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スウェーデンにおける使用済燃料の処分方法及び関連施設の立地選定に係る許可申請書の審理を行っているナッカ土地・環境裁判所(所在地 ストックホルム)は、2017年7月4日に、スウェーデン核燃料・廃棄物管理会社(SKB社)が2011年3月に提出した環境法典に基づく申請書について、主要審理プロセスとなる口頭弁論を2017年9月5日から10月27日までの間の計22日で開催する旨の公告を行った。

図 フォルスマルクに建設予定の使用済燃料処分場のイメージ(SKB社提供)

フォルスマルクに建設予定の使用済燃料処分場のイメージ(SKB社提供)

SKB社は、KBS-3概念1 と呼ばれる処分概念を採用した使用済燃料の最終処分の実現に向け、2006年11月にはオスカーシャム自治体でのキャニスタ封入施設の建設許可申請書を、2011年3月にはエストハンマル自治体のフォルスマルクにおける使用済燃料最終処分場の立地・建設許可申請書を提出した 。現在、スウェーデンでは、使用済燃料最終処分場及びキャニスタ封入施設に関する許可申請として、環境法典及び原子力活動法の2つの法律に基づく3つの申請書の審査が並行して進められている(下記の囲みを参照)。

※使用済燃料処分場の実現に向けて審査中の申請書

①オスカーシャムにおけるキャニスタ封入施設の建設許可申請書
(2006年11月にSSMに提出、2011年3月16日更新)…原子力活動法に基づく申請
②フォルスマルクにおける使用済燃料の処分場の立地・建設許可申請書
(2011年3月16日にSSMに提出)…原子力活動法に基づく申請
③使用済燃料の処分方法及び関連施設の立地選定に係る許可申請書
(2011年3月16日に土地・環境裁判所に提出)…環境法典に基づく申請
口頭弁論カレンダ

口頭弁論カレンダ

今回、2017年9月に開催される口頭弁論は、環境法典に基づく使用済燃料の処分方法及び関連施設の立地選定に係る許可申請(上記囲みの③)の審理のために実施されるものである。口頭弁論のスケジュールについては、2017年9月5日から14日までの期間(8日間)はストックホルムで開催され、2017年10月2日から6日の期間(5日間)はオスカーシャム自治体において、2017年10月9日から13日の期間(5日間)はエストハンマル自治体で開催される。その後、2017年10月23日から27日までの期間(4日間)は再度、ストックホルムにおいて総括の意見陳述が行われる予定である。口頭弁論の結果に基づいて土地・環境裁判所は、SKB社が申請する処分事業を認めるか否かに関する意見書を政府に提出することになる。

口頭弁論の開催に先立って土地・環境裁判所は、SKB社が計画する処分事業に関係する規制・行政機関、地方自治体、環境団体などから意見書を収集している。このうち、原子力安全・放射線防護の規制機関である放射線安全機関(SSM)は、2016年6月に、SKB社は安全要件を遵守して処分場を建設する能力を有しているとする意見書を土地・環境裁判所に提出している

SKB社の処分事業に関しては、原子力活動法に基づく放射線安全機関(SSM)による審査も並行して行われている(上記囲みの①②)。SSMも政府に対して意見書を提出することになっており、土地・環境裁判所が政府に意見書を提出するのと同時期になるよう調整が図られることになっている。

土地・環境裁判所と放射線安全機関(SSM)から政府への意見書が提出された後、政府が判断を行うには、環境法典の規定により、地元のエストハンマル自治体とオスカーシャム自治体の議会がSKB社の計画する処分事業を承認していることが条件となっている。使用済燃料の処分場が立地されるフォルスマルクがあるエストハンマル自治体は、2017年4月に、自治体としての判断を行う際の参考とするため、住民投票を2018年3月4日に行うことを決定している。使用済燃料の処分事業の実施可否は、SSM及び土地・環境裁判所の意見書や自治体の承認を踏まえて、最終的に政府が判断することになる

【出典】

【2017年9月21日追記】

スウェーデン核燃料・廃棄物管理会社(SKB社)が2011年3月に提出した環境法典に基づく申請書について、主要審理プロセスとなる口頭弁論が2017年9月5日から開始された。口頭弁論はのべ5週間にわたって開催されるが、ストックホルムで開催される前半の第2週目までの日程が2017年9月14日に終了した。次の口頭弁論は会場を移し、2017年10月2日からオスカーシャム自治体で、2017年10月9日からエストハンマル自治体で開催される。

ストックホルムで2017年9月5日から14日の期間に開催された口頭弁論は、ナッカ土地・環境裁判所の近くの会議場において公開形式で行われた。SKB社が申請している使用済燃料の処分方法、使用済燃料処分場などの関連施設の立地選定、処分場の閉鎖後の安全に関して、SKB社のほか、処分場建設予定地が所在するエストハンマル自治体、放射線安全機関(SSM)、環境団体などが意見陳述を行った。エストハンマル自治体は、使用済燃料処分場の受け入れに関する住民投票を2018年3月4日に実施する予定であり、今回の口頭弁論においては正式な意思表示を行わないことを説明した。

SKB社は、2017年9月8日付け及び9月15日付けのプレスリリースにおいて、2017年9月5日から14日の期間での口頭弁論の概要を以下のように紹介している。

開催日 概要
9月5日(火)
  • 使用済燃料の処分方法、使用済燃料処分場などの関連施設の立地選定に係る許可申請についてSKB社が意見陳述
  • 放射線安全機関(SSM)やその他の政府機関、オスカーシャム自治体はSKB社に賛成、環境保護団体は反対を表明。エストハンマル自治体は住民投票まで態度を保留
9月6日(水)
  • SKB社が使用済燃料の処分方法として申請したKBS-3概念やその他に研究した処分概念、サイト選定、閉鎖後の安全性、安全解析等について説明
9月7日(木)
  • SSMが、SKB社の処分概念やサイト選定、閉鎖後の安全性に対して実施した審査、及び同社が安全な処分システムを構築できるとした審査結果について説明
  • エストハンマル自治体が口頭弁論における同自治体の役割について説明
  • 複数の環境団体が、SKB社の処分方法やサイト選定、安全解析について意見陳述
9月8日(金)
  • 環境団体が、放射線、銅の腐食、深部における処分坑道等のテーマについて意見陳述し、SKB社に対して質問を提示
9月11日(月)
  • SKB社が無酸素環境における銅の腐食、沿岸部におけるサイトの選定、深部における処分坑道の掘削、放射線リスク等の質問に対して回答
  • ウプサラ大学が無酸素環境における銅の腐食に関する研究結果を提示
9月12日(火)
  • SKB社がベントナイト、緩衝材における亀裂、岩盤の圧力、地震、キャニスタの耐久性、閉鎖後の安全性等について説明
  • SKB社が使用済燃料処分場の立地選定について説明
9月13日(水)
  • SKB社がベントナイト、緩衝材における亀裂、岩盤の圧力、地震、キャニスタの耐久性、閉鎖後の安全性等について説明
  • SKB社が、フォルスマルクのバックグラウンド放射線量、地球潮汐、処分場閉鎖方法等の質問について回答
  • 処分場の閉鎖後の責任や環境影響評価手続についてSKB社等が説明
9月14日(木)
  • 土地・環境裁判所がSSMに対して、生物多様性や生態系に対する長期的な影響について質問
  • 土地・環境裁判所がSKB社に対して、原子力活動法と環境法典に基づき並行して進められている許認可手続きについて質問
  • SKB社が無酸素環境における銅の腐食への対応方法やそれが処分場の長期安全性に影響を与えないとする理由について説明

