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《フィンランド》放射線・原子力安全センター(STUK)が安全規則を策定

フィンランドの安全規制機関である放射線・原子力安全センター(STUK)は、「原子力廃棄物の最終処分の安全性」を含め、原子力施設の安全性等に関する5件の安全規則を策定し、2016年1月1日より施行した。

フィンランドでは、2015年5月22日に原子力法が改正1 され、同法で規定された27の技術的項目ごとにSTUKが規則を策定し、従来、政令として定められていた一般安全規則を置き換えることとなっていた。今回、27の技術的項目を含むものとして、以下の5件の安全規則が策定された2

  1. 原子力発電所の安全性の確保 STUK Y/1/2016
  2. 原子力発電所の緊急時の救護活動 STUK Y/2/2016
  3. 原子力利用時の核物質防護 STUK Y/3/2016
  4. 原子力廃棄物の最終処分の安全性 STUK Y/4/2016
  5. ウランまたはトリウム採掘や鉱石処理作業の安全性 STUK Y/5/2016

STUKの2016年1月7日付プレスリリースによれば、今回策定された原子力廃棄物の最終処分の安全性に関する規則では、使用済燃料処分場の建設を計画しているポシヴァ社が2012年に提出していた処分場建設許可申請書に対する安全審査や、その他の原子力廃棄物処分場の規制経験などを基に、従来の規則では不十分であった部分の補足や重複部分の単一化などを行ったとしている。また、これまで原子力発電所に対する重大事故に関する詳細な規則が存在している一方で、使用済燃料処分場における重大事故に関する詳細な規則が存在しておらず、今回策定された規則では重大事故に関する規則を導入したとしている。

【出典】

  1. 2015年の原子力法改正ではSTUKの規制権限と独立性が一層強化された。これは、原子力及び放射線防護の分野における規制の枠組みのレビューを目的として、2012年に国際原子力機関(IAEA)によって実施されたピアレビュー(総合的規制評価サービス、IRRS(Integrated Regulatory Review Service))における、STUKの独立性を強化すべきとの勧告等に対応したものである。 []
  2. 今回STUKが策定したのは、「原子力廃棄物の最終処分の安全性」以外に、原子力発電所の安全性の確保、原子力発電所の緊急時の救護活動、原子力利用時の物理的防護、及びウランまたはトリウム採掘や鉱石処理作業の安全性に関する、合計5件の規則である。原子力発電所の安全性、緊急時の救護活動、核物質防護といった点に関する項目については、従来の政令から内容が大きく変化していない一方で、ウランやトリウムの採掘に関する規則については以前には存在していなかった全く新しい規則となっている。 []

(post by t-yoshida , last modified: 2023-10-11 )