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《英国》放射性廃棄物管理委員会(CoRWM)が活動内容を公表

放射性廃棄物管理委員会(CoRWM)は、英国政府に対して2005年末までに放射性廃棄物の長期管理オプションについての勧告を行う責任を有する組織として2003年に設置され、同年11月から活動を開始していたが、2003年11月から2004年2月での活動に関する報告書を四半期報告書として公表した。CoRWMの規約においては、政府との作業プログラムについての合意、6ヵ月毎の進捗報告、年次報告書の提出、四半期ごとの報告書の提出が求められており、今回がその最初の報告となっている。なお、これらの報告書については全て公開されることとなっている。

今回の報告書によると、この約3カ月間の活動について以下のことが報告されている。

(1)委員長の交替

2003年7月、環境・食糧・農村地域省(DEFRA)から委員長として指名されたキャサリン・ブライアン女史が新しい任務に就くため、2003年12月に現委員長のゴードン・マッケロン氏と交替した。

(2)活動状況

委員会の活動は2003年11月に委員の指名によって開始され、同月に初回の会合が開催された。以降、委員会は毎月行われている。初回の会合では、政府がCoRWMに期待していることがDEFRAによって示されるとともに、CoRWMの支援のためにDEFRAの委託のもとロンドン大学によって準備された作業プログラムの概要についての検討が行われた。2004年2月の第4回目の会合以降、委員会は公開となっており、第4回目の会合では50名の一般の参加があった。

委員会は2003年11月の最初の会合において、重要な問題点を理解することと2004年3月の委員会後の政府への詳細作業プログラムの報告という2つの主要課題を確認した。まず、委員会は文献収集や政府の原子力債務管理部門(LMU)(英国の原子力債務については こちらを参照)とNirex社を訪問し、放射性廃棄物管理についての説明を受けるなどを行った。その後、公衆と利害関係者の関与プロセスを中心とした作業プログラムの作成を、2004年3月末の政府への提出に向けて開始した。

委員会は、作業内容や将来行う政府への勧告について公衆から信頼を得るため、透明性を高める方針に合意し、国家機密事項や商業または個人情報について重大な懸念が示されるような例外を除いて、様々な文書などを公開し、一般に入手可能とすることとした。

(3)今後の活動

2004年3月以降、委員会はマンチェスター・タウンホールのような英国各地において開催されることが多くなるとされている。また、環境団体、原子力規制当局、国防省、主な放射性廃棄物発生者である英国核燃料公社(BNFL)や英国原子力公社(UKAEA)から説明を受けたり、カンブリア州セラフィールド及びケースネス州ドーンレイなどの原子力施設のある地域を訪れ、地元組織や住民と会合を持つことになっている。
今後の活動報告書は2004年6月、9月、12月(年次報告書)に公表される予定である。

なお、政府は2005年末までに提出されるCoRWMによる放射性廃棄物の長期管理オプションについての勧告を受けた後、その実施方法についての判断を2006年頃に行うとしている

【出典】

  • 放射性廃棄物管理委員会(CoRWM)ウェブサイト、http://www.corwm.org、2004年4月

(post by 原環センター , last modified: 2023-10-10 )