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このWebサイトでは、諸外国における高レベル放射性廃棄物の最終処分や地層処分の計画の動きに注目し、 "海外情報ニュースフラッシュ"として 最新の正確な情報を迅速に提供しています。 ニュースフラッシュを発行した後も、記事トピックをフォローしています。必要に応じて、情報の"追記"を行っています。


ドイツでは、「高レベル放射性廃棄物の最終処分場のサイト選定に関する法律」(以下「サイト選定法」という)に基づき、処分実施主体である連邦放射性廃棄物機関(BGE)が、2017年9月からサイト選定手続きの第1段階である「地上探査の対象サイト地域の選定」を進めている。BGEは2020年9月28日に、ドイツ全土から地質学的な基準・要件を満たす「サイト区域」の選定結果を盛り込んだ『サイト選定手続き第1段階の中間報告書』(以下「中間報告書」という)を、連邦放射性廃棄物処分安全庁(BASE)に提出した 。中間報告書の提出を受けたBASEは、サイト選定手続きにおける地域横断レベルの公衆参加の場となる「サイト区域専門会議」(下記コラム参照)の立ち上げに向けたキックオフ会合を2020年10月17日と18日の2日間にわたって開催した。なお、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、キックオフ会合はオンライン形式で開催された。

■サイト区域専門家会議のキックオフ会合の概要と参加方式

今回の2日間のキックオフ会合は、今後本格的な検討を行う「サイト区域専門会議」の活動のあり方について議論し、方向性を決定するため、公衆参加を推進する役割を担う連邦放射性廃棄物処分安全庁(BASE)が開催したものである。1日目にサイト選定手続きやBGEが提出した中間報告書に関する説明が行われた後、2日目にサイト区域専門会議の今後の活動のあり方について議論が行われた。

BASEは、サイト選定法においてサイト区域専門会議の構成者と規定されているサイト区域内の自治体、各種社会組織、学術関係者の各種組織に対してキックオフ会合への参加登録を促す招請を行ったほか、2020年8月からドイツの一般市民に対して参加登録を促すキャンペーンを行っている。キックオフ会合への参加者は、オンラインで意見や質問を提示するだけでなく、事務局であるBASEが提示する議案への投票に参加できることが事前に明らかにされていた。なお、BGEが取りまとめた中間報告書では、最終処分に好適な可能性が高いとBGEが判断しているサイト区域は、ドイツ全土の約54%(約194,000km2)に及んでいる。BASEによると、最終的なキックオフ会合への参加登録者数は830名であり、1日目開始時点の参加者は334名、2日目開始時点の参加者は293名であった。

■サイト区域専門会議本格活動に向けて準備作業部会を設置

サイト選定法の規定によると、BASEが事務局として招集するサイト区域専門会議は、処分実施主体であるBGEが取りまとめた「中間報告書」に関する諮問組織として、最大3回の審査会議を開催し、その結果をBGEに答申することをもって解散することになっている(下記コラム参照)。

BASEは、サイト区域専門会議の具体的な活動の進め方は、サイト区域専門会議自体が今後決めていくべきとの考えであり、サイト区域専門会議の規約案や活動スケジュールのほか、第1回のサイト区域専門会議に向けた準備作業を行うための準備作業部会の設置を提案した。キックオフ会合の参加者全員による投票による採決が行われ、参加者の中から立候補した16名のうち、市民、サイト区域自治体、学術関係者、社会組織のカテゴリーあたり3名の代表者で構成される計12名を準備作業部会メンバーとして選出した。また、第1回のサイト区域専門会議の日程を2021年2月4日から7日に開催する予定とし、この参加者についてもキックオフ会合同様に、BASEからサイト選定法に規定された各種組織等に参加招請を行うことを決定した。

■今後の予定

今後、キックオフ会合で設置された準備作業部会が、全3回のサイト区域専門会議でのテーマやその他の作業部会の設置といった構成、及び2021年2月に開催される第1回のサイト区域専門会議のプログラムなどについて、事務局であるBASEと共に検討していくことになっている。

 

サイト区域専門会議(Fachkonferenz Teilgebiete)の位置づけ

サイト選定法では、サイト選定手続きにおける公衆参加の枠組みとして、連邦レベル、地域横断レベル、地域レベルの各レベルで委員会や合議体を設置することを規定している。このうち、連邦レベルの社会諮問委員会は、2016年に委員が選定され活動を行っている。今後、地域レベルの地域会議、地域横断レベルの地域代表者専門会議が、地上からの探査が行われるサイト地域の選定後に設置される予定である

サイト区域専門会議は、サイト地域が選定され、地域の関心が重要となる前の段階に設置される地域横断レベルの会議であり、公衆参加意欲を促進し、専門家の助言を提供する緩やかな話し合いの場と位置付けられている。サイト選定法では、サイト区域専門会議の参加者の数、サイト区域の代表性などについては規定されていないが、サイト区域内の自治体、各種社会組織、市民、学術関係者の代表者を参加者とすることが規定されている。また、サイト区域専門会議は、6カ月間の活動期間中に最大3回にわたりBGEの中間報告書について検討し、協議結果をとりまとめBGEに提示することが規定されている。このサイト区域専門会議の協議結果については、BGEが地上探査サイト地域の提案作成において考慮することとされている。

