《英国》環境・食糧・農村地域省(DEFRA)による「放射性廃棄物の安全な管理」に関する最初の進捗報告書の発表 -放射性廃棄物管理に関する委員会(CoRWM)の設立に向けての動き
英国の環境・食糧・農村地域省(DEFRA)は、下院の環境・食糧・農村地域(EFRA)委員会に対し、「放射性廃棄物の安全な管理」に関する最初の進捗報告書を2002年12月に提出していたことを公表した。この進捗報告書は、EFRA委員会によって毎年末迄に提出することが求められているもので、今回がその第1回目の報告となる。
DEFRAは2002年7月29日に、半年間にわたり実施してきた「放射性廃棄物の管理に関する協議用文書」についての協議を終了させ、2002年末までに放射性廃棄物の管理方法についてのレビュー・プロセスを監督し、最良の管理方法を勧告するための独立組織を設立することを表明していた(詳細は 既報を参照)。今回の進捗報告書では、組織設立に関する事項、管理オプションのレビューの開始に向けた報告および協議用文書におけるその他の問題についての進捗状況が報告されている。
新しく設立される独立組織は、CoRWM(Committee on Radioactive Waste Management)という名称が付けられている。その組織体制と作業内容について、DEFRAは2002年7月の組織設立の表明以来、検討を行ってきた。DEFRAは、時間と資源の有効利用の観点から、CoRWMに対し、最初の作業計画において、いかに早く、最も可能性の低いオプションを排除し、より重要な議論に焦点を絞るかを明確に示すよう求めている。DEFRAは、CoRWMに対して考慮事項などを指示するよりも、CoRWM自身が作業計画を策定し、DEFRAの合意を得ることを期待するとしている。なお、CoRWMは、政府に勧告する管理方法が実質的であり、公衆の信頼を得ることができ、実施可能であることを保証するため、研究計画と公衆や利害関係者が参加する討論会の計画も策定することとなっている。
同報告書ではCoRWMの委員長および12名のメンバーについて、全国紙に広告を載せて募集するとしていた。DEFRAは2003年3月26日付けのニュースリリースで当日(3月26日)より31日まで全国紙で募集広告を掲載し、申し込みの締め切りを5月2日とすることを発表した。広告には、委員長および委員に対して求められる分析能力や情報伝達能力などの必要な素質について具体的に述べられている。また、委員長が最初に選出され、その他のメンバーの選出を補助することとされている。
DEFRAはCoRWMの設立を2003年の夏までに行うよう提案している。また、DEFRAは、CoRWMからの勧告を受け、放射性廃棄物の長期管理方法についての決定を2006年までに行いたいとしている。
【出典】
- DEFRAウェブサイトの3/17付けの新着情報 http://www.defra.gov.uk/environment/whatsnew.htm(http://www.defra.gov.uk/environment/radioactivity/waste/pdf/radwaste_efra-cttee_dec02.pdf)
- DEFRAの3/26付けのニュースリリース http://www.defra.gov.uk/news/2003/030326a.htm
(post by 原環センター , last modified: 2023-10-10 )