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スイスにおける地層処分場のサイト選定手続きを監督する連邦エネルギー庁(Bundesamt für Energie、BFE)は2017年10月3日に、地層処分場の設置に係る立地地域への経済的措置としての「交付金」及び場合によって支払われる「補償金」に関して、今後行われる交渉プロセスの枠組みを示した「交付金・補償金の交渉プロセスの枠組み(ガイドライン)」を公表した。本ガイドラインは、交渉の当事者、交渉の開始時期と組織などを定めた12の条項で構成されている。交付金及び補償金に関する交渉は、2019年の開始が見込まれるサイト選定第3段階において、早ければ、処分実施主体である放射性廃棄物管理共同組合(NAGRA)が概要承認の申請準備を行うサイトを提案した時点から開始されることになる。

本ガイドラインは、交渉プロセスの枠組みのドラフト作成の委託を受けたスイス連邦工科大学チューリッヒ校の協力のもと、地層処分場の地質学的候補エリアが所在する4州、3つの地域会議の代表、スイスの民間の原子力発電事業者らが参加する協働作業サブグループ(Untergruppe Zusammenarbeit)が作成した文書である。本ガイドラインは2017年9月22日付けで、協働作業サブグループ15名の合意署名に加え、BFE、NAGRA、スイス連邦工科大学チューリッヒ校の参加者5名の賛同署名がされている。

本ガイドラインには、交付金と補償金の支払いについてはいかなる法的根拠も存在しておらず、自由意思によって行われる関係者との交渉の結果として取り決められるとする共通認識が示されている。

ガイドライン策定の背景

スイスにおける地層処分場のサイト選定プロセスの手続きを定めている 特別計画「地層処分場」では、交通インフラなど他の事業にも共通する土地収用法に基づく補償義務に加え、放射性廃棄物処分場の立地地域に対する経済的措置としての「交付金」の他、立地地域へ及ぼす影響に対する措置として場合によって支払われる「補償金」が規定されている。交付金と補償金の分配方法・使途等については、サイト選定第3段階において、NAGRAがサイト地域ごとに設置されている地域会議 や 、関係する州、自治体と協議して取り決めるとしていた。

スイスの連邦評議会1 は2015年10月に公表した報告書「地層処分場の影響—国民議会環境・都市計画・エネルギー委員会(UREK-N)要請13.3286(2014年4月9日付)に対応する連邦評議会報告」において、サイト選定第3段階で実施される交付金及び補償金の交渉に先立ち、第2段階のうちに、交渉プロセスの枠組みをガイドラインとして取りまとめる方針を示していた

交渉プロセスの枠組み

今回公表されたガイドラインでは、交付金、並びに場合によって支払われる補償金の使途、配分及び管理については、特別計画「地層処分場」に基づく手続きの終了後に設置される組織が決定するとしているが、交付金及び補償金の支払いに関する事項について、以下のような枠組みで交渉が行われるとしている。

■交渉当事者

交渉の当事者は、3つのグループから構成され、サイト選定第3段階で提案される高レベル廃棄物用処分場、低中レベル廃棄物用処分場の2カ所(または、それらを統合した処分場の場合は1カ所)について、①当該のサイト地域が含まれる全ての自治体、②サイト地域が所在する州、③廃棄物発生者の三者である。交渉にあたって、各当事者グループは、全権委任された交渉代表団を任命するとしており、自治体の代表団は最大6名2 、州の代表団は最大5名、廃棄物発生者の代表団は最大5名の合計で最大16名とすることを取り決めている。

■交渉の開始と組織

当該の地域会議が見解を取りまとめる上で十分な時間を確保できるよう、サイト選定第3段階において、NAGRAが概要承認申請準備を行うサイトを提案した後、可能な限り早期に開始するとしている一方、最も遅い場合には、当局による概要承認申請書類の審査が終了する時点から開始するとしており、幅をもたせている。

交渉当事者は、議長を選出し、事務局を設置する。事務局を外部委託するための費用は、交渉当事者間で均等に分担する。必要に応じて、外部専門家を交渉会議に招聘できる。また、BFEも議決権のないオブザーバーとして参加することとなっている。

■交渉の終了

交渉の結果、取り決めた内容は協定として文書化され、交渉に参加する自治体、州及び廃棄物発生者の代表団による署名をもって交渉終了となる。協定発効には、交渉終了から2年以内に、全ての廃棄物発生者、全州及び6割以上の自治体で所定の手続きを経て承認される必要がある。

 

【出典】


  1. 日本の内閣に相当。 []
  2. ドイツの自治体からの1名も含む。 []
キャニスタ封入施設建設のための岩盤掘削作業の様子(写真:Posiva Oy)

キャニスタ封入施設建設のための岩盤掘削作業の様子
(写真:Posiva Oy)

