物管理システム」(IWMS)については、廃止が提案されている。ただし、従来はIWNSに含まれていた中間貯蔵及び輸送計画に関する活動については、今回新設された「中間貯蔵及び放射性廃棄物基金監督」プログラムに移管されている。

DOEの環境管理局(EM)の予算要求書である第5巻「環境管理」において、米国で超ウラン核種を含む放射性廃棄物(TRU廃棄物)の地層処分場として操業中の廃棄物隔離パイロットプラント(WIPP)については、換気システムの建設が完了すると見込まれることなどから、2020会計年度歳出法より13,647千ドル(約14億7,000万円)少ない383,260千ドル(約414億円)が計上されている。

【出典】

 

【2020年3月4日追記】

米国の連邦議会上院のエネルギー・天然資源委員会は、2020年3月3日に、エネルギー省(DOE)の2021会計年度3 の予算要求に係る公聴会を開催した。公聴会には、エネルギー長官が証人として出席し、証言と質疑応答が行われた。エネルギー長官の証言では、2020年2月26日に公表されたDOE予算要求資料と同様の方針が示されたのみであったが、質疑応答の中でエネルギー長官は、最終処分場としてユッカマウンテンを追い求めることをしないとの発言があった。

エネルギー長官のユッカマウンテンに関する発言は、エネルギー・天然資源委員会の委員であるマスト議員(ネバダ州選出、民主党)からの質問に対する回答として示された。具体的にマスト議員は、現政権はユッカマウンテンにおける恒久処分への道をいまだに模索しているのかとの質問を行った。これに対してエネルギー長官は、ユッカマウンテンは1982年放射性廃棄物政策法(1987年修正)に基づく手続きで最終処分場として指定されているものの、ユッカマウンテン計画の予算をゼロとしているのも法律であること、この膠着状態は連邦議会やネバダ州における声に拠るところが大きいことから、ネバダ州の反対を押してユッカマウンテンを追い求めることは止めることを大統領が決定するに至ったことなどを回答した。その上でエネルギー長官は、連邦議会の記録に残る発言として、「現政権は、最終処分場としてユッカマウンテンを追い求めることはしない」と明言したものである。

さらなるマスト議員の質問に対してエネルギー長官は、仮にユッカマウンテン計画に係る予算を連邦議会が付けた場合にはその法律に従うが、現政権の意図はユッカマウンテンの代替方策を探すことであること、州やステークホルダーが発言権を持つようなプロセスを支持すること、その議論にはネバダ州の参画も考えていることなども表明している。

なお、連邦議会では、下院歳出委員会においても2020年2月27日にDOEの予算要求に係る公聴会が開催されており、エネルギー長官からは今回と同様の証言書が提出されている。また、上院歳出委員会では、2020年3月4日にDOE予算要求に係る公聴会の開催が予定されている。

【出典】

 

【2020年7月17日追記】

米国の連邦議会下院の歳出委員会は、2020年7月13日に開催した法案策定会合において、2021会計年度4 のエネルギー・水資源開発歳出法案(H.R.7613、以下「歳出法案」という。)を承認し、2020年7月15日付で下院本会議に提出した。2021会計年度の予算において、ユッカマウンテン処分場の建設認可に係る許認可審査手続きの再開等のための予算については、エネルギー省(DOE)や原子力規制委員会(NRC)の予算要求資料でも要求されておらず、今回承認された歳出法案においても計上されていない。

歳出法案に付随する下院歳出委員会報告書(H.Rept.116-449、以下「委員会報告書」という。)では、「放射性廃棄物処分(Nuclear Waste Disposal)」プログラムとして、27,500千ドル(30億2,500万円、1ドル=110円で換算)が計上されている。これは、DOEの予算要求資料において「中間貯蔵及び放射性廃棄物基金監督(Interim Storage and Nuclear Waste Fund Oversight)」プログラムとして要求されていた予算額を全額認めるものであるが、放射性廃棄物基金からの支出で賄うのは放射性廃棄物基金監督に係る7,500千ドル(8億2,500万ドル)のみとしている5。また、委員会報告書では、中間貯蔵に係るDOEの提案は詳細さに欠けて一般的なものが多く失望しているとした上で、連邦政府による中間貯蔵施設のサイトを選定するための活動を、現行のDOEの法的権限の範囲で、同意に基づくアプローチを活用して進めることを指示している。

