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カナダ

カナダ環境評価局(CEAA, Canadian Environmental Assessment Agency)は、2014年11月18日付けで、オンタリオ・パワージェネレーション(OPG)社が計画している低・中レベル放射性廃棄物の地層処分場(DGR1 )の環境影響評価書等に関して、意見収集期間が終了したことを公告した。

OPG社は、オンタリオ州キンカーディン自治体のブルース原子力発電所サイトで低・中レベル放射性廃棄物処分の実施を計画しており、地下約680mの石灰岩層に建設する地層処分場(DGR)において、同社の原子力発電所から発生する約20万m3の低・中レベル放射性廃棄物を処分する計画である。OPG社が2011年4月に提出した環境影響評価書(EIS)及び予備的安全評価書等については、カナダ環境評価局(CEAA)とカナダ原子力安全委員会(CNSC, Canadian Nuclear Safety Commission)とが合同評価パネル(JRP)を設置して審査している。DGRプロジェクトの環境影響評価書等に関しては、2013年5月にパブリックコメントの募集が終了しており、その後、公聴会が開催され、OPG社及び公聴会での意見陳述者から最終意見書(closing remarks)の募集を行っていたが、今回の公告は、この終了を公表したものである。

カナダ原子力安全委員会(CNSC)のウェブサイトで公表されている、DGRプロジェクトに関する情報によると、公聴会は2013年9月中旬から2013年10月にかけて実施され、さらに追加の公聴会が2014年9月に開催された。公聴会の手続きによれば、合同評価パネル(JRP)は、公聴会で聴取すべき情報が全て入手されたと判断した後に、OPG社と意見陳述者に最終意見書を提示する機会を与えることとなっている。今回、最終意見書の募集が終了したことにより、これ以降に提出される情報は、JRPの検討対象とはされないこととなる。

今後、合同評価パネル(JRP)は評価報告書を2015年5月6日までに環境大臣に提出するとしている。環境大臣は、評価報告書を受領した後120日以内に地層処分場(DGR)プロジェクトの実施可否を合同評価パネルに回答することになっている。環境大臣がプロジェクトは実施可能であると判断した場合には、合同評価パネルはOPG社のDGRに関するサイト準備・建設に関する許認可を発給できるようになる。

なお、パブリックコメントとして提出された意見書や、公聴会の動画、最終意見等の環境影響評価書等の審査に関する情報は、カナダ環境評価局(CEAA)のインターネットサイト(環境評価レジストリと呼ばれる)に登録・公開されている。地層処分場(DGR)プロジェクトの環境評価レジストリには、2014年11月18日時点で約40件の最終意見書が公開されている。

【出典】

【2015年5月7日追記】

カナダ環境評価局(CEAA, Canadian Environmental Assessment Agency)は、2015年5月6日付けで、オンタリオ・パワージェネレーション(OPG)社が計画している低・中レベル放射性廃棄物の地層処分場(DGR)プロジェクトに関して、合同評価パネル(JRP)による評価報告書を環境大臣に提出したことを公表した。合同評価パネルは、OPG社が予定している環境影響の軽減対策に加えて、合同評価パネルが勧告している対策を付加することにより、環境に重大な影響が及ぶ可能性は低いと結論している。

合同評価パネルは評価報告書において、低・中レベル放射性廃棄物を地層処分場(DGR)に移すことにより、それらを地上で貯蔵する場合と比較して、人間の健康と環境に対するリスクが低減するとしている。また、特に長寿命核種を含む中レベル放射性廃棄物の危険性を低減するような技術開発の進展を待つことによるリスクは、期待される便益を上回ると考えられるため、地層処分場(DGR)の建設を先送りすべきではないとの考えを示している。

今後、環境大臣は、評価報告書を受領した後120日以内に地層処分場(DGR)プロジェクトの実施可否を合同評価パネルに回答することになっている。環境大臣がプロジェクトを実施可能と判断した場合には、合同評価パネルはOPG社の地層処分場(DGR)に関するサイト準備・建設に関する許認可を発給できるようになる。

【出典】

【2015年6月4日追記】

カナダ環境評価局(CEAA, Canadian Environmental Assessment Agency)は、2015年6月3日付けの公告において、オンタリオ・パワージェネレーション(OPG)社が計画している低・中レベル放射性廃棄物の地層処分場(DGR)プロジェクトの環境影響評価プロセスにおける最終段階として、2015年9月1日を期限としたパブリックコメントを実施することを明らかにした。CEAAは、DGRプロジェクトが承認された場合に適用される追加的な要件や環境影響の軽減対策を文書として取りまとめており、本文書に対する意見を地元の先住民、公衆及び評価への登録参加者から収集するとしている。パブリックコメントの結果は、DGRプロジェクトの実施可否を環境大臣が判断する際に考慮に入れられる。

なお、今回のパブリックコメントの実施に伴い、DGRプロジェクトの実施可否に関する環境大臣による判断の期限は、2015年12月2日までへと延長される。

【出典】

【2016年2月19日追記】

カナダ環境評価局(CEAA, Canadian Environmental Assessment Agency)は、2016年2月18日付けで、オンタリオ・パワージェネレーション(OPG)社が計画している低・中レベル放射性廃棄物の地層処分場(DGR)プロジェクトの実施可否に関する環境大臣による検討に関して、環境大臣が同社に対して追加の情報や調査を要求したことを公告した。環境大臣は、合同評価パネル(JRP)が提出した評価報告書を検討した結果、以下の3点に関する追加の情報や調査を要求したとしている。

  • OPG社が申請したサイトとは異なる場所でプロジェクトを実施する場合の環境影響の詳細調査。技術的及び経済的な実現可能性に関してOPG社が定める基準を満足する具体的な場所を示した上で、技術的及び経済的に実現可能であるとOPG社が判断する「しきい値(threshold)」を明らかにする。
  • DGRプロジェクトによる累積的な環境影響に関する解析について、核燃料廃棄物管理機関(Nuclear Waste Management Organization, NWMO)が実施した予備的評価2 の結果を反映したものとなるように更新する。

  • 2012年カナダ環境アセスメント法に従い、特定されている影響に対して、OPG社が実施することを予定している軽減対策のリストについて、内容が古いものや重複を取り除いて更新する。

