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フィンランド

フィンランドにおける高レベル放射性廃棄物(使用済燃料)の処分実施主体であるポシヴァ社は、2013年4月2日付けプレスリリースにおいて、オルキルオトに建設されている地下特性調査施設(ONKALO)における坑道の掘削計画・状況、緩衝材とキャニスタの定置装置等の試験計画、その他の研究開発状況を公表した。

プレスリリースによると、ポシヴァ社は、現在、ONKALOと将来的に建設される処分場との間を連絡する坑道を掘削しており、今後約70mの坑道エリアにおいて2本のパイロットボーリング1 孔を掘削する計画である。また、掘削済みの第1実証坑道と第2実証坑道に加え、新たに2本の短い実証坑道(それぞれ23m、26m;図の拡大部分)の掘削をこの春から夏に開始する計画である。さらに、2013年秋には、第2実証坑道において追加の試験処分孔を掘削する予定である。

ONKALOにおける実証坑道(ポシヴァ社ウェブサイトの図に一部加筆)(クリックで拡大表示)

また、同プレスリリースによると、ポシヴァ社は、この春にベントナイト緩衝材の定置装置の試験を開始する計画である。緩衝材の定置装置の試験は、最初に地上で実施し、その後ONKALO内部の実際の条件下で試験を実施する予定である。また、キャニスタの搬送・定置用の輸送車両の試験を2013年末に予定している。

さらに、同プレスリリースによると、ポシヴァ社は、ONKALOにおける処分坑道の実物大プラグ2 の建設と機能試験のための調査を予定している。なお、本調査は、欧州委員会(EC)と処分実施主体との共同研究による、処分場のプラグとシールに関する研究開発プロジェクト(DOPASプロジェクト(Full-Scale Demonstration Of Plugs And Seals))の一環として実施されるとしている。DOPASプロジェクトは2012~2016年の予定で実施され、ONKALOにおける実物大プラグの建設は2014年頃が予定されている。なお、本調査の協力関係は、欧州連合(EU)の第7次フレームワーク計画(FP7)である地層処分実施技術プラットホーム(IGD-TP)の実施に当たっての戦略的研究アジェンダが契機となっている。

 

【出典】


  1. 本格的な岩盤調査・掘削前の予備調査のためのボーリング []
  2. 処分坑道の埋め戻し材の流出防止等のために設置される構造物。 []
ポシヴァ社の建設許可申請書

ポシヴァ社の建設許可申請書(表紙イメージ)

フィンランドにおける高レベル放射性廃棄物(使用済燃料)の処分実施主体であるポシヴァ社は、2012年12月28日付けプレスリリースにおいて、使用済燃料の処分場の建設許可申請書を政府に提出したことを公表した。 プレスリリースによると、エウラヨキ自治体のオルキルオトに建設される処分場は、ポシヴァ社のオーナー会社である2つの電力会社、テオリスーデン・ヴォイマ社(TVO社)とフォルツム・パワー・アンド・ヒート社(FPH社)が運転する原子力発電所から発生する使用済燃料9,000トン(ウラン換算)を処分するように設計されるとしている1 。 同プレスリリースによれば、建設許可申請書は地上のキャニスタ封入施設と地下の最終処分場の、2つの相互に接続する複合原子力施設に関するものであり、複合施設の中にはキャニスタ封入施設の操業・廃止措置により発生する原子力廃棄物の最終処分のための施設も含まれるとしている。また、最終処分場は深度400~450mの地下に建設され、段階的に建設される処分坑道ネットワークと技術的な施設によって構成されるとしている。 フィンランドでは使用済燃料の処分場建設予定地は、原子力法による原則決定というフィンランド特有の手続を通じて、2001年にエウラヨキ自治体のオルキルオトに決定していた。フィンランドでは処分場建設予定地が決定した後でも、処分場で使用済燃料の処分を開始する前に、処分実施主体が政府から処分場の建設許可と操業許可の発給をそれぞれ受ける必要がある。ポシヴァ社は2004年から地下特性調査施設(ONKALO)の建設を開始し、建設作業と並行して処分場建設許可の申請に必要なデータを取得するための調査を実施してきた。

今後の予定

同じ2012年12月28日付けの雇用経済省のプレスリリースによれば、政府による処分場の建設許可発給に関する決定の準備のために、雇用経済省は原子力法令に規定されている意見聴取手続きに従って、他省庁、当局や機関、及びエウラヨキ自治体とその周辺自治体に対して意見書の提出を求める予定であるとしている。また、一般市民やステークホルダーも雇用経済省に対して、書面、電子メ-ル、及びオンラインにて、処分事業に対する意見書の提出が可能としており、雇用経済省は意見聴取手続きを2013年の早期に開始することとしている。さらに、雇用経済省は原子力安全に係る規制機関である放射線・原子力安全センター(STUK)に対して処分事業に対する安全性の評価を求めることとしている。 また、雇用経済省による同プレスリリースによれば、政府による処分場の建設許可発給は2014年末までに検討されるとし、建設許可の発給、及びその後の操業許可の発給がなされれば、2020年頃に処分場の操業が開始できるとしている。

STUKも同2012年12月28日にプレスリリースを公表しており、その中でSTUKは、建設許可申請書に対する評価は1年半の期間を見込んでいるとしている。同プレスリリースによれば、STUKはポシヴァ社による建設許可申請書が包括的であるかどうかを評価し、必要に応じてポシヴァ社に追加情報を求めつつ、また、安全要件の遵守に対する詳細な評価を行うとしている。さらに、STUKは内部のみならず、外部の独立した専門家による評価も実施するとしている。 ポシヴァ社によるプレスリリースによると、建設許可申請書に対する評価期間中に、ポシヴァ社はキャニスタ封入施設と最終処分場の事業を開始するための組織体制を準備するとしている。また、ポシヴァ社はONKALOの処分深度に相当する地下において、人工バリアの定置等の最終処分技術の実規模試験を開始するとしている。