一方、DOEの高レベル放射性廃棄物処分関連の研究開発に係る予算については、「使用済燃料処分等(UNFD)」プログラムの一般的な研究開発活動を継続するための予算として62,500千ドル(68億7,500万円)が計上されているほか、「統合廃棄物管理貯蔵(IWMS、Integrated Waste Management Storage)の予算として25,000千ドル(27億5,000万円)が計上されており、これは2020会計年度の歳出法と同額の予算となっている。また、委員会報告書では、UNFDプログラムについて、輸送中の使用済燃料の挙動等の研究を継続することを指示するとともに、DOEの予算要求には含まれていなかったIWMSプログラムについては、廃止措置された原子力発電所等での準備活動の継続、輸送活動再開に係る評価や調整などを行うことが指示されている。

また、超ウラン核種を含む放射性廃棄物(TRU廃棄物)の地層処分場として操業中の廃棄物隔離パイロットプラント(WIPP)については、DOEの予算要求額を40,000千ドル(44億円)上回る423,260千ドル(465億5,860万円)が計上されている。委員会報告書では、このうち10,000千ドル(11億円)は地域のインフラ整備費用として、歳出法案の施行後60日以内にその計画について連邦議会に報告するようDOEに指示している。

なお、下院歳出委員会の法案策定会合で共和党議員からは、ユッカマウンテン処分場の建設認可に係る許認可申請書の審査手続の再開等のための予算が計上されていないことへの批判が示されたが、これらの予算を計上するような歳出法案の修正案は提出されなかった。

ネバダ州選出のタイタス下院議員からは、下院の歳出法案において、ユッカマウンテンプロジェクト再開に係る予算が計上されなかったことなどを歓迎するプレスリリースが発出されている。

【出典】

 

【2020年8月17日追記】

米国の連邦議会下院は、2020年7月31日の本会議において、2021会計年度6 の「国防、商務、司法、科学、エネルギー・水資源開発、金融財務・一般政府、労働、保健福祉、教育、運輸、住宅・都市開発の歳出法案」(H.R.7617、以下「統合歳出法案」という。)を、217対197で可決した。統合歳出法案は、「2021会計年度国防歳出法案」(H.R.7617)に、「エネルギー・水資源開発歳出法案」(H.R.7613)などを統合して、6つの歳出法案をまとめたものである。統合歳出法案における高レベル放射性廃棄物管理に係る予算については、2020年7月13日に下院歳出委員会で承認された内容から修正はなく、ユッカマウンテン処分場の建設認可に係る許認可手続きの再開等のための予算は計上されていない。なお、統合歳出法案に付随するエネルギー・水資源開発分野の委員会報告書は、2020年7月13日に下院歳出委員会で承認されたもの(H.Rept.116-449)となっている。

統合歳出法案の下院本会議における審議においては、下院歳出委員会エネルギー・水資源開発小委員会及びエネルギー・商務委員会環境小委員会のそれぞれの少数党最上席議員であるシンプソン議員及びシムカス議員(いずれも共和党)らから、ユッカマウンテン許認可手続きの再開に係る予算計上が必要であるなどとする発言が行われたが、ユッカマウンテン許認可手続きの再開に係る修正案の本会議審議は行われなかった。シムカス議員の発言においては、ユッカマウンテン処分場の許認可審査の完結を引き続き支持することなどを表明するものとして、ユッカマウンテンの立地自治体であるネバダ州ナイ郡の決議も公式の記録として提出されている。

一方、ネバダ州選出の下院民主党議員の一部からは、ユッカマウンテン許認可手続きの再開のための予算が統合歳出法案に計上されなかったことを評価し、今後もネバダ州における処分場建設には反対を続けていくことなどを表明するプレスリリースが発出されている。

【出典】

 

【2020年10月2日追記】

米国の連邦議会は2020年9月30日に、2021会計年度(2020年10月1日~2021年9月30日)のうち、2020年10月1日から2020年12月11日までを対象とした継続歳出法案(H.R.8337)を可決し、継続歳出法案は2020年10月1日に大統領の署名を得て法律(Public Law No.116-159)として成立した。継続歳出法案(H.R.8337)は、連邦議会下院本会議では2020年9月22日に359対57で、連邦議会上院本会議では2020年9月30日に84対10で、それぞれ賛成多数で可決されていた。継続歳出法の成立により、米国での予算の空白が当面は回避されたことになる。