フィンランドにおける高レベル放射性廃棄物(使用済燃料)の処分実施主体であるポシヴァ社は、2017105日付けプレスリリースにおいて、使用済燃料処分場の建設の進捗状況を公表した。同プレスリリースによれば、ポシヴァ社は、処分場の地上施設を構成するキャニスタ封入施設の建設準備作業として、地表からの岩盤掘削作業を完了したとしている。キャニスタ封入施設の建屋建設は、今後、規制機関である放射線・原子力安全センター(STUK)による確認を受けた後に開始される予定である。

フィンランド南西部のエウラヨキ自治体オルキルオト島内において建設中の使用済燃料処分場は、地上のキャニスタ封入施設と地下400450mに設置される処分場で構成される。使用済燃料の処分概念はKBS-3方式であり、外側が銅製で、内側が鋳鉄製の2重構造の容器(キャニスタ)に使用済燃料を封入した上で、その周囲を緩衝材(ベントナイト)と岩盤からなる多重バリアによって安全性を確保するものである。

フィンランド政府は201511月に、ポシヴァ社に対して使用済燃料処分場の建設許可を発給していた。ポシヴァ社が処分場の建設を実際に開始するためには、法令に基づいて、ポシヴァ社が建設許可に関連した安全要件及び安全規則を十分に検討しているかについて、STUKの確認を受ける必要がある。201611月のSTUKによる確認・決定を受けて、ポシヴァ社は地下の処分場の建設を開始していた 。今回のポシヴァ社のプレスリリースによれば、地下の処分場の建設については、現在、主要坑道までの車両アクセス坑道の掘削作業を実施中であるとし、作業終了までには2年半を要するとしている。

今後、ポシヴァ社がキャニスタ封入施設の建設を開始するためには、地下の処分場と同様に、事前にSTUKによる確認が必要である。

【出典】

中国の立法機関である全国人民代表大会(全人代)で、2017年9月1日、初めての原子力安全に関する法案が可決され、同日の習近平国家主席の署名を経て「原子力安全法」として公布された。中国ではこれまで、放射性廃棄物の処理・処分を含めた原子力安全については、放射能汚染防止法等の法律や、国務院が定める条例、安全規制機関である国家核安全局(NNSA)が定める規則など複数の法令に規定されてきた。原子力安全法は、これらの法令等の規定を一部取り入れている他、これまで定められていなかった規定を新たに加えている。原子力安全法は2018年1月1日に施行される。

原子力安全法で改めて規定された内容と新たに追加された内容

使用済燃料の処理・処分に係る資金確保については、国家原子能機構(CAEA)及びその他の関連組織が策定した規則「原子力発電所の使用済燃料の処理処分基金の徴収、使用及び管理に関する暫定手続き」において、原子力発電事業者が使用済燃料の処分費用を負担するとの規定があったが、今回初めて法律のレベルで原子力発電事業者による処分費用の負担が定められた。原子力施設の廃止措置費用と放射性廃棄物の処分費用については、原子力発電事業者が事前に予算に組み込み、投資予算または発電コストに含めるとされた。

高レベル放射性廃棄物の処分方法については、放射能汚染防止法において地層処分すると規定していたが、今回の原子力安全法でも地層処分することが条文に盛り込まれている。低・中レベル放射性廃棄物の処分方法については、放射能汚染防止法で規定されていた地表処分に加え、原子力安全法では新たに中深度処分1 の概念が加えられた。

処分施設のサイト選定計画の策定については、国家核安全局(NNSA)の指針である「高レベル放射性廃棄物地層処分施設のサイト選定」及び国家環境保護総局(2008年に中国環境保護部2 に改組)の基準「低・中レベル放射性廃棄物の浅地中処分施設のサイト選定」において、サイト選定計画の作成を要求する規定があったが、今回の原子力安全法では各機関の役割がより明確化されており、国務院の原子力担当部署がサイト選定計画を定めた上で、国務院の承認を受ける必要があると規定している。

原子力安全法の制定前の放射性廃棄物の処理・処分等に関する規定と原子力安全法における規定を下表で比較した。

放射性廃棄物の処理・処分等に関するこれまでの各法令と今回の原子力安全法のとの比較
原子力安全法制定前の
各法令の規定
原子力安全法の規定
資金確保

原子力発電所は、使用済燃料の処理処分費用を負担し、それを発電コストとして計上する。
営業運転の開始5年以降の加圧水型原子炉の売電量に応じて、1kWh当たり0.026人民元(約0.4円、1人民元=16円で換算)を徴収。
(規則「原子力発電所の使用済燃料の処理処分基金の徴収、使用及び管理に関する暫定手続き」第4条、第5条、第10条)

原子力施設の事業者は、国の規定に基づき使用済燃料の処理処分費用を負担し、それを発電コストとして計上する。(第48条)

原子力施設の事業者は、原子力施設の廃止措置と放射性廃棄物処理の処分費用を事前に予算に組み込み、投資予算または発電コストに含める。(「放射能汚染防止法」第27条)

原子力施設の事業者は、原子力施設の廃止措置費用と放射性廃棄物の処分費用を事前に予算に組み込み、投資予算または発電コストに含める。(第48条)