【出典】

 

【2017年10月20日追記】

スウェーデンにおける原子力安全・放射線防護の規制機関である放射線安全機関(SSM)は、2017年10月17日付のプレスリリースにおいて、スウェーデン核燃料・廃棄物管理会社(SKB社)による環境法典に基づく使用済燃料の処分方法及び関連施設の立地選定に係る申請に関して、土地・環境裁判所が実施している口頭弁論におけるSSMの役割を示した。

SSMはプレスリリースにおいて、2017年10月23日からストックホルムで開催される口頭弁論でSSMは、SKB社が申請している使用済燃料の処分計画において現時点で残存している不確実性を概括的に説明した上で、このような不確実性を伴う処分計画を実施に移しうる理由を陳述することになるとの認識を明らかにした。また、SSMが土地・環境裁判所から意見陳述を求められている事項を以下のように説明している。

  1. 処分場閉鎖後の放射線安全に関して、環境法典(第2章第1条)において規定されている事業実施者の立証責任の裏付けはどのようにあるべきか。
  2. 上記との関連において、処分場閉鎖後の放射線安全の立証要件は、原子力安全と放射線防護に関してSSMが定めている規則とどのように関係しているのか。
  3. 環境法典に基づく許可と原子力活動法に基づく許可の関係性を踏まえた上で、環境法典に基づいて土地・環境裁判所が設定する許可条件において、放射線防護に係る許可条件を一定期間にわたって定めずにおく観察期間を設定することは適切かつ必要であるか否か。また、そのような観察期間を設定する場合、何を観察の対象とすべきか。さらに、観察期間において事業者から報告してもらう事項及びその継続期間の長さをどのように定めるべきか。
  4. 事業が許可された場合、原子力活動法による規制下においてSKB社は、今後も段階的に調査・試験を行って処分場に関する様々な立証活動を実施していく必要がある。そのような状況において、処分場に関する未解明の不確実性について、SSMが現時点において概括的に説明することが可能であるか否か。
  5. 不確実性が残存しているにもかかわらず、環境法典の下でSKB社が申請している事業活動を許可しうると判断する理由をSSMが説明できるか否か。

【出典】

 

【2017年10月30日追記】

スウェーデン核燃料・廃棄物管理会社(SKB社)が2011年3月に提出した環境法典に基づく申請書について、土地・環境裁判所による主要審理プロセスとなる口頭弁論が2017年9月5日から合計で5週間にわたって行われ、10月26日に終了した。土地・環境裁判所は、政府への意見書を2017年12月20日に提出する予定である。

SKB社のプレスリリースによれば、口頭弁論の最終日には、SKB社が計画する処分事業に関係する規制・行政機関、地方自治体、環境団体などから、SKB社が申請書において提示した実施条件や予防措置等の下で事業許可を発給しうるか否か(許容性)に関する意見陳述が行われた。このうち、オスカーシャム自治体、放射線安全機関(SSM)、環境保護機関(Swedish EPA)及びウプサラ県域執行機関(国の地方出先機関の一つであり、使用済燃料処分場の建設予定地フォルスマルクがあるエストハンマル自治体を含むウプサラ県域を管轄)は、SKB社が提案する事業は、環境法典の下で許容可能であるとの見解を示した。また、エストハンマル自治体は、使用済燃料処分場の受け入れに関する住民投票を2018年3月4日に実施する予定であり、今回の口頭弁論においては正式な意思表明を行わないとしているが、オスカーシャム自治体とともに、SKB社が口頭弁論で行った説明の内容や見解は、自治体側の理解に沿ったものであるとの認識を表明したとされている。

【出典】

 

【2017年12月12日追記】

スウェーデン核燃料・廃棄物管理会社(SKB社)による環境法典に基づく使用済燃料の処分方法及び関連施設の立地選定に係る許可申請書に関して、審理を行っているナッカ土地・環境裁判所は、2017年10月26日に終了した口頭弁論に係る政府への意見書の提出日について、当初予定していた2017年12月20日から、2018年1月23日に延期したことを公表した。

【出典】


  1. KBS-3概念とは、スウェーデンで開発された使用済燃料の処分概念であり、使用済燃料を銅製のキャニスタに封入し、処分坑道の床面に掘削した処分孔に定置して、キャニスタの周囲を緩衝材(ベントナイト)で囲うというもの。本概念を検討した報告書の略称に由来しており、フィンランドも同様の概念を採用している。 []

スウェーデンの規制当局である放射線安全機関(SSM)は、2017年6月30日付のプレスリリースにおいて、原子力発電所の廃止措置、放射性廃棄物の処分等に係る基金(原子力廃棄物基金)への拠出金の単価について、政府(環境省)への提案に先立って、原子力発電事業者等の見解を聴取するため、2018~2020年に適用される単価の試算値を公表した。SSMは、原子力発電電力量1kWh当たりの平均で、現行の拠出単価である4.0オーレ(0.48円)に対して、2018~2020年の拠出単価を6.4オーレ(0.77円)とする試算結果を示している。

表 原子力廃棄物基金への拠出単価の変化
原子力発電所  2015~2017年の拠出単価
(2014年政府決定額)
 2018~2020年の拠出単価
(SSM提案)
 フォルスマルク  3.9オーレ/kWh  4.5オーレ/kWh
 オスカーシャム  4.1オーレ/kWh  8.0オーレ/kWh
 リングハルス  4.2オーレ/kWh  6.8オーレ/kWh

