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§ 2020年4月1日 発行 海外情報ニュースフラッシュ

カナダ核燃料廃棄物管理機関(NWMO)が2020~2024年の実施計画書を公表

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カナダの使用済燃料処分の実施主体である核燃料廃棄物管理機関(NWMO)は、「適応性のある段階的管理」(APM詳細はこちら)の実施に関して、2020年から2024年までの5カ年の実施計画書をウェブサイトで公表した。NWMOは、毎年、今後5年間の行動計画をまとめた実施計画書を公表している。今回の実施計画書では、NWMOが1ヵ所の好ましいサイトの特定を予定している2023年以降のスケジュールが示されており、地層処分場の操業開始は2040年代前半となる見通しとなっている。なお、地層処分場のサイト選定プロセスは、2020年1月にオンタリオ州北部のイグナス・タウンシップと同州南部のサウスブルース自治体の2つに絞り込まれている 

2023年

  • 1カ所の好ましいサイトの特定
  • 輸送計画の枠組みの確定
  • 影響評価(impact assessment)におけるプロジェクトの説明文書の提出
  • サイト準備のための許可申請の提出

2024年

  • 詳細なサイト特性調査の開始
  • 影響評価調査結果の提出
  • 連邦政府の規制プロセスの開始
  • 専門技術センター建設開始の申請書の提出

2026年

  • 影響評価の承認(見込)
  • サイト準備のための許可の発給(見込)

2028年

  • 建設許可申請書の提出

2032年

  • 建設許可の発給(見込)

2033年

  • 設計と建設の開始

2040~2045年

  • 地層処分場の操業開始

■パートナーシップ構築への取り組み

NWMOは今後5年間の取り組みとして、従来設定していた7つの優先事項(工学技術、サイト評価、安全性、人材確保、許認可、パートナーシップ、輸送)を中心に活動計画を構成しているが、2019年版の実施計画書 で設定していた優先事項「公衆の関与」(engagement)は、今回の実施計画書では「パートナーシップ」に名称が変更された。

NWMOは、2018年に「先住民との和解の取り組みに関する宣言」(Reconciliation Statement)を制定しているほか、2019年にNWMOのマネジメントシステムにおいて、全てのNWMOスタッフが先住民の歴史や先住民の権利に関する国連宣言、条約などの教育等を受けることを義務づける「和解方針」(Reconciliation Policy)を定めた。この方針を反映して、NWMOは全ての優先事項の実施内容において、先住民族の知識と和解を反映させるとしている。

NWMOは今回の実施計画書において、地層処分場プロジェクトの実施に必要となる好意的かつ弾力性を備えたパートナーシップ(supportive and resilient partnership)を構築するために、プロジェクトに係わる自治体と協働するとし、以下の活動を行うとしている。

  • 地域がサイト選定活動に完全に参加するために必要なリソースを確保し、地域の関心を反映させ、プロジェクトを進めながら福祉を段階的に向上させる。
  • 影響評価(impact assessment)の構成要素としての社会的影響とベースライン調査を完了させる。
  • 核燃料の最終的な輸送の計画を含む「適応性のある段階的管理」(APM)の進捗状況について、カナダの原子力立地地域に説明する。
  • 以下のような関係構築を図り、維持する。
    • サイト選定プロセスへの参加を選択した関心のある地域、その地域の先住民及びその周辺地域
    • APM及びサイト選定プロセスの進捗状況を共有するための国、州及び地域レベルに設立された先住民組織
    • 地方自治体が重要と考える観点をより良く理解し、協力してAPMを実施していくために設立されている自治体連合体(複数州にまたがる連合体)
    • 連邦、州、地方自治体
    • 非政府組織及び市民社会全般
  • 先住民の居住地域の文化や言語、慣習、取り組みは多様であることを認識しつつ、先住民の有識者を含む潜在的に影響を受ける先住民との協力を続ける。
  • NWMOが2019年に策定した先住民との「和解方針」を実際の活動に反映させる。
  • 処分場立地の受け入れ意欲の評価計画(willingness assessment plan)を作成し、それを使用し最終的なサイト選択の決定を通知する。
  • より具体的に「社会的受容(social acceptance)」及び「喜んで受け入れる(willing host)」という用語を定義し、それらをどのように立証できるかを理解するため、サイト選定プロセスに関与する自治体、地域、先住民と協働する。
  • カナダの計画について、若年層を含むカナダ国民とカナダ先住民との間の認識を高めるための取り組みを継続する。
  • カナダの計画の詳細を共有するため、わかりやすい展示やコミュニケーションツール、マルチメディアの開発を続け、Webサイトとソーシャルメディアプラットフォームを通じてオンラインでの関与を拡大する。

【出典】

(post by nunome.reiko , last modified: 2020-04-30 )