ドイツのサイト選定手続きにおける公衆参加の枠組み

 

 

【出典】

ドイツでは、「高レベル放射性廃棄物の最終処分場のサイト選定に関する法律」(以下「サイト選定法」という)に基づき、処分実施主体である連邦放射性廃棄物機関(BGE)が2017年9月からサイト選定手続きを進めている。現在は、その第1段階である「地上探査の対象サイト地域の選定」の途上にある。BGEは2020年9月28日、サイト選定法に規定されている基準のうち、地下の地質条件に関する基準をドイツ全土に適用した結果を取りまとめた『サイト選定手続き第1段階の中間報告書』を連邦放射性廃棄物処分安全庁(BASE)に提出した。BGEは、今回の中間報告書は最終処分やサイト選定というドイツ社会の問題に対する公衆の関心を高めることに役立ち、公衆がサイト選定の初期段階から公式に関与するための基礎になるとしている。

ドイツ全土の母岩別のサイト区域の分布

◆サイト区域の選定

サイト選定法では、サイト選定に適用する4種類の基準・要件を定めている。サイト選定手続き第1段階では、既存の地質学的データである地球科学的な基準・要件のみを適用することになっている。

①地球科学的な除外基準

  • 一定以上の広域的な隆起が予想されないこと
  • 活断層が存在しないこと
  • 現在または過去の鉱山活動の影響が存在しないこと
  • 一定以上の地震活動が予想されないこと
  • 過去の火山活動が存在しない、または将来予想されないこと
  • 年代の新しい地下水が存在しないこと

②地球科学的な最低要件

  • 岩盤の透水係数が10-10m/s以下
  • 閉じ込め機能を果たす岩盤領域1 の厚みが100m以上
  • 閉じ込め機能を果たす岩盤領域の深度が300m以上
  • 閉じ込め機能を果たす岩盤領域の広がりが処分場建設に可能な面積を有している
  • 閉じ込め機能を果たす岩盤領域の健全性が100万年にわたり維持されることが疑問視されていない

③地球科学的な評価基準(11項目)

  1. 閉じ込め機能を果たす岩盤領域内での地下水の流動に伴う放射性物質の移行の評価に使用する基準
  2. 岩体構成の評価基準
  3. 空間的な特性調査可能性の評価基準
  4. 好ましい状況の長期安定性に関する評価基準
  5. 好ましい岩盤力学的な特性に関する評価基準
  6. 地下水流動経路形成傾向に関する評価基準
  7. 気体の生成の評価基準
  8. 温度への耐性の評価基準
  9. 閉じ込め機能を果たす岩盤領域内での放射性核種の保持能力の評価基準
  10. 地下水化学的な状況の評価基準
  11. 被覆岩による閉じ込め機能を果たす岩盤領域の保護に関する評価基準

④地域計画面に関する評価基準(11項目)

  1. 住宅地域からの距離、飲料用地下水源や自然保護地域の有無など11項目
  2. ※④の評価基準は、今回の『サイト選定手続き第1段階の中間報告書』でのサイト区域の抽出では適用されていない。

連邦放射性廃棄物機関(BGE)は、ドイツ国内で処分場の母岩候補とされる岩種(岩塩、粘土岩及び結晶質岩)を対象に、連邦や各州の地質調査所などが保有する全国の地質学的データを収集した。BGEは、これらのデータをもとに、上記の①地球科学的な除外基準と②地球科学的な最低要件を適用して不適格となる区域を除外して、全国から181区域を抽出し、さらに、③地球科学的な評価基準を適用した結果として、今回の『サイト選定手続き第1段階の中間報告書』において90区域に絞り込んでいる。BGEは、③地球科学的な評価基準11項目のうち、その多くで文献から得た岩種別(岩塩、粘土岩、結晶質岩)の一般データを使用しており、区域固有のデータが利用できる項目は岩塩・粘土岩の場合3~4項目、結晶質岩の場合2項目であったとしている。

『サイト選定手続き第1段階の中間報告書』において、BGEが最終処分に好適な可能性が高いと判断している90区域は、ドイツ全土の約54%にあたる約194,000km2、州単位で見た場合には、南西部のザールラント州を除いた全ての州に分布している。抽出された各サイト区域の面積は、地下の母岩候補の岩種を反映して、6 km2(岩塩ドーム)から約63,000 km2(粘土岩)まで異なっている。

母岩別のサイト区域数及び総面積(†)
母岩 サイト区域数 サイト区域の総面積(km2
粘土岩 9 129,639
岩塩 74 30,450
結晶質岩 7 80,786
サイト区域合計 90 240,874

†:母岩が異なる深度に存在し、一つの区域が複数の母岩カテゴリに重複してカウントされる場合があるため、サイト区域の合計値は、BGEが最終処分に好適な可能性が高いと判断している90区域の合計面積約194,000km2と一致しない。

 