【出典】

 

【2013年9月9日追記】

フィンランドの雇用経済省は2013年9月5日付けのプレスリリースにおいて、ポシヴァ社が2012年12月に提出した使用済燃料処分場の建設許可申請書に関する公聴会を、2013年9月12日にヘルシンキで開催することを公表した。 同プレスリリースによると、公聴会では、雇用経済省が建設許可申請の手続きプロセスに関するプレゼンテーションを行う。また、ポシヴァ社が、処分場の計画に関する情報提供を行い、規制機関の放射線・原子力安全センター(STUK)が処分プロジェクトの安全監督に関する説明を行うとしている。

雇用経済省は、建設許可の決定に向けた準備のために複数の政府機関、関係当局や組織、エウラヨキ自治体と隣接自治体に対して、文書による意見提出を2013年2月に要請している。これらの意見書の提出期限については、STUKを除いて、2013年9月末であることを明らかにした。 STUKから雇用経済省への意見書の提出については、その提出期限は2014年6月30日とされている。なお、原子力令の規定によって、STUKには、ポシヴァ社から提出された予備的安全解析書等の建設許可申請書関連文書の審査文書を意見書に含めることが求められている。

【出典】


  1. 現在フィンランドではTVO社がオルキルオト原子力発電所1号基と2号基、FPH社がロヴィーサ原子力発電所1号基と2号基を運転している。建設許可申請書では、運転中の原子炉4基に加えて、建設中のオルキルオト3号基、及び建設予定のオルキルオト4号基が廃止措置されるまでに発生が見込まれている使用済燃料9,000トン(ウラン換算)を処分対象としている。 []

フィンランドのオルキルオト原子力発電所を運転するテオリスーデン・ヴォイマ社(TVO社)は、2012年5月8日付のプレスリリースにおいて、同社が操業する低・中レベル放射性廃棄物処分場(一般にVLJ処分場と呼ばれている)が同日で1992年の処分開始から20周年を迎えたことを公表した。

VLJ処分場はオルキルオト1、2号機の北側、地下60~100mの岩盤内に掘削された2つのサイロから構成されており、TVO社は自社の原子炉の運転に伴って発生した放射性廃棄物を低レベル、中レベルに分別して専用のサイロで処分している。同プレスリリースによれば、VLJ処分場での処分量は年間100~180m3であり、これまでに処分容量の半分にあたる約5,500m3の廃棄物が処分されている。処分された廃棄物のうち約3分の2が低レベル放射性廃棄物、約3分の1が中レベル放射性廃棄物であるとしている。

TVO社は、将来において原子炉施設を廃止措置した後、その解体に伴って発生する低・中レベル放射性廃棄物もVLJ処分場で処分する予定である。また、建設中のオルキルオト3号機から発生する低・中レベル放射性廃棄物の処分に対応するために、VLJ処分場の処分容量の拡大を計画している。TVO社はプレスリリースにおいて、現在、雇用経済省(TEM)が同社による処分場の拡張設計をレビューしていることを明らかにした。

なお、VLJ処分場から約2km東方には、使用済燃料の処分実施主体であるポシヴァ社が、最終処分場建設に向けた調査・研究施設である地下特性調査施設(ONKALO)を建設している。ポシヴァ社は、VLJ処分場の建設時に得られた知見がONKALOの建設にも活用されているとしている。ポシヴァ社は、2012年に、使用済燃料処分場の建設許可申請を行う予定である。また、フィンランドではオルキルオトの他にロヴィーサでも原子力発電所が運転されており、2010年末時点で各発電所において貯蔵されている使用済燃料の量は、ウラン換算でそれぞれ約1,290トン、約500トンとされている。

【出典】

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【2012年11月26日追記】

テオリスーデン・ヴォイマ社(TVO社)の2012年11月22日付のプレスリリースによると、雇用経済省(TEM)は同日、TVO社が申請していた低・中レベル放射性廃棄物処分場(VLJ処分場)の操業許可の条件変更を認める許可を発給した。

プレスリリースによれば、TVO社は、建設中のオルキルオト原子力発電所3号機の運転開始後に発生する低・中レベル放射性廃棄物、及びフィンランド政府が処分責任を有する医療・教育用放射線源等の廃棄物をVLJ処分場で処分可能とするために、同処分場の操業許可の条件変更を2011年9月に政府に申請していた。TEMは、TVO社からの申請を受けて、放射線・原子力安全センター(STUK)の肯定的な見解をはじめとする関連機関からの見解を得た上で、許可条件の変更に係る申請は原子力法の規定を満たしているとして許可を発給した。

VLJ処分場は1992年に操業を開始し、オルキルオト原子力発電所1号機と2号機から発生する低・中レベル放射性廃棄物の処分が現在行われている。

【出典】

フィンランドにおける高レベル放射性廃棄物(使用済燃料)処分の実施主体であるポシヴァ社は、2012年2月1日付のプレスリリースにおいて、オルキルオトに建設中である地下特性調査施設(ONKALO)の実証坑道で、使用済燃料キャニスタの定置試験で使用する最初の試験用処分孔の掘削を1月中旬に完了したことを公表した。ONKALOは、処分場の建設許可申請に必要な情報・データを得ることを目的として、建設・調査・試験が実施されているものであり、処分場は建設許可を受けた後に建設が開始されることとなっている。また、定置試験で用いる使用済燃料キャニスタは、模擬のものが使用されることとなっている。

