英国政府の環境・食糧・農村地域省(DEFRA)などが設置した放射性廃棄物管理委員会(CoRWM)は、2004年3月31日付けで環境担当大臣1 に提出した活動プログラムをウェブサイト上で公表した。この活動プログラムは、環境担当大臣の合意を得る必要があり、CoRWMの最初の重要な作業とされている。今回公表された活動プログラムの完了時期は2006年11月とされているが、CoRWMはその設置当初に規約として定められていた2005年末の勧告期限では、公衆との協議が十分に実施できず、公衆からの信頼も得られないとしている。
CoRWMは、この活動プログラムは公衆及び利害関係者の懸念などに関連する全ての事項を特定し、数十年間にわたる政府方針の基礎となりうるよう、包括的で、信頼ができ、明確なものでなければならないとしている。また、2001年9月の協議文書「放射性廃棄物の安全な管理」など、1999年の議会特別委員会の報告書の時期以降になされた様々な検討を反映するともしている。
なお、同プログラムは5つの段階に区分されており、その内容は以下のとおりとなっている。
段階 | 活動プログラム内容 | 期日 |
---|---|---|
(第1段階) 第2段階以降に向けた準備 |
暫定報告項目
最終報告項目
|
2004年 9月 |
(第2段階) 放射性廃棄物管理オプション検討のための枠組策定 |
中間報告項目
最終報告項目
|
2005年4月 |
(第3段階) 放射性廃棄物管理オプションの評価基準と管理オプション候補の確定 |
最終報告項目
|
2005年11月 |
(第4段階) 放射性廃棄物管理オプション候補の評価 |
放射性廃棄物管理オプション評価結果の報告(草案) | 2006年7月 |
(第5段階) 最終報告 |
放射性廃棄物管理オプションについての環境担当大臣への勧告 | 2006年11月 |
なお、CoRWMは、英国政府に対して放射性廃棄物の長期管理オプションについての勧告を行う責任を有する組織として2003年に設置され、同年11月から活動を開始している。2004年3月には、CoRWMの2003年11月から2004年2月での活動に関する報告書が四半期報告書として公表されている。
【出典】
- 放射性廃棄物管理委員会(CoRWM)から2004年3月31日付で環境担当大臣に提出された「Programme for work 2004-2006」、http://www.corwm.org/PDF/Programme%20of%20work%20-%20for%20presentation%20to%20Ministers.pdf、2004年4月
- 環境担当大臣とは、環境・食糧・農村地域省(DEFRA)大臣、スコットランド・ウェールズ・北アイルランドの各行政府における環境大臣とされている。 [↩]
(post by 原環センター , last modified: 2023-10-10 )