◆ゴアレーベンはサイト区域から除外

従来、処分場の候補サイトとして探査が行われていたゴアレーベン・サイト(岩塩ドーム)については、③地球科学的な評価基準のうち、「11.被覆岩による閉じ込め機能を果たす岩盤領域の保護に関する評価基準」を考慮した結果、今回の『サイト選定手続き第1段階の中間報告書』において抽出された90区域には残らず、以降の処分場選定手続きにおいては除外されることとなった。サイト選定法では、ゴアレーベン・サイトについて、他の区域・サイト等と同様に扱い、サイト区域などに含まれなかった時点でサイト選定手続きから除外されることを規定している。

◆今後の予定:公衆参加手続きの開始

サイト選定法に基づいて、サイト選定を監督し、公衆参加を推進する役割を担う連邦放射性廃棄物処分安全庁(BASE)は、連邦放射性廃棄物機関(BGE)が取りまとめた『サイト選定手続き第1段階の中間報告書』を受領した後、サイト区域の地域団体の代表者等からなる、地域横断の公衆参加枠組みである「サイト区域専門会議」を設置することになっている。このサイト区域専門会議の開催スケジュールについて、BASEは、2020年10月17日~18日に開催されるキックオフ会合の後、2021年前半に3回の会合を実施する予定である。BGEは、中間報告書がサイト区域専門会議の基礎になるとともに、公衆参加を推進するものになるとしている。

BGEは、サイト区域専門会議における議論の後、今回抽出した90区域を対象として、処分場システムの概念設計を含む予備的安全評価を行い、その結果に基づき、「地上からの探査を行うサイト地域」を複数選定することになっている。BGEが選定したサイト地域では、その地域毎に地域会議と呼ばれる合議体が組織される。サイト選定手続きの第1段階の目標である「地上からの探査を行うサイト地域」の確定は、連邦議会において連邦法を制定することによって行われる。

 

【出典】


  1. 人工バリアや地質工学的なバリアとともに、隔離期間に廃棄物の閉じ込めを保証する地質バリアの一部  []

ドイツの放射性廃棄物処分実施主体である連邦放射性廃棄物機関(BGE)は、2020年8月21日のプレスリリースにおいて、サイト選定手続きの第1段階となる最終処分に好ましい地質学的な前提条件を満たす「サイト区域」の選定に関して、検討結果を取りまとめた中間報告書を2020年9月28日に連邦放射性廃棄物処分安全庁(BASE)に提出する予定を明らかにした。また、連邦放射性廃棄物処分安全庁も、2020年8月20日のプレスリリースにおいて、サイト選定手続きにおける地域横断的な公衆参加の枠組みとして、「サイト区域専門会議」のキックオフ会合を2020年10月17~18日に開催すること公表した。

■3段階のサイト選定手続きと第1段階で作成される中間報告書の内容

ドイツでは、「高レベル放射性廃棄物の最終処分場のサイト選定に関する法律」(以下「サイト選定法」という)に基づき、2017年9月から高レベル放射性廃棄物処分場の3段階からなるサイト選定手続きが開始されている 。第1段階ではドイツ全土から地上探査サイト地域を選定し、第2段階ではサイト地域の中から地下探査サイトを選定し、第3段階では地下探査サイトの中から処分場サイトを選定していく流れとなっている(下表参照)。なお、サイト選定法では、2031年に処分場サイトを決定することを目標としている。

BGEは、2017年のサイト選定手続きの開始後、第1段階の中間目標である最終処分に好ましい地質学的な前提条件 を満たす「サイト区域」の選定に向けて、各州の地質調査所などが保有する全国の地質学的データの収集を行うとともに、地球科学的な除外基準及び最低要件の適用方法の検討等を行ってきた 。第1段階の中間報告書は、BGEによる検討の結果として「サイト区域」を提案するものである。なお、第1段階の目標である地上探査サイト地域の選定は、サイト区域を対象に行われることになっている。

BGEは、今後2020年9月28日の中間報告書の提出に向けて、動画等による一般向けの情報コンテンツの充実を図っていくほか、中間報告書の公表前から電話や電子メールを通じた問合せや意見の受付を行うなどの情報提供等の活動を行っていくとしている。

表:ドイツにおける高レベル放射性廃棄物処分場のサイト選定手続き
サイト選定段階 活動
第1段階
地上探査サイト地域の選定
ドイツ全土を対象にサイト選定プロセスを開始。BGEが地球科学的な除外基準及び最低要件に基づき、対象外となる地域を除外し、サイト区域を選定。地球科学的な評価基準を適用し、好ましいサイト区域等を選定。結果を中間報告書として提出。
予備的安全評価(第1次予備的安全評価)を実施。地球科学的な評価基準等を適用し、地上からの探査サイト地域を選定。
BGEが地上からの探査サイト地域の提案及び探査計画を提出。連邦法を制定し地上探査サイト地域を確定。
第2段階
地下探査サイトの選定
BGEが地上からの探査を実施。地球科学的な除外基準・最低要件、評価基準を適用するとともに、第1段階より範囲を拡大した予備的安全評価(第2次予備的安全評価)に基づき、サイト間の比較を実施し、地下探査の対象サイトを選定。
BGEの提案に基づき、連邦法を制定し地下探査の対象サイトを確定。
第3段階
処分場サイトの提案・合意
地下探査などの処分の安全性の観点からの詳細な調査を実施。包括的な予備的安全評価を実施し、サイトの比較を実施し、処分場サイトを選定。
連邦法を制定し処分場サイトを確定。