放射性廃棄物の
処分方法

高レベル固体放射性廃棄物は、集中的な深地層処分を行う。(「放射能汚染防止法」第43条)

高レベル放射性廃棄物は地層処分するものとし、処分は国務院が指定する組織が実施する。

低・中レベル固体放射性廃棄物は、地表処分を行う。(「放射能汚染防止法」第43条)

低・中レベル放射性廃棄物は、地表処分または中深度処分する。(第40条)

サイト選定計画
の策定

高レベル放射性廃棄物についてはサイト選定計画を作成する。(指針「高レベル放射性廃棄物地層処分施設のサイト選定」セクション2.3)

国務院の原子力担当部署は、関係部署と協力して、高レベル放射性廃棄物のサイト選定計画を策定し、国務院の承認を経て実施する。(第42条)

低・中レベル放射性廃棄物については、サイト選定計画を作成する。(基準「低中レベル放射性廃棄物の浅地中処分施設のサイト選定」セクション4.2)

国務院の原子力担当部署は、関係部署や地方政府と協力して、低・中レベル放射性廃棄物のサイト選定計画を策定し、国務院の承認を経て実施する。(第42条)

【出典】

 


  1. 「中深度処分」の原語は「中等深度処置」である。2017年2月10日付で、国家核安全局が属する環境保護部が公表した「固体放射性廃棄物の区分方法(案)」では、中レベル放射性廃棄物が、アルファ核種を主として長寿命核種を多く含有し、浅地中処分ができない廃棄物と定義されており、これを中深度処分するとされている。中深度処分場は、洞窟を含め、地表から数十~数百m離れた地層処分場、及びボーリング孔による処分場とされている。 []
  2. 日本の省に相当する中国環境保護部(MEP)は、国家核安全局(NNSA)を所管しており、MEPに5人いる副部長のうちの1人がNNSAの局長を兼任している。 []

ドイツの放射性廃棄物処分の実施主体である連邦放射性廃棄物機関(Bundesgesellschaft für Endlagerung, BGE)は2017年9月5日に、「発熱性放射性廃棄物の最終処分場のサイト選定に関する法律」(以下「サイト選定法」という)に基づくサイト選定に関する情報提供イベントを首都ベルリンにて開催し、サイト選定手続きを正式に開始したことを公表した。このイベントでは、連邦環境・自然保護・建設・原子炉安全省(BMUB)の大臣が開会を行った後、処分実施主体であるBGE、サイト選定手続きを監督する連邦放射性廃棄物処分安全庁(BfE)、サイト選定手続きにおける連邦レベルの公衆参加組織である社会諮問委員会の代表者などが、参加した聴衆に対して、これまでの経緯やサイト選定に関する現状などについて説明した。

BMUB大臣は、1970年代にゴアレーベンが高レベル放射性廃棄物処分場の候補地とされた当時と異なり、これから始まる新たなサイト選定手続きは、公衆参加手続きを伴って進められることを強調し、地元地域に事前に知らされることなく候補地が決定することはないと発言した。

また、BfEの長官は、サイト選定手続きの信頼性確保には、独立した規制機関の存在が不可欠であるとし、BfEがサイト選定手続きを通じて、実施主体であるBGEの活動を監視していくと述べた。

2017年4月に新たな処分実施主体として活動を開始したBGEの社長は、最近のBGEの活動として、2017年8月に、各州に要請して全国の地質学的データの収集を開始したことを報告した。BGEは今後さらなるデータの収集を進め、地球科学的な除外基準及び最低要件 を適用し、最終処分に好ましい地質学的な前提条件を満たす「サイト区域」を選定し、その結果を中間報告書に取りまとめる予定である。また、新たなサイト選定手続きやその他のBGEの取り組みを「学習するシステム」であると表現し、常に誤りを修正し、公衆と意見交換しながら進めていく意向であることを強調した。

 

【出典】

英国の高レベル放射性廃棄物等の地層処分の実施主体である放射性廃棄物管理会社(RWM社)1 は、2017年8月3日に一般的な条件における処分システム・セーフティケース(gDSSC2 )の2016年版(以下「2016年版gDSSC」という。)の報告書を公表した。RWM社は、想定しうる英国内の地質環境において、安全に地層処分を実施できると結論付けている。今回のgDSSC報告書は、英国政府が2014年8月に公表した白書『地層処分の実施-高レベル放射性廃棄物等の長期管理に向けた枠組み』(以下「2014年白書」という。)に基づき、RWM社が実施している地質学的スクリーニングと並行かつ連動した形で取りまとめたものであり、2014年白書に基づく初期活動終了後に開始予定である地層処分施設の受入れに関心のある地域(コミュニティ)との協議において、提供される情報の一つとなる。

