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《英国》カンブリア州において地層処分場サイト選定プロセスへの参加に関する公衆協議が開始

西カンブリア放射性廃棄物安全管理パートナーシップは、2011年11月21日、自身のウェブサイトにおいて、地層処分場のサイト選定プロセスへの参加に関する公衆協議文書を公表し、2012年3月23日まで公衆協議を実施することを発表した。同パートナーシップは、英国政府が実施しているサイト選定プロセスに関心表明を行ったカンブリア州、同州内のアラデール市及びコープランド市が合同で設立した諮問組織である。同パートナーシップは、公衆やステークホルダの意見を広く集め、各自治体がサイト選定プロセスへの参加に関する判断材料を提供することによって、自治体を支援することを目的としている。

同パートナーシップは、公衆協議において寄せられた意見を検討し、カンブリア州、同州コープランド市及びアラデール市の議会に対して、同パートナーシップの意見をまとめた最終報告書を2012年に提出する予定である。これらの議会は、この最終報告書の内容を考慮した上で、サイト選定プロセスへの参加の判断を行うことになっている。

同パートナーシップは、今回公表した協議文書において、地質条件、地層処分施設の安全性、対象廃棄物、地域への影響、地域に生まれる利益などの重要な問題に関するこれまでの議論の内容と見解を整理している。同時に、論点を質問形式にまとめており、これらの質問に対する回答の形で、公衆やステークホルダからの意見の表明を求めている。

また、同パートナーシップは、協議文書の概略版やDVDも用意している。概略版を2012年1月に西カンブリア地域の全世帯に配布するとともに、情報提供イベントの開催を企画している。

なお、サイト選定プロセスへの関心について、カンブリア州のコープランド市が2008年7月、カンブリア州が2008年12月、同州のアラデール市が2009年2月にそれぞれ政府に表明している。その後、これら2市全域を対象にした初期スクリーニングが行われ、その結果が2010年11月に公表されている。今回公表した協議文書では、この初期スクリーニングの結果に関する情報も提供している。

【出典】

【2012年4月17日追記】

西カンブリア放射性廃棄物安全管理パートナーシップは、2012年3月27日付のニュースリリースにおいて、地層処分場のサイト選定プロセスへの参加に関する公衆協議が終了したこと、その実施概要、今後の予定などを公表した。

同プレスリリースによると、公衆協議は2011年11月から2012年3月23日まで行われ、この間、西カンブリア地域やカンブリア州内の他の地域などの約1,300人が意見を寄せたとしている。また、今回の公衆協議では、コミュニケーション及び公衆関与のための活動として以下が行われたとしている。

  • 地元新聞へ記事を2度掲載
  • カンブリア州内の全世帯へ配られる州の広報誌に6ページの記事を掲載
  • 公衆協議文書の概略版及びニュースレターを西カンブリア地域の世帯、図書館、議会事務所やレジャーセンターへ配布
  • 様々な情報をウェブサイトに掲載、また、ツイッターやフェイスブック上で定期的に情報を更新
  • 西カンブリア地域の掲示版やバスに広告を掲載
  • カンブリア州内で12回の情報提供イベントを開催
  • オンラインでの議論を実施
  • 学校に対して教育パックを提供
  • 学校や他のグループで約50の討論会を開催
  • 若年層に関心を持たせるための企画のコンペティションを実施

今後、西カンブリア放射性廃棄物安全管理パートナーシップは、公衆協議で寄せられた意見を慎重に検討し、最終報告書を作成することとしている。パートナーシップの最終報告書は、2012年夏頃にカンブリア州、同州コープランド市及びアラデール市の議会に対して提出され、年内にはサイト選定プロセスへの参加が正式に決定される見込みである。

【出典】

(post by f-yamada , last modified: 2023-10-11 )