 

■サイト選定手続きにおける公衆参加とサイト区域専門会議の開催スケジュール

サイト選定法に基づくサイト選定手続きでは、連邦レベル、地域横断レベル、地域レベルで公衆参加のための委員会や合議体を設置し、各段階において、住民、地元自治体などの参加を得ながら処分場サイトを選定していくこととなっている 。サイト選定手続きの第1段階においては、BGEによる中間報告書の提出後、地域横断レベルの公衆参加の場となる「サイト区域専門会議」が設置される予定である。

サイト選定手続きを監督するとともに、公衆参加の推進に責任を有する連邦放射性廃棄物処分安全庁(BASE)は、2020年8月20日のプレスリリースにおいて、サイト選定手続きに関する情報提供として、2020年9月からジャーナリスト向けセミナーなどを開始し、BGEによる中間報告書の公表後、サイト区域専門会議の最初の会合であるキックオフ会合を2020年10月17~18日に開催するとしてる。また、2021年前半に3回の会合を開催する予定としている。

ドイツの3段階からなるサイト選定手続きと公衆参加の枠組み

図:ドイツの3段階からなるサイト選定手続きと公衆参加の枠組み

 

【出典】

ドイツの放射性廃棄物処分の実施主体である連邦放射性廃棄物機関(BGE)は2020年3月27日、アッセⅡ研究鉱山からの放射性廃棄物回収計画を公表した。回収計画では、廃棄物の回収方法、新たに建設する中間貯蔵施設での貯蔵などを含む回収後の廃棄物の取り扱い、2033年に回収を開始するとしたスケジュールや費用見積りなどが示されている。BGEは今後、回収のための新たな施設建設に向けた土地取得を行うとともに、回収計画の詳細化などのために、規制機関や住民と対話を開始するとしている。

アッセⅡ研究鉱山では、放射性廃棄物処分に関する調査を目的として、1967年から1978年まで低中レベル放射性廃棄物が試験的に処分された。その後、地下水の流入などにより、岩塩から成る処分坑道の安定性が確保できなくなる可能性が示されたことから、2010年に処分された廃棄物を回収し、アッセⅡ研究鉱山を閉鎖することを決定していた

アッセⅡ研究鉱山からの放射性廃棄物の回収計画

アッセII研究鉱山では、深度511m、725m、750m付近に設けられている13の処分室に合計約4万7,000m3の放射性廃棄物が処分された(下図参照)。回収対象となる廃棄物量は、廃棄物周囲の汚染された岩塩屑などを含め最大約10万m3程度と見積られている。

BGEは、既存の鉱山の東側に、廃棄物の回収に用いる立坑(回収用立坑)を建設するとともに、地下に作業用の新たな坑道(回収用坑道)などを建設する計画である。

回収した廃棄物は地上に搬出して、新たに建設される廃棄物処理施設で特性評価した後、コンディショニングされる。その後、最終処分場が操業を開始するまで、廃棄物処理施設に併設される中間貯蔵施設で貯蔵される。この廃棄物処理施設及び中間貯蔵施設は、放射線防護の観点などから回収した廃棄物の移動距離を最小限にするため、アッセⅡ研究鉱山の地上施設の近辺に設置する計画である。

アッセII研究鉱山での回収用立坑や坑道の模式図

スケジュール及び費用

BGEは、2023年に回収用立坑等の建設を開始する予定である(下図参照)。また、廃棄物処理施設及び中間貯蔵施設については、詳細な設置場所を今後決定し、2033年までに操業可能とする計画である。さらに、これらの施設建設と並行して、制御不能な量の地下水流入などを想定した緊急時計画の策定も行われる。これらの廃棄物回収作業のための準備が整った後、2033年に回収を開始するとしている。なお、廃棄物回収作業の期間に関しては、具体的な終了時期は示されておらず、専門家の見積りとして数十年との期間が示されている。

アッセⅡ研究鉱山からの廃棄物回収のスケジュール

また、BGEは、2019年以降、2033年に廃棄物回収が開始されるまでの準備期間中にかかる費用の総額を約33.5億ユーロ(不確実幅±30%、約4,020億円、1ユーロ=120円で換算)と見積っている。内訳は、既存坑道の保全費用が9億ユーロ(約1,000億円)、回収用立坑の建設に2億ユーロ(約240億円)、その他地下施設の建設に5億ユーロ(約600億円)、地上の廃棄物処理施設の建設に4.5億ユーロ(約540億円)などとされている。

なお、アッセII研究鉱山から回収された放射性廃棄物の処分先に関しては、現在サイト選定法に基づく選定プロセスが進められている高レベル放射性廃棄物処分場とすることが検討されている

 