プロトタイプの処分孔掘削機Rhino 500HSP(ポシヴァ社ウェブサイトより引用)

同プレスリリースによれば、今回掘削された試験用処分孔は、直径が1.77m、深さ8.3mで実際の処分が行われる処分孔と同じ規模とされている。掘削には、狭い地下空間で使用するために新たに開発したプロトタイプ掘削機である「Rhino 500HSP」1 を使い、実証坑道の床面を掘り下げたとしている。試験用処分孔1本の掘削に約1週間を要し、2012年2月中にさらに4本の試験用処分孔を掘削する予定である。

今回の試験用処分孔の掘削の目的は、実際の処分孔に求められる要件を満たす掘削方法と使用機器を確認することとしている。また、掘削した試験用処分孔では、地下水の浸出量の測定、岩盤の亀裂の確認などの地質学的調査、及び試験用処分孔の形状や位置の確認などの物理的測定を行うとしている。

また、ポシヴァ社の2012年3月8日付プレスリリースによれば、ONKALOにおいて低収着性の放射性核種を用いたトレーサー試験を開始し、岩盤マトリクス2 中の核種の拡散挙動について今後3年間ほどかけて調査する予定である。この調査では、処分深度(地下420m)の坑道壁面から水平方向に掘削した長さ約20mのボーリング孔のうちの2mを塞ぎ、その塞いだ部分にトレーサー3 となる低収着性の放射性核種を含む溶液を非常にゆっくりと連続的に注入する方法で行われる。岩盤を移行したトレーサー核種の放射能を測定することにより、岩盤マトリクス中での拡散による放射性核種の移行・遅延効果について、予め作成されたモデルや予測の正確性を確認するとしている。なお、岩盤の放射性核種の移行・遅延に関する研究は、これまでにも、スイス、スウェーデンの地下研究所などで行われているが、今回ONKALOで実施する試験手法と装置を用いたものは初めてであるとしている。

なお、ONKALOでは、2010年6月に掘削が処分深度の地下420mに到達し、処分深度での実証坑道の建設が進められている。ONKALOでの研究によって得られたオルキルオトの岩盤特性に関する情報は、2012年にポシヴァ社が予定している使用済燃料処分場の建設許可申請に必要とされている。また、ONKALOは最終的には処分施設の一部として使用される予定である。

【出典】


  1. ポシヴァ社の2011年8月12日付プレスリリースによれば、幅3.5m、高さ5m弱の小さな坑道内で、直径1.75m、深さ7.8mの処分孔を坑道床面から鉛直に掘削する課題に対応するために専用の処分孔掘削機を開発したとしている。 []
  2. 岩石中の径の大きい粒の間隙を微小な粒子によって埋められている部分をいい、基質とも呼ばれる。亀裂がない岩盤では放射性核種はマトリクス中の連結した微小間隙ネットワークを介して拡散によって移行すると考えられている。 []
  3. 液体など流体の流れ、あるいは特定の物質を追跡するために使われる、微量添加物質。 []

フィンランドにおける高レベル放射性廃棄物(使用済燃料)処分の実施主体であるポシヴァ社は、2011年7月8日付のプレスリリースにおいて、最終処分地のオルキルオトに建設している地下特性調査施設(ONKALO)のうち、アクセス坑道の掘削作業が2011年6月に完了したことを公表した。

地下特性調査施設(ONKALO)の建設状況(2011年6月13日時点)。濃色部分の坑道は掘削済み、薄色部分は今後掘削予定の坑道等であることを示す。左上部分は、深度420m以深部分の拡大図(ポシヴァ社ウェブサイトより引用した図に一部加筆)。〔※クリックで拡大表示〕

同プレスリリースにおいてポシヴァ社は、キャニスタの定置試験と処分の安全性を示すことを目的とした実証施設の建設状況についても紹介している。実証施設では、深度420mに設ける実証坑道の床面から鉛直方向に処分孔(直径約1.8m、深さ8m)が掘削される。定置試験では、模擬キャニスタを処分孔に一本ずつ縦置き方式で定置する予定である。実証施設には2本の実証坑道が建設され、第1実証坑道(全長約50m)の掘削が2011年夏に完了し、第2実証坑道(全長約120m)の掘削が2011年末までに完了する見通しとされている。また、アクセス坑道から実証施設に至る中央坑道(全長約70m)の掘削は既に完了したとしている。

ONKALOの未完成の立坑部分の作業予定についてポシヴァ社は、2011年初秋までの予定で2本の換気立坑(吸気用及び排気用)と1本の人員立坑の掘削を完了させる予定である。3本の立坑については、すでに深度290mから地表までの掘削が完了しているが、ポシヴァ社は6月末より、深度438m地点から深度290m地点までの掘削を、下部から上部方向へのレイズボーリング工法1 により行っている。この掘削によって地表から最下部に至るONKALOの立坑が全て完成するとしている。

ポシヴァ社は、2012年に、使用済燃料処分場の建設許可申請を行う予定であり、その時点までに、ONKALOにおける最終処分坑道及び最終処分施設の建設の検証作業を完了させる計画である。なお、ONKALOは、最終的に処分施設の一部として使用する予定である。

【出典】


  1. レイズボーリング工法:立坑の施工方法の一つで、上向きの方向に機械で掘削する方法。事前に掘削した細いパイロット孔に沿って、下からリーミングビットと呼ばれる径の大きいビットを上に引上げながら拡掘する。 []

