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§ 2019年5月17日 発行 海外情報ニュースフラッシュ

カナダの使用済燃料処分場のサイト選定の状況-カナダ核燃料廃棄物管理機関(NWMO)がオンタリオ州南部の自治体においてフィールド調査の実施に向けた土地利用に関する説明を実施

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カナダの使用済燃料処分の実施主体である核燃料廃棄物管理機関(NWMO)は、2019年5月のプレスリリースにおいて、サイト選定プロセスの第3段階第2フェーズにおけるフィールド調査の実施に向けた土地利用に関する説明等を行うため、オンタリオ州南部のヒューロン=キンロス・タウンシップ及びサウスブルース自治体を訪問することを公表した。NWMOは2017年に、南部2自治体でボーリング調査を行う計画を表明していたが、現在も土地所有者や先住民からボーリング調査の許可を得るに至っていない。このためNWMOは、ボーリング調査の結果によって、将来、当該エリアが使用済燃料処分場の好ましいサイトとして選定された場合には、当該エリアの土地を割り増し価格で購入する合意文書を事前に取り交わすことで、土地所有者などからボーリング調査の許可を得たいとの意向を明らかにしている。

NWMOによるサイト選定プロセスの進捗動向
(2017年12月時点)

使用済燃料処分場のサイト選定プロセスの第3段階第2フェーズにある5自治体のうち、オンタリオ州北部の3自治体で特定されているフィールド調査エリアは州管轄地(クラウンランド)にあって土地所有構造が単純であるのに対し、南部2自治体の場合は複数の土地所有者が関係する複雑な構造となっている1 。NWMOは、南部2自治体において当面必要なフィールド調査を円滑に進められるように「土地アクセスプロセス」(Land Access Process)を明らかにしたうえで、土地所有者とNWMOとの双方に有益な関係の構築を目指すとしている。

土地アクセスプロセス

今回NWMOは、土地所有者からフィールド調査を行う許可を得るとともに、将来的にNWMOがその土地を購入する可能性を見越して、土地所有者との間で事前に以下の内容の合意文書を取り交わす「土地アクセスプロセス」を提案している。

  • NWMOは、土地所有者と合意文書を取り交わすことで、フィールド調査を実施する権利、さらには、将来的にサイトが選定された際に土地を購入する権利を得る。
  • NWMOがフィールド調査に利用する土地の所有者は、NWMOと合意文書を取り交わすことよって、土地所有者が行っている活動への影響に対する補償を受けることができる。
  • 土地所有者が合意時点で受け取ることができる補償内容には、土地の市場価格の10%の金額、並びに土地所有者が外部専門家から地価の評価額や法的助言を得るために使用できる費用として1万カナダドル(83万円、1カナダドル=83円で換算)が含まれる。
  • 土地所有者とNWMOとが合意文書を取り交わした場合でも、実際にフィールド調査に使用されない土地の部分は、土地所有者が継続して利用可能である。
  • 将来、NWMOが使用済燃料処分場の好ましいサイトを選定した後、当該土地の購入を決定した場合、土地の市場価格に25%を上乗せした金額をNWMOが土地所有者に支払う。

 NWMOは、土地所有者との間で上記の合意文書を取り交わしたい意向であるが、土地所有者が希望する場合には、当該土地を直ちに購入する選択肢も検討するとしている。また、土地所有者が土地アクセスプロセスに関してNWMOと合意文書を取り交わした場合でも、そのことをもって処分場の受け入れに同意したことにはならないことを明らかにしている。

 

【出典】

 


  1. 第3段階第2フェーズにあるオンタリオ州北部3自治体の一つであるイグナス・タウンシップは、2011年11月にNWMOとボーリング調査に関する合意文書を取り交している。NWMOは州政府の承認を得て初期ボーリング調査を2018年11月に開始している   []

(post by nunome.reiko , last modified: 2019-05-17 )