公告によると、OPG社は2016年4月18日までに、環境大臣の要求に対する対応のスケジュールを提示しなければならない。また、環境大臣のJRPに対する回答期限は、JRPによる評価報告書の受領後120日以内とされているが、今回の環境大臣の要求により回答期限が保留される。今後、環境大臣は、総督に対して、回答期限の再延長を要求するとしている。

【出典】

【2016年4月18日追記】

オンタリオ・パワージェネレーション(OPG)社は、2016年4月15日付けのプレスリリースにおいて、環境大臣が2016年2月18日に同社に要求していた追加の調査を、2016年12月31日までに完了させる意向であることを連邦政府に通知したことを公表した。

【出典】

 

【2016年12月15日追記】

カナダ環境評価局(CEAA, Canadian Environmental Assessment Agency)は、2016年12月12日付けの公告で、オンタリオ・パワージェネレーション(OPG)社が計画している低・中レベル放射性廃棄物の地層処分場(DGR)プロジェクトに関して、プロジェクトの審査を行ってきた合同評価パネル(JRP)に対して環境大臣が提示するプロジェクトの実施可否に関する判断の期限を、総督が同日以降243日間の、2017年8月中旬まで延長したことを公表した。

なお、この延長は、2016年2月18日に環境大臣がOPG社に対して追加の情報や調査を要求したことによるものである。OPG社は2016年4月15日付けのプレスリリースにおいて、OPG社が申請したサイトとは異なる場所でプロジェクトを実施する場合の環境影響の詳細調査に関して、オンタリオ州南部の堆積岩サイトに立地する場合と同州北部の花崗岩サイトに立地する場合の2ケースを対象に調査するとしており、それらの結果を2016年末までに取りまとめる予定としている。

【出典】

 

【2017年1月5日追記】

オンタリオ・パワージェネレーション(OPG)社は、計画している低・中レベル放射性廃棄物の地層処分場(DGR)プロジェクトに関して、環境大臣が2016年2月18日にOPG社に対して要求していた追加の情報や調査に対応した報告書を取りまとめ、2016年12月28日にカナダ環境評価局(CEAA)に提出した。

OPG社は、オンタリオ州キンカーディン自治体のブルース原子力発電所サイトとは異なる別の場所に地層処分場を建設する場合の環境影響について、放射性廃棄物の輸送規模が拡大し、安全対策として追加的な廃棄物処理が必要になるとしている。さらに、OPG社は、プロジェクトのコストと不確実性が増加するとして、OPG社が申請したサイトが好ましいサイトであると説明している。

【出典】


  1. Deep Geologic Repository []
  2. OPG社とNWMOは、DGRプロジェクトに係る許認可申請に向けて、NWMOが技術支援等を行う契約を2009年1月に締結している。2011年にOPG社がカナダ原子力安全委員会(CNSC, Canadian Nuclear Safety Commission)に提出したDGRの許認可申請に添付された環境影響評価書や予備的安全評価書などは、OPG社のためにNWMOが準備したものである。 []
カナダ参加自治体数_02

(NWMOによるサイト選定プロセスの進捗動向)

カナダの使用済燃料処分の実施主体である核燃料廃棄物管理機関(NWMO)が2014年8月に発行したニュースレターにおいて、オンタリオ州セントラルヒューロン自治体(右上図21番)で、使用済燃料処分場のサイト選定プロセスの第3段階第1フェーズが開始されたことが公表された。2014年6月時点では、同自治体はサイト選定プロセスの第2段階にあったが、これで、サイト選定プロセスに参画しているすべての地域が第3段階へ進んだことになる。

NWMOは、第3段階にあたる“使用済燃料処分場の潜在的な適合性の予備的評価”を前期と後期に分けて実施しており、机上で調査を行う前期(第1フェーズ)、現地で調査を行う後期(第2フェーズ)で構成している。第3段階第1フェーズの調査結果をもとに、第3段階第2フェーズの調査を実施する地域の絞り込みなどが行われている。

2014年8月時点でサイト選定プロセスに残っている地域は、オンタリオ州の13地域とサスカチュワン州の1地域の合計14地域であり、このうち、右上図の紫色で示された10の地域で第3段階第1フェーズの調査が進められており、早くからサイト選定プロセスに参加していたオレンジで示された4地域では既に第3段階第2フェーズの調査が進められている。また、灰色で示された7地域は、NWMOがこれまでに第3段階第2フェーズを実施しないとの決定を行った地域 、または自治体がプロセスからの撤退を選択した地域 である。

NWMOは、第3段階の第1フェーズと第2フェーズの調査を通じて、潜在的な適合性が低いと判断した地域をサイト選定プロセスから除外し、次の第4段階で注力する立地エリアを特定する意向である。第4段階では、処分場立地によって影響を受ける可能性のある周辺自治体も参加した上で、詳細なサイト評価を実施する計画である。

《参考》カナダにおける核燃料廃棄物処分場のサイト選定プロセス

カナダにおける核燃料廃棄物処分場のサイト選定プロセス

【参考出典】『連携して進む:カナダの使用済燃料の地層処分場選定プロセス』(NWMO, 2010年)

【出典】

(NWMOによるサイト選定プロセスの進捗動向)

(NWMOによるサイト選定プロセスの進捗動向)

カナダにおける使用済燃料処分場のサイト選定プロセスに参加していたオンタリオ州ニピゴン・タウンシップ(図中の⑥)は、2014年6月17日にサイト選定プロセスから撤退する決議を行った。この決定を受け、カナダの使用済燃料処分の実施主体である核燃料廃棄物管理機関(NWMO)は、同日、ウェブサイトにおいてニピゴン・タウンシップの決定を尊重するとの見解を公表した。

ニピゴン・タウンシップは、2011年11月にサイト選定プロセスに対する関心表明を行っており、2013年10月からはニピゴン地域連絡委員会(NCLC)を設置して、月一回のペースで会合を開催し、サイト選定プロセスの第3段階にあたる「使用済燃料処分場の潜在的な適合性の予備的評価」の前期・後期のうち、机上で行う前期の調査(第1フェーズ)の進捗を追跡していた。NCLCは、住民5名の委員のほか、ニピゴン・タウンシップ長とタウンシップ議会議員からなる5名の委員を加えた計10名で構成されており、当初は2014年11月までの会合予定を活動計画に組み込んでいた。

