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《英国》環境・食糧・農村地域省(DEFRA)が放射性廃棄物管理委員会(CoRWM)の委員を指名

2003年11月17日、環境・食糧・農村地域省(DEFRA)のマーガレット・ベケット大臣は、スコットランド・ウェールズ・北アイルランドの各環境大臣とともに、放射性廃棄物管理委員会(CoRWM)の委員12名を指名したことを発表した。同委員会の委員長については2003年7月16日にキャサリン・ブライアン女史が既に指名されている。CoRWMは『放射性廃棄物管理に関する協議文書』で示された協議プロセスの下に、英国の放射性廃棄物の長期的な管理を最良の方法で行うために、政府に勧告を行う責任を有する組織として設置されるものであり、今回の委員の指名により、その活動が開始されることとなった。

DEFRAのプレスリリースによると、CoRWMの委員長と12名の委員については、2003年3月末に全国紙に募集広告が掲載され、400件を超える応募があった。その候補者の多くが高い資質の持ち主であり、英国が直面している環境と安全についての大きな問題に挑む手助けをしたいという熱意と意志を持った人々だったとのことである。

CoRWMへの委任事項は、2005年末までに政府に勧告を行うことである。CoRWMに期待することとして、特に最も現実的でない長期管理オプションを除外し、最も有望なオプションに注力できるような報告を行うことがあげられている。これは、大臣が長期管理オプションを特定し、実施する準備を行うまでに、原子力廃止措置機関(NDA)、原子力操業者、規制機関、その他の関連機関が廃棄物を安全に処理し貯蔵することに注力することを助けることにもなる。また、そのために作業計画を準備し、早い段階で政府の同意を得ること、6ヵ月毎に政府と会合を持ち、議会に提出する年次進捗報告書を作成することが求められている。

政府はCoRWMによる勧告を受けて、それらをいかに実施するかについての判断を2006年頃に行うとしている。

なお、今回指名されたCoRWMの委員12名は以下の通りである。

  • メアリー・アラン:ノース・ハイランド大学講師
  • ディヴィッド・ボール:ミドルセックス大学教授(リスク管理学)
  • フレッド・バーカー:コンサルタント(原子力政策分析・利害者合意)
  • キース・ベイヴァーストック:化学博士、クオピオ大学講師(環境科学)
  • アンドリュー・ブロウワーズ:大学教授、Nirex社役員
  • ブライアン・D・クラーク:大学教授(環境管理・計画)、スコットランド環境保護機関
  • ウイン・ディヴィス:元ロンドン大学講師(物理学・放射線生物学)
  • マーク・ダットン:物理学者、放射線防護・放射性廃棄物管理専門家
  • ゴードン・マックケロン:経済学者、エネルギー政策コンサルタント(NERA)
  • リンダ・ウォーレン:動物学者、ウェールズ大学名誉教授(環境法)、イングランドとウェールズの環境規制機関
  • ジェニー・ワトソン:機会均等委員会 副委員長
  • ピート・ウィルキンソン:ウィルキンソン環境コンサルタント会社社長、元英国グリーンピース代表、国際グリーンピース代表、フレンズ・オブ・アース共同創始者
  • 【出典】

    • 環境・食糧・農村地域省(DEFRA)ウェブサイトの2003年11月17日付けのニュースリリース http://www.defra.gov.uk/news/2003/031117a.htm

(post by 原環センター , last modified: 2023-10-10 )