今回成立した2021会計年度の継続歳出法(Public Law No.116-159)は、2020年12月11日までの期間について、2020会計年度の予算を規定した歳出法 での予算と同じレベルでの歳出を認めるものである。高レベル放射性廃棄物処分に関連する予算を含むエネルギー・水資源分野については、2020会計年度の歳出法として、追加的包括歳出法案(Public Law No.116-94)が制定されていた。継続歳出法による予算は、原則として前年度予算と同率で比例配分され、特段の規定が無い限り、前年度で未計上の事業・プログラム等の実施は認められない。

なお、2021会計年度の継続歳出法(Public Law No.116-159)では、ユッカマウンテン処分場関連、軍事起源のTRU廃棄物の地層処分場である廃棄物隔離パイロットプラント(WIPP)関連、使用済燃料等の中間貯蔵施設関連を含め、放射性廃棄物の貯蔵・処分に関する特段の規定は無い。

【出典】

 

【2020年11月11日追記】

米国の連邦議会上院の歳出委員会は2020年11月10日に、2021会計年度のエネルギー・水資源歳出法案の原案(以下「歳出法案原案」という。)、及び法案に付随する説明文書(Explanatory Statement、以下「付随説明文書」という。)を公表した。歳出法案原案では、前年度の上院歳出法案(S.2470)と同様に、中間貯蔵施設のパイロットプログラムの実施等をエネルギー長官に命じる規定が置かれているが、ユッカマウンテン処分場の建設認可に係る許認可審査手続きの再開等のための予算は計上されていない。なお、上院歳出委員会のプレスリリースでは、連邦議会下院との交渉が開始されるに当たり、下院歳出委員会の委員長等と超党派で相違点を解決するように協力したいとのメッセージが示されている。

今回公表された付随説明文書では、エネルギー省(DOE)の高レベル放射性廃棄物処分関連の活動について、燃料サイクル研究開発プログラムの下で、「放射性廃棄物処分(Nuclear Waste Disposal)」として、使用済燃料の集中中間貯蔵の計画を実施するための予算として27,500千ドル(30億2,500万円、1ドル=110円で換算)が計上されている。このうち、10,000千ドル(11億円)を上限とした予算において、エネルギー長官が現行の権限内で、使用済燃料の管理に係る民間事業者との契約などを締結するものとしている。また、「使用済燃料処分等(UNFD)プログラム」には、30,000千ドル(33億円)が計上されているが、「統合廃棄物管理システム(IWMS、Integrated Waste Management System)」の予算は計上されていない。

歳出法案原案に盛り込まれた中間貯蔵関連の条項では、2020会計年度の上院歳出法案(S.2470)と同様に、以下のような内容が規定されている。

集中中間貯蔵のパイロットプログラム(歳出法案原案、第306条)

  • 使用済燃料等を中間貯蔵するため、1つまたは複数の連邦政府の集中貯蔵施設の許認可取得、建設、操業のためのパイロットプログラムを実施することをエネルギー長官に許可
  • エネルギー長官は、歳出法案の施行後120日以内に、集中貯蔵施設の建設許可取得や輸送等の協力協定についてのプロポーザルを公募
  • 集中貯蔵施設の立地決定前に、立地サイト周辺等での公聴会の開催、地元州知事や地方政府等との同意協定の締結をエネルギー長官に義務付け
  • エネルギー長官は、上記プロポーザルの公募から120日以内に、推定費用、スケジュール等を含むパイロットプログラム計画を連邦議会に提出
  • 集中中間貯蔵のパイロットプログラム活動に係る資金の放射性廃棄物基金からの支出を許可

また、軍事起源のTRU廃棄物の地層処分場である廃棄物隔離パイロットプラント(WIPP)については、DOEの予算要求と同額の383,260千ドル(約421億5,860万円)が計上されている。

なお、ネバダ州選出の連邦議会の上院議員は、ユッカマウンテン処分場の許認可審査活動のための予算を計上しないように求め、上院歳出委員会エネルギー・水資源開発小委員会の委員長等に宛てて書簡を提出していた。