しかし、ニピゴン・タウンシップは、サイト選定プロセスへの参加継続をタウンシップ議会において早期に議決するための判断材料として、2014年5月21日にNWMOに対し、同地域において実施されてきた第3段階第1フェーズにおける調査の中間評価を求めた。これを受けてNWMOは2014年6月11日に、地域の地層科学面と地元福祉に及ぼす影響の二つの分野について、それぞれ外部コンサルタントに依頼して実施していた調査の中間評価をニピゴン・タウンシップ長宛ての書簡とともに提出した。NWMOは書簡において、次の第3段階第2フェーズである現地調査に進むかどうかを検討する際には、外部コンサルタントが指摘している不確実性の存在を重要視することになると説明し、中間評価の概要を以下のように整理している。

  • 地層科学面の中間評価
     ニピゴン・タウンシップ地域には、処分場設置のための十分な深さと横幅があり、天然資源の存在の可能性が低く、全般的にアクセスしやすい等、処分場設置に好ましい特性を持つと見られる岩盤のあるエリアが2カ所ある。しかし、これら2カ所のエリアには、サイトが処分場設置に求められる評価基準を満たしているとNWMOが判断する可能性を低くするような大きな不確実性がある。その不確実性とは、不均質な岩相、シル(貫入岩体)、貫入岩脈、近接地域に存在する断層である。
  • 処分プロジェクトが地域や周辺地域の福祉に及ぼしうる影響の中間評価
     処分プロジェクトにより、ニピゴン・タウンシップにおける人口の増加、労働力の増加、教育・訓練へのアクセス、保健・安全関連施設やサービスの向上、雇用・所得・事業活動・自治体の財政・自治体のインフラ整備への好影響等、タウンシップにとっての便益が見込まれる。しかし、それらがタウンシップの期待する価値に見合うものであるか、社会的資産を向上させる上で何を優先すべきかについては難しい判断を迫られるため、その判断に伴ってタウンシップ内に問題が生じかねないといった不確実性がある。また、処分プロジェクトに関して流布された誤った情報への対応や処分プロジェクトについての学習への住民の関心維持も解決すべき大きな課題となっている。

これらの中間評価の結果を受けて、ニピゴン・タウンシップ議会は、議決を行うに際しての情報が十分に揃っていると判断した上で、2014年6月17日にサイト選定プロセスから撤退する決議を行った。なお、ニピゴン・タウンシップは、NWMOがサイト選定プロセスから撤退した自治体についても、その後のプロセスに継続的に関与できるようにする枠組みを作る予定であることを示したことから、プロセスへの継続的な関与と関連情報の提供を望むとしている。

また、ニピゴン・タウンシップがサイト選定プロセスから撤退したことで、サイト選定プロセスに残っている地域は14地域(図中オレンジ4カ所、紫色9カ所、青色1カ所)となったが、NWMOは、今回のニピゴン・タウンシップにおける評価結果がこれら他の14地域に影響を及ぼすことは無いとしている。

《参考》カナダにおける核燃料廃棄物処分場のサイト選定プロセス

カナダにおける核燃料廃棄物処分場のサイト選定プロセス

【参考出典】『連携して進む:カナダの使用済燃料の地層処分場選定プロセス』(NWMO, 2010年)

【出典】

カナダ参加自治体数_02

(NWMOによるサイト選定プロセスの進捗動向)

カナダの使用済燃料処分の実施主体である核燃料廃棄物管理機関(NWMO)は、2014年3月28日に、2011年度から2013年度までの事業内容等を取りまとめた報告書(以下「3年次報告書」という)を連邦天然資源大臣に提出したことを公表した。NWMOは、3年次報告書に「適応性のある段階的管理」(APM)詳細はこちらの2014年~2018年の5年間における実施計画書を添付しており、使用済燃料処分場のサイト選定プロセスの第3段階第2フェーズを2014年に開始するとしている。

NWMOは、第3段階にあたる“使用済燃料処分場の潜在的な適合性の予備的評価”を前期と後期に分けて実施しており、机上で調査を行う前期(第1フェーズ)と現地で調査を行う後期(第2フェーズ)で構成している。第1フェーズの調査結果をもとに第2フェーズの調査を実施する地域の絞り込みがなされている。この第2フェーズで実施する初期フィールド調査について、調査が先行している4地域(右上図のオレンジ色マークの地域)で上空から地表及び地下の状況を調査する“空中物理探査”を2014年4月から5月にかけて実施することをウェブサイトで公表した。

サイト選定プロセスの初期スクリーニングを通過した21地域のうち、20地域(図中オレンジ・灰色・紫色)は潜在的な適合性の予備評価の実施を希望し第3段階に進み、1地域(青色)は意向をまだ表明していない。第3段階に進んだ20地域ではNWMOが第3段階第1フェーズの文献調査を進めており、その結果から既に6地域(灰色)については第2フェーズの調査を実施しないとする決定を行っている 。3年次報告書の公表時点では、サイト選定プロセスには15地域(オレンジ4カ所・紫色10カ所・青色1カ所)が残っていることになる。NWMOは、第3段階において潜在的な適合性が低いと判断した地域をサイト選定プロセスから除外し、次の第4段階で注力する立地エリアを特定する意向である。第4段階では、処分場立地によって影響を受ける可能性のある周辺自治体も参加した上で、詳細なサイト評価を実施することになっている。

NWMOは、第3段階第2フェーズにおいて、フィールド調査、詳細な調査、広範な地域の参画活動を通して、当該地域の潜在的な適合性を評価していくとしている(下記参照)。

〇初期フィールド調査の実施

  • 関心表明を行った自治体、その周辺自治体、及び先住民コミュニティとの対話を行い、技術的評価、安全評価、より広範な自治体の参画、自治体の福祉向上に関する調査の実施計画を策定する。
  • NWMOが設定した技術的なサイト評価要素を満たす可能性がある地域を特定し、潜在的な適合性を評価するため、空中物理探査、環境調査、地質図の作成を行う。