2016年版gDSSCは、地層処分施設への放射性廃棄物の輸送、地層処分施設の建設・操業、地層処分施設の閉鎖後という3つの段階に分けて、放射性廃棄物を安全に処分できることを立証する目的で作成された一連の文書であり(下記コラムを参照)、2010年12月に最初のgDSSCが取りまとめられた(以下「2010年版gDSSC」という。)。RWM社は今回の更新の主な理由として、2010年版gDSSCの策定のための基礎情報であった2007年版インベントリ及び地層処分対象となる放射性廃棄物を抽出した報告書「地層処分:2007年版抽出インベントリ」がそれぞれ2013年版に更新されたこと 、また、2014年白書において新規原子力発電所から発生する放射性廃棄物の追加等、地層処分される放射性廃棄物インベントリが更新されたことを挙げている。

2016年版gDSSCの主要成果

  • 想定しうる英国内の地質環境において、安全な地層処分が可能
  • 法律で規定された線量限度及び放射線防護基準を遵守してRWM社の地層処分施設を設計・建設・操業が可能
  • 通常作業における作業員への被ばく線量を法定限度以下に抑えた状況で、放射性廃棄物を地層処分施設に安全に輸送が可能
  • 地層処分施設の操業時のみならず閉鎖後も含め、長期間にわたる環境安全を確保する方法の立証が可能

また、RWM社は、今回公表した2016年版gDSSCが、前回2010年版と比較して、以下のような点において改善・進捗があったことから、地層処分施設の安全性が向上したと説明している。

  • 地層処分施設が設置される深度にある、母岩となりうる3種類の岩種(硬岩、粘土、岩塩)の定量評価
  • 放射性廃棄物インベントリに関する代替シナリオの検討
  • 原子力規制局(ONR)や国際原子力機関(IAEA)のガイダンスに沿った、将来的にRWM社が作成する地層処分施設の予備的安全報告書(PSR)の要件と、一般的な条件における操業セーフティケースの主要報告書(OSC)との整合
  • 廃棄体の劣化によって放出される放射性物質の挙動についての理解、地層処分施設の閉鎖後における臨界評価の改善、ガス評価におけるアプローチの策定などに関する知識ベースの改善

RWM社は、処分実施可能性の検討のために必要とされる限り、また、一般的な条件における地層処分施設の開発研究を進めるため、一般的な条件でのセーフティケース(gDSSC)を更新し続けるとしている。さらに、今後、地層処分施設の候補サイトが明らかになった際には、そのサイト固有のセーフティケースを作成するとしている。

2016年版gDSSC の目的と構成

一般的な条件でのセーフティケース(gDSSC)は、①gDSSCを構成する文書全体の構成、目的、主要成果を示した概要報告書(Overview)、②地層処分施設への放射性廃棄物の輸送、地層処分施設の建設・操業、地層処分施設の閉鎖後という3つの段階におけるセーフティケース報告書(Safety Cases)、③3つのセーフティケースの根拠となる評価報告書(Assessments)、④評価のために利用された基礎情報文書(System Information)で構成されている(下図参照)。

2016年gDSSCの文書校正

図:2016年gDSSCの文書構成

<2016年版gDSSCの目的>

  • 放射性廃棄物を安全に処分できることを立証する
  • 規制機関及び廃棄物発生者や原子力廃止措置機関(NDA)のようなステークホルダーとの協議に利用できる
  • 放射性廃棄物管理会社(RWM社)が廃棄物発生者に対して、廃棄物パッケージに関するアドバイスの根拠となること、及び廃棄物パッケージの処分可能性評価のための基礎情報となること
  • 地層処分施設の受け入れに関心のある自治体(コミュニティ)に情報提供を行うことで、サイト選定プロセスを支援する
  • 研究開発が必要な分野を特定し、RWM社の科学技術プラン3  の策定に資する
  • 地層処分施設の開発における明確な処分概念と設計に関する情報を提供し、サイト選定プロセスの早期段階において、潜在的な候補サイトの適合性を評価するための基礎情報となること
  • サイト固有の設計及びセーフティケースの開発を支援する情報となること

【出典】


  1. 原子力廃止措置機関(NDA)の完全子会社 []
  2. 英国における地質環境を想定し、サイトを特定しないで一般的な条件で作成した処分システム・セーフティケースであり、英語では generic Disposal System Safety Case と呼ばれている。 []
  3. 『科学技術プラン』はRWMによる地層処分のための研究開発の詳細内容が示されている。 []

スイスの連邦原子力安全検査局(Eidgenössisches Nuklearsicherheitsinspektorat, ENSI)は、2017年8月3日に、地層処分場プロジェクトにおけるENSIの役割を記したポジションペーパー「地層処分場の規制監督」を公表した。スイスでは、特別計画「地層処分場」(以下「特別計画」という)に基づくサイト選定手続きが実施されており、現在、サイト選定第2段階にある。実施主体である放射性廃棄物管理共同組合(Nationale Genossenschaft für die Lagerung radioaktiver Abfälle, NAGRA)の地質学的候補エリアの絞り込み提案について、今後、連邦評議会1 の承認プロセスを経て、2018年末までにサイト選定第3段階へ進む予定である。ENSIは、サイト選定第3段階においてNAGRAが実施するボーリング調査を含む地球科学的調査に対するレビューや安全評価報告書の審査を行うなど、今後のENSIの役割が拡大していくことを見据え、今回、地層処分場の規制監督を担うENSIの役割と姿勢をポジションペーパーとして整理したとしている。