【出典】


  1. 米国における会計年度は、前年の10月1日から当年9月30日までの1年間となっており、今回対象となっている2021会計年度の予算は2020年10月1日からの1年間に対するものである。 []
  2. 米国における会計年度は、前年の10月1日から当年9月30日までの1年間となっており、今回対象となっている2021会計年度の予算は2020年10月1日からの1年間に対するものである。 []
  3. 米国における会計年度は、前年の10月1日から当年9月30日までの1年間となっており、今回対象となっている2021会計年度の予算は2020年10月1日からの1年間に対するものである。 []
  4. 米国における会計年度は、前年の10月1日から当年9月30日までの1年間となっており、今回対象となっている2021会計年度の予算は2020年10月1日からの1年間に対するものである。 []
  5. DOEの予算要求では、中間貯蔵施設関連を含めた27,500千ドル全体について、放射性廃棄物基金からの支出で賄うものとされていた。 []
  6. 米国における会計年度は、前年の10月1日から当年9月30日までの1年間となっており、今回対象となっている2021会計年度の予算は2020年10月1日からの1年間に対するものである。 []

米国の放射性廃棄物技術審査委員会(NWTRB)は、2020年1月23日に、2019年11月に開催されたNWTRB秋期会合(以下「2019年秋期会合」という。)における議論等を踏まえて、エネルギー省(DOE)に対する勧告・所見を示した書簡を公表した。2019年秋期会合は、使用済燃料の乾式貯蔵等に係るDOEの研究開発活動についての情報を審査するため、2019年11月19日に開催されたものである。なお、NWTRBは、1987年放射性廃棄物政策修正法に基づいて、エネルギー長官が行った高レベル放射性廃棄物処分に係る活動の技術的及び科学的有効性を評価するために設置された独立の評価組織である。

NWTRBがDOEに宛てた書簡では、5つの勧告と2つの所見が示された。このうち、使用済燃料の乾式貯蔵に関わる勧告・所見としては、以下のポイントが示されている。

  • 乾式貯蔵における使用済燃料への水分(moisture)の影響の理解を深めること、さらに、使用済燃料乾式貯蔵システム内での水分計測のために原子力産業界が使用している代替手法を確認する取組を継続するとともに、DOE標準キャニスタにおいても同様の取組を行うことをDOE原子力局(NE)に勧告(勧告2)
  • 特定の乾式貯蔵システムに適用する前に、コンピュータモデルの検証を行うよう、更なる重点化を勧告(勧告3)
  • DOEがコンピューターモデルの開発と使用を継続して、使用済燃料の乾式貯蔵システムパラメータを予測するため、すべての仮定や不確実性を正しく同定・説明すること、コンピュータモデルを実際のシステムのデータで検証すること、燃料挙動モデルが複数の物理モデルとして統合されること、モデル開発者と実験担当者との間の調整の強化が達成されるようにすることにDOEが取り組むことを勧告(勧告4)
  • DOE標準キャニスタに関して、臨界安全や水素濃度制限などに適用される規制要件のすべてを認識できるよう、DOEのプロジェクトチームが原子力規制委員会(NRC)と早期に接触を持ち、DOE標準キャニスタの開発完了とNRCからの容器承認取得のための確実な道筋・スケジュールを構築することを勧告(勧告5)
  • 他国の研究者との交流で得られる教訓もある。2019年秋期会合における英国のセラフィールド社の事例からは、容器内の状態をリアルタイムでモニタリング可能なものとして、計測器付容器であるスマートパッケージ概念に取り組む革新チームを設置するなど、課題に対応する組織構造を構築することが教訓として得られた。(所見2)

2019年秋期会合では、使用済燃料の乾燥、乾式貯蔵に関するDOEの研究開発活動について、DOE原子力局(NE)及び環境管理局(EM)、国立研究所の研究者らから報告が行われた。また、英国セラフィールド社からは、英国における使用済燃料研究と研究炉などで使用されたアルミニウム被覆管の使用済燃料に関する報告が行われた。さらに、セラフィールド社を含めたパネルディスカッションも行われた。

なお、NWTRBは、アルミニウム被覆管の使用済燃料に関するDOE環境管理局(EM)からの報告では、情報が限定的で技術的な精査ができなかったなどとして、DOE環境管理局(EM)とNWTRBとの定期的な交流を要請する書簡も送付している。

