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《フランス》ビュール地下研究所建設のための掘削作業を再開-ビュール近傍の4地点でのボーリング孔掘削も並行して実施

フランス放射性廃棄物管理機関(ANDRA)は、2002年5月15日の事故以来建設工事が中断していたビュール地下研究所について、2003年4月16日に補助立坑の壁のコンクリート打ちなどの準備作業を実施し、2003年4月30日に立坑の掘削作業を再開したことを発表した。ビュール地下研究所の掘削作業は、今後夏にかけて段階的に本格化するとされている。なお、工事の再開については、2002年11月に大審裁判所より許可が下されていた。

また、2003年5月19日付けの仏リベラシオン紙は、ANDRA会長のイヴ・ル=バール氏は、地層処分研究についての当初のスケジュールに遅れが生じることは不可避であることを否定しなかったと報じた。1991年の放射性廃棄物管理研究法(詳細は こちら)では2006年の議会への総括評価報告の提出が規定されているが、地下研究所建設の中断などによる地層処分研究の遅れについては、CNEの第8回評価報告書でも懸念が示されていた

さらに、ANDRAは2003年1月から9月までの間に、ビュール地下研究所近傍のシルフォンテーヌ・オン・オルノワ、モントルーイユ・シュール・トナンス、ノメクール、デモンジュ・オー・ゾの4つのコミューンにおいて、7つの新たなボーリング孔の掘削を行うことを発表した。これは、最下部での直径が12cmのボーリング孔を350mから850mの深さで掘削し、地下研究所が設置される粘土層の上下に存在する石灰岩層における地下水の流動特性をより詳細に調べることを目的としているほか、ボーリングコアを収集することで粘土層の鉱物組成の連続性を確認することも想定している。最初に作業が始められたシルフォンテーヌ・オン・オルノワでは、2003年3月29日に掘削が終了している。

このボーリング孔の掘削活動については、CNEの第8回評価報告書において、ビュールにおける地層処分研究の遅れを補うため、特に同サイトの複数の地点でできるだけ速やかに掘削を行い、より詳細な水文地質学的研究の実施を行うべきとの勧告がなされていた。

【出典】

  • ANDRAウェブサイト(http://www.andra.fr/fra/labo/Bure-0001.htm)
  • リベラシオン紙(2003年5月19日付)

(post by 原環センター , last modified: 2023-10-10 )