拠出単価が増加する主な要因は、原子力発電事業者が計4基の原子炉を早期に閉鎖するとしている運転計画の変更である。現行の拠出単価(2015~2017年に適用)が設定された2014年時点では、3カ所の原子力発電所(フォルスマルク、オスカーシャム及びリングハルス)において原子炉10基が運転されていたが、その後、電力需要の低迷や運転コストの増加を背景として、原子力発電事業者が計4基の原子炉を早期に営業運転を終了する方針に転じている。オスカーシャム原子力発電所の3つの原子炉のうち、出力増強工事のために停止していた2号機は再稼働せずに2015年12月に閉鎖されたほか、1号機も2017年6月17日に閉鎖された。また、リングハルス原子力発電所の1、2号機は、それぞれ2020年6月、2019年7月に営業運転を終了する予定である。これらの早期に閉鎖される原子炉の廃止措置の開始が早まることにより、オスカーシャムとリングハルスの各原子力発電事業者に適用される拠出単価が大幅に増加する結果となっている。

■資金確保制度の改定

今回の放射線安全機関(SSM)による原子力廃棄物基金への拠出単価の提案では、政府が2017年6月1日付でスウェーデン議会(国会)に提出した資金確保法令の改正案の内容を織り込んだ形で試算を行っている。現行の法制度では、原子炉運転期間40年までに発生する使用済燃料や放射性廃棄物を処分するために必要な費用に基づいて、原子力発電会社ごとに発電電力量1kWh当たりの拠出単価を決定する仕組みであるが、今回のSSMの試算では、原子炉運転期間を50年として拠出単価を試算している。

スウェーデンでは、今後2020年頃に運転中の原子炉の多くが運転期間40年を超過する。こうした状況から、SSMは、2016年10月14日に取りまとめた政府への報告書において、資金確保制度で想定する原子炉運転期間を50年に引き延ばす提案を行っていた。SSMは今回の拠出単価の試算に先立ち、原子力発電事業者が共同出資して設立したスウェーデン核燃料・廃棄物会社(SKB社)に対し、原子炉運転期間を40年と50年とした2ケースについて、それぞれの原子炉運転終了時点までに発生する使用済燃料と放射性廃棄物の発生量を評価し、それらの処分に必要となる将来費用をSSMに報告するように指示した。これを受けてSKB社は、将来費用の算定結果を2016年12月に報告書「プラン2016」としてSSMに提出していた。

なお、スウェーデンにおいては、資金確保制度で想定する原子炉運転期間(現行の制度では40年)を超えた以降に発生する使用済燃料等の処分費用については、原子力廃棄物基金への拠出金の支払いとは別に、原子力発電事業者が国に担保を預ける義務が導入されている。今後、資金確保制度で想定する原子炉運転期間を50年に改正された場合、従来は担保として預け入れていた資金は、今後、政府が決定する拠出単価に基づいて基金へ拠出する形に変わることになる。

【出典】

スウェーデンの使用済燃料処分の実施主体であるスウェーデン核燃料・廃棄物管理会社(SKB社)は2016年10月3日付けのプレスリリースにおいて、「放射性廃棄物の管理及び処分方法に関する研究開発実証プログラム2016」(以下「RD&Dプログラム2016」という)1 を取りまとめ、放射線安全機関(SSM)に提出したことを公表した。SKB社はRD&Dプログラム2016において、使用済燃料処分場の建設開始を2020年、実際の使用済燃料を収納したキャニスタを処分する試験操業の開始を2030年とする処分事業計画を示している。

使用済燃料の最終処分に向けた実施計画(SKB社 RD&Dプログラム2016より作成)

使用済燃料の最終処分に向けた実施計画(SKB社 RD&Dプログラム2016より作成)

使用済燃料の処分に向けて、SKB社は、2006年11月にSSMに対してオスカーシャムにおけるキャニスタ封入施設の建設許可申請書を、2011年3月にはSSM及び土地・環境裁判所に対してフォルスマルクにおける使用済燃料処分場の立地・建設許可申請書を提出している。SSM及び土地・環境裁判所はそれぞれ、SKB社による建設許可申請を認めるか否かに関する意見書を政府に提出することとなっており、SSMは意見書の提出は2017年内になるとの見通しを示している。SKB社がRD&Dプログラム2016で示した処分事業計画は、政府の許可発給が2018年に行われると想定したものとなっている。

SKB社は、今後の放射性廃棄物の処分事業計画に関して、原子力発電所の運転計画の変更を受けた使用済燃料の中間貯蔵容量の確保、並びに原子炉の廃止措置から発生する放射性廃棄物の処分容量の確保の重要性が高まっていることを指摘している。2015年にスウェーデンの原子力事業者2社は、東京電力(株)福島第一原子力発電所事故を受けた規制強化によるコスト増のほか、電力需要の低迷予測を受けて、2020年までにオスカーシャム原子力発電所1、2号機、リングハルス原子力発電所1、2号機の計4基の営業運転を終了するよう運転計画を変更している。SKB社は、使用済燃料の集中中間貯蔵施設(CLAB、1985年操業開始)の貯蔵容量を8,000トンから11,000トンに引き上げる申請を2015年3月に行っているほか、短寿命低中レベル放射性廃棄物処分場(SFR、1988年操業開始)を拡張する申請も2014年12月に行っている。SKB社は、SFRでは処分できない長寿命低中レベル放射性廃棄物の処分場(SFL)を2045年に操業開始するよう準備を進めており、それまでの期間においては、原子力発電所の廃止措置で発生する廃棄物の一部は、SFR内または原子力発電所敷地内で貯蔵する計画としている。

RD&Dプログラム2016に対するSSM等のレビュー

SSMは、2016年10月3日付けのプレスリリースにおいて、SKB社のRD&Dプログラム2016を受理したこと、RD&Dプログラム2016に対する意見募集を行うため、政府機関、大学・研究機関、原子力施設のある自治体、環境団体など約70の関係機関に送付したことを公表した。意見の募集期間は2016年12月31日までとされており、収集した意見を取りまとめた後、SSMはRD&Dプログラム2016に対する意見書を、2017年3月31日までに政府に提出するとしている。