ENSIは、地層処分場プロジェクトにおける自らの役割と姿勢について、以下の5つの基本方針を示している。

  • 基本方針1:地層処分場プロジェクトの特徴を踏まえた監督の実施
    ENSIは、地層処分場に対する監督を行う期間が、原子力発電所の場合よりもはるかに長期にわたることを踏まえた規制を実施していく。また、バックエンド関連の人材確保と育成は課題である。
  • 基本方針2:指針の策定と精緻化
    ENSIは、法令の要件を具体化する指針を策定し、安全目標や基本原則、安全基準を規定する。また、ENSIは、指針について、処分場の安全確保のための指針「ENSI-G03:地層処分場の設計原則とセーフティケースに関する要件」を2009年に策定しているが、こうした要件や規定内容の精緻化に取り組み、最新の科学技術水準に適合した基準値を適時に提示し、地層処分場の安全・技術面の規制枠組みを構築していく。
  • 基本方針3:実施主体との役割分担について
    実施主体は地層処分場の設置に関する提案を行う一方で、ENSIはそれらの提案を専門的見地から審査し、安全目標や基本原則、安全基準に適合しているかを評価する。
  • 基本方針4:ステークホルダーへの対応
    ENSIは、全てのステークホルダーから早期に安全上の疑問を受理し、これらの疑問点を考慮に入れて安全面の監督を行う。
  • 基本方針5:法整備への働きかけ
    ENSIは、地層処分に関連する法令の改正が必要であると判断した場合には、所轄官庁である環境・運輸・エネルギー・通信省(UVEK)及び連邦エネルギー庁(BFE)に対して改正手続きを促す。

 

【出典】


  1. 日本の内閣に相当 []

フランスの原子力安全機関(ASN)は2017年8月1日に、放射性廃棄物管理機関(ANDRA)が2016年4月にASNへ提出していた地層処分場の「安全オプション意見請求書」1 に関する見解案を公表した。ASNは、2016年11月の国際レビューチームの見解及び2017年5月の放射線防護・原子力安全研究所(IRSN)の見解を踏まえ、今回の見解案を策定している。ASNは見解案について、9月15日まで意見を募集し、その結果を踏まえ、2017年10月に最終的な見解を出す予定である。

ASNは今回の見解案において、ANDRAが安全オプション意見請求書で示した廃棄物インベントリの特定方法について、十分なものであると評価しつつも、地層処分場の設置許可申請に際しては、将来における燃料サイクル政策やエネルギー政策の変化に伴う不確実性を考慮した予備的なインベントリを提出すべきとしている。

さらにASNは、ANDRAの地層処分プロジェクトに対し、安全オプション意見請求書の段階としては技術的に十分に高いレベルに達しており、過去にANDRAが提出したプロジェクトの進捗報告書に比べて、大きな進展が見られたと評価している。一方でASNは、以下のような問題点を指摘している。

ビチューメン(アスファルト)固化体について

処分坑道における火災を想定した対策として、ビチューメン(アスファルト)固化体の発熱反応を抑えるための研究を優先的に実施すべきである。ただし、これに先立って、ビチューメン固化体の特性を発生者が速やかに明確化することが不可欠である。

地層処分場の設計変更の可能性について

  • 地層処分場の閉じ込め機能を強化するため、放射性廃棄物の処分エリアと地上への坑道の位置関係等の設計を検討する必要がある。設置許可申請において採用される設計については、長期にわたる操業期間中の原子力安全や放射線防護を考慮し、異なるオプションの長所と短所に関する研究成果を提示して妥当性を立証しなければならない。
  • 操業中から閉鎖後に至るまで、地層処分場において想定される自然災害(特に、地震)のリスクのレベル及びそのリスクにさらされる機器や構造物の要件や挙動の解析方法を設置許可申請書に記載し、その妥当性を立証する必要がある。
  • 設置許可申請書の作成に際しては、廃棄体の内容物に影響を与えるほどの火災が地上施設において発生することを想定する必要がある。
  • 安全オプション意見請求書においては、処分場の操業中及び閉鎖後の安全性に関わるモニタリングに関する情報が限定的である。設置許可申請書においては、地層処分場のモニタリング戦略とその実施方法を記載し、妥当性を立証する必要がある。
  • 設置許可申請書における地層処分場の設計に関する記載内容に関して、想定される事故の発生後における処分機能の回復等、長期にわたる地層処分場の操業の安全上の課題を提示し、以下のような点を考慮していることを説明する必要がある。
    ・地層処分場の操業を継続できること
    ・事故により影響を受けた廃棄物を回収できること
    ・地層処分場の閉鎖作業を実施できること

 