【出典】

ドイツの放射性廃棄物処分の実施主体である連邦放射性廃棄物機関(BGE)は、2019年12月12日から14日の3日間にわたり、ニーダーザクセン州の第2の都市であるブラウンシュヴァイクにおいて、サイト選定に関する情報提供のイベント「サイト選定デー」を開催した。初日及び2日目には、主に専門家を対象とした講演セッションが開催され、20名の地質学分野の研究者からの地質学的モデルの作成方法や地質情報にある不確実性についての説明のほか、ポスター発表が行われた。最終日は、一般市民を対象にした情報提供セッションが開催され、今後BGEがドイツ全土からサイト区域を特定していく際に、地球科学的な除外基準や最低要件をどのように適用するかについての情報提供と議論が行われた。

「高レベル放射性廃棄物の最終処分場のサイト選定に関する法律」(サイト選定法)に基づくサイト選定手続きでは、最初のステップとして、BGEが地球科学的な除外基準及び最低要件を適用し、最終処分に好ましい地質学的な前提条件を満たす「サイト区域」を提案することになっている

現在BGEは、地球科学的な除外基準及び最低要件 の具体的な適用方法を検討しており、2019年11月19日に、除外基準の一つである「現在または過去の鉱山活動の影響の存在」の適用方法の案を公表するとともに、ウェブフォーラム「BGEフォーラム」(https://forum-bge.de/)を新たに設置し、2019年12月31日まで一般市民も対象とした意見募集を開始していた。イベント3日目の市民との議論では、除外基準の適用方法についての情報提供が行われた。BGEは、2019年12月16日にウェブサイトに掲載した「サイト選定デー」の開催報告において、イベント会場から大きな反対意見は出なかったものの、環境団体等から、市民が複雑な科学的テーマに関わるためには専門家の十分な支援が不可欠であること、BGEが実施している研究に関する情報が市民に対して十分に提供されていないといった指摘がされたことを明らかにしている。

なお、BGEは今後、その他の除外基準及び最低要件についても順次、具体的な適用方法についての案を公表し、ウェブフォーラムでのコンサルテーションを実施していくとしている。

 

【出典】

ドイツにおける高レベル放射性廃棄物処分場の選定プロセスに関与する連邦レベルの公衆参加組織である社会諮問委員会は、2019年11月13日に活動報告書を公表した。活動報告書の中で社会諮問委員会は、2016年の設置以降の委員会の活動を総括し、将来的に直面すると考えられる課題に関連して、サイト選定手続きの実施に向けた連邦政府などに対する勧告を示している。

社会諮問委員会は、中立的な立場からサイト選定手続き全体を監視するとともに、関係者間の調整を行うため、「高レベル放射性廃棄物の最終処分場のサイト選定に関する法律」(以下「サイト選定法」という)1 において、議会選出委員12名、市民代表委員6名の合計18名での設置が規定されており、2016年11月に、議会選出委員6名、市民代表委員3名の9名で暫定的に設置されて活動を開始した。現在は、議会選出委員6名、市民代表委員5名の合計11名2 で活動を行っている。

社会諮問委員会の活動の総括

社会諮問委員会は2016年の発足以降、2019年9月末までに計33回の定例会合を開催した。定例会合で社会諮問委員会は、処分実施主体である連邦放射性廃棄物機関(BGE)やサイト選定手続きを監督する連邦放射性廃棄物処分安全庁(BfE)との情報共有、意見交換を行うとともに、隣国スイスにおけるサイト選定状況についても情報提供を受けている。加えて、閉鎖に向けた取組が進められているアッセⅡ研究鉱山や、廃止措置手続き中のモルスレーベン低中レベル放射性廃棄物処分場をはじめとする原子力施設の視察も実施した。また、サイト選定法や公衆参加のあり方、中間貯蔵、地質学的データ等をテーマに、市民を交えた対話集会やワークショップなどの公開イベントをこれまでに9回開催している。このうち2回は、16歳から30歳の若年層を対象とし、サイト選定手続きへの関与についての議論が行われた。

透明性が高く、かつ公正なサイト選定手続きに向けた勧告

社会諮問委員会は活動報告書において、透明性が高く、かつ公正なサイト選定手続きに向けた連邦政府などに対する以下の9つの勧告を示している。

  1. サイト選定における地質学的データを原則公開とするための法制度が必要である
  2. 現時点で公開可能なデータの公表や対話イベントの開催などを含めた、サイト選定の初期段階からの公衆の参加と高い透明性の確保が重要である
  3. サイト選定初期段階での公衆参加方式決定や参加者の招待方法などの決定には、多様な意見が反映されることが重要である
  4. サイト区域の提案後の公衆参加の枠組みの設置プロセスにおいて、関心ある公衆を排除しないことが重要である
  5. 公衆の早期参加を実現するためには、意見募集実施の時期や期間の設定を慎重に行うことが必要である
  6. サイト選定での公衆参加における学習の場として、中間貯蔵施設の活用を検討すべきである
  7. サイト選定に対する政治の関心を向上させる必要がある
  8. 社会諮問委員会の委員の選出及び再任を適時に実施する必要がある
  9. 全ての利害関係者の意見を採り入れていくために、社会諮問委員会の活動の作業プロセスを改善する必要がある

社会諮問委員会は、これまでも透明性が高く、かつ公正なサイト選定手続きの実現のために優先順位の高い課題に継続して対処してきたが、今後もこの姿勢で活動を続けていくとしている。

 

