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(簡略版)
韓国における高レベル放射性廃棄物処分
運転中の発電用原子炉は2016年末で計25基あり、その内訳は加圧水型原子炉(PWR)が21基、加圧重水型原子炉(PHWR、カナダ型重水炉)が4基です。使用済燃料は各発電所内で貯蔵されています。
韓国の原子力発電事業者は、韓国電力公社(KEPCO)の子会社である韓国水力原子力発電株式会社(KHNP)だけです。このためKHNPは、高レベル放射性廃棄物(使用済燃料)の国内における唯一の発生者であり、また低中レベル放射性廃棄物の大部分(90%)の発生者でもあります。
放射性廃棄物管理法(2009年施行)に基づき、国内の全ての放射性廃棄物の管理事業(主に最終処分に関連する業務)の実施を担う唯一の管理公団として韓国放射性廃棄物管理公団(KRMC)が設立されました。2013年6月に名称が「韓国原子力環境公団」(KORAD)に変更されました。KORADは「月城(ウォルソン)原子力環境管理センター」において、2015年7月より低中レベル放射性廃棄物の処分を開始しています。
原子力・放射性廃棄物行政に関係する省庁について、韓国産業通商資源部(MOTIE)は、原子力エネルギー開発、放射性廃棄物の管理、処理・処分の長期計画等の政策の立案などを担当しています。なお韓国の「部」は、わが国の「省」に相当します。また、放射性廃棄物の管理関連施設を含む原子力施設の安全全般に関わる規制については、原子力安全委員会(NSSC)が担当しています。
KORAD が実施する放射性廃棄物の管理に要する費用は、放射性廃棄物基金として確保することになっています。放射性廃棄物の発生者は、廃棄物を KORAD に引き渡す際に、低中レベル放射性廃棄物の管理費用及び使用済燃料の負担金等をKORADに納付します。放射性廃棄物基金の運用管理はKORAD が行っています。
「使用済燃料公論化委員会」の概要
使用済燃料公論化委員会は、放射性廃棄物管理法に基づき、「公論化」と呼ばれる社会的コンセンサスを得るための議論を実施するため、政府から独立した民間の諮問機関として設置されました。
2013年11月の発足後、使用済燃料の管理方針に関して市民や関係機関から幅広く意見収集を行いました。そして、意見の集約結果を2015年6月末に韓国産業通商資源部(MOTIE)長官に「使用済燃料の管理に関する勧告」として提出することで役割を終え、解散しました。
韓国では、2016年7月に「高レベル放射性廃棄物管理基本計画」(以下「基本計画」)が策定され、高レベル放射性廃棄物(使用済燃料)管理について基本方針が示されました。この基本計画は、2015年6月末に「使用済燃料公論化委員会」から提出された勧告を踏まえ、韓国産業通商資源部(MOTIE)により案が策定され、公聴会等を経て、原子力振興委員会にて承認されたものです。
基本計画では、高レベル放射性廃棄物の管理について、国民の安全の最優先や現世代による管理責任の負担、廃棄物発生者による管理費用の負担等の原則を示した上で、以下の方針を示しています。
基本計画では、使用済燃料の中間貯蔵施設と処分施設の両方を立地するサイトの選定手続きを以下のステップで進めるとしており、全体で12年間の所要期間を見込んでいます。
(1)不適合な地域の除外
(2)サイトの公募
(3)基本調査
(4)住民の意思の確認
(5)詳細調査
備考:通貨換算には、日本銀行の基準外国為替相場及び裁定外国為替相場のレート(平成28年12月中において適用)を使用しています。
2015年 韓国 | 単位: 億kWh (=0.01 x GWh) |
総発電電力量 (Total Production) | 5,528.76 |
---|---|
- 輸入 (Imports) | 0 |
- 輸出 (Exports) | 0 |
国内供給電力量 (Domestic Supply) | 5,528.76 |
国内電力消費量 (Final Consumption) | 4,953.11 |
source: «Energy Statistics 2017, IEA» Korea 2015:Electricity and Heat
source: World Nuclear Power Reactors & Uranium Requirements (WNA, 世界原子力協会)