【出典】


  1. 原子力基本施設及び原子力安全・放射性物質輸送管理に関する2007年11月2日のデクレ(2007-1557)の第6条に基づいて、事業者(ANDRA)は、処分施設の安全を確保するために採用したオプションの全部または一部に対する見解を原子力安全機関(ASN)に請求することができる []

フランスの放射性廃棄物管理機関(ANDRA)は、2017年7月18日付けのプレスリリースにおいて、地層処分場の設置許可申請書の提出が2019年半ばの見込みであることを公表した。これまでANDRAは、2016年7月に制定された「長寿命高・中レベル放射性廃棄物の可逆性のある深地層処分施設の設置方法を明確にした2016年7月25日付法律」に基づいて、設置許可申請を2018年中に行う方針であった。ANDRAは設置許可申請時期の先送りについて、安全要件を満たしつつ大幅なコスト削減を実現するための最適化や変動要因へ対処するためであり、計画変更以外の部分では、地元自治体や住民との協議など含め、プロジェクトは順調に進捗しているとしている。

今回のプレスリリースにおいてANDRAは、放射線防護・原子力安全研究所(IRSN)から指摘を受けていた処分坑道での火災時の安全確保への対応について、2016~2018年を対象とした「放射性物質及び放射性廃棄物の管理に関する国家計画」(PNGMDR)に基づいて、補完的な安全性の実証に既に着手しており、IRSNの指摘にも対応できると説明している。ANDRAは2016年4月に地層処分場の「安全オプション意見請求書」1 を原子力安全機関(ASN)に提出しており、ASNの要請により評価を行った放射線防護・原子力安全研究所(IRSN)は、2017年7月に、地層処分場の安全確保について全体として肯定的な評価を示した一方で、ビチューメン(アスファルト)固化体について、処分坑道で火災が発生した場合の安全確保が不十分であることを指摘していた

また、今回のプレスリリースにおいてANDRAは、ムーズ県、オート=マルヌ県の両県にまたがるサイトにおける地層処分場の建設について、一部の反対運動が激化し、ANDRAの施設だけでなく、周辺の企業や住人等にも被害が及んでいることについて遺憾の意を表明している。ANDRAは2017年6月22日付のプレスリリースにおいて、周辺の企業や住人等に被害をもたらすような反対活動は許容しがたいとして、関係当局に被害状況を報告するとともに、周辺住民等に対する国の支援を要請するとしている。

 

 

【出典】


  1. 原子力基本施設及び原子力安全・放射性物質輸送管理に関する2007年11月2日のデクレ(2007-1557)の第6条に基づいて、事業者(ANDRA)は、処分施設の安全を確保するために採用したオプションの全部または一部に関する意見を原子力安全機関(ASN)に請求することができる []

米国の環境保護庁(EPA)は、2017年7月13日に、超ウラン核種を含む放射性廃棄物(TRU廃棄物)の地層処分場である廃棄物隔離パイロットプラント(WIPP)について、適合性再認定の決定を行ったことを公表した。WIPPでは1999年3月から、軍事起源のTRU廃棄物の地層処分をエネルギー省(DOE)が実施しているが、1992年WIPP土地収用法において、処分開始以降の5年毎に、廃止措置段階が終了するまで、連邦規則の要件に適合していることの認定を受けることが要求されている。前回は、2009年3月24日に適合性再認定申請書をDOEが提出し、2010年11月18日に適合性再認定の決定をEPAが行っていた。今回は3度目の適合性再認定になり、2014年2月の火災事故・放射線事象で操業が停止している中、DOEは2014年3月26日に適合性再認定申請書をEPAに提出していた

EPAが公表した適合性再認定の決定文書において、適合性再認定の決定は、DOEが提出した情報の詳細な審査、独自の技術的な解析、パブリックコメントに基づいて行われたことが示されている。また、本決定は、EPAの放射性廃棄物処分規則、WIPPの適合性基準の変更、WIPPにおける操業再開に関係するものではなく、DOEが引き続きWIPPの適合性基準の要件を満たしていることをEPAが確認したものとしている。また、EPAは、次回の適合性再認定の申請に向けて、DOEの技術的解析や説明根拠には改善の余地がある領域も確認されたとしている。

なお、EPAによる適合性再認定の決定は、決定文書の連邦官報での掲載をもって正式なものとなるが、決定の期限となる2017年7月13日までに連邦官報への掲載ができなかったため、署名済の決定文書をEPAのウェブサイトに掲載するとともに、関連文書を連邦政府の規制情報ウェブサイトにおいて公表した。適合性再認定の決定は、EPAがDOEによる適合性再認定申請書の完全性を確認して決定してから6カ月以内に行うものとされており、EPAは、2017年1月13日に、適合性再認定申請書の完全性の決定を行っていた

【出典】

スウェーデンにおける使用済燃料の処分方法及び関連施設の立地選定に係る許可申請書の審理を行っているナッカ土地・環境裁判所(所在地 ストックホルム)は、2017年7月4日に、スウェーデン核燃料・廃棄物管理会社(SKB社)が2011年3月に提出した環境法典に基づく申請書について、主要審理プロセスとなる口頭弁論を2017年9月5日から10月27日までの間の計22日で開催する旨の公告を行った。