〇処分施設の立地見通しの検討

  • 初期フィールド調査の結果に基づいて、技術的要件と自治体の福祉向上に係る要件を満たす可能性が低い自治体については、フェーズの途中でも評価を終了する。
  • 処分プロジェクトの要件を満たす可能性が高い地域を、集中的なフィールド調査を行う対象とする。

〇集中的なフィールド調査の実施

  • 適合性があると選定された地域において、限定的なボーリング調査を実施する。
  • 関心表明を行った自治体、その周辺自治体、及び先住民コミュニティを交えたパートナーシップのもとで以降のサイト選定作業を行えるようにするため、周辺自治体等に参画を促す活動を行う。

NWMOは、第3段階第2フェーズの調査を完全に実施するには1地域当たり3~4年を要するが、立地見通しについて当該自治体と定期的に検討・協議を重ねる過程において、潜在的な適合性が高い自治体に絞り込んでいくとしている。このため、地域によっては上記の活動項目のすべてを実施しない可能性がある。NWMOは、第2フェーズの途中で自治体が撤退を決定できることを確約している。

《参考》カナダにおける核燃料廃棄物処分場のサイト選定プロセス

カナダにおける核燃料廃棄物処分場のサイト選定プロセス

【参考出典】『連携して進む:カナダの使用済燃料の地層処分場選定プロセス』(NWMO, 2010年)

【出典】

 

カナダの使用済燃料処分の実施主体である核燃料廃棄物管理機関(NWMO)は、2014年1月16日付で、使用済燃料処分場の潜在的適合性の予備評価を行っていたオンタリオ州南部の2地域について、以降の調査対象から除外する決定を行った。今回除外するとした2地域は、アラン=エルダースリー自治体とソーギーンショアーズ町であり、NWMOは、これら2自治体宛の書簡で決定事実を伝えるとともに、自身のウェブサイトで公表した。

カナダ参加自治体数_02

(NWMOによるサイト選定プロセスの進捗動向)

NWMOは、9段階から成るサイト選定プロセスに参加している21地域のうち、オンタリオ州ブルース郡内にある5地域(右地図上の16~20)について、第3段階の第1フェーズの作業として、既存文献による地質科学面の評価を一括して行っていた。NWMOが公表した書簡によれば、これら5地域の評価作業は未完了であるが、除外するとした2地域には地層処分場の地下施設または地上施設を設置できる見通しが低いことが評価の中間段階において明らかとなったため、当該2自治体に対してNWMOの判断を先行的に通知したとしている。なお、書簡の中でNWMOは、地層処分場の立地見通しが低いことを示唆する情報が得られた際には、早めの情報提供をするように自治体から求められていたことを指摘している。

NWMOは書簡の中で、5地域のうちの他の3地域については有望である見通しであり、他の技術面を含めた評価及び社会面の評価を進めていくとしている。今後、これらの3地域で第3段階の第2フェーズを実施することになった場合、今回除外された2自治体についても、広域を対象として実施される対話に周辺自治体として参画することになるため、サイト選定プロセスに関わり続けるとしている。

なお、NWMOは2013年11月21日付で、第3段階の第2フェーズの調査を実施する4地域(右上図の3、5、7、9)と第2フェーズの調査に移行しない4地域(右上図の1、2、4、11)を公表している。第3段階は、当該地域の潜在的な適合性の予備的評価を行うことになっており、2つのフェーズで構成されている。第1フェーズでは、机上調査により、地層科学的な評価、並びに処分プロジェクトが地域や周辺地域の福祉に及ぼす可能性のある影響の評価が実施される。第3段階の第2フェーズでは、詳細な技術調査とフィールド調査を実施し、潜在的な適合性をさらに評価していく。NWMOは、2013年4月に公表した「適応性のある段階的管理」(詳細はこちら)の実施に関する5カ年の実施計画書において、第3段階の第1フェーズの作業完了後に潜在的な適合性が低いと判断した地域をサイト選定プロセスから除外していき、第3段階の第2フェーズの作業終了後に、第4段階へ進む可能性がある地域として1つまたは2つの地域を選定する意向を示していた。

【出典】

(NWMOによるサイト選定プロセスの進捗動向)

(NWMOによるサイト選定プロセスの進捗動向)

カナダの使用済燃料処分の実施主体である核燃料廃棄物管理機関(NWMO)は、2013年11月21日付で使用済燃料処分場の9段階から成るサイト選定プロセスに参加している21地域のうちの8地域について、第3段階の第1フェーズの評価が完了し、2014年から3~4年をかけて実施する第3段階の第2フェーズの調査対象として4つの地域を選定したことを公表した。今回、第1フェーズの評価が完了した8地域は、2010年5月から開始したサイト選定プロセスへの関心表明を行った順に選ばれている

今後、第3段階の第2フェーズの調査を実施する4地域は、クレイトン・タウンシップ、イグナス・タウンシップ、シュライバー・タウンシップ、ホーンペイン・タウンシップ(右上図の3、5、7、9)である。NWMOは、第2フェーズの調査に移行しないこととしたイングリッシュリバー先住民族保留地、パインハウス村、イアーフォールズ・タウンシップ、ワワ自治体の4地域(右上図の1、2、4、11)では関連作業を終結させるとしている。NMWOは、地層処分場のサイト選定プロセスに対する8地域のこれまでの貢献を高く評価しており、地元の福祉向上のために独自に利用できる資金をそれぞれ40万カナダドル(3,760万円)提供するとしている1

また、NWMOは選定結果に対する8地域の自治体の首長のコメントも公開しており、第3段階の第2フェーズに移行しないことなった自治体も含めてほとんどの首長が、地元自治体がサイト選定プロセスに参加し、国家プロジェクトに貢献できたことを誇りとする旨の発言をしている。

なお、サイト選定プロセスが続けられている残りの13地域のうち、1地域がサイト選定プロセスの第2段階に、12地域が第3段階の第1フェーズにある。NWMOは第3段階に進む意思を表明した12地域については、2014年内に第3段階の第1フェーズの作業を完了させる予定である。

