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§ 2021年8月25日 発行 海外情報ニュースフラッシュ

ドイツのサイト区域専門会議がサイト選定手続き第1段階における公衆参加の継続を提言

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連邦放射性廃棄物処分安全庁(BASE)が設置した公衆参加の枠組みである「サイト区域専門会議」は、処分実施主体である連邦放射性廃棄物機関(BGE)が2020年9月に取りまとめた『サイト選定手続き第1段階の中間報告書』(以下「中間報告書」という)について、2021年2月から6ヶ月間にわたってレビューを実施している。2021年8月6日から8月7日に開催されたサイト区域専門会議の第3回会合において、これまでのレビュー結果及び提言事項が取りまとめられた。サイト区域専門会議は、BGEがドイツ全土から最終処分にとって好ましい地質学的前提条件が存在すると判断される90区域を抽出したものの、それらが国土の54%を占めている点に関して、より絞り込まれたものを期待していた一般の感覚とは異なっているとの指摘をした上で、サイト選定手続き第1段階の目標である「地上探査候補サイト地域」の確定に向け、BGEが行うさらなる絞り込みにおいて、公衆参加の機会となる「サイト区域専門フォーラム」の設置を提言に盛り込んだ。一方、サイト区域専門会議の活動は、第3回の会合をもって終了する。サイト区域専門会議の報告書は、1ヶ月以内にBGEに提出される予定である。

■サイト選定手続き第1段階における公衆参加の形態

ドイツ全土の母岩別のサイト区域の分布

サイト区域専門会議は、「高レベル放射性廃棄物の最終処分場のサイト選定に関する法律」(以下「サイト選定法」という)に基づいて、連邦放射性廃棄物処分安全庁(BASE)が事務局として招集する会議体であり、サイト選定における公衆参加を推進する役割を有している。サイト区域専門会議の参加者は、一般市民のほか、BGEが取りまとめる中間報告書で判明するサイト区域候補の地域団体、社会組織、科学者であり、サイト選定法に規定された各種組織には、事前にBASEから参加招請が行われた。

サイト区域専門会議の会合は主にオンラインイベントの形式で開催され、全体会議やサイト選定法に規定されている除外基準や地球科学的な評価基準の内容や適用を個別に扱うワークショップのほか、地層処分場の母岩(粘土岩、結晶質岩、岩塩)、地域計画、公衆参加と透明性などのテーマ別ワーキンググループで議論が行われた。参加者は、全体会議後などに並行的に行われていたこれらのワークショップやワーキンググループに自由に参加して質疑を交わしたり、ワーキンググループで取りまとめる提言文書に対する賛否投票を行うことができた。全3回のサイト区域専門会議を通じ、合計で約4,900人が参加した。

サイト区域専門会議において、BGEは、中間報告書の内容を会議の参加者に説明するとともに、今後「地上探査候補サイト地域」の提案をBGEが作成するにあたり、サイト区域専門会議の結果を考慮することになっている。

■サイト区域専門会議の主な提言と今後の対応

サイト選定法では、サイト選定手続き第1段階の後半において、BGEが、サイト区域における予備的安全評価を実施するとともに、地球科学的な評価基準や地域計画面での基準1 を適用し、さらなる絞り込みを行うことになっている。サイト区域専門会議は、BGEに対し、予備的安全評価及び地域計画面での基準の適用手法の開発を進めるよう求めている。また、それらの基準の適用に対する公衆参加を計画するため、BGEの作業マイルストーンを早急に明らかにするよう求めている。さらに、公衆参加を実現する役割を担うBASEに対し、サイト区域専門会議の後継となる「サイト区域専門フォーラム」を設置し、サイト選定手続き第1段階後半においても、一般市民及びサイト区域の各種組織への情報提供を継続し、サイト選定プロセスへ参加する意欲と能力の向上を図るよう求めている。

サイト区域専門会議の提言を受け、BGEは、さらなる絞り込み方法の検討案を2022年3月に公表する意向を表明した。また、BASEは、公衆参加のデザインに向けたロードマップを2021年秋に取りまとめる考えを表明した。

【出典】


  1. サイト選定法に規定されている住宅地域からの距離、飲料用地下水源や自然保護地域の有無など11項目で構成される評価基準 []

(post by tokushima.hideyuki , last modified: 2021-08-25 )