【出典】


  1. RD&Dプログラムとは、使用済燃料を含む放射性廃棄物の安全な管理・処分、及び原子力施設の廃止措置に関する包括的な研究開発などの計画であり、原子力活動法に基づいて原子力発電事業者が3年毎に策定するよう義務づけられているものである。原子力発電事業者4社の委託によりSKB社が取りまとめを行っている。 []
図 フォルスマルクに建設予定の使用済燃料処分場のイメージ(SKB社提供)

フォルスマルクに建設予定の使用済燃料処分場のイメージ(SKB社提供)

スウェーデン核燃料・廃棄物管理会社(SKB社)が提出した使用済燃料最終処分場の立地・建設許可申請書等について、安全審査を行っている放射線安全機関(SSM)は2016年6月29日、土地・環境裁判所に対して、SKB社は安全要件を遵守して処分場を建設する能力を有しているとする意見書を提出した。

SKB社は、KBS-3概念1 と呼ばれる処分概念による使用済燃料の最終処分の実現に向け、2006年11月にオスカーシャムにおけるキャニスタ封入施設の建設許可申請書を提出し、その後、2011年3月にフォルスマルクにおける使用済燃料処分場の立地・建設許可申請書を提出した 。現在、スウェーデンにおける使用済燃料処分場及びキャニスタ封入施設に関する許可申請では、環境法典及び原子力活動法の2つの法律に基づく3つの申請書の審査が並行して進められている(下記の囲みを参照)。

※:使用済燃料処分場の実現に向けて審査中の申請書

①オスカーシャムにおけるキャニスタ封入施設の建設許可申請書
(2006年11月にSSMに提出済、2011年3月16日更新)…原子力活動法に基づく申請
②フォルスマルクにおける使用済燃料の処分場の立地・建設許可申請書
(2011年3月16日にSSMに提出)…原子力活動法に基づく申請
③使用済燃料の処分方法及び関連施設の立地選定に係る許可申請書
(2011年3月16日に土地・環境裁判所に提出)…環境法典に基づく申請

今回SSMが土地・環境裁判所に提出した意見書は、上記のうち③の環境法典に基づく使用済燃料の処分方法及び関連施設の立地選定に係る許可申請の審査に係わる意見書である。

SSMは、土地・環境裁判所に提出した意見書において、SKB社の許可申請に関して、以下のような総括的な評価結果を示している。

  • SKB社による環境影響評価書、及びその補足文書と原子力活動法に基づく許可申請書は、環境法典に基づく許可プロセスにおける原子力安全と放射線防護に関連する論点をSSMが評価するために十分な根拠となるものである。環境影響評価のための意見募集プロセスにおいて、SSMには見解を表明する機会が与えられ、SKB社はそれに対応してきた。
  • SKB社は、放射線から人間や環境を防護するため、環境法典第2章「配慮に関する一般規定」を遵守している、遵守する能力を有していることを立証している。
  • 使用済燃料の最終処分システムを構成しているキャニスタ封入施設及び処分場は、放射線から人間や環境を防護するために規定された放射線安全要件を遵守する能力を備えている。

また、SSMは、SKB社が、原子力安全と放射線防護の観点から、処分場の長期安全性を十分に立証したと評価しており、その根拠として以下の3点を挙げている。

  • 処分場として望ましいサイトとしてのフォルスマルクの選択の根拠
  • 最終処分方法の選択の根拠、及びそれが他の方法に比して望ましいとされる理由の説明
  • 放射線安全要件を遵守してキャニスタ封入施設及び処分場の建設・操業を行う能力

今後、土地・環境裁判所での審理手続きとして、2016年10月から12月の間で口頭弁論が実施される予定となっている。土地・環境裁判所での審理手続きの後、SSM及び土地・環境裁判所はそれぞれ、SKB社による申請を認めるか否かに関する意見書を政府に提出することとなっており、SSMは意見書の提出は2017年内になるとの見通しを示している。SKB社が計画している使用済燃料の処分事業の実施是非は、SSM及び土地・環境裁判所の意見書を踏まえて政府が判断することになる

【出典】


  1. KBS-3概念とは、スウェーデンで開発された使用済燃料の処分概念であり、使用済燃料を銅製のキャニスタに封入し、処分坑道の床面に掘削した処分孔に縦置きに定置して、キャニスタの周囲を緩衝材(ベントナイト)で囲うというもの。本概念を検討した報告書の略称に由来しており、フィンランドも同様な概念を採用している。 []
図 フォルスマルクに建設予定の使用済燃料処分場のイメージ(SKB社提供)

フォルスマルクに建設予定の使用済燃料処分場のイメージ(SKB社提供)

スウェーデン核燃料・廃棄物管理会社(SKB社)が提出した使用済燃料最終処分場の立地・建設許可申請書等について、審査を行っている放射線安全機関(SSM)及び土地・環境裁判所(MMD)は、2016年1月29日付で、SKB社が計画している使用済燃料の処分事業に関する関係機関や公衆からの意見募集を開始したことを公表した。審査を実施しているSSM及び土地・環境裁判所は、申請書の受理以降、SKB社に対して必要な情報の補足などを要求し、SKB社はこれに対応して必要な情報の補足等を行ってきた。今回の意見募集は、SSM及び土地・環境裁判所が、SKB社からの補足情報が出揃い、申請書の審査・審理を継続する上で十分であるとの判断により開始されることとなったものである。

スウェーデンでは、使用済燃料の最終処分の実現に向けて、SKB社が、KBS-3概念1 と呼ばれる処分概念による使用済燃料の最終処分の実現に向けて、2006年11月にオスカーシャムにおけるキャニスタ封入施設の建設許可申請書を、2011年3月にフォルスマルクにおける使用済燃料処分場の立地・建設許可申請書をそれぞれ提出している (下記の囲みを参照) 。現在、スウェーデンにおける使用済燃料処分場及びキャニスタ封入施設に関する許可申請では、環境法典と原子力活動法の2つの法律に基づく3つの申請書の審査が並行して進められている。

※:使用済燃料処分場の実現に向けて審査中の申請書

①オスカーシャムにおけるキャニスタ封入施設の建設許可申請書
(2006年11月にSSMに提出済、2012年3月16日更新)…原子力活動法に基づく申請
②フォルスマルクにおける使用済燃料の処分場の立地・建設許可申請書
(2011年3月16日にSSMに提出)…原子力活動法に基づく申請
③使用済燃料の処分方法及び関連施設の立地選定に係る許可申請書
(2011年3月16日に土地・環境裁判所に提出)…環境法典に基づく申請