 

サイト選定プロセスの第3段階における絞り込み

使用済燃料処分場のサイト選定プロセスの第3段階は、当該地域の潜在的な適合性の予備的評価を行うことになっており、2つのフェーズで構成されている。第1フェーズでは、机上調査により、地層科学的な評価、並びに処分プロジェクトが地域や周辺地域の福祉に及ぼす可能性のある影響の評価が実施される。第2フェーズでは、詳細な技術調査とフィールド調査を実施し、潜在的な適合性をさらに評価していく。NWMOは、2013年4月に公表した「適応性のある段階的管理」(詳細はこちら)の実施に関する5カ年の実施計画書において、第1フェーズの作業完了後に潜在的な適合性が低いと判断した地域をサイト選定プロセスから除外していき、第2フェーズの作業終了後に、第4段階へ進む可能性がある地域として1つまたは2つの地域を選定する意向を示していた

今回の先行8地域を対象とした第1フェーズの評価では、NWMOは以下の7つの項目を検討して絞り込みを行っている。第1フェーズの作業終了時点では、判断材料として利用できる情報は限定的であるが、項目①~③については、比較対象の8地域のいずれについてもサイト選定プロセスから除外すべき点は見当たらなかったとしている。また、項目④~⑦については、8地域間で差異が見られたとし、NWMOが第2フェーズの調査実施地域を絞り込む際に重視したとしている。

 

地域間での差異が大きくない評価項目 地域間で重要な差異が見られた評価項目

①地層処分場の建設作業
(エンジニアリング)

②使用済燃料の輸送

③住民及び環境に対する安全

④地層科学的な適合性

⑤当該地域の福祉に対する寄与のあり方

⑥当該地域での関心維持の見通し

⑦当該地域の周辺エリアを含めた福祉への寄与と関心維持の見通し

今回の第2フェーズの調査の実施地域の絞り込みにおいて重視した項目について、NWMOの判断の考え方は以下のようになっている。

○地層科学的な適合性

8地域はいずれもカナダ楯状地に位置しているが、各地域で見られる地質環境は多様である。いずれの地域も地層処分場を立地できる可能性がある広いエリアが存在しているが、地層科学的な観点の不確実性や複雑性の度合いについての各地域間の相違を特定し、それらの度合いが大きい地域ほど適合性が低いと判断するとしている。

○当該地域の福祉に対する寄与のあり方

核燃料廃棄物の長期管理アプローチ「適応性のある段階的管理」(APM)プロジェクトの実施によって各地域はいずれも便益を得ることができる。しかし、全体的に見た場合、福祉向上に向けて各地域が重視する長期目標や優先事項に対して、NWMOが進めるプロジェクトがマッチする度合いは異なっている。この相違が大きい場合には、プロジェクトからの離脱や地域の結束に好ましくない影響が生じるおそれがあると判断するとしている。また、地域発展に関して住民間で意見の分裂が見られる場合も、プロジェクトがマッチできなくなるおそれがあるとしている。

○当該地域での関心維持の見通し

各地域のさまざまなリーダー・住民との18カ月以上にわたるコミュニケーションの結果、各地域ともプロジェクトへの関心が維持される見通しはある。ただし、実際に関心を維持していくために克服すべき課題の程度については相違が見られた。プロジェクトについての学習への全体的な関心度が低い地域、また、不安や根本的な懸念が地域内での衝突・敵対・誤情報・分裂につながっている地域は、関心維持のための努力が今後どれだけ必要か不明確であるため、適合性が低いと判断するとしている。

○当該地域の周辺エリアを含めた福祉への寄与と関心維持の見通し

NWMOは、最初に関心表明を行った地域との間で長期のパートナーシップを確立し、その後で当該地域の周辺地域や先住民コミュニテイに参画してもらうように拡大していく考えである。現時点でNWMOは、関心表明を行った地域のビジョンに対するプロジェクトのマッチングに重点的に取り組んでおり、当該地域の意思が明確になるまでは周辺地域への関与は限定的なものにとどめている。NWMOは、サイト選定プロセスが進むに従って、周辺地域の参画が得られる可能性を重視していくことになると考えている。第3段階の第2フェーズの作業を通じて、NWMOが候補地域数をさらに絞り込んでいく際には、周辺地域の参画見通しの観点を考慮していくとしている。

 

 

【出典】


  1. NWMOが地域福祉準備基金を設立し、同基金から各地域に支援金を提供する。なお、NWMOは、8地域以降に第3段階の第1フェーズを完了した地域にも同様に支援金を提供するとしている []

カナダ環境評価局(CEAA)は2013年5月24日、オンタリオ・パワー・ジェネレーション(OPG)社が計画している低・中レベル放射性廃棄物の地層処分場(DGR)の環境影響評価書等に関して実施されていたパブリックコメントの募集期間(約15カ月)の終了を公告した。

OPG社はオンタリオ州キンカーディン自治体のブルース原子力発電所サイトで、地下約680mの石灰岩層に地層処分場を建設し、同社の原子力発電所から発生する約20万m³の低・中レベル放射性廃棄物を処分する計画である。OPG社が2011年4月に提出した環境影響評価書(EIS)及び予備的安全評価書等1 について、カナダ環境評価局(CEAA)とカナダ原子力安全委員会(CNSC)は合同評価パネル(JRP)を設置して審査しており、JRPが2012年2月3日からパブリックコメントの募集を開始した。募集期間は当初6カ月の予定であったが、寄せられた質問・追加情報の要求に対応するため、OPG社の要請を受けて、JRPはパブリックコメントの募集期間を2013年5月24日まで延長していた。

カナダにおける環境影響評価の根拠法であるカナダ環境評価法に基づくパブリックコメントは、DGRプロジェクトに対して、関係する個人、団体、組織のほか、国・地方自治体のあらゆるレベルの行政当局から書面による意見を収集するプロセスである。提出された意見書は原則として、カナダ環境評価局のインターネットサイト(環境評価レジストリと呼ばれる)に登録・公開される。DGRプロジェクトについては、パブリックコメントの終了時点で644件の意見書が公開されている。

