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《米国》ユッカマウンテン処分場建設の認可申請が遅延-NRCとDOEの管理会議の議事録公表

米国のユッカマウンテンにおける高レベル放射性廃棄物処分場建設の認可申請については、当初、2004年12月末とされていたが、2005年にずれ込むことを連邦エネルギー省(DOE)が明らかにした。これは、DOEが原子力規制委員会(NRC)との四半期管理会議1 の席上で示したものとして既に報道されていたが、この度NRCのウェブサイトにおいて会議の議事概要が公表されたものである。以下は、この議事概要に示されたユッカマウンテン処分場プロジェクトに関する最新状況である。

NRCへの認可申請時期の遅延は、先ずDOEの民間放射性廃棄物管理局(OCRWM)の局長から明らかにされた。同局長によれば、認可申請の草案は2004年7月26日に作成され、レビュー後の改訂版について更にDOE内でレビューを行っている段階である。一方で、DOEは、環境保護庁(EPA)の放射線防護基準の一部無効判決や許認可支援ネットワーク(LSN)(詳細は こちら)への書類登録証明問題の影響を考慮した結果として、2004年12月としていた認可申請目標の見直しを行っている。変更後のスケジュールは未定であるが、遅延は大幅なものでは無いと述べられている。また、LSNへの書類登録再証明は2005年春に予定しているとのことである。

なお、認可申請の予定については、次回の管理会議迄には明らかに出来るとの見解が別のDOEのスタッフから示されている。

ユッカマウンテンでの処分に関する基準については、EPAは基準見直しの時期や方法について未だ明らかにしていないこと、NRCはEPAの見直しに適合する形でNRCのユッカマウンテン処分規則(10 CFR Part 63)の見直しを行うことが、NRCの核物質安全防護局局長から表明されている。

また、議事概要によれば、この日の管理会議では、NRCおよびDOEの各プログラムの最新状況として、以下のような項目が報告されている。

  • 主要な技術的課題(KTI)の検討
  • LSNへの再登録証明
  • 閉鎖前段階の設計に要求される詳細度
  • 解析・モデル報告書を含めた品質保証問題
  • 作業者効率の改善
  • 輸送用キャスクシステムの調達問題

この内、主要な技術的課題(KTI、詳しくはこちら)とは、ユッカマウンテンの処分に関して認可申請前段階における検討を進めるものとして、NRCとDOEの間で合意した主要な技術的課題である。全部で293に整理された検討課題の内で、最終的にNRCにより完了とされたものは124だが、残りの169についてもDOEがNRCから要求された回答の提出は2004年8月末迄に終了していることが議事概要に示されている。また、認可申請が行われた場合はKTI等の認可申請前段階活動は終了し、規則に基づいた審査に切り替えられることとされている。

なお、今回LSNへの再登録証明の時期が2005年春と示されているが、NRCは再登録証明後6カ月を経過するまでは認可申請を受理出来ないことがNRC許認可手続規則(10 CFR Part 2)に規定されている。(既報を参照)

【出典】

  • NRC・DOE四半期管理会議(2004年11月22日)概要(pdf, 722KB
  • NRCウェブサイト情報(www.nrc.gov/waste/hlw-disposal.html)
  1. このNRCとDOEの管理会議は、通常四半期ごとに行われており、ユッカマウンテン・プロジェクト進行上の重要な問題について意見・情報交換が行われている。NRCの申請前段階活動の一つとしてDOEとの覚書に基づいて実施されているものである。 []

(post by 原環センター , last modified: 2023-10-10 )