【出典】

米国の連邦議会下院のエネルギー・商務委員会は、2019年11月20日付けのプレスリリースにおいて、「2019年放射性廃棄物政策修正法案」(H.R.2699)を承認し、下院本会議に報告したことを公表した。2019年放射性廃棄物政策修正法案は、2018年5月に連邦下院本会議で可決された「2017年放射性廃棄物政策修正法案」(H.R.3053、以下「2017年版法案」という。)と同様の法案であり、1982年放射性廃棄物政策法(1987年修正)を修正するものとなっている。プレスリリースで本法案は、短期的には使用済燃料の中間貯蔵に係る権限をエネルギー省(DOE)に付与するとともに、ユッカマウンテン処分場の建設・操業に向けた「インフラ活動」の実施をDOEに認めるなど、DOEの放射性廃棄物管理能力を更新するものであり、本法案により、原子力発電所の立地地域からの放射性廃棄物の搬出が確実に開始されるための重要な一歩になるとしている。

2019年放射性廃棄物政策修正法案(H.R.2699)は、2019年5月14日に下院に提出され、2019年11月20日の下院エネルギー・商務委員会の法案策定会合において、2本の修正案を織り込む形で承認された。2019年11月20日に下院本会議に報告された2019年放射性廃棄物政策修正法案の構成及び主要条文タイトルは以下の通りであり、2017年版法案(H.R.3053)から若干の変更が行われている。

第I章 監視付き回収可能貯蔵1
監視付き回収可能貯蔵(第101条)、権限と優先度(第102条)、監視付き回収可能貯蔵協定の条件(第103条)、サイト選定(第105条)、便益協定(第106条)、許認可(第107条)、財政的支援(第108条)

第Ⅱ章 永久的な処分場
土地収用・管轄権・保留地(第201条)、申請手続とインフラ活動(第202条)、申請中の処分場許認可申請(第203条)、軍事廃棄物専用処分場開発の制限(第204条)、輸送経路に関する連邦議会意見(第205条)

第Ⅲ章 エネルギー省(DOE)の契約履行
物質[使用済燃料]の所有権(第301条)

第Ⅳ章 立地自治体に対する便益
同意(第401条)、協定の内容(第402条)、対象となる地方政府(第403条)、高等教育機関への優先的資金供与(第405条)、使用済燃料処分(第406条)、更新レポート(第407条)

第Ⅴ章 資金
見積り及び拠出金の徴収(第501条)、放射性廃棄物基金の使用(第502条)、複数年度予算要求の年次提出(第503条)、一定金額の利用可能性(第504条)

第Ⅵ章 その他
基準(第601条)、申請書(第602条)、輸送安全の支援(第603条)、使用済燃料局(Office of Spent Nuclear Fuel)(第604条)、海洋底下処分(subseabed disposal)または海洋処分(ocean water disposal)(第605条)、予算上の効果(第606条)、取り残された放射性廃棄物(Stranded Nuclear Waste)(第608条)

2019年放射性廃棄物政策修正法案(H.R.2699)は、2017年版法案(H.R.3053)と比較して、以下などが変更されている2

  • 監視付き回収可能貯蔵(MRS)での貯蔵における優先対象先として、廃止措置済みの原子力発電所に加え、地震多発地帯に立地する原子力発電所、及び主要水域に近接した原子力発電所を追加。
  • 1982年放射性廃棄物政策法(1987年修正)第304条で設置された民間放射性廃棄物管理局(OCRWM)に関する規定について、以下のとおり変更。
    • 組織名称を、民間放射性廃棄物管理局(OCRWM)から使用済燃料局(Office of Spent Nuclear Fuel)に変更
    • 使用済燃料局の長官の任期を5年とするなどの2017年版法案の規定を撤廃

なお、2019年11月20日の下院エネルギー・商務委員会の法案策定会合では、法案全体を中間貯蔵に限定した内容に置き換える修正案が民主党議員から提出されるなどしたが、最終的には撤回され、2019年放射性廃棄物政策修正法案は、発声投票による超党派の合意により承認された。

【出典】

 

【2019年12月2日追記】

米国の連邦議会上院の環境・公共事業委員会の委員長は、2019年11月20日のプレスリリースにおいて、「2019年放射性廃棄物政策修正法案」(S.2917、以下「本法案」という。)を提出したことを公表した。本法案は、2019年11月20日に、連邦議会下院のエネルギー・商務委員会で開催された法案策定会合に当初提出された下院版「2019年放射性廃棄物政策修正法案」(H.R.2699)と同じ内容となっている。なお、H.R.2699は、下院委員会の法案策定会合において、2件の修正案が承認されているが、現状で修正された法案は未公表となっている。