今後、合同評価パネル(JRP)は公聴会を開催し、評価結果を環境大臣に報告した上で、2014年にはサイト準備・建設の許認可発給が見込まれている。公聴会の開催予定は90日前までに公示される。

 

【出典】

《参考》OPG社とNWMOの関係

OPG社は、オンタリオ州営電力オンタリオ・ハイドロ社の発電部門の子会社である。DGRプロジェクトでは、オンタリオ州内の3カ所の原子力発電所(ピカリング、ダーリントン、ブルース)で発生する低・中レベル放射性廃棄物を地層処分する計画である。この地層処分場では、CANDU炉から発生する使用済燃料は処分されない。また、オンタリオ州外にある2カ所の原子力発電所で発生する低・中レベル放射性廃棄物も処分されない。

OPG社は2009年1月に、カナダ核燃料廃棄物管理機関(NWMO)との間でDGRの開発委託に関する契約を締結した。この契約により、OPG社でDGRプロジェクトに携わっていた人材がNWMOに移され、NWMOが職員として直接雇用している。NWMOは、地質調査や安全評価、環境影響評価、地元とのコミュニケーション活動などの業務を継承して実施した。DGRプロジェクトのサイト準備・建設に係る申請(2011年4月)はOPG社が行っているが、許認可申請に合わせて提出すべき環境影響評価書(EIS)、予備的安全評価書の作成は実質的にNWMOが担当している。DGRプロジェクトの情報は、NWMOのホームページ(www.nwmo.ca/dgr)からアクセスできる。

NWMOはカナダの核燃料廃棄物(CANDU炉から発生する使用済燃料)の処分実施主体であり、2002年制定の核燃料廃棄物法に基づき、カナダの原子力発電事業者の共同出資により設立された非営利法人である。NWMOへの出資はOPG社を含む原子力企業4社〔OPG社、ハイドロ=ケベック社、ニューブランズウィック・パワー社、カナダ原子力公社(AECL)〕が行っている。NWMOの活動のうち、核燃料廃棄物の長期管理アプローチ「適応性のある段階的管理」(APM)に係わる活動費用はこれら4社で分担しているが、OPG社のDGRプロジェクトの活動費用はOPG社のみが負担している。

 


  1. 注:これら2つの評価書は、OPG社との契約に基づき、カナダ核燃料廃棄物管理機関(NWMO)が作成している。 []

カナダの使用済燃料処分の実施主体である核燃料廃棄物管理機関(NWMO)は、自身のウェブサイトにおいて、2012年度の年報、並びに「適応性のある段階的管理」(詳細はこちら)の実施に関して、2013年から5カ年の実施計画書を公表した。

2012年度の年報では、2012年12月31日時点における処分場のサイト選定の進捗状況について、21の地域がサイト選定プロセスに参加しており、うち17の地域が第3段階となる潜在的な適合性の予備的評価に進んでいることが示されている。第3段階では、当該地域に地域連絡委員会が組織されることになっており、8つの地域でこの委員会が設置されている。地域連絡委員会は、地元のボランティアがメンバーとなり、住民への情報提供や地域の要望の反映などにおいて、重要な役割を果たすと期待されている。なお、カナダにおける使用済燃料処分場のサイト選定に対して関心表明を行った地域及びその状況をページ末に表形式でまとめた。

NWMOの2013年から5カ年の実施計画書では、第3段階の潜在的な適合性の予備的評価は、2つのフェーズに分けて段階的に進めるとしている。第1フェーズは机上での調査が中心であり、第2フェーズは限定的なフィールド調査が実施される。NWMOは、いずれのフェーズにおいても、地元自治体議会の書面による意思表明がなされてから調査活動を実施するとしている。これら2つのフェーズを通じて、使用済燃料の地層処分プロジェクトについて以下の4つの観点の評価が行われる。

① 処分が安全に実施できる場所を見つけられる可能性があるか

② プロジェクトが実施されることにより、地元地域の福祉が向上する可能性があるか、その可能性を確かにするために何が必要か(例えば、インフラ、資源、構想など)

③ サイト選定プロセスの以降の段階においてプロジェクトの進む道を切り開いていくことに対し、地域の住民が関心を維持し続ける可能性があるか

④ 周辺地域の福祉が向上する可能性があるか、周辺地域を含めてプロジェクトとともに歩むための基盤が確立される見通しがあるか

2013年から5カ年の実施計画書においてNWMOは、第3段階におけるサイト選定プロセスの今後の進捗について次のような見通しを示している。

  • 第3段階の第1フェーズの作業終了後、処分場プロジェクトへの潜在的な適合性が比較的低いと判断される地域は、サイト選定プロセスから除外する可能性がある。
  • 第3段階の第2フェーズでは、NWMOの作業に対する第三者レビューを実施する。レビューグループのメンバーは、NWMO及び地元の責任当局が選出する。
  • 第3段階の第2フェーズの作業終了後、第4段階へ進む可能性がある地域として1つまたは2つの地域を選抜する可能性がある。

【出典】

  • 核燃料廃棄物管理機関(NWMO): 2012年度年報
    Moving Forward Together, Annual Report 2012. NWMO
    http://www.nwmo.ca/annualreportからダウンロードできます〕
  • 核燃料廃棄物管理機関(NWMO): 2013~2017年実施計画書
    Implementing Adaptive Phased Management 2013 to 2017. March 2013. NWMO
    http://www.nwmo.ca/implementationplanからダウンロードできます〕

 

【2013年4月10日追記】

核燃料廃棄物管理機関(NWMO)はこのほど、セントラルヒューロン自治体について、サイト選定手続きに関する今後の検討から除外するような明らかな条件は見つからなかったとする初期スクリーニング結果とともに、2013年2月15日付の書簡・初期スクリーニング概要報告書と全体報告書を公表した。これにより、サイト選定プロセスに参加している21の地域の全ての初期スクリーニング報告書が出揃ったことになる。

 


サイト選定プロセスに参加している自治体(計 21)(2013年4月10日時点)