今後、土地・環境裁判所による意見募集は2016年3月30日を締切として、SSMによる意見募集は2016年4月30日を締切として、書面による意見の受付が行われる。この際、SSMも土地・環境裁判所に意見書を提出することになる。その後、土地・環境裁判所での審理手続きとして、2016年10月から12月の間で口頭弁論が開催される予定となっている。土地・環境裁判所での審理手続きの後、SSM及び土地・環境裁判所はそれぞれ、SKB社による申請を認めるか否かに関する意見書を政府に提出することとなっており、SSMは意見書の提出は2017年内になるとの見通しを示している。SKB社が計画している使用済燃料の処分事業の実施是非は、SSM及び土地・環境裁判所の意見書を踏まえて政府が判断することになる。

なお、SSMは原子力活動法に基づく使用済燃料のキャニスタ封入施設及び処分場に関する申請書に関する安全審査を進めており、SSMは2015年6月に第1回、同年11月には第2回の最終処分場の立地・建設許可申請書 に対する安全審査の中間結果を公表している。SSMは、使用済燃料処分場建設予定地であるフォルスマルクは、放射線安全の観点から最も適切なサイトであると評価しており、SKB社の使用済燃料処分の方法についても、慎重ながらも肯定的な見方をしていることを明らかにしている。

【出典】


  1. スウェーデンで開発された使用済燃料の処分概念であり、使用済燃料の集合体を銅製のキャニスタに封入し、処分坑道の床面に掘削した処分孔に縦置きでキャニスタを収納して、キャニスタの周囲を緩衝材(ベントナイト)で囲うというもの。KBS-3という名称は、本概念を検討した報告書の略称に由来しており、フィンランドも同様な概念を採用している。 []

スウェーデンの放射性廃棄物処分の規制監督機関である放射線安全機関(SSM)は、2015年6月24日付のプレスリリースにおいて、スウェーデン核燃料・廃棄物管理会社(SKB社)が提出していた使用済燃料処分場の立地・建設許可申請書に対する安全審査について、その第一回目となる中間結果を公表した。SSMは、今回示した結果は中間的なものであり、全体的な結論に至るには早すぎるとしつつも、SKB社が進めている処分概念に対して、慎重ながらも肯定的な見方であることを示した。

SKB社は、KBS-3概念1 と呼ばれる処分概念による使用済燃料の最終処分の実現に向け、2006年11月にはオスカーシャムにおけるキャニスタ封入施設の建設許可申請書を提出し、その後、2011年3月にフォルスマルクにおける使用済燃料処分場の立地・建設許可申請書を提出した 。現在、スウェーデンにおける使用済燃料処分場及びキャニスタ封入施設に関する許可申請では、環境法典及び原子力活動法の2つの法律に基づく3つの申請書の審査が並行して進められている(下記の囲みを参照)。

※:使用済燃料処分場の実現に向けて審査中の申請書

①使用済燃料の処分方法及び関連施設の立地選定に係る許可申請書
(2011年3月16日に土地・環境裁判所に提出)…環境法典に基づく申請
②オスカーシャムにおけるキャニスタ封入施設の建設許可申請書
(2006年11月にSSMに提出済、2011年3月16日更新)…原子力活動法に基づく申請
③フォルスマルクにおける使用済燃料処分場の建設許可申請書
(2011年3月16日にSSMに提出)…原子力活動法に基づく申請

今回、SSMは、第一回目となる中間結果として、①「使用済燃料の処分施設の建設・操業」、②「長期の放射線安全に係る処分場の初期状態及び建設・操業のフィージビリティ」に関する2つの中間報告書を公表した。SSMは、処分場の建設・操業期間に行われる岩盤の掘削や地下施設におけるキャニスタの搬送・定置等の活動について、SSMが定める原子力安全及び放射線防護に関する基準を満たすことをSKB社は立証しているとの予備的な見解を示している。また、処分場閉鎖後の安全解析の開始時点となる初期状態についても、銅製キャニスタの製造に関連した課題があるものの、慎重ながら肯定的な見方をしているとのSSMの考えを示している。また、最低でも10万年という期間にわたって放射線安全の要件が満たされうるかという質問に対してSSMが見解を示せるようになるには、安全審査にさらに時間が必要としている。

今後の安全審査のスケジュールについてSSMは、次の中間結果を2015年内に公表し、2016年春にSKB社の立地・建設許可申請の全体に対する意見を土地・環境裁判所に提出し、2017年に包括的な最終審査結果を政府に提出するとしている。

【出典】

【2015年11月18日追記】

スウェーデンの放射性廃棄物処分の規制監督機関である放射線安全機関(SSM)は、2015年11月17日付のプレスリリースにおいて、スウェーデン核燃料・廃棄物管理会社(SKB社)が提出していた使用済燃料処分場の立地・建設許可申請書 に対する安全審査の第二回目の中間結果を公表した。

SSMは、長期安全性の観点から、SKB社が行った代替サイトの適合性の評価を含めてサイト選定プロセス自体の精査を行っており、今回の中間結果において、処分場建設予定地であるフォルスマルクは岩盤の亀裂が限定的であり、地下水流動が小さいことから、放射線安全の観点からの評価として、使用済燃料処分場のサイトとして最も適切なサイトであるとしている。また、SSMは、将来の処分場からの放射性物質の放出による影響評価に関して、SKB社が用いた方法についても審査を継続しており、現時点では、慎重ながらも肯定的な見方をしていることを示している。

【出典】


  1. KBS-3概念とは、スウェーデンで開発された使用済燃料の処分概念であり、使用済燃料を銅製のキャニスタに封入し、処分坑道の床面に掘削した処分孔に縦置きに定置して、キャニスタの周囲を緩衝材(ベントナイト)で囲うというもの。本概念を検討した報告書の略称に由来しており、フィンランドも同様な概念を採用している。 []

スウェーデン核燃料・廃棄物管理会社(SKB社)は、2015年1月19日付けのプレスリリースにおいて、使用済燃料のキャニスタ封入施設の建設許可申請の補足書を提出したことを公表した。今回の補足書は、2011年3月の東京電力(株)福島第一原子力発電所事故後に実施されたストレステスト(原子力施設の安全性に関する総合評価)で特定された脆弱性対策に当たるものであり、建屋の耐震性の強化のほか、予備冷却システムを追加するといった設計変更を行うものである。SKB社は、キャニスタ封入施設を既存の集中中間貯蔵施設(CLAB、1985年操業開始)に隣接して建設する計画であり、これら2施設を一体としてCLINKと呼んでいる。また、SKB社はCLINKでの使用済燃料の貯蔵容量を11,000トンに拡張するための申請を別途行う予定であることを明らかにした1

