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《英国》政府が高レベル放射性廃棄物等の長期管理計画に関する公衆協議を開始

英国の環境・食糧・農村地域省(DEFRA)は、2007年6月25日付けのプレスリリースで、高レベル放射性廃棄物等の処分のためのサイト選定方法に関する提案について、協議用文書を公表し、公衆協議を開始したことを発表した。今回の公衆協議は2007年11月2日まで実施され、高レベル放射性廃棄物等の処分場の設計及び実現に関する技術的見地とともに、将来の処分場サイトの決定において採用する手続き及び基準に関して見解を求めるとしている。

政府は2006年に、放射性廃棄物管理委員会(CoRWM)の勧告を基に、英国の高レベル放射性廃棄物等の長期管理を進める方法として、安全かつ確実な中間貯蔵を組み合わせた地層処分を進める見解を表明した。また、政府が設定した管理オプションの検討についての協議プロセスの第3段階として、2007年に処分の実施手続きの枠組み及び地層処分実施計画の概要に関する公衆協議を実施する意向を示していた

今回発表されたプレスリリースによると、地層処分の計画及び開発については、以下の4点を基本とするとしている。

  • 問題及び機会が十分に議論及び評価され得る、潜在的な受け入れ自治体とのパートナーシップ
  • 明確な責務及び説明責任に基づく原子力廃止措置機関(NDA)による実施
  • 保健安全執行部(HSE)、イングランドとウェールズの環境規制機関(EA)、民間原子力安全保障局(OCNS)による強力かつ独立した規制
  • これまでのCoRWMの解放性及び透明性に対する義務を継承する形で、政府を独立した立場で監視し助言を行う新たなCoRWMを再編成

同プレスリリースでは、環境大臣は、自治体が手続きへの参加について関心を表明するといった自発性の概念に基づく全く新しいアプローチを政府は提案しており、地層処分場のサイトの選定において、公衆は手続きの全ての段階において意見を表明する機会を有することを確認すると述べている。また、同大臣は、提案された地層処分場は高度な技術を駆使した数十億ポンドの規模を有する計画であり、何世代にわたり投資対象及び雇用を提供することになり、受け入れ自治体及びその周辺の広範な地域に著しい経済的及び社会的な利益をもたらすとしている。また、英国はすでに地層処分を採用している他の国から多くの知見を得ることが出来ると述べている。なお、同大臣は、今回の協議はサイト選定手続きの開始を意味するものではなく、公衆協議が終了し、寄せられた意見を考慮して、進め方についての方針を確立して公表を行うまで、サイト選定手続きは行われないことを強調している。

【参考】
環境・食糧・農村地域省(DEFRA)等の協議用文書「放射性廃棄物の安全な管理、地層処分の実施に向けた枠組み、2007年6月25日」については、DEFRAの本公衆協議に関するウェブサイトより入手が可能です。

【出典】

  • 環境・食糧・農村地域省(DEFRA)、2007年6月25日付けプレスリリース、
    (http://www.defra.gov.uk/news/2007/070625a.htm)

【2007年11月9日追記】

公衆協議は2007年11月2日で終了しているが、原子力廃止措置機関(NDA)は2007年11月5日付プレスリリースにおいて、協議用文書に対するNDAの見解を環境・食糧・農村地域省(DEFRA)に提出したこと及びその内容を公表した。

  • 原子力廃止措置機関(NDA)、2007年11月5日付プレスリリース(http://www.nda.gov.uk/news/mrws-consultation-response.cfm)
  • NDA、公衆協議に対するNDAの見解(Response to Managing Radioactive Waste Safety(MRWS) Consultation,© the Nuclear Decommissioning Authority 2007)

(post by 原環センター , last modified: 2023-10-10 )