〈参考〉カナダにおける処分地の選定手続き・経緯 について、詳しくはこちら もご覧下さい。


【出典】

カナダの使用済燃料処分の実施主体である核燃料廃棄物管理機関(NWMO)は、「適応性のある段階的管理」(APM)(詳細はこちら)の実施に関して、2013年~2017年の5年間における実施計画案を公表し、2013年1月10日までの期限で、意見募集を開始した。NWMOは2008年から毎年、5年間の行動計画をまとめた実施計画案を公表し、幅広く国民の意見を反映して最終化する手順を踏んでいる1

今回公表された実施計画案においてNWMOは、7つの戦略的目標を掲げ、各項目について、2013年~2017年おける活動内容と2013年における活動内容を簡潔に記載している。これらの戦略的目標や、その実現のための活動の適切性について、NWMOが国民の意見を聴きたいと考えている事項を具体的な質問形式にまとめ、巻末に返信用アンケートを添付している。

〔7つの戦略目標とアンケートの設問は下記の表を参照のこと〕

NWMOは、2010年5月から、9段階で進められる使用済燃料処分場のサイト選定プロセスを進めている。今回の実施計画案における戦略的目標の第2項目であるサイト選定に関しては、2010年に開始したサイト選定プロセスの第4段階までのスケジュールを見据えた内容となっており、2013年の活動項目として第3段階の第1フェーズ2 の実施が盛り込まれている。

戦略的目標の第3項目に該当する処分場の設計やセーフティケースの開発に関しては、研究段階からエンジニアリング段階への移行を開始するとされている。今後5年間においてNWMOは、結晶質岩及び堆積岩における処分場の設計及び閉鎖後安全性に関するカナダ原子力安全委員会(CNSC)の事前審査を完了し、2021年頃と予定しているサイト準備・建設に係る許認可申請書の提出へ向けて、設計の最適化を進めるとしている。また、使用済燃料の処分容器の試作品の設計・製造を、カナダ国内の大学や研究機関と連携して進め、処分容器と輸送容器の工学的技術を確立するともに、試験施設を設置し、製造技術等の研究を継続していくとしている。そのために、使用済燃料輸送容器の容器承認のアップデート、地層処分環境での微生物学的プロセスの統合レビューの完了を2017年までの実施項目として設定している。また、2013年には以下の活動を実施するとしている。

  • 処分容器に利用する銅コーティング技術の評価
  • 堆積岩中の高塩濃度環境での銅・鉄の腐食に関する研究の完了
  • 処分容器の密閉に用いる溶接技術の評価
  • 処分容器の定置に関する代替技術のレビュー
  • 適応性のある段階的管理(APM)のための安全解析の準備
  • 緩衝材の製造プロセスに関する研究
  • 使用済燃料の鉄道輸送に関する調査
  • スウェーデン・エスポ岩盤研究所での研究プロジェクトへのNWMOの参加の終了
  • 独立技術評価グループによる技術研究プログラムの年次評価の実施

 

NWMOの2013~2017年の戦略的目標〔案〕 NWMOが公衆の意見を聴きたい
と考えている事項(アンケートの設問)
①関心のある人々との持続可能で長期的な関係の構築及び将来の方向性の設定への参画
②十分な情報の提供を受けた上で、処分場を受入れる意思を示した地域での処分に向け、協力的なサイト選定手続きの実施
③結晶質岩及び堆積岩の双方における処分場のジェネリックな設計とセーフティケースの向上と開発、及び最善の手法に従った継続的な改善を実現するための技術研究と開発の実施
④長期間にわたって確実に使用済燃料を管理するために必要な資金の確保
⑤新たな知見、国際的な最善の手法の事例、技術の高度化、社会的な期待・価値の変化、及び政策変更に適応した処分計画の策定
⑥NWMOの事業の実施に対する一般公衆の信頼の向上に寄与するような責任あるガバナンス体制の維持
⑦社会的、環境的、技術的能力及び財務上の能力を備えた実効的な実施主体の構築と維持
Q1. 実施計画案で示された7項目の戦略的目標は適切か。
Q2. 実施計画案で示している作業や活動計画は適切か。
Q3. 実施計画案は今後予測される課題とその対応について示しているが、今後5年間において対処が必要な重要な課題として何が考えられるか。
Q4. 上記の課題への対応としてNWMOが実施すべきことは何か。
Q5. その他のコメント、質問、提案はあるか。

 

【出典】


  1. NWMOの実施計画の策定やそのための意見募集は、核燃料廃棄物法で定められたものではない。それに対して、毎年公表されている年報や3年に一度公表される「3年次報告書」は、「核燃料廃棄物法」の規定に基づいて策定される。 []
  2. 第3段階では潜在的な適合性の予備的評価が実施される。第3段階は2つのフェーズで構成され、第1フェーズでは机上調査が行われ、第2フェーズでは現地でのフィールド調査や周辺地域の調査も実施される。詳細は2012年7月18日付既報参照。 []

カナダの使用済燃料処分の実施主体である核燃料廃棄物管理機関(NWMO)は自身のウェブサイトにおいて、処分事業及びサイト選定計画に係る情報提供に対する関心表明の受付について、2012年9月30日をもって一時中断し、当面は受付済みの地域を対象とした調査とサポートに注力していくことを明らかにした。今回の関心表明の受付の一時中断について、NWMOは6ヶ月前の2012年4月に予告を行っていたものである。NWMOは、2010年5月から9つのステップからなる使用済燃料処分場のサイト選定を開始しており、自治体からの関心表明はその第2段階である

関心表明をおこなった地域の地図

関心表明をおこなった地域(clickでGoogle Mapで表示)

NWMOが公表した関心表明の受付の中断に関する説明資料によると、2012年9月30日時点で、21の地域がサイト選定プロセスに参加している。うち、早くに関心表明を行っていた地域では、第2段階で実施される初期スクリーニングが完了し、第3段階となる潜在的な適合性の予備的評価に進んでいる地域もある(下表参照)。NWMOの2012年6月付のニュースレターでは、サイト選定プロセスに参加している地域の数は19であったが、その後、新たにマニトウェッジ・タウンシップとセントラルヒューロン自治体の2地域が関心表明を行っている。