CLINKの概念図(SKB社資料より引用)

CLINKの概念図(SKB社資料より引用)
※使用済燃料の中間貯蔵施設(CLAB)は1985年から操業しており、図に示すとおり、地下にある2つのプールとその真上にある建屋で構成されている。図の右側の建屋が新たに建設予定のキャニスタ封入施設であり、これら2施設を一体でCLINKと呼ぶ。

SKB社のキャニスタ封入施設の建設許可申請の補足書の提出を受けて放射線安全機関(SSM)は、2015年1月20日のプレスリリースにおいて、今回のSKB社のキャニスタ封入施設(CLINK)の建設許可申請の補足書は大幅な変更を含むものであり、この他にも春頃に別の補足書の提出がなされる予定があることを明らかにした。また、使用済燃料処分場の立地・建設許可申請に対する意見募集が進行中であることから、これらの申請書に関する協議期間を2016年1月31日まで延長する決定を行っている。

SKB社は、KBS-3概念2 による使用済燃料の最終処分の実現に向けて、以下に示すように、2006年11月にオスカーシャムにおけるキャニスタ封入施設の建設許可申請書を、2011年3月にフォルスマルクにおける使用済燃料処分場の立地・建設許可申請書をそれぞれ提出している(下記の囲みを参照)。現在、スウェーデンにおける使用済燃料処分場及びキャニスタ封入施設に関する許可申請では、環境法典と原子力活動法の2つの法律に基づく3つの申請書の審査が並行して進められている。

※:使用済燃料処分場の実現に向けて審査中の申請書

①使用済燃料の処分方法及び関連施設の立地選定に係る許可申請書
(2011年3月16日に土地・環境裁判所に提出)…環境法典に基づく申請
②オスカーシャムにおけるキャニスタ封入施設の建設許可申請書
(2006年11月にSSMに提出済、2011年3月16日更新)…原子力活動法に基づく申請
③フォルスマルクにおける使用済燃料処分場の建設許可申請書
(2011年3月16日にSSMに提出)…原子力活動法に基づく申請

【出典】

【2015年4月20日追記】

放射線安全機関(SSM)は、2015年4月14日付けのプレスリリースにおいて、スウェーデン核燃料・廃棄物管理会社(SKB社)が提出していた使用済燃料の集中中間貯蔵施設・キャニスタ封入施設(CLINK)の建設許可申請について、安全審査を開始したことを公表した。SKB社は、2015年3月31日に、CLINKにおける使用済燃料の貯蔵容量を8,000トンから11,000トンに引き上げる追加の補足書をSSMに提出しており、SKB社から提出予定があった補足書が出揃ったことを受けたものである。

なお、SKB社は、環境法典に基づく申請書及び原子力活動法に基づく申請書への補足書を、それぞれ土地・環境裁判所及びSSMに提出し、受理されている。

SSMのプレスリリースによると、SSMは、原子力活動法に基づく申請書に関する審査意見書を2017年に政府へ提出する予定である。

【出典】

【2016年3月25日追記】

放射線安全機関(SSM)は、2016年3月23日付のプレスリリースにおいて、スウェーデン核燃料・廃棄物管理会社(SKB社)が提出していた使用済燃料の集中中間貯蔵施設・キャニスタ封入施設(CLINK)の建設許可申請について、安全審査の中間結果として、CLINKの安全審査書を公表した。使用済燃料のキャニスタ封入技術に関する評価については、今後SSMが土地・環境裁判所に意見書を提出する2016年春に公表するとしている。

SSMは、今回の中間結果において、SSMが定める放射線安全に関する基準を遵守するようにCLINKを建設・操業する能力をSKB社が有していると評価している。また、使用済燃料の貯蔵容量を拡大する(8,000トンから11,000トンへ引き上げ)には、現在、プール内において保管している炉内構造物を別の場所に移す必要があるが、炉内構造物の保管場所を変更する前に、別途の許可申請を行う必要性があることを指摘している。

なお、SSMは、オスカーシャムにおけるCLINKの建設と、フォルスマルクにおける使用済燃料の処分場の立地・建設とを併せた、KBS-3概念による使用済燃料の最終処分場の全体の安全審査を進めている。SSMは、最終処分場の立地・建設許可申請書 に対する安全審査について、2015年6月に第1回の、同年11月には第2回の中間結果を公表しており、2017年に包括的な最終審査結果を政府に提出するとしている

【出典】


  1. 既存の使用済燃料貯蔵施設(CLAB)の貯蔵容量は8,000トンであるが、使用済燃料を稠密に配置するなどの方法により、地下プールを増設せずに11,000トンまで貯蔵可能になるとしている。 []
  2. スウェーデンで開発された使用済燃料の処分概念であり、使用済燃料の集合体を銅製のキャニスタに封入し、処分坑道の床面に掘削した処分孔に縦置きでキャニスタを収納して、キャニスタの周囲を緩衝材(ベントナイト)で囲うというもの。本概念を検討した報告書の略称に由来しており、フィンランドも同様な概念を採用している。 []

スウェーデン核燃料・廃棄物管理会社(SKB社)は、2014年12月19日付けのプレスリリースにおいて、短寿命低中レベル放射性廃棄物処分場(SFR)の拡張に関して、環境法典に基づく申請書を土地・環境裁判所に、原子力活動法に基づく申請書を放射線安全機関(SSM)に提出したことを公表した。SKB社が操業するSFRは、ストックホルムの北120kmのエストハンマル自治体フォルスマルクにあり、原子力発電所の運転廃棄物を1988年から受け入れ、処分している。SKB社は、原子力発電所の運転期間の延長への対応のほか、原子力発電所の廃止措置が今後本格的に開始されることを踏まえ、既存部分との合計で約171,000m3の処分容量を確保する計画である。

SFRの拡張計画(SKB社提供)

SFRの拡張計画(SKB社提供)

SFRは、バルト海の浅い海岸部(水深は約5m)の約60m以深の岩盤内に設置されており、1つのサイロと4つの処分坑道で構成されている(図の右側の灰色部分)。当初約63,000m3の低中レベル放射性廃棄物を処分できるように建設され、1988年から原子力発電所の運転に伴って発生する廃樹脂、雑固体などの短寿命運転廃棄物と呼ばれる放射性廃棄物を処分しているほか、医療、研究、産業で発生した放射性廃棄物も受け入れて処分している。

