フランス リンク集
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国の機関
議会(国民議会[下院]・ 元老院[上院])
1958年に制定された第五共和国憲法のもと、大統領制と議院内閣制(2院制)を重ね合わせた構造となっている。大統領は、首相や閣僚の任命、下院の解散権等の権限を有する。一方で、議院内閣制の要素として、下院は不信任決議により政府を総辞職させる権限を持ち、議会による政府のコントロールが行われる(但し、政府に対する議会の権限には様々な制約がある)。議会は国民議会(下院)及び元老院(上院)の2院制であり、国民議会には大きな優位が認められている。政府の信任・不信任の手続きは国民議会にのみ認められており、また反対に、大統領が解散しうるのも国民議会のみである。予算法案審議に関する優先権も国民議会にあり、さらに両院一致を条件とする憲法改正の場合を除いて、国民議会が両院不一致の際の最終議決権を有する。
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国民議会 〔仏〕Assemblée nationale |〔英〕French National Assembly
議会科学技術選択評価委員会(OPECST)
〔仏〕Office parlementaire d'évaluation des choix scientifiques et technologiques
〔英〕Parliamentary Office for the Evaluation of Scientific and Technological Choices
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OPECST設置法(1983年制定)に基づき、議会の内部委員会として設置。上下院各18名の議員(政党別議員数に比例配分。計36名)で構成され、国会の決定に必要な情報を提供するために、科学技術的性格の選択の結果としての影響を検討して議会に報告する役割をもつ。OPECSTへの付託は、上院または下院の執行部、特別委員会または常任委員会が行う。
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地層処分事業におけるOPECSTの役割は、1991年管理研究法の枠内では15年にわたる3分野の管理研究成果の総括評価報告の審査を行う(議会へ提出される総括報告書の審査)、2006年管理計画法の枠内では、1)政府が3年毎に策定する国家放射性廃棄物管理計画及び国家評価委員会年次報告の提示を受けた後に公表する、2)地層処分場の設置許可申請プロセスにおいて設置許可申請書類の評価を行うことが規定されている。
行政組織
首相及び担当大臣のもとで各省庁が行政実務を執行する。フランスでは、内閣の交代に伴い、その大臣ポストや中央行政組織がダイナミックに再編される。2012年現在、放射性廃棄物政策に係る担当官庁は環境・持続可能開発・エネルギー省となっている。
中央政府
〔仏〕gouvernement
環境・エネルギー・海洋省
〔仏〕Ministère de l'Environnement, de l'Energie et de la Mer
〔英〕Ministry of the Environment, Energy and Marine Affairs
関連行政法人・公社
各省庁の行政機能のうち、特定の業務等を実施する組織として次の様な種類に分類される行政法人[EPA]や公社[EPIC]が存在する。両者の違いは概括的に次の様に整理できるが、個々の組織が実施する公益事業の内容と設立政令の基となる法律の違いによるものである。
商工業的性格を有する行政法人(EPA:etablissement public a caractere administratif)
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事業内容が、商工業分野以外であり、その公益性から私企業では運営しきれない業種である。
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行政的、財務的にかなりの自由裁量が認められているが、国、もしくは地方自治体の監督下に置かれている。
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公法に基づき管理されている。
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職員の身分は公務員もしくはそれに順ずる。
商工業的性格を有する公社(EPIC:etablissement public a caractere industriel et commercial)
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事業の内容が、販売活動、消費財の生産、もしくは役務提供であるが、その公益性から、自由市場による競争市場原理だけでは運営しきれない業種である。
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運営資金の殆どが、サービスを享受するものからの報酬による。
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組織、また事業運営の状況が一般私企業と似通っており私法に基づき管理されている。
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職員の身分:上記EPAの様な身分はなく一般の私企業と同等。
放射性廃棄物処分に関連するものとして、次のような組織が上記の「商工業的性格を有する公社(EPIC)」として設置されている。
原子力・代替エネルギー庁(CEA)〔→事業者-放射性廃棄物発生者を参照〕
放射線防護・原子力安全研究所(IRSN)〔→安全規制当局を参照〕
フランス放射性廃棄物管理機関(ANDRA)〔→事業者-処分実施主体を参照〕
安全規制当局
原子力安全機関(ASN)
【安全規制機関】〔仏〕Autorite de surete nucleaire |〔英〕Nuclear Safety Authority
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2006年原子力安全・情報開示法に基づき、従来の原子力安全・放射線防護総局(DGSNR)と全国11ヵ所の地方原子力安全局(DSNR)を統括して新設された独立行政機関。ASNの役割は、原子力安全と放射線防護に関する規制機関としての活動に加え、原子力安全に関する国民の知る権利を担保するための情報公開に関する活動を実施することが同法で規定されている。
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2006年原子力安全・情報開示法による独立行政機関としてのASNの設置までの安全規制当局の変遷は次のとおりである。
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1973年~:原子力施設安全部(SCSIN)