第3段階では、関心表明を行った地域の周辺自治体や、先住民族(北米インディアン、メティス、イヌイットなど)を含む関与プログラムも開始されることになっている。NWMOは、関心表明の新規受付を一時中断することによって、実施中の作業に集中するとともに、サイト選定プロセスに参加している地域へのサポート、周辺の自治体などの参画に関する計画や支援を強化していく考えである。なお、NWMOが進めているサイト選定プロセスの第3段階の作業期間は、約1~2年と予定とされている。

NWMOは、第3段階の潜在的な適合性の予備的評価が完了するまでは、適切な候補地が見いだせるかどうかは明確ではないため、将来的に新たな地域の検討が必要となった場合のため、関心表明の受付を再開する選択肢は排除しないとしている。受付を再開するまでの間に関心を示す地域が新たに現れた場合は、新たに初期スクリーニング等は実施しないものの、地域やグループ、個人の要請に応じて、サイト選定プロセス期間中の情報提供や定期的な更新情報の提供、説明会の実施等を行うとしている。

これまでにカナダにおける使用済燃料処分場のサイト選定に対して関心表明を行った地域及びその状況を下表に示す 。

地域 サイト選定における検討状況
イングリッシュリバー先住民族保留地 サスカチュワン州 第3段階実施中1
パインハウス村 サスカチュワン州 第3段階実施中
クレイトン・タウンシップ サスカチュワン州 第3段階実施中
イアーフォールズ・タウンシップ オンタリオ州 第3段階実施中
イグナス・タウンシップ オンタリオ州 第3段階実施中
シュライバー・タウンシップ オンタリオ州 第3段階実施中
ホーンペイン・タウンシップ オンタリオ州 第3段階実施中
ワワ自治体 オンタリオ州 第3段階実施中
ニピゴン・タウンシップ オンタリオ州 第2段階 初期スクリーニング結果公表済み(良好)2
ブロックトン自治体 オンタリオ州 第2段階 初期スクリーニング結果公表済み(良好)
ソーギーンショアーズ町 オンタリオ州 第2段階 初期スクリーニング結果公表済み(良好)
ホワイトリバー・タウンシップ オンタリオ州 第2段階 初期スクリーニング結果は未公表
ブラインドリバー町 オンタリオ州 第2段階 初期スクリーニング結果は未公表
エリオットレイク市 オンタリオ州 第2段階 初期スクリーニング結果は未公表
ノースショア・タウンシップ オンタリオ州 第2段階 初期スクリーニング結果は未公表
スパニッシュ町 オンタリオ州 第2段階 初期スクリーニング結果は未公表
アラン=エルダースリー自治体 オンタリオ州 第2段階 初期スクリーニング結果は未公表
ヒューロン=キンロス・タウンシップ オンタリオ州 第2段階 初期スクリーニング結果は未公表
サウスブルース自治体 オンタリオ州 第2段階 初期スクリーニング結果は未公表
マニトウェッジ・タウンシップ オンタリオ州 第2段階 初期スクリーニング結果は未公表
セントラルヒューロン自治体 オンタリオ州 第2段階 初期スクリーニング結果は未公表
レッドロック・タウンシップ オンタリオ州 初期スクリーニング結果公表済み(不適) サイト選定プロセスの検討から排除

 

 

【出典】

 

【2012年10月11日追記】

核燃料廃棄物管理機関(NWMO)はこのほど、新たに下記の6地域の初期スクリーニング結果及び報告書を公表した。

  • エリオットレイク市
  • ブラインドリバー町
  • スパニッシュ町
  • ノースショア・タウンシップ
  • サウスブルース自治体
  • ヒューロン=キンロス・タウンシップ

初期スクリーニング結果に係る書簡と報告書によると、今回公表された6地域に関して、サイト選定手続きに関する今後の検討から除外するような明らかな条件は見つからなかったとしている。

【出典】

【2012年10月30日追記】

核燃料廃棄物管理機関(NWMO)は10月17日付で、ホワイトリバー・タウンシップに対して初期スクリーニング結果を通知する書簡と報告書を公表した。初期スクリーニング結果に係る書簡と報告書によると、ホワイトリバー・タウンシップに関して、サイト選定手続きに関する今後の検討から除外するような明らかな条件は見つからなかったとしている。

また、NWMOのウェブサイトにおいて、地元住民とのコミュニケーションを目的として設置される地域連絡委員会のウェブサイトを紹介している。地域連絡委員会は、サイト選定プロセスの第3段階に進んだ地域において、地元のボランティアによって組織されるものであり、地域住民に対する情報提供や地域の要望の反映などにおいて、重要な役割を果たすとされている。現在、6カ所の地域連絡委員会のウェブサイトが開設されている。

【出典】

 

【2013年1月22日追記】

核燃料廃棄物管理機関(NWMO)はこのほど、マニトウェッジ・タウンシップについて、サイト選定手続きに関する今後の検討から除外するような明らかな条件は見つからなかったとする初期スクリーニング結果を通知する2013年1月7日付の書簡と報告書を公表した。

【出典】


  1. サイト選定の第3段階以降では、使用済燃料の処分プロジェクトに対する各地域の適合性の評価が、より詳細な科学・技術的調査や、地域の福祉に関する調査を通じて実施される。これらの調査では、使用済燃料を長期間にわたって閉じ込め、隔離することのできる地質を有するサイトが存在することや、プロジェクトがその地域の福祉を向上させることができるかどうかが確認される。また、地域住民や周辺の自治体、先住民族の意識向上、学習及び関与が重要な要素であるとされている。 []
  2. 初期スクリーニングでは、以下の5つのスクリーニング基準を適用して評価が行われる:(1) サイトには、地上及び地下施設を収容できる大きさの土地がなければならない。(2)利用可能な土地は、保護区域、遺産地域、州立公園、国立公園の外側でなければならない。(3)利用可能なサイトは、将来の世代による擾乱の可能性がないよう、飲用、農業及び工業用途に使用される既知の地下水資源が処分場の深さに含まれていてはならない。(4)利用可能な土地は、処分場サイトに将来の世代による擾乱の可能性がないよう、既知の経済的に利用できる天然資源が賦存していてはならない。(5)利用可能な土地は安全性の要因を考慮し、サイトの安全性を妨げるような地質及び水文地質学的特性を持つ区域に入っていてはならない。 []