今回の拡張では地下約120mに6つの処分坑道、108,000m3を増設(図の左側の青色部分)することにより、既存部分との合計で約171,000m3の処分容量となる。拡張部分は、主として廃止措置廃棄物の処分用区画であるが、運転廃棄物の一部も処分される。また、SFRの既存部分でも、廃止措置廃棄物の一部が処分される。また、原子炉の炉心を収める圧力容器(RPV)を処分区画に運搬できるように、大断面のアクセス坑道が新たに建設される。SKB社は、SFRの拡張部分の建設を2017年から開始し、2023年から廃棄物の受け入れを実施する計画である。

なお、SFRが立地するエストハンマル自治体フォルスマルクでは、SKB社が使用済燃料処分場を立地・建設する計画であり、SKB社が2011年3月に提出した環境法典に基づく申請書と原子力活動法に基づく申請書がそれぞれ土地・環境裁判所、放射線安全機関(SSM)において審査が行われている。このうち、SSMによる安全審査については、2015年にSSMが政府へ審査意見を提出する予定である

【出典】

 

【2016年7月6日追記】

スウェーデン核燃料・廃棄物管理会社(SKB社)は、2016年7月4日付けのプレスリリースにおいて、短寿命低中レベル放射性廃棄物処分場(SFR)の拡張に関して、環境法典及び原子力活動法のそれぞれに基づく審査の過程で放射線安全機関(SSM)等から提出された意見に対応するために、許可申請書の補足書を提出したことを公表した。SSM等はSKB社に対して、SFRの拡張が環境に及ぼす影響の明確化や追加説明を要求していた。SSM及び土地・環境裁判所で進行中の審査はあと数年を要する見通しであり、それらの結果が示された後で、地元エストハンマル自治体がSFR拡張プロジェクトの受け入れ是非を判断し、地元の受け入れ意思を確認した上で政府決定として許可が発給されることになる。SFRの拡張部分の建設には許可発給を受けてから約6年間を要する見込みである。

なお、エストハンマル自治体のフォルスマルクでは、SKB社が使用済燃料処分場を立地・建設する計画であり、SSMによる安全審査が大詰めを迎えている。SKB社が2011年3月に行った処分場の立地・建設許可申請について、SSMは2016年6月29日に土地・環境裁判所に対して意見書を提出している。今後、SSM及び土地・環境裁判所はそれぞれ、SKB社による申請を認めるか否かに関する意見書を政府に提出することとなっており、政府決定の前には使用済燃料処分場の立地・建設に関するエストハンマル自治体の受け入れ意思の確認が行われる。SSMは政府への意見書を2017年に提出する予定である

【出典】

 

【2017年12月12日追記】

放射線安全機関(SSM)及びスウェーデン核燃料・廃棄物管理会社(SKB社)は、2017年12月11日付けのプレスリリースにおいて、SSM及び土地・環境裁判所による短寿命低中レベル放射性廃棄物処分場(SFR)の拡張のための申請書に対する審査について、関係機関や公衆からの意見募集を開始することを公表した。

SKB社の申請書に対して原子力活動法に基づく審査を行っているSSMは、2017年12月11日付けのプレスリリースにおいて、SFRを拡張するSKB社の計画に対する公衆からの意見募集を2018年3月11日まで行うことを公告した。SSMは意見募集の結果も踏まえて、SKB社の申請を認めるか否かに関する意見書を2019年に政府に提出する予定としている。

また、SFRの拡張のための申請については、SSMの審査と並行して、ナッカ土地・環境裁判所が環境法典に基づく審理を実施している。ナッカ土地・環境裁判所は今後、関係行政機関や環境団体、公衆から意見募集を2018年3月19日まで実施した後、2018年11月から12月に口頭弁論を開催する予定である。口頭弁論の後、土地・環境裁判所も政府に対して意見書を提出する。SFRの拡張の実施可否は、SSM及び土地・環境裁判所の意見書等を踏まえて、最終的に政府が判断することになる。

【出典】

スウェーデンの規制当局である放射線安全機関(SSM)は、2014年6月27日付のプレスリリースにおいて、政府に原子力発電所の廃止措置、放射性廃棄物の処分等に係る基金への拠出金の単価の提案を行うのに先立って、原子力発電事業者等の見解を求めるため、2015年に適用される単価の試算値を公表した。

スウェーデンでは原子力発電所の廃止措置や放射性廃棄物の処分等の将来に必要となる費用を確保するための基金制度が確立されている。原子力発電事業者は、3年毎に政府が定める発電電力量1kW当たりの単価(事業者別に設定)に基づいて、実際の原子力発電電力量に応じて原子力廃棄物基金に拠出金を納付することになっている1 。現在、次の3年間に当たる2015~2017年における適用単価の設定が進められている2

SSMは、原子力発電事業者が共同出資して設立したスウェーデン核燃料・廃棄物会社(SKB社)が2014年1月に報告書「プラン2013」として取りまとめた将来費用の見積りを評価した結果、原子力発電電力量1kWh当たり平均で、現行の2014年の適用単価である2.2オーレ(0.33円)に対して、2015年の適用単価を3.8オーレ(0.57円)に引き上げることを提案している。単価の引き上げ理由として、原子力廃棄物基金の運用益が低迷する見込みであることのほか、SKB社が「プラン2013」において報告した2015年以降の将来費用が増加していることを挙げている。

SSMは、今回の提案に先立ち、SKB社の報告書「プラン2013」の評価を政府の専門機関である経済分析庁(NIER)に委託している。NIERは、SKB社の廃止措置及び最終処分の費用について、見積られた将来費用が少なくとも110億スウェーデン・クローネ(1,650億円)過小評価となっている可能性があることから、異なる算出方法で将来費用を見積るべきとの意見をSSMに提出している。これを受けてSSMは、今回は2015年に適用する単価のみを提案するにとどめ、2016年と2017年に適用する単価は、SKB社が新たに行う費用見積りの提示を受けた後で別途提案する考えである。