フィンランドの放射線・原子力安全センター(STUK)は、2010年9月30日付のプレスリリースにおいて、高レベル放射性廃棄物(使用済燃料)処分の実施主体であるポシヴァ社から提出を受けた「最終処分場の建設許可申請書の準備状況に関する報告書」(以下「準備状況報告書」という)に対する意見書を9月27日付で雇用経済省へ提出したことを公表した。STUKは、ポシヴァ社の報告書で示された建設許可申請書の準備状況が、概ね法令及び指針の要件と合致しているが、2012年末までにポシヴァ社が建設許可申請書を提出するのは日程的に厳しいとするとともに、建設許可申請までに処分場の安全性に関する課題が解決されなければならないとしている。

STUKの意見書によれば、ポシヴァ社は、2003年10月の貿易産業省(現在の雇用経済省)の決定に示されたスケジュールに従って、雇用経済省に対し「準備状況報告書」を提出する1とともに、STUKに対し、建設許可申請時に提出する文書の作成状況を示す報告書を2009年12月に提出した2。その後、STUKは、雇用経済省から「準備状況報告書」に対する意見書の提出要請を受け、評価を行ったとしている。また、同意見書において、STUKの審査の目的は、「準備状況報告書」で示された建設許可申請書の準備状況、さらには建設許可申請の承認において重要な放射線学的及び原子力安全面での未解決課題の全体像を把握することであるとしている。

同意見書においてSTUKは、ポシヴァ社が作成した建設許可申請書の作成状況に関する報告書が、原子力令及び原子力廃棄物の処分の安全性に関する政令で要求されている資料に概ね対応するものである、という判断を表明している。ただし、ポシヴァ社が建設許可申請書を提出するまでには、以下の作業の実施が残っているとしている。

  • STUKの要件に基づいた最終処分システム全体に関するシナリオの作成、及びそれらのシナリオに基づく放射性核種の放出及び移行に関する評価
  • 人工バリア、特に、緩衝材の性能を示すために実施される研究開発及び評価作業
  • 岩盤の分類体系の開発及びシステム性能の提示、及び地下特性調査施設(ONKALO)における最終処分坑道及び最終処分施設の建設の検証

なお、同意見書の中でSTUKは、建設許可申請書の作成状況に関する報告書に加えて、雇用経済省及びSTUKの要請に基づいてSTUKにポシヴァ社から提出された以下の資料を評価の際に考慮したとしている。

  • 予備的安全解析報告書
  • 設計段階の確率論的リスク解析報告書
  • 原子力施設の安全性にとって重要な構造物、システム及び装置の分類が示される分類文書のための草案
  • 建設面での品質管理に関する報告書
  • 防護体制のための暫定計画
  • 緊急時体制のための暫定計画
  • 核物質の拡散防止に必要な保障措置の計画
  • 原子力法の第19条第7項に言及されている取決めに関する報告書
  • 安全性の論拠
  • 最終処分された使用済燃料の回収可能性に関する報告書
  • 輸送面での安全性の評価
  • 政令及びYVL(STUK指針)プログラムの要件の遵守に関する報告書
  • 施設劣化の管理原則に関する報告書
  • 原子力施設の建設プロジェクトに関する計画

【出典】


  1. ポシヴァ社は、建設許可の申請準備に関連した資料をSTUKとは別に、2009年9月に雇用経済省に提出していた。(http://www.posiva.fi/en/news/other_topical_issues/posiva_aiming_to_submit_a_construction_licence_application_in_2012.html) []
  2. 原子力施設の建設許可申請時に許可申請者が雇用経済省及びSTUKに提出する文書は、原子力令第32条及び第35条でそれぞれ定められている。 []

フィンランドにおける高レベル放射性廃棄物(使用済燃料)処分の実施主体であるポシヴァ社は、2010年6月17日付のプレスリリースにおいて、同社がオルキルオトで2004年6月から行っている地下特性調査施設(ONKALO)の建設について、2010年6月に掘削が処分深度の地下420mに到達したことを公表した【注1】。

プレスリリースによれば、今後、ONKALOの処分深度において、最終処分場の設計と実施に対応した、2つの試験・実証坑道が掘削されるとしている。これらの坑道の主な目的は、処分坑道とキャニスタの処分孔に適した岩盤領域を特定し、現行の要件に基づいて坑道を掘削するための準備態勢を示すこととしている。さらに、機器及びメンテナンスのための施設の建設に向けた岩盤の掘削も行われるとしている。これらの掘削は、2011年末までに終了する予定であるとしている。

また、プレスリリースによれば、ポシヴァ社は、現在、ONKALOにある5つの研究用ニッチ(アクセス坑道沿いに建設される短い坑道)において、岩盤応力、水文地球化学、透水性の調査を行っている。今後、ポシヴァ社は、研究用ニッチにおいて、岩盤特性のより詳細な調査を行うとしている。

ONKALOでの研究によって得られたオルキルオトの岩盤特性に関する情報は、2012年にポシヴァ社が予定している使用済燃料処分場の建設許可申請に必要とされている。また、ONKALOは最終的には処分施設の一部として使用される予定である

【注1】ONKALOは深度420m(メイン)及び深度520mの調査レベルから構成されるとされていたが、2009年9月に発行された、2010年から2012年における原子力廃棄物管理の研究開発計画(TKS-2009報告書)では、深度520mの調査レベルについては記述されていない。