本件に関連して、上院環境・公共事業委員会では、2019年4月24日に、「2019年放射性廃棄物政策修正法案」の討議用ドラフトが公表され、2019年5月1日には討議用ドラフトに関する公聴会が開催されていた

【出典】


  1. 監視付き回収可能貯蔵(MRS、Monitored Retrievable Storage)施設は、1982年放射性廃棄物政策法(1987年修正)において、高レベル放射性廃棄物及び使用済燃料を監視付きの回収可能性を有する中間貯蔵施設に長期貯蔵することが安全・確実な管理の選択肢であるとし、エネルギー長官に中間貯蔵施設の設置に係る権限を与えている。 []
  2. その他、ウェストレイク埋立処分場に関する規定が削除され、ウラン採鉱・精錬の疫学的影響に係る補助プログラムの規定が追加されている。 []

米国において、超ウラン核種を含む放射性廃棄物(TRU廃棄物)の地層処分場である廃棄物隔離パイロットプラント(WIPP)を所管するエネルギー省(DOE)カールスバッド・フィールド事務所(CBFO)は、2019年8月22日に、「2019-2024年戦略計画」の最終ドラフト(以下「ドラフト戦略計画」という。)を公表した。ドラフト戦略計画は、WIPPの今後5年間の戦略計画を示すものであり、ステークホルダーの意見を求めるものとされている。ドラフト戦略計画に対するコメントは、2019年9月30日まで受け付けられている。

公表されたドラフト戦略計画は、2014年にWIPPで発生した事象から得られた教訓を反映したプログラムの強化策を示すとともに、以下のような項目についての将来を展望するものであるとされている。

  • インフラの再投資
  • 施設及び操業方法の刷新
  • 今後に必要となるプロジェクトの承認を得るため、規制プロセスの戦略的利用
  • 有害廃棄物施設許可の10年目の許可更新1
  • 1992年WIPP土地収用法で規定する処分容量2のTRU廃棄物を定置するための処分パネル増設
  • 輸送のためのTRU廃棄物の特性評価/認証活動の合理化・改善

また、ドラフト戦略計画では、直近のDOE戦略計画との整合性を示した上で、カールスバッド・フィールド事務所(CBFO)の4つの達成目標、規制アプローチ、岩盤管理(ground control)、地下の処分施設南側区域の閉鎖、ステークホルダーとの関わりなどが示されている。CBFOの達成目標としては、以下の4点が掲げられている。

  1. 安全上重要で不可欠なWIPPの主要インフラシステムの再投資及び刷新
  2. フル操業の定置能力までの輸送の大幅な増加
  3. カールスバッド・フィールド事務所(CBFO)の安全管理プログラムの継続的改善
  4. 関連する規制戦略とともに処分場計画・設計の成熟化

なお、カールスバッド・フィールド事務所(CBFO)は、2019年8月19日付のフェイスブック記事においても、ドラフト戦略計画を公表して意見を求める予定を伝えていた。このフェイスブック記事では、以下の2回のパブリックミーティングを開催することが伝えられている。

  • 2019年8月26日:ニューメキシコ州サンタフェ市
  • 2019年8月28日:ニューメキシコ州カールスバッド市

【出典】


  1. 資源保全・回収法(RCRA)に基づく有害廃棄物処分に係る許可であり、RCRAの下での規制権限を有するニューメキシコ州環境省(NMED)によって発給されている。許可期間は10年間であり、2010年に1回目の許可更新が行われている。 []
  2. WIPPにおけるTRU廃棄物の処分容量は、1992年WIPP土地収用法で620万立方フィート(約17.6万m3)と規定されている。WIPPにおける処分量については、従来は最も外側の廃棄物コンテナの容量で計算されていたが、2018年12月にニューメキシコ州環境省(NMED)によって承認された許可変更により、1992年WIPP土地収用法上の処分量は、廃棄物コンテナに収納されている最も内側の廃棄物容器(例えば、55ガロンドラム)の容量で計算されることとなった。2019年8月17日時点での1992年WIPP土地収用法上の処分量は約68,489m3であり、従来ベースの処分量(約96,718m3)より3割近く少なくなっている。 []