【出典】


  1. 2017年5月の法改正により「発熱性放射性廃棄物の最終処分場のサイト選定に関する法律」から法律名が変更された []
  2. 2018年8月に市民代表委員が3名追加されたが、その後2016年に選出された1名の市民代表委員は辞任している []

ドイツの連邦環境・自然保護・原子炉安全省(BMU)は2019年7月17日、BMUの特設ウェブサイト「ダイアログ(対話)最終処分場安全」において、「高レベル放射性廃棄物の最終処分の安全要件」及び「処分場サイト選定手続における予備的安全評価実施要件」を定める2件の政令案を公表した。また、BMUは、公開シンポジウム「安全要件と安全評価:高レベル放射性廃棄物処分場選定の枠組みにおける政令案に関する対話」を2019年9月14日と15日の2日間、ベルリンで開催する。これらの政令案に対する意見募集は、2019年9月20日まで行われる。

2017年に全面改正された「高レベル放射性廃棄物の最終処分場のサイト選定に関する法律」(以下「サイト選定法」という)1 では、高レベル放射性廃棄物処分の安全要件及び処分場サイト選定における予備的安全評価の実施要件を政令として定めることを規定している。また、これらの政令は、サイト選定手続きの第1段階において、サイト区域と地上からの探査対象のサイト地域の絞り込みに先がけて実施する予備的安全評価(第1次予備的安全評価)までに策定することになっている。

■「高レベル放射性廃棄物最終処分の安全要件」に関する政令案

高レベル放射性廃棄物の最終処分安全要件に関する政令案は、2010年にBMUが策定した「発熱性放射性廃棄物の最終処分に関する安全要件」(以下「2010年安全要件」という)を置き換えるものであり、処分場の長期安全性、サイト調査と処分場計画、定置された廃棄体の回収可能性確保、処分場の建設・操業・閉鎖等に関する要件を定めることになっている。今回公表された政令案は、2010年安全要件を踏襲しており、線量基準値のほか、安全性の評価期間を100万年とすること、定置済みの廃棄体の回収可能性を処分場閉鎖後500年間確保する要件などは変更されていない。

本政令案では、高レベル放射性廃棄物処分場において、低中レベル放射性廃棄物を受け入れる場合には、処分場の頑健性に影響しないこと、地下の処分領域やインフラを分離することなどを要求する規定が盛り込まれている。これは、2015年に連邦政府の承認を受けた「使用済燃料及び放射性廃棄物の責任ある安全な管理のための計画」(国家放射性廃棄物管理計画)において、アッセⅡ研究鉱山から回収する放射性廃棄物を高レベル放射性廃棄物処分場との同一サイトで処分することを想定していることを受けたものである。

■「高レベル放射性廃棄物処分場サイト選定手続における予備的安全評価実施要件」に関する政令案

サイト選定法に基づく処分場のサイト選定手続きでは、3段階のプロセスの各段階で予備的安全評価が実施されることになっている。本政令案は、セーフティケースの作成における国際的に標準とされる手順や、放射性廃棄物管理に関してBMUに助言を与える諮問組織である廃棄物管理委員会(ESK)によって、これまでに提出された予備的安全評価に関する勧告に基づいて、予備的安全評価の構成要素や実施に係る要件を規定するものである。

予備的安全評価の構成要素としては、地質学的状況の解析、処分場の安全概念や設計概念の提示、処分システムの解析、処分場の操業中における安全性の解析、処分場閉鎖後の長期安全性の解析、処分システムの包括的評価、不確実性に関する評価、今後調査研究・開発が必要な事項の特定などの項目を挙げている。

【出典】

 

【2020年9月15日追記】

ドイツの連邦環境・自然保護・原子炉安全省(BMU)は2020年9月10日、「高レベル放射性廃棄物の最終処分の安全要件」及び「処分場サイト選定手続における予備的安全評価実施要件」を定める2件の政令が、連邦議会で承認されたことを公表した。「高レベル放射性廃棄物の最終処分場のサイト選定に関する法律」(サイト選定法)では、BMUがこれらの要件を政令として定め、連邦議会で承認を得ることを規定している。

今回、連邦議会で承認された2件の政令は、2019年7月の意見募集時に公表された政令案の段階から、内容に大きな変更はない。これらの政令は近日中に連邦官報で公示され、その翌日に発効する予定である。

【出典】


  1. 2017年5月の法改正により「発熱性放射性廃棄物の最終処分場のサイト選定に関する法律」から法律名が変更された []

ドイツの放射性廃棄物処分の実施主体である連邦放射性廃棄物機関(BGE)は2018年3月8日に、非発熱性放射性廃棄物1 の地層処分場であるコンラッド処分場の操業開始時期について、従来予定していた2022年から約5年間遅れ、2027年前半となる見通しであることを公表した。コンラッド処分場では、2007年から旧鉄鉱山を処分場とするための改造工事が進められている。BGEは今回のスケジュール変更について、2018年3月12日にコンラッド処分場の情報提供施設において開催する一般向けの情報提供イベントにおいて説明する予定である。