【出典】

フィンランドの雇用経済省は、2010年4月21日付のプレスリリースにおいて、新規原子炉の建設に向けたテオリスーデン・ヴォイマ社(TVO社)、フォルツム・パワー・アンド・ヒート社(FPH社)、フェノヴォイマ社1 の原則決定(詳細はこちら)の申請のうち、TVO社とフェノヴォイマ社の申請に対して政府が肯定的な原則決定を行い、FPH社による原則決定の申請は拒否するとする経済大臣2 の提案を公表した。また、同プレスリリースにおいて、ポシヴァ社により、上記のTVO社及びFPH社が申請していた新規原子炉から発生する使用済燃料に対応した、オルキルオト処分場の処分量拡大に関する原則決定の申請について、政府がTVO社からの使用済燃料分については肯定的な原則決定を行い、FPH社からの使用済燃料分についての原則決定の申請は拒否するとする経済大臣の提案を公表した。なお、同プレスリリースによれば、原則決定を行うための閣議は2010年5月6日に行われる予定である。

フィンランドでは、2002年5月の政府の原則決定によって、既存の4基と現在建設中の1基から発生する6,500トンまでの使用済燃料(ウラン換算、以下同じ)をオルキルオト処分場にて地層処分する計画が認められている。その後、フィンランドにおける使用済燃料処分の実施主体であるポシヴァ社は、2008年4月にTVO社が導入を計画しているオルキルオト原子力発電所4号機から発生する使用済燃料に対応するため、最終処分場での使用済燃料の処分量を9,000トンに拡大するための原則決定の申請を行っていた。さらにポシヴァ社は、FPH社のロヴィーサ3号機の導入計画に対応するため、2009年3月に最終処分場での使用済燃料の処分量を12,000トンに拡大するための原則決定の申請を行っていた

同プレスリリースにおいて、追加の原子力発電所の建設は、政府の温暖化対策及びエネルギー戦略に則ったエネルギー政策の一環とするもの、としている。

2010年4月21日に公表された経済大臣の提案書では、フェノヴォイマ社の新規原子炉建設に関する原則決定には、同社の原子炉から発生する使用済燃料の処分計画に関する条件が付されるとしている。具体的には、フェノヴォイマ社の新規原子炉建設に向けた原則決定に対して国会が承認してから6年以内に、フェノヴォイマ社が廃棄物管理義務者と協力協定を締結するか、独自の使用済燃料最終処分場の建設に向けた環境影響評価(EIA)計画書を雇用経済省に提出することにより、同社の使用済燃料最終処分に関する計画を策定することを要求するとしている。

フェノヴォイマ社は、2009年1月に雇用経済省に提出した原則決定の申請において、フィンランドの他の事業者(TVO社とFPH社)と協力してオルキルオトでの使用済燃料の最終処分を計画するとしていた。さらに、他の事業者と協力関係を築くことが出来ない場合にも、原子力法第29条により雇用経済省が共同で廃棄物管理の措置を講じるように命令することができることにも言及していた。

【出典】

  • 雇用経済省、2010年4月21日付プレスリリース、 http://www.tem.fi/?89521_m=98874&l=en&s=2471
  • 雇用経済省、原子力発電所の原則決定の申請に対する閣議の見解に関するペッカリネン経済大臣の提案(2010年4月21日)、 http://www.tem.fi/files/26660/elinkeinoministerin_esitys_VN-kannaksi_ydinvoimalaitoksiin_kesaranta.pdf
  • フェノヴォイマ社、原子力発電所に関する原則決定の申請書(2009年1月14日)、
    http://www.fennovoima.fi/userData/fennovoima/doc/PAP-materiaali/application_eng.pdf
  • Ydinenergialaki(原子力法)、http://www.finlex.fi/fi/laki/ajantasa/1987/19870990

【2010年5月7日追記】

雇用経済省は、2010年5月6日付のプレスリリースにおいて、TVO社とフェノヴォイマ社の新規原子炉の建設に関する原則決定の申請、及びTVO社の新規原子炉からの使用済燃料に対応した、ポシヴァ社による最終処分場の処分量拡大に関する原則決定の申請について、政府が肯定的な原則決定を行ったことを公表した。また、FPH社による新規原子炉建設に関する原則決定の申請、及び同社の新規原子炉からの使用済燃料に対応した、ポシヴァ社による最終処分場の処分量拡大に関しての原則決定の申請については、政府が拒否したことを公表した。

また、同プレスリリースによれば、政府により肯定的に行われた原則決定が有効となるためには、それぞれ別個に国会の承認が必要であるとしている。

【追記部出典】

【2010年7月1日追記】

雇用経済省は、2010年7月1日付のプレスリリースにおいて、政府が2010年5月に原則決定を行った案件のうち、TVO社とフェノヴォイマ社による新規原子炉の建設、及びポシヴァ社によるTVO社の新規原子炉からの使用済燃料に対応した最終処分場の処分量拡大について、2010年7月1日に国会が承認したことを公表した。

同プレスリリースによれば、具体的な国会での投票結果は、TVO社による新規原子炉建設が120対72、フェノヴォイマ社による新規原子炉建設が121対71、ポシヴァ社による使用済燃料処分場の処分量の拡大が159対35にて、それぞれ支持されたとしている。

【追記部出典】

【2012年3月5日追記】

雇用経済省は、2012年2月28日付プレスリリースにおいて、フェノヴォイマ社が新設予定の原子力発電所から発生する使用済燃料の処分に関して、処分計画の策定が進展していない状況を打破するため、政府はポシヴァ社とその出資者であるテオリスーデン・ヴォイマ社(TVO社)及びフォルツム・パワー・アンド・ヒート社(FPH社)がフェノヴォイマ社と協力するよう、原子力法に基づく命令を行う用意があることを公表した。フィンランドの原子力法(第29条)では、安全性を向上できるか、費用を大幅に低減できる場合、または他の重要な理由によって必要な場合、雇用経済省は、廃棄物管理義務者に対して、共同して廃棄物管理の措置を講じるよう命令することができるとされている。同プレスリリースの発行時点では、同法に基づく命令はまだ行われていない。

