Learn from foreign experiences in HLW management

韓国産業資源部が「放射性廃棄物管理法」の法案を立法予告

韓国産業資源部(MOCIE)は、2007年6月14日、韓国における放射性廃棄物管理(処分)の総合的な制度改善に向けた「放射性廃棄物管理法」の法案を公表し、2007年6月20日に立法予告 1 を行った。

現在、韓国では、放射性廃棄物管理の技術・安全基準及び許認可に関する事項は「原子力法」、放射性廃棄物の管理事業者・処分費用・管理対策に関する事項は「電気事業法」において規定されている。今回の放射性廃棄物管理法の制定は、複数の法令に分散していた放射性廃棄物管理に関連する規定を一つにまとめ、現行の放射性廃棄物管理制度を改善・補完するためとされている。また、現在、慶州市陽北面奉吉里(キョンジュ市ヤンブク面ポンギル里)地域において計画が進められている中低レベル放射性廃棄物処分施設を円滑に運営し、放射性廃棄物を安全かつ効率的に管理することを目的としている。

今回公表された放射性廃棄物管理法案に示されている主な内容と、法律が施行された場合の現状からの変更点は、以下の通りである。

放射性廃棄物管理法
施行前(現在)
施行後
1.放射性廃棄物管理事業者 韓国水力原子力株式会社(KHNP) 韓国放射性廃棄物管理公団
2.放射性廃棄物管理資金 韓国水力原子力株式会社(KHNP)が引当金として確保 引当金の一部を放射性廃棄物管理基金とし、産業資源部が管理
3.放射性廃棄物管理に関する重要事項 原子力委員会で審議 放射性廃棄物管理委員会で審議の後、原子力委員会で審議
4.放射性廃棄物の発生者責任 費用負担 費用負担
発生量の最小化

法律が施行された場合の現状からの変更点

1.放射性廃棄物管理の専従機関の設立

電気事業法第82条では、放射性廃棄物の管理事業を実施できる者として、「原子力発電事業者」又は「特別法によって設立され、原子力発電関連業務を行う法人」と規定されており、現在は原子力発電事業者である韓国水力原子力株式会社(KHNP)が放射性廃棄物の管理事業を行っている。

今回の放射性廃棄物管理法案では、放射性廃棄物の管理事業を円滑に進めるため、放射性廃棄物管理の専従機関となる、「韓国放射性廃棄物管理公団」の設立が規定されている。「韓国放射性廃棄物管理公団」は、原子力発電事業者から独立した法人として設立され、放射性廃棄物管理全般を実施することとされている。

2.放射性廃棄物管理基金の設置と運用

電気事業法第94条第2項では、韓国における放射性廃棄物の処分財源について、原子力発電事業者が引当金方式で管理することが規定されている。放射性廃棄物管理法案では、現行の引当金方式を一部基金方式に変更し、基金管理の透明性と専門性を確保するため、管理・運用は産業資源部(MOCIE)長官が行うと規定している。なお、放射性廃棄物発生者は、放射性廃棄物を韓国放射性廃棄物管理公団に引渡す際、管理費用を公団に拠出し、公団はこれを管理基金に積み立てることになっている。

3.放射性廃棄物管理委員会の設置

放射性廃棄物管理法案には、放射性廃棄物管理に関する重要事項を審議するため、放射性廃棄物管理委員会を産業資源部長官の下に設置することが規定されている。現在は、放射性廃棄物管理の基本計画及び実施計画については、それぞれ産業資源部(MOCIE)及び韓国水力原子力株式会社(KHNP)が作成し、原子力委員会の審議を受けている。この法律が施行された場合、放射性廃棄物管理に関する重要事項については、原子力委員会の審議の前に、新設される放射性廃棄物管理委員会の審議を受けることになる。

4.放射性廃棄物の発生者責任

電気事業法第83条では、放射性廃棄物の発生者が放射性廃棄物の管理費用を負担することが規定されている。今回の放射性廃棄物管理法案では、放射性廃棄物発生者の管理費用負担に加えて、放射性廃棄物の発生量の最小化や安全な管理の実施が責務として規定されている。

なお、産業資源部(MOCIE)では、この法案に対するコメントを2007年7月10日まで受け付けるとしている。

【出典】

  • 韓国産業資源部(MOCIE)公告 第2007-207号(2007年6月)
  • 電源事業法
  • 原子力法
  • 行政手続法

【2008年4月17日追記】

2008年3月28日、韓国知識経済部(MKE) 2 はウェブサイトにおいて、放射性廃棄物管理法に関する情報を公表した。この放射性廃棄物管理法は、2008年3月28日に制定された。制定された放射性廃棄物管理法では、2007年6月の立法予告時の法案に含まれていた放射性廃棄物管理委員会の設立に関する規定が削除されている。また、同法は、2009年1月1日に施行されることが示されている。

  • 知識経済部(MKE)ウェブサイト、法令改正に関するページ (http://www.mke.go.kr/info/law/re_view.jsp?tab=P_03_02_02&board_id=P_03_02_02&sn=26648&code=3420&div=4)
  • 放射性廃棄物管理法
  • 産業資源部(MOCIE)ウェブサイト(http://www.mocie.go.kr/)

  1. 立法予告とは、「行政手続法」第41条に基づき、法律を制定、改正または廃止する際に、官報、広報、インターネット、新聞等を通じ、法案について意見を受け付ける制度である。[]
  2. 知識経済部(MKE)は、省庁再編により、2008年2月29日に産業資源部(MOCIE)などが改組され設立された。[]

(post by 原環センター , last modified: 2010-07-30 )