2003年5月20日、フィンランドにおける処分事業の実施主体であるポシヴァ社は、地下特性調査施設(ONKALO)の建設許可申請1 を処分場建設予定地オルキルオトのエウラヨキ自治体に提出した 。 ONKALOと呼ばれるこの調査施設は、 オルキルオトにおいてこれまで地上からのボーリング等により行われてきたサイト特性調査結果を検証するために建設される。ONKALOにおける調査活動により、政府に対して行われる予定の処分場の建設許可申請のために必要な情報が得られることになる。
フィンランドでは2001年5月に行われた原則決定(詳細はこちら)の承認により、使用済燃料の最終処分場の予定地がエウラヨキ自治体のオルキルオトに決定し、2010年を目途とした処分場建設許可申請に向けて地下特性調査施設の建設を含む調査活動が行われている。ONKALOについては、2002年6月にアクセス方式が決定されており 、今回はその建設許可申請が地元のエウラヨキ自治体に提出されたものである。以下ではポシヴァ社のプレスリリースの情報を紹介する。
ONKALOはオルキルオト島の中心部に建設される。オルキルオトでは1980年代からサイト特性調査が行われており、今まで23のボーリング孔が掘削されてきた。ONKALOは長さ5.5kmのアクセス用坑道(斜坑)、換気孔、 深度420m(メイン)および 深度520mの調査レベルから構成される。ONKALOの総容積は33万m3となる。
現在の計画によれば探査は2004年夏に開始の予定であり、準備活動は既に始められている。2004年から2010年の期間に、ONKALOプロジェクトでは毎年40~50人の地下建設作業者が投入される予定である。アクセス坑道は掘削・発破工法によって建設される。
ONKALOの建設は2010年までには完了する見込である2 が、調査活動自体はアクセス坑道の建設段階から開始され、地質学、岩石力学、地球物理学および地球化学の調査・計測のためのスペースがアクセス坑道および調査レベルに設けられる。ONKALOの完成後は、実際と同様の条件で最終処分技術の試験・シミュレーションが可能になるとされている。
なお、ONKALOの建設費用は概算で5千万ユーロ程度と想定されている。
【ONKALOの技術データ】
- 総容積=33万m3
- 坑道総延長=8,300m
- 換気孔長さ=530m
- 換気孔直径=6m
- アクセス坑道(幅×高さ)=5.5m×6.3m
- アクセス坑道傾斜=1:10
【出典】
- ポシヴァ社プレスリリース(2003.5.20)
(http://www.posiva.fi/englanti/index.html)
(post by 原環センター , last modified: 2023-10-10 )