同プレスリリースによると、同日開催された政府の経済政策委員会において、政府は、当事者に対して最終処分に関する技術的な調査を中立かつ公正な方法で行うよう求めているとし、共同の処分が実行可能であり、経済性及び安全性の観点から全体的に最善と判断される場合には、当事者は協力しなければならないとする考えが述べられた。

なお、2010年にフェノヴォイマ社が原則決定を付与された際、国会が承認してから6年以内に使用済燃料管理に関して既存の処分・管理実施主体であるポシヴァ社との協力協定を締結するか、独自の使用済燃料最終処分場の建設に向けた環境影響評価(EIA)計画書を雇用経済省に提出することにより、フェノヴォイマ社の使用済燃料最終処分に関する計画を策定することが条件とされていた。

【出典】

【2013年1月15日追記】

雇用経済省(TEM)は2013年1月10日付のプレスリリースにおいて、フェノヴォイマ社の使用済燃料管理に関する電力会社間の協力について検討してきた作業部会が、同日、最終報告書を経済大臣に提出したことを公表した。報告書において、作業部会は、フェノヴォイマ社の使用済燃料の最終処分については、ポシヴァ社がこれまでに培ってきた知見を活かすことが最も理に適い費用効率の高い方法であるとして、電力会社間でフェノヴォイマ社の使用済燃料処分問題の解決に向けて交渉を継続することが望ましいとする見解を経済大臣に答申している。

また、同プレスリリースによれば、作業部会はフェノヴォイマ社の使用済燃料管理に関する以下の2つの案を検討し、いずれを採用しても、安全性に重大な差は生じないとの結論を得たとしている。

案①:オルキルオトに建設されるポシヴァ社の地層処分場を拡張して処分する方法
案②:フェノヴォイマ社が独自に最終処分場を建設する方法

雇用経済省は、2012年2月の政府の経済政策委員会での議論(2012年3月5日追記を参照)を踏まえて、この問題を調査・検討する作業部会を2012年3月に設置していた。

【出典】

 

【2015年8月6日追記】

フィンランドの電気事業を行うフォルツム社3 は、2015年8月5日付けのプレスリリースにおいて、フェノヴォイマ社が計画している新規原子炉の建設プロジェクトに出資することを公表した。雇用経済省(TEM)も同日、プレスリリースを公表し、フェノヴォイマ社のプロジェクトに対する出資比率に関する要件(囲み記事参照)が満足されたこと、一旦保留されていた建設許可申請の審査が再開されることを明らかにした。新規原子炉で発生する使用済燃料の処分について、フェノヴォイマ社は、2016年6月末までに、オルキルオトでの使用済燃料処分場の建設を計画しているテオリスーデン・ヴォイマ社(TVO社)、フォルツム・パワー・アンド・ヒート社(FPH社)と協力協定を締結するか、独自の使用済燃料最終処分場の建設に向けた環境影響評価(EIA)計画書をTEMに提出することにより、使用済燃料処分に関する計画を策定することが要求されている。

なお、フィンランドでは、TVO社がオルキルオト原子力発電所4号機の建設を計画していたが、TVO社は2015年6月24日に、建設許可申請を断念することを決定し、オルキルオト4号機の建設許可申請はされなかった4 。ポシヴァ社が2012年末に提出した使用済燃料処分場の建設許可申請書(処分容量は最大9,000トン)では、オルキルオト4号機で発生する使用済燃料も処分対象に含まれていた

<フェノヴォイマ社の新規原子炉建設プロジェクトをめぐる動き>

 フェノヴォイマ社は、フィンランド中西部のピュハヨキにおいてハンヒキビ1号機の建設プロジェクトを進めている。同社が2009年に新規原子炉建設の原則決定申請をした当初は、日本の東芝またはフランスのAREVA社による大型炉(150万~250万kW)を建設する計画としていた。当初のプロジェクトに対して2010年5月に政府により原則決定がなされ、同年7月に国会が承認していた。しかし、その後、プロジェクトに出資していたドイツのエネルギー会社E.ONが2012年にプロジェクトから撤退したことを受け、フェノヴォイマ社は大型炉に代えて、ロシア製の中型炉(AES-2006型、120万kW)を建設する計画に変更し、2014年3月に修正した計画の原則決定を申請した。政府は2014年9月に原則決定をし、同年12月に国会が承認していたが、付帯条件としてプロジェクトへの出資構成として欧州連合(EU)または欧州自由貿易連合(EFTA)圏内に登録されているか本拠地を置いている企業が60%以上であることを要求していた。当初E.ONが出資していた34%の株式については、2014年にロシアのロスアトム社の傘下にあるRAOS Voima社に譲渡されている。

 フェノヴォイマ社は原則決定の有効期限となる2015年6月30日に建設許可申請書とともに、出資構成に関する文書を提出したが、雇用経済省は出資比率に関して不明な点があるとして、フェノヴォイマ社に追加文書の提出を求めていた。しかし、追加で提出された文書でも出資比率の要件を満たされているか確認できないとして、雇用経済省は、建設許可申請の取扱いについて保留していた。

【出典】

 

【2022年5月26日追記】

フィンランドのフェノヴォイマ社は、2022年5月24日付のプレスリリースにおいて、2015年6月に雇用経済省(TEM)へ提出していたハンヒキビ1号機の建設許可申請について、申請を取り下げる意向を同省に通知したことを公表した。同社は、2022年5月2日付のプレスリリースにおいて、ロシアのロスアトム社の傘下にあるRAOS Voima社と締結していた原子力発電所の設計・調達・建設(EPC)に係る契約の解除を公表していた。契約解除の理由としてフェノヴォイマ社は、契約業務の大幅な遅延と事業遂行能力の欠如を挙げ、RAOS Voima社がロシアのウクライナ侵攻に伴う事業リスクの悪化を緩和できていないと説明していた。雇用経済省は、フェノヴォイマ社からの通知を受け、同省が数週間のうちに建設許可申請に係る行政手続きを終了するための決定をする可能性があるとコメントしている。

