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§ 2021年12月24日 発行 海外情報ニュースフラッシュ

スウェーデン政府がSKB社の短寿命低中レベル放射性廃棄物処分場拡張計画を承認

スウェーデン政府は2021年12月22日付けプレスリリースにおいて、スウェーデン核燃料・廃棄物管理会社(SKB社)が2014年12月に提出した短寿命低中レベル放射性廃棄物処分場(SFR)の拡張許可申請に関して 、拡張を承認する決定を行ったことを公表した。今回の政府決定を受けて本案件は、スウェーデンにおける原子力安全・放射線防護の規制機関である放射線安全機関(SSM)と、環境法典に基づく審理を実施したナッカ土地・環境裁判所に戻され、各組織によってSFR拡張に伴う地下施設の建設工事等の計画の実施に関する許可条件が決定されることとなっている。

今回の政府決定の前に安全審査を実施したSSMは、SKB社が放射線安全の要件を遵守して原子力活動を遂行できることを立証しているとした意見書を2019年10月に政府に提出していた。また2019年11月には、ナッカ土地・環境裁判所がSFRの拡張を許可できるとした意見書をスウェーデン政府に提出していた。SFRが立地するエストハンマル自治体は、2021年4月にSKB社のSFR拡張計画の受け入れを議決していた。スウェーデン政府は今回、SSM及びナッカ土地・環境裁判所の意見書、並びにエストハンマル自治体の判断を踏まえ、SKB社の申請が原子力活動法及び環境法典の要件を満足していると判断し、SFR拡張計画を承認する決定に至っている。

SFRの拡張計画

SFRの拡張計画(SKB社提供)

SFRの拡張計画(SKB社提供)

SKB社が操業している短寿命低中レベル放射性廃棄物処分場(SFR)は、バルト海の浅い沿岸部(水深は約5m)の海底から約60m以深の岩盤内に設置されており、1つのサイロと4つの処分坑道で構成されている(図の右側の灰色部分)。現行のSFRは、約63,000m3の短寿命低中レベル放射性廃棄物を処分できるように建設され、1988年から原子力発電所の運転に伴って発生する廃樹脂、雑固体などの短寿命運転廃棄物と呼ばれる放射性廃棄物を処分しているほか、医療、研究、産業で発生した放射性廃棄物も受け入れて処分している。

SFRの拡張計画では、地下約120mに6つの処分坑道を増設(図の左側の青色部分)し、既存部分との合計で約180,000m3の処分容量とする。SKB社が2014年12月に申請書を提出した当初は、沸騰水型原子炉(BWR)の炉心を収める圧力容器(RPV)9基をそのままの形で専用の処分区画に搬入する計画であったが、現在の計画ではRPVを切断して容器に収納して処分する方式に変更されている。拡張部分は、主として廃止措置廃棄物の処分用区画であるが、運転廃棄物の一部も処分される。また、既存部分でも廃止措置廃棄物の一部を処分する計画である。

なお、SFRがあるエストハンマル自治体のフォルスマルクにおいて、SKB社が使用済燃料の最終処分場の立地を予定している。SKB社は、2011年3月に使用済燃料最終処分場の立地・建設許可申請書等を提出しており、環境法典及び原子力活動法の2つの法律に基づく審査が最終局面にある。エストハンマル自治体は2020年10月に、使用済燃料処分場の立地を受け入れる意向を示している。スウェーデン政府は、使用済燃料処分場に関する決定を2022年1月27日に行う予定である。

【出典】

(post by sahara.satoshi , last modified: 2021-12-24 )