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1991年~:原子力施設安全局(DSIN)
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2002年~:原子力安全・放射線防護総局(DGSNR)〔地方原子力安全局(DSNR)を含めてASNと称されていた〕
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2006年~:原子力安全機関(ASN)〔現在のASN〕
ASNは、デクレ(政令)で任命される5名の合議体で構成される。構成員は原子力安全及び放射線防護の諸分野における識者から選出され、3名(うち1名は議長)は共和国大統領が、他の2名は下院及び上院議長がそれぞれ任命する。実務を担うASNの総職員数は約450名(うち、約200名が11の地方事務所)であり、その約8割が専門知識を有する技術スタッフである。
放射線防護・原子力安全研究所(IRSN)
〔仏〕L’institut de radioprotection et de surete nucleaire (IRSN)
〔英〕Institute for Radiation Protection and Nuclear Safety-
ASNの安全規制関連活動に対して、放射線防護・原子力安全研究所(IRSN)が技術的支援を実施。
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2002年のIRSN設置デクレ(政令)によって「商工業的性格を有する公社(EPIC)」として設置された。同設置デクレにより、原子力庁(CEA)とその前身である原子力安全防護研究所(IPSN)の分離、及び、後者と旧電離放射線防護局(OPRI)の合併が図られ、原子力安全及び放射線防護に関する「研究及び評価」のための機関として設置された。
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IRSN設置デクレは、IRSNの役割を原子力安全等の分野における専門的評価及び研究の実施としており、具体的には下記事項を行うことを規定している(以下、主要なもの)。
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分析、計測、線量測定などの、専門的鑑定・評価、研究業務をフランス国内外の公共機関または民間機関向けに実施する。
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自らの事業分野における専門的鑑定評価に必要な専門的知見を維持・拡充する。
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医療従事者および職業被曝者の放射線防護における人材養成に貢献する。
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原子力安全・放射線防護総局(現在のASN)、国防に係る事業・施設に関する原子力安全・放射線防護代表委員、及び技術的支援を要請する国の当局および部局に技術的支援を供与する。
諮問委員会組織
国家評価委員会(CNE)
【諮問機関】
〔仏〕Commission nationale d’évaluation des recherches et études relatives à la gestion des matières et des déchets radioactifs
〔英〕National assessment board for research and the studies into the management of radioactive waste and materials-
1991年管理研究法の規定に基づき、政府の諮問機関として設置されている(1994年月に設置され同年3月より活動を開始)。2006年管理計画法でも同様の位置付けでの設置が規定されており、その評価対象(諮問分野)は従来の高レベル及び長寿命中レベル放射性廃棄物の管理方策に係る各種調査研究の評価から、全ての放射性廃棄物の管理方策に係る調査研究を含む実施状況等の評価へと拡大されている。 【従前のCNEと識別するために“CNE2”と表記される場合がある】
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同委員会の構成員は12名であり(うち2名はフランス人以外とする)、議会、人文・社会科学アカデミー、並びに、科学アカデミーが提案する専門家で構成される。
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CNEは、放射性物質及び放射性廃棄物の管理に関する研究・調査の進捗状況を毎年評価して年次報告書に取りまとめる(議会に提出)。更に、1991年管理研究法の枠内では15年にわたる3分野の管理研究成果の総括評価を行い、2006年管理計画法では地層処分場の設置許可申請プロセスにおいて設置許可申請書類の評価を行うことが規定されている。
原子力安全情報と透明性に関する高等委員会(HCTISN)
〔仏〕Haut Comite pour la Transparence et l'Information sur la Securite Nucleaire (HCTISN)
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2006年原子力安全・情報開示法に基づき設置される組織である。原子力活動に伴うリスクならびにこれらの活動の人への健康、環境、及び原子力安全に対する影響に関する情報提供や討論を行う組織であり、これらの分野におけるあらゆる問題、ならびにそれに関連する規制・監督体制及び情報提供について意見提示ができる(原子力安全に関するあらゆる問題に関して、関係各所からの付託をうける)。
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同委員会は、デクレ(政令)で任命する任期6年の委員で構成され、国会議員については4名、その他のカテゴリーのそれぞれについて5名と法律で規定されている。
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下院が指名する下院議員2名及び上院が指名する上院議員2名
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地域情報委員会(CLIS)の代表者
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環境保護団体及び公衆衛生法典第L. 1114-1条にいう非営利団体の代表者
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原子力活動について責任を負う者の代表者
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代表的な従業員の組合団体の代表者