フェノヴォイマ社は、直近では2021年4月28日に建設許可申請書を更新しており、2022年夏までに建設許可発給を受け、2023年夏に建設を開始する見通しであった。また、ハンヒキビ1号機から発生する使用済燃料については、ハンヒキビ1号機の建設予定地であるピュハヨキ自治体と、使用済燃料処分場の建設が進められているエウラヨキ自治体とのどちらかで処分する計画であり、2つの自治体で環境影響評価(EIA)を実施する予定であった

フェノヴォイマ社は、自社が担当する現地の整地工事を既に中止しており、今後、建設予定地の安全とセキュリティの維持に注力することとしている。また、フェノヴォイマ社は、今回の建設許可申請の取り下げに伴い、サプライチェーン企業、ピュハヨキ地域経済のほか、特に、従業員に重大な影響が及ぶことを懸念しており、関係先への情報提供を行うとともに、同社従業員との交渉やサポートに努めていることを明らかにしている。

 

【出典】


  1. フェノヴォイマ社はフィンランドの原子力発電産業に新たに参入する企業である。 []
  2. 雇用経済省には経済大臣と労働大臣が存在する。 []
  3. フォルツム社は、ロヴィーサ原子力発電所を所有・運転するフォルツム・パワー・アンド・ヒート社(FPH社)の親会社である。 []
  4. 雇用経済省によるオルキルオト4号機の建設に関する原則決定(2010年5月6日)では、原則決定の有効期限が2015年6月30日までとなっていたため、TVO社が期限までに建設許可申請書を提出しなかったことにより原則決定が無効となった。 []

フィンランドにおける高レベル放射性廃棄物(使用済燃料)処分の実施主体であるポシヴァ社は、2009年10月16日付のプレスリリースにおいて、雇用経済省に報告書「オルキルオトとロヴィーサ原子力発電所の原子力廃棄物の処分:2010-2012年の活動計画と準備状況(TKS-2009)」を2009年9月末に提出したことを公表した。TKSは、フィンランド語の「研究・開発・計画立案」の頭文字をとった略語である。

ポシヴァ社のプレスリリースによると、TKS-2009報告書は、2012年に予定されている使用済燃料の最終処分施設の建設許可申請に向けて、同社が2010年から3年間に実施する研究開発計画を取りまとめたものである。この期間におけるポシヴァ社の活動目標が以下のように示されている。

  • 最終処分場の建設地であるオルキルオトの地質データの取得、並びに、最終処分場の
    施設設計及び処分技術の開発
  • 建設許可申請に添付する長期安全性に関するセーフティケースの取りまとめ

TKS-2009報告書に示されている使用済燃料の最終処分の実施スケジュールによると、ポシヴァ社は、使用済燃料のキャニスタ封入施設と最終処分場の建設・操業を以下のように実施する計画である。

  • 2012年:使用済燃料の処分場とキャニスタ封入施設の建設許可申請を提出
  • 2014年:同処分場・施設の建設開始
  • 2018年:同処分場・施設の操業許可申請を提出
  • 2020年:同処分場・施設の操業開始

TKS-2009報告書によると、同報告書は、2008年に改正された原子力令に基づき、原子力事業者が3年ごとの9月末までに雇用経済省へ提出した、原子力廃棄物管理計画に関する報告書である。この報告書において原子力事業者は、原子力廃棄物管理の研究開発状況のほか、翌6年間における概略計画及びその前半3年間における詳細計画を報告することになっている。オルキルオトとロヴィーサ原子力発電所の事業者は、それぞれTVO社とフォルツム社であるが、これら2社が共同出資して設立しているポシヴァ社が、原子力廃棄物管理の研究開発状況と計画に関する報告書を取りまとめている。TKS-2009報告書では、詳細計画の対象は2010年から2012年であり、概略計画の対象は2010年から2015年までとなっている。

ポシヴァ社は、これまでに3年ごとにTKS-2003報告書、TKS-2006報告書を取りまとめており、規制機関である放射線・原子力安全センター(STUK)に提出している。今回ポシヴァ社が取りまとめたTKS-2009報告書は、過去2回のTKS報告書とは異なり、原子力令において原子力事業者に課せられた義務に対応する報告書となっている。TKS-2009報告書の提出を受けた雇用経済省は、同報告書の内容についてSTUKから意見書の提出を受けることになっている。

【出典】

  • ポシヴァ社、2009年10月16日付プレスリリース、
    http://www.posiva.fi/ajankohtaista/muita_ajankohtaisia_asioita/posiva_tahtaa_rakentamislupahakemuksen_jattamiseen_2012.html
  • ポシヴァ社、オルキルオトとロヴィーサ原子力発電所の原子力廃棄物の処分:2010-2012年の活動計画と準備状況(TKS-2009)、2009年9月、
    http://www.posiva.fi/files/1001/TKS_2009_web_r1.pdf