ドイツでは、2016年7月8日に成立した「最終処分分野における組織体制刷新のための法律」における原子力法改正により、コンラッド処分場を含む放射性廃棄物処分場の建設・操業・閉鎖を行う処分実施主体としての役割が、従来の連邦放射線防護庁(BfS)から、連邦政府100%所有の有限会社BGEに移管された 。この移管に際し、連邦環境・自然保護・建設・原子炉安全省(BMUB)はBGEに対して、コンラッド処分場の建設状況を検証し、あらためて建設計画全体の具体的なスケジュールを示すよう指示していた。これを受けてBGEは、外部専門家に委託してコンラッド処分場の建設状況を精査し、その結果として今回の操業開始時期の遅延を公表したものである。

スケジュールの遅延が見込まれる原因として、外部専門家は、コンラッド処分場が現行の原子力法の下での初めての地層処分場であり、操業前の確認等のプロセスに時間を要すると考えられること、実施主体がBGEとなったことで建設作業等の新たな契約を結ぶ必要性が出てきたことなどを挙げている。なお、BMUBは、原子力発電所の廃止措置に伴い発生する放射性廃棄物は各原子力発電所サイトなどで中間貯蔵が可能であるとして、コンラッド処分場の操業開始の遅延による原子力発電所の廃止措置作業への影響はないと説明している。

コンラッド処分場については、1982年に当時の実施主体であった連邦物理・技術研究所(PTB)により、原子力法に基づく計画確定手続の申請が開始され、2002年5月にはニーダーザクセン州により計画確定決議が行われた。この計画確定決議に対する異議申し立てに関する裁判が実施されたが、2007年4月に計画確定決議が法的に有効となった。

 

【出典】


  1. ドイツでは、処分した放射性廃棄物からの発熱によって処分空洞壁面の温度上昇が3℃以上となる場合、そのような廃棄物を「発熱性廃棄物」と定義している。それ以外の「非発熱性放射性廃棄物」は、いわゆる低中レベル放射性廃棄物に相当する。 []

ドイツの放射性廃棄物処分の実施主体である連邦放射性廃棄物機関(BGE)は2017年9月5日に、「高レベル放射性廃棄物の最終処分場のサイト選定に関する法律」(以下「サイト選定法」という)1 に基づくサイト選定に関する情報提供イベントを首都ベルリンにて開催し、サイト選定手続きを正式に開始したことを公表した。このイベントでは、連邦環境・自然保護・建設・原子炉安全省(BMUB)の大臣が開会を行った後、処分実施主体であるBGE、サイト選定手続きを監督する連邦放射性廃棄物処分安全庁(BfE)、サイト選定手続きにおける連邦レベルの公衆参加組織である社会諮問委員会の代表者などが、参加した聴衆に対して、これまでの経緯やサイト選定に関する現状などについて説明した。

BMUB大臣は、1970年代にゴアレーベンが高レベル放射性廃棄物処分場の候補地とされた当時と異なり、これから始まる新たなサイト選定手続きは、公衆参加手続きを伴って進められることを強調し、地元地域に事前に知らされることなく候補地が決定することはないと発言した。

また、BfEの長官は、サイト選定手続きの信頼性確保には、独立した規制機関の存在が不可欠であるとし、BfEがサイト選定手続きを通じて、実施主体であるBGEの活動を監視していくと述べた。

2017年4月に新たな処分実施主体として活動を開始したBGEの社長は、最近のBGEの活動として、2017年8月に、各州に要請して全国の地質学的データの収集を開始したことを報告した。BGEは今後さらなるデータの収集を進め、地球科学的な除外基準及び最低要件 を適用し、最終処分に好ましい地質学的な前提条件を満たす「サイト区域」を選定し、その結果を中間報告書に取りまとめる予定である。また、新たなサイト選定手続きやその他のBGEの取り組みを「学習するシステム」であると表現し、常に誤りを修正し、公衆と意見交換しながら進めていく意向であることを強調した。

 

【出典】

 

【2018年11月14日追記】

連邦放射性廃棄物処分安全庁(BfE)は、高レベル放射性廃棄物処分場の選定に関係するステークホルダーが参加する第1回情報共有会議を開催した。2018年11月8日と9日の2日間で開催された本会議は、サイト選定の現状と課題について、様々な視点や立場から報告・議論し、プロセスの進展や改善に役立てることを目的としている。BfEは、今後、このような情報共有会議を毎年開催するとしている。

今回の情報共有会議には、サイト選定のステークホルダーとして、連邦環境・自然保護・原子炉安全省(BMU)2 やサイト選定手続きを監督するBfE、実施主体である連邦放射性廃棄物機関(BGE)、連邦レベルの公衆参加組織である社会諮問委員会、大学、研究機関の専門家が参加するとともに、関心を持つ一般市民にも公開された。参加者の総数は約200名であった。

本会議では、BGE、社会諮問委員会、BfEがそれぞれの立場から、ドイツにおけるサイト選定の現状の報告を行うとともに、公衆参加などをテーマとした分科会での議論も行われた。実施主体であるBGEは、サイト選定手続きに関連して必要な法整備や今後の研究課題、実施中の研究プロジェクトなどの講演を行った。一方、BfEは、処分研究全体の戦略や今後の予定などの報告を行った。