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科学、技術、経済もしくは社会に係る、または情報提供及び情報公開に関する見識によって選任される学識経験者。うち3名は議会科学技術選択評価委員会、1名は科学アカデミー、1名は人文・社会科学アカデミーが指名。
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原子力安全機関、国の関係部局及び放射線防護原子力安全研究所の代表者
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地域での情報提供等の活動促進の目的で設置される地域情報委員会(CLI)/地域情報フォローアップ委員会(CLIS)に対し、HCTISNは全国レベルでの同活動のための組織である。
事業者
放射性廃棄物管理機関(ANDRA)
【処分実施主体】
〔仏〕L’Agence nationale pour la gestion des déchets radioactifs (ANDRA)
〔英〕National Radioactive Waste Management Agency-
放射性廃棄物の長期管理業務を担当する組織として、1979年デクレ(政省令)によって当時の原子力庁(CEA)の一部門として設置。1991年管理研究法に基づき分離・公社化され、放射性廃棄物の長期管理を実施する責任を有する国内唯一の機関として設置(商工業的性格を有する公社、EPICとして設置)。
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2006年管理計画法により、放射性廃棄物管理業務(処分場の設計・運営業務や必要な調査・研究開発を含む)に加え、放射性廃棄物の管理コストの見積、基金の管理業務等の役割を新たに追加規定。
放射性廃棄物発生者(以下、主要な発生者)
フランス電力株式会社(EDF社)
AREVA社
〔仏〕AREVA SA
www.areva.com原子力・代替エネルギー庁(CEA)
〔仏〕Le commissariat a l'energie atomique et aux energies alternatives (CEA)
〔英〕French Atomic Energy and Alternative Energies Commission
自治体関係
フランスは26の地域圏―フランス本土は22の地域圏(レジオン region)―に区分される。地域圏の下に、100の県(departement)があり、その下に約37,000の自治体(コミューン commune)がある。
ビュール地下研究所、地層処分候補サイトに関係する県
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ムーズ県 Meuse departement … ロレーヌ地域圏の県
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オート=マルヌ県 Haute-Marne departement … シャンパーニュ=アルデンヌ地域圏の県
公益事業共同体(GIP)
〔仏〕groupement d’interet public
✔ Groupement d’intérêt public Objectif Meuse (GIP OM)
✔ GIP HAUTE-MARNE-
1991年管理研究法及び2006年管理計画法により、地下研究所または地層処分場を有する県にGIPが設置される。ビュール地下研究所が、ムーズ県及びオート=マルヌ県の県境に位置するため、両県にそれぞれGIPが設立されている。
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GIPには、国、地下研究所または地層処分場の設置許可保有者、施設の周辺区域にある州、県、市町村などが加入し、法律で規定される以下の役割(主に、地域振興に関連する事項)を地域が主体となって実施する。
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地下研究所または地層処分場の設置及び操業の促進。
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地下研究所または地層処分場の周辺区域などにおける国土整備及び経済開発事業の自県内での推進。
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地下研究所内において研究されている諸分野及び新しいエネルギー技術分野などにおける、人材養成事業ならびに科学的技術的知見の開発、活用及び普及事業の推進。
上記の地域振興に関連する施策の実施に関して、GIPにはその財源として、原子力基本施設(INB)に課税される連帯税及び技術普及税による税収の一部が割り当てられる。
地域情報フォローアップ委員会(CLIS)
〔仏〕Le comité local d’information et de suivi (CLIS)
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2006年原子力安全・情報開示法は、100万kW以上の原子力発電所或いは火力発電所、使用済燃料の再処理プラント、大規模な水力発電所、天然ガスの地下貯蔵施設等の設置地域に、情報提供、協議に関する全般的な使命を担う地域情報委員会(CLI)の設置を規定している。同法制定以前は、1981年の首相通達に基づきCLIが設置されており、CLIの設置義務はないが、ほとんどの原子力施設の立地地域に設置されている(原子力発電所については全てのサイトで設置、オーブ処分場にも設置されている)。
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上記の一方で、原子力基本施設ではない地下研究所の設置地域において同様の機能を有する組織設置の法的根拠はない。そのため、1991年管理研究法では、地下研究所の設置地域において、上記CLIと同等の機能を有する、地域情報フォローアップ委員会(CLIS)の設置を規定している。CLISの設置は2006年管理計画法でも踏襲され、地下研究所のみならず将来の地層処分場も設置対象とされている。
全国地域情報委員会連合(ANCCLI)
〔仏〕Association Nationale des Comités et Commission Locales d'information, ANCCLI
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全国35の地域情報委員会(CLI)の連合組織。ビュールCLISも参加している。
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links/fr.txt · 最終更新: 2023/05/16 13:30 by ss12955jp
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