【2010年3月16日追記】

ポシヴァ社は、2010年3月15日付のプレスリリースにおいて、同社がオルキルオトで2004年6月から建設を行っている地下特性調査施設(ONKALO)の掘削が2010年の春に処分深度の420mに達する見込みであることを公表した。同プレスリリースにおいて同社は、2012年にオルキルオトにおいて使用済燃料の最終処分場建設の許可申請を目指していることを改めて表明した。また、最終処分技術に関する研究開発作業も、建設許可申請において求められるレベルに向けて前進しているとしている。なお、同社は、2018年の処分場の操業許可申請、2020年の操業開始に向けて、2015年にキャニスタ封入施設の建設を開始することを目指すとしている。

【追記部出典】

  • ポシヴァ社、2010年3月15日付プレスリリース、http://www.posiva.fi/en/news/press_releases/posiva_aiming_to_submit_a_licence_application_in_2012_for_the_construction_of_a_final_disposal_facility.html

フィンランドにおける高レベル放射性廃棄物(使用済燃料)処分の実施主体であるポシヴァ社は、2009年3月13日付のプレスリリースにおいて、フォルツム・パワー・アンド・ヒート社(FPH社)が導入を計画しているロヴィーサ原子力発電所3号機から発生する使用済燃料の最終処分に関する原則決定申請を雇用経済省に行ったことを公表した。プレスリリースによれば、FPH社は2009年2月5日にロヴィーサ原子力発電所3号機の導入計画の原則決定を雇用経済省に申請しており、今回のポシヴァ社の原則決定申請は、FPH社の計画に対応するものとされている。

ポシヴァ社は、テオリスーデン・ヴォイマ社(TVO社)がオルキルオト原子力発電所4号機の導入計画の原則決定の申請を行った2008年4月25日に、エウラヨキ自治体のオルキルオトでの建設が計画されている最終処分場での使用済燃料の処分容量を9,000トン(ウラン換算、以下同じ)に引き上げる原則決定の申請を行っている。ポシヴァ社のプレスリリースによれば、今回のポシヴァ社の原則決定申請と合わせると、最終処分場の処分容量は12,000トンに引き上げられる。

フィンランドでは、原子力発電所や使用済燃料の最終処分場の建設計画について、その建設許可申請手続の前に、その建設が社会全体の利益と合致することを政府が判断する「原則決定」が必要となっている。また、事業者が原則決定の申請を行うためには、環境影響評価(EIA)手続を実施し、EIA報告書を添付する必要がある。

ポシヴァ社は、1998~99年にかけて、オルキルオトに建設する最終処分場で9,000トンの使用済燃料を処分する場合の環境影響評価(EIA)を実施し、1999年にEIA報告書を取りまとめている。その後、ポシヴァ社は、フォルツム・パワー・アンド・ヒート社(FPH社)のロヴィーサ3号機の導入計画に対応して、2008年に最終処分場での使用済燃料の処分量を9,000トンから12,000トンに拡大した場合の環境影響評価を実施しており、2008年10月31日にEIA報告書を雇用経済省に提出していた

ポシヴァ社の環境影響評価(EIA)報告書に対して、雇用経済省は、2009年3月11日に同省の見解書を公表している。この中で雇用経済省は、ポシヴァ社のEIA報告書の内容が関係法令で定められた主な要件を満足しているとした上で、ポシヴァ社が最終処分場の処分量拡大に関する原則決定の申請を行う際に必要となる追加説明事項を指摘していた。ポシヴァ社のプレスリリースによれば、ポシヴァ社は、今回の原則決定の申請の際に雇用経済省に提出したEIA報告書では、同省の求めに対応した説明書を添付したとしている。

なお、2009年3月13日付の雇用経済省のプレスリリースによれば、同省は関係省庁・機関や組織、エウラヨキ自治体及びその隣接自治体に、ポシヴァ社の原則決定申請に対する見解を求めるとともに、放射線・原子力安全センター(STUK)に予備的安全評価の開始を依頼するとしている。また、同省は、公聴会を開催することにより、地元住民からの意見聴取の機会を設けるとしている。

【出典】

  • ポシヴァ社、2009年3月13日付プレスリリース、http://www.posiva.fi/en/news/press_releases/posiva_applies_for_a_decision-in-principle_concerning_the_final_disposal_of_the_spent_fuel_from_the_loviisa_3_unit.html
  • 雇用経済省、2009年3月13日付プレスリリース、
    http://www.tem.fi/?89521_m=94552&l=en&s=2471


【2009年6月29日追記】

ポシヴァ社は、2009年6月26日付プレスリリースにおいて、2009年3月13日の同社の原則決定申請に関する公聴会が6月16日にエウラヨキ自治体で開催されたことを発表した。また、プレスリリースによれば、2009年3月のポシヴァ社の原則決定の申請に対して、今後、以下のようなスケジュールで原則決定手続が行われる見通しを示している。

  • 2009年7月15日まで:雇用経済省が公衆及び自治体の意見を募集
  • 2009年8月末まで:エウラヨキ自治体が見解書を提出
  • 2009年10月30日まで:放射線・原子力安全センター(STUK)の予備的安全評価
  • 2010年初頭:政府の原則決定

【追記部出典】

  • ポシヴァ社、2009年6月26日付プレスリリース、 http://www.posiva.fi/en/news/topical_at_decision_in_principle_process/the_current_status_of_the_licensing_process_for_the_extension_of_the_final_repository.html

【2009年8月27日追記】

ポシヴァ社は2009年8月26日付プレスリリースにおいて、エウラヨキ自治体が同社の原則決定申請を支持する声明書を発行することについて、8月24日の同自治体議会で承認(賛成22票、反対4票)したことを発表した。

【追記部出典】

  • ポシヴァ社、2009年8月26日付プレスリリース、
    http://www.posiva.fi/en/news/topical_at_decision_in_principle_process/the_municipality_of_eurajoki_issues_a_statement_in_favour_of_posivas_application_for_a_decision-in-principle.html