図 フォルスマルクに建設予定の使用済燃料処分場のイメージ(SKB社提供)

フォルスマルクに建設予定の使用済燃料処分場のイメージ(SKB社提供)

SKB社は、KBS-3概念1 と呼ばれる処分概念を採用した使用済燃料の最終処分の実現に向け、2006年11月にはオスカーシャム自治体でのキャニスタ封入施設の建設許可申請書を、2011年3月にはエストハンマル自治体のフォルスマルクにおける使用済燃料最終処分場の立地・建設許可申請書を提出した 。現在、スウェーデンでは、使用済燃料最終処分場及びキャニスタ封入施設に関する許可申請として、環境法典及び原子力活動法の2つの法律に基づく3つの申請書の審査が並行して進められている(下記の囲みを参照)。

※使用済燃料処分場の実現に向けて審査中の申請書

①オスカーシャムにおけるキャニスタ封入施設の建設許可申請書
(2006年11月にSSMに提出、2011年3月16日更新)…原子力活動法に基づく申請
②フォルスマルクにおける使用済燃料の処分場の立地・建設許可申請書
(2011年3月16日にSSMに提出)…原子力活動法に基づく申請
③使用済燃料の処分方法及び関連施設の立地選定に係る許可申請書
(2011年3月16日に土地・環境裁判所に提出)…環境法典に基づく申請
口頭弁論カレンダ

口頭弁論カレンダ

今回、2017年9月に開催される口頭弁論は、環境法典に基づく使用済燃料の処分方法及び関連施設の立地選定に係る許可申請(上記囲みの③)の審理のために実施されるものである。口頭弁論のスケジュールについては、2017年9月5日から14日までの期間(8日間)はストックホルムで開催され、2017年10月2日から6日の期間(5日間)はオスカーシャム自治体において、2017年10月9日から13日の期間(5日間)はエストハンマル自治体で開催される。その後、2017年10月23日から27日までの期間(4日間)は再度、ストックホルムにおいて総括の意見陳述が行われる予定である。口頭弁論の結果に基づいて土地・環境裁判所は、SKB社が申請する処分事業を認めるか否かに関する意見書を政府に提出することになる。

口頭弁論の開催に先立って土地・環境裁判所は、SKB社が計画する処分事業に関係する規制・行政機関、地方自治体、環境団体などから意見書を収集している。このうち、原子力安全・放射線防護の規制機関である放射線安全機関(SSM)は、2016年6月に、SKB社は安全要件を遵守して処分場を建設する能力を有しているとする意見書を土地・環境裁判所に提出している

SKB社の処分事業に関しては、原子力活動法に基づく放射線安全機関(SSM)による審査も並行して行われている(上記囲みの①②)。SSMも政府に対して意見書を提出することになっており、土地・環境裁判所が政府に意見書を提出するのと同時期になるよう調整が図られることになっている。

土地・環境裁判所と放射線安全機関(SSM)から政府への意見書が提出された後、政府が判断を行うには、環境法典の規定により、地元のエストハンマル自治体とオスカーシャム自治体の議会がSKB社の計画する処分事業を承認していることが条件となっている。使用済燃料の処分場が立地されるフォルスマルクがあるエストハンマル自治体は、2017年4月に、自治体としての判断を行う際の参考とするため、住民投票を2018年3月4日に行うことを決定している。使用済燃料の処分事業の実施可否は、SSM及び土地・環境裁判所の意見書や自治体の承認を踏まえて、最終的に政府が判断することになる

【出典】

【2017年9月21日追記】

スウェーデン核燃料・廃棄物管理会社(SKB社)が2011年3月に提出した環境法典に基づく申請書について、主要審理プロセスとなる口頭弁論が2017年9月5日から開始された。口頭弁論はのべ5週間にわたって開催されるが、ストックホルムで開催される前半の第2週目までの日程が2017年9月14日に終了した。次の口頭弁論は会場を移し、2017年10月2日からオスカーシャム自治体で、2017年10月9日からエストハンマル自治体で開催される。

ストックホルムで2017年9月5日から14日の期間に開催された口頭弁論は、ナッカ土地・環境裁判所の近くの会議場において公開形式で行われた。SKB社が申請している使用済燃料の処分方法、使用済燃料処分場などの関連施設の立地選定、処分場の閉鎖後の安全に関して、SKB社のほか、処分場建設予定地が所在するエストハンマル自治体、放射線安全機関(SSM)、環境団体などが意見陳述を行った。エストハンマル自治体は、使用済燃料処分場の受け入れに関する住民投票を2018年3月4日に実施する予定であり、今回の口頭弁論においては正式な意思表示を行わないことを説明した。