SSMは、今回のSSMの試算値及び提案に対する意見を踏まえた上で、2014年10月に政府に対する正式な提案書を取りまとめる予定としている。

なお、SSMは、今回のプレスリリースとともに公表した補足資料において、スウェーデンで運転中の3カ所の原子力発電所(リングハルス、オスカーシャム及びフォルスマルク)の廃止措置費用見積りに対する概括的な分析を英国の原子力廃止措置機関(NDA)に委託して実施したことを明らかにした。NDAは、英国における原子力発電所の廃止措置の計画策定や作業管理の経験を数多く有することから、スウェーデンでの廃止措置費用確保において考慮すべきリスクや不確実性に限定して評価意見を求めたとしている。NDAがSSMに提出した報告書では、スウェーデンで用いられているコスト評価のモデル及び方法論は、英国での方式と概ね合致しており、妥当であるとしている。ただし、現在適用されている費用算出の方法論に関しては、適用範囲を明確化することによって、費用見積り全体に対する信頼性を向上しうる部分が多くあること指摘している。

【出典】

【2014年10月15日追記】

スウェーデンの放射線安全機関(SSM)は、2014年10月13日付のプレスリリースにおいて、政府に原子力発電所の廃止措置、放射性廃棄物の処分等に係る原子力廃棄物基金への拠出金の単価の提案を行ったことを明らかにした。SSMは、原子力発電電力量1kWh当たりの平均で、現行の2014年の適用単価である2.2オーレ(0.33円)に対して、2015年の適用単価を4.0オーレ(0.6円)に引き上げることを提案している。

適用単価の引き上げの主な理由として、SSMは以下の3点を挙げている。

  • 廃止措置費用と処分費用の見積額が増加傾向にあること。
  • 原子力廃棄物基金の運用益の低下が見込まれること。
  • 適用単価の設定時に仮定した原子力発電電力量の推移よりも実績が低くなる傾向が続いており、原子力発電電力量に応じた原子力廃棄物基金への拠出額が今後も想定を下回ると考えられること。

【出典】

【2014年12月22日追記】

スウェーデン政府は、2014年12月18日付のプレスリリースにおいて、原子力発電所の廃止措置、放射性廃棄物の処分等に係る基金への拠出金の単価を公表した。2015~2017年の拠出金の単価は、原子力発電電力量1kWh当たり平均で4.0オーレ(0.6円)と決定された。拠出金の単価は、放射線安全機関(SSM)が2014年10月に提案していた単価と同額であるが、適用期間については、SSMが2015年1年間を適用期間とするよう提案したのに対して、政府決定では2015~17年の3年間が適用期間とされている。

【出典】


  1. 拠出金額は原子炉を40年運転する場合に発生する使用済燃料や放射性廃棄物を処分するために必要な費用を基にして、原子力発電会社ごとに発電電力量1kWh当たりの単価として決定される。また、資金確保法の1995年の改正により、基金への拠出金とは別に、原子炉を40年以上運転する場合に発生する追加費用等を電力会社が担保の形で預ける義務が導入されている。 []
  2. 資金確保令の第3条では、放射線安全機関(SSM)が、原子力発電事業者等が作成する費用見積りが提出される年の翌年から3年間において、それぞれの原子力発電事業者が拠出及び担保すべき額を提案すると規定されているが、第7条では、「放射線安全機関は、補足的な費用見積りが提出されたか、特別な理由がある場合には、第6条に基づく提案を3年より短い期間を対象として策定できる。」と規定されている。 []

スウェーデンの放射性廃棄物処分の規制監督機関である放射線安全機関(SSM)は、2014年4月10日付のプレスリリースにおいて、使用済燃料の処分に関する公衆の理解状況1 を確認するために実施した世論調査の結果を公表した。この世論調査は、処分プロジェクトや安全審査に関する公衆への情報提供の必要性を検討する一環として、SSMが外部の調査会社を活用して実施したものである。

今回の世論調査では、2013年12月4日から2014年1月3日にかけてインターネット上に用意した質問票に回答する方式によって、スウェーデン国内3,543名から回答を得ている。この調査結果によると、スウェーデン国民の67.6%が使用済燃料処分場の計画の存在を認識しており、提案されている処分方法についても42.2%が正しく回答しているものの、その計画に対して最終決定を行うのは政府であることを正しく理解している割合は17.4%と低かった。SSMは、使用済燃料の処分は社会的に重要な問題であり、この問題に関する知識をスウェーデン国民に広く届ける必要があるとしている。

〇スウェーデンにおける使用済燃料処分場の審査プロセス

SSMは現在、2011年3月に使用済燃料処分の実施主体であるスウェーデン核燃料・廃棄物管理会社(SKB社)が提出した、エストハンマル自治体のフォルスマルクでの使用済燃料処分場の立地・建設許可申請書の安全審査を行っている 。スウェーデンにおける使用済燃料処分場の立地・建設許可申請では、環境法典と原子力活動法の二つの法律に基づく3つの申請書の審査が並行して進められている。

※:使用済燃料処分場の実現に向けて審査中の申請書

①使用済燃料の処分方法及び関連施設の立地選定に係る許可申請書
(2011年3月16日に土地・環境裁判所に提出)…環境法典に基づく申請
②オスカーシャムにおけるキャニスタ封入施設の建設許可申請書
(2006年11月にSSMに提出済、2011年3月16日更新)…原子力活動法に基づく申請
③フォルスマルクにおける使用済燃料の処分場の建設許可申請書
(2011年3月16日にSSMに提出)…原子力活動法に基づく申請

環境法典に基づく申請(枠内①)を審理する土地・環境裁判所は、案件に関係する様々な行政機関、自治体、環境団体等に意見書の提出を求めており、SSMも自身の見解を提出することになっている。原子力活動法に基づく許可が必要な案件の場合、土地・環境裁判所が直ちに判決の形で許可発給を行うことはできず、政府の判断を仰ぐ必要がある。

一方、原子力活動法に基づく申請(枠内②③)を審査するSSMも、安全審査において案件に関係する様々な行政機関、自治体、環境団体等に意見書を求め、使用済燃料の処分場とキャニスタ封入施設に関する安全審査を行うが、SSMは許可発給権を持たない。SSMは審査意見を政府に提出し、許可発給は政府が行うことになっている。

環境法典、原子力活動法のいずれの法律に基づく審理・審査プロセスにおいても、最終的には政府の判断がなされる必要があり、この時期の調整が図られている。SSMのプレスリリースによれば、SSMが政府に審査意見を提出する時期は2015年の予定である。

 

【出典】



  1. 今回の世論調査は「地層処分に賛成・反対」の態度ではなく、使用済燃料処分について国民がどの程度知っているか、何を知っていて、何を知りたいと思っているか、誰(政治家・規制機関)の判断を信頼できると考えているかを探るものとなっている。 []