【出典】


  1. 2017年5月の法改正により「発熱性放射性廃棄物の最終処分場のサイト選定に関する法律」から法律名が変更された []
  2. 2018年3月に連邦環境・自然保護・建設・原子炉安全省(BMUB)が組織改編によりBMUに改称 []

ドイツの連邦放射性廃棄物機関(Bundesgesellschaft für Endlagerung, BGE)は、2017年4月25日にウェブサイト(https://www.bge.de/)を開設し、これまで連邦環境・自然保護・建設・原子炉安全省(BMUB)傘下の連邦放射線防護庁(BfS)が担っていた放射性廃棄物処分の実施主体としての役割を引き継ぎ、活動を開始したことを公表した。BGEは、BMUBの監督下にある100%国有の有限会社として設立されており、原子力法に基づいて、連邦政府の委託を受けて放射性廃棄物処分場の設置・操業を行うこととなっている。

また、BGEは、「発熱性放射性廃棄物の最終処分場のサイト選定に関する法律」(以下「サイト選定法」という)に基づいて、高レベル放射性廃棄物処分場のサイト選定手続きの実施者として、今後、候補地域及び探査サイトの提案、サイトの探査計画及び評価基準の策定、サイトでの探査の実施、予備的安全評価などを行う。

今回活動を開始した新たな実施主体であるBGEを含めた、ドイツの放射性廃棄物処分に関わる主な各機関の役割は下表・下図のようになっている。

ドイツの放射性廃棄物処分の実施体制

ドイツの放射性廃棄物処分の実施体制

連邦環境・自然保護・建設・原子炉安全省(BMUB)

連邦放射性廃棄物処分安全庁(BfE)

連邦放射性廃棄物機関(BGE)

最終処分分野における政策責任者であり、最高監督官庁。また、出資者としてBGEを監督する。

BMUB傘下の専門官庁として、放射性廃棄物処分に係る規制監督・許認可発給を行う。また、高レベル放射性廃棄物処分場のサイト選定手続きの管理責任者である。

放射性廃棄物処分の実施主体であり、100%国有の有限会社。既存・建設中の処分場の操業者である。また、高レベル放射性廃棄物処分場のサイト選定手続きの実施主体でもある。

 

連邦放射性廃棄物機関(BGE)の設置の背景

サイト選定法に基づく「高レベル放射性廃棄物処分委員会」(以下「処分委員会」という)は2015年3月に、発生者の利害とは独立した形で放射性廃棄物の処分事業が実施されるようにするため、新たな実施主体となる「連邦放射性廃棄物機関(BGE)」を100%国営組織として設置することを提案していた 。本提案は、2016年7月8日に成立した「最終処分分野における組織体制刷新のための法律」において法制化された。本法に含まれる原子力法を改正する条文では、放射性廃棄物処分事業の実施責任をBMUBの監督下に置かれる「連邦が100%所有する私法上の組織」に一任すると規定しており、BGEはこの組織に相当する。なお、BGEが設置される以前の実施主体であった連邦放射線防護庁(BfS)は、放射線防護・原子力防災に関する専門官庁として存続している。

連邦放射性廃棄物機関(BGE)の現状と今後の予定

BGEは、これまで放射性廃棄物処分の実施主体であった連邦放射線防護庁(BfS)の他、BfSの委託を受けて処分場の設置・操業などの作業を実施していたドイツ廃棄物処分施設建設・運転会社(DBE社)及びアッセII研究鉱山の管理作業等を行っていたアッセ有限会社の役割のすべてを継承することになっている 。2017年4月25日時点では、これまでBfSが行っていた放射性廃棄物処分実施に係る業務が移管され、関係する職員がBGEに移籍した状態である。今後数カ月内には、DBE社及びアッセ有限会社もBGEに統合される予定であり、統合の完了により、BGEの実施主体としての体制が整うこととなる。

【出典】

 

【2017年8月14日追記】

ドイツの連邦放射性廃棄物機関(Bundesgesellschaft für Endlagerung, BGE)は2017年8月4日に、各州の地質調査所及び鉱山・水利関連官庁に対して、保有する地質学的データの提供を求める書簡を送付することにより、全国の地質学的データの収集を開始したことを公表した。

サイト選定法では、サイト選定手続きの最初のステップとして、BGEが地球科学的な除外基準及び最低要件を適用し、最終処分に好ましい地質学的な前提条件を満たす「サイト区域」を選定することが規定されている。今後BGEは、サイト区域の選定結果を中間報告書に取りまとめ、サイト選定手続きを監督する連邦放射性廃棄物処分安全庁(BfE)に提出することになっている。

【出典】

 

【2018年1月9日追記】

ドイツの連邦放射性廃棄物機関(Bundesgesellschaft für Endlagerung, BGE)は2017年12月22日に、ドイツ廃棄物処分施設建設・運転会社(DBE社)及びアッセ有限会社が2017年12月20日にBGEへ統合し、BGEを実施主体とする新たな放射性廃棄物処分の実施体制に係る組織再編が完了したことを公表した。

今回の統合により、BGEは、ドイツの高レベル放射性廃棄物と低中レベル放射性廃棄物の処分実施主体としての体制が整い、1,600名以上の職員を擁する組織となった。

【出典】