SKB社は、2017年9月8日付け及び9月15日付けのプレスリリースにおいて、2017年9月5日から14日の期間での口頭弁論の概要を以下のように紹介している。

開催日 概要
9月5日(火)
  • 使用済燃料の処分方法、使用済燃料処分場などの関連施設の立地選定に係る許可申請についてSKB社が意見陳述
  • 放射線安全機関(SSM)やその他の政府機関、オスカーシャム自治体はSKB社に賛成、環境保護団体は反対を表明。エストハンマル自治体は住民投票まで態度を保留
9月6日(水)
  • SKB社が使用済燃料の処分方法として申請したKBS-3概念やその他に研究した処分概念、サイト選定、閉鎖後の安全性、安全解析等について説明
9月7日(木)
  • SSMが、SKB社の処分概念やサイト選定、閉鎖後の安全性に対して実施した審査、及び同社が安全な処分システムを構築できるとした審査結果について説明
  • エストハンマル自治体が口頭弁論における同自治体の役割について説明
  • 複数の環境団体が、SKB社の処分方法やサイト選定、安全解析について意見陳述
9月8日(金)
  • 環境団体が、放射線、銅の腐食、深部における処分坑道等のテーマについて意見陳述し、SKB社に対して質問を提示
9月11日(月)
  • SKB社が無酸素環境における銅の腐食、沿岸部におけるサイトの選定、深部における処分坑道の掘削、放射線リスク等の質問に対して回答
  • ウプサラ大学が無酸素環境における銅の腐食に関する研究結果を提示
9月12日(火)
  • SKB社がベントナイト、緩衝材における亀裂、岩盤の圧力、地震、キャニスタの耐久性、閉鎖後の安全性等について説明
  • SKB社が使用済燃料処分場の立地選定について説明
9月13日(水)
  • SKB社がベントナイト、緩衝材における亀裂、岩盤の圧力、地震、キャニスタの耐久性、閉鎖後の安全性等について説明
  • SKB社が、フォルスマルクのバックグラウンド放射線量、地球潮汐、処分場閉鎖方法等の質問について回答
  • 処分場の閉鎖後の責任や環境影響評価手続についてSKB社等が説明
9月14日(木)
  • 土地・環境裁判所がSSMに対して、生物多様性や生態系に対する長期的な影響について質問
  • 土地・環境裁判所がSKB社に対して、原子力活動法と環境法典に基づき並行して進められている許認可手続きについて質問
  • SKB社が無酸素環境における銅の腐食への対応方法やそれが処分場の長期安全性に影響を与えないとする理由について説明

【出典】

 

【2017年10月20日追記】

スウェーデンにおける原子力安全・放射線防護の規制機関である放射線安全機関(SSM)は、2017年10月17日付のプレスリリースにおいて、スウェーデン核燃料・廃棄物管理会社(SKB社)による環境法典に基づく使用済燃料の処分方法及び関連施設の立地選定に係る申請に関して、土地・環境裁判所が実施している口頭弁論におけるSSMの役割を示した。

SSMはプレスリリースにおいて、2017年10月23日からストックホルムで開催される口頭弁論でSSMは、SKB社が申請している使用済燃料の処分計画において現時点で残存している不確実性を概括的に説明した上で、このような不確実性を伴う処分計画を実施に移しうる理由を陳述することになるとの認識を明らかにした。また、SSMが土地・環境裁判所から意見陳述を求められている事項を以下のように説明している。

  1. 処分場閉鎖後の放射線安全に関して、環境法典(第2章第1条)において規定されている事業実施者の立証責任の裏付けはどのようにあるべきか。
  2. 上記との関連において、処分場閉鎖後の放射線安全の立証要件は、原子力安全と放射線防護に関してSSMが定めている規則とどのように関係しているのか。
  3. 環境法典に基づく許可と原子力活動法に基づく許可の関係性を踏まえた上で、環境法典に基づいて土地・環境裁判所が設定する許可条件において、放射線防護に係る許可条件を一定期間にわたって定めずにおく観察期間を設定することは適切かつ必要であるか否か。また、そのような観察期間を設定する場合、何を観察の対象とすべきか。さらに、観察期間において事業者から報告してもらう事項及びその継続期間の長さをどのように定めるべきか。
  4. 事業が許可された場合、原子力活動法による規制下においてSKB社は、今後も段階的に調査・試験を行って処分場に関する様々な立証活動を実施していく必要がある。そのような状況において、処分場に関する未解明の不確実性について、SSMが現時点において概括的に説明することが可能であるか否か。
  5. 不確実性が残存しているにもかかわらず、環境法典の下でSKB社が申請している事業活動を許可しうると判断する理由をSSMが説明できるか否か。

【出典】


  1. KBS-3概念とは、スウェーデンで開発された使用済燃料の処分概念であり、使用済燃料を銅製のキャニスタに封入し、処分坑道の床面に掘削した処分孔に定置して、キャニスタの周囲を緩衝材(ベントナイト)で囲うというもの。本概念を検討した報告書の略称に由来しており、フィンランドも同様の概念を採用している。 []