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《フィンランド》地下特性調査施設(ONKALO)の建設状況-換気立坑が地下178mに達する(坑道掘削距離は2,165mに)

フィンランドにおける高レベル放射性廃棄物(使用済燃料)処分の実施主体であるポシヴァ社は、2007年6月19日付けのプレスリリースにおいて、同社がオルキルオトで2004年6月から建設を行っている地下特性調査施設(ONKALO)(既報)の建設作業の進捗状況を公表し、その中で換気立坑の掘削がレイズボーリング工法により地下178mに達し、ONKALOの建設プロジェクトが次の段階に入ったことを伝えている。プレスリリースによれば、今後は第2の換気立坑と直径4.5mの昇降用立坑の掘削が行われるが、昇降用立坑については2007年秋から同工法による掘削が開始され、換気立坑と同様に178mの深さに達する予定である。
なお、地下特性調査施設(ONKALO)は長さ5.5kmのアクセス用坑道(斜坑)、換気立坑、 深度420m(メイン)および 深度520mの地下特性調査エリアから構成される(既報)

また、プレスリリースでは、地下特性調査施設(ONKALO)において換気立坑の掘削が地下178mに達したことに加え、2006年5月時点では1,089mであった坑道掘削距離(既報)が2,165mに達していることが、以下に示す情報とともに示されている。なお、ポシヴァ社のウェブサイトによれば、2007年6月21日時点での坑道掘削距離は2,194m、深度は207mとなっている。

  • 換気立坑は、2つの段階に分けられて掘削が行われた。第1段階は2006年5月に掘削深度が約90mに達した時点で、今回の掘削が第2段階である。
  • 換気立坑は、先行して掘削した直径30cmのパイロット孔に沿って、下から直径3.5mの拡掘ビットを上に引上げながら拡掘するというレイズボーリング工法によって掘削された。この掘削は毎時0.5~1mのペースで24時間操業により1週間かけて実施され、掘削作業の実施前には地下水漏出を最小化するためのグラウト処理が行われている。なお、この換気立坑の掘削はスウェーデンの会社によって行われたものである。


  • 最終処分深度である420mの地点におけるONKALOの換気は、換気立坑から坑道に空気を送り込み、坑道入口から排気する方法で行われる。

なお、地下特性調査施設(ONKALO)の完成は2010年とされており、最終処分施設の建設許可申請が2012年までに政府に提出され、操業開始は2020年の予定とされている(既報)

【出典】

  • ポシヴァ社ウェブサイト、2007年6月19日付プレスリリース、http://www.posiva.fi/tietopankki_tiedotteet.html?dataf=
    20070619155744.txt&dpic=20070619155937.jpg&title=
    Ventilation+shaft+in+ONKALO+reaches+down+to+a+depth+of+178+
    metres&arctype=ESITE&arcfile=&arctitle=&news
    type=tiedote&lang=eng&date=20070619000000
  • ポシヴァ社ウェブサイト、http://www.posiva.fi/englanti/index.html

(post by 原環センター , last modified: 2023-10-10 )