ベルギー リンク集
国及び地方の組織
国及び地方の組織の最も上位の層は、連邦国家(Federal State)、リージョン(Regions. 「地域」ともいい、3つある)、言語共同体(Communities. 3つある)で構成されている。これらはいずれも法的観点においては対等とされている。二番目の層は州(provinces)で構成される。すべての基盤となるのは基礎自治体(communes)である。
3つのリージョン:
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1) フランデレン地域(Flemish Region) – 5つの州から構成される。
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2) ワロン地域(Walloon Region)– 5つの州から構成される。
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3) ブリュッセル首都圏地域(Brussels-Capital Region) – 州が存在しない
3つの言語共同体:
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1) フラマン語共同体(Flemish Community)
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2) フランス語共同体(French Community)
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3) ドイツ語共同体(German-speaking Community)
連邦議会
〔仏〕Le Parlement fédéral
二院制(下院・上院)
連邦政府
15の大臣から構成される。ベルギーでは「省」(ministry)はなく、省に相当する行政組織は “Federal Public Services” (FPS) と呼ばれている。各FPSは大臣が主導するが、FPSは市民へのサービス提供を主たる役割とする。このため、放射性廃棄物に関連する具体的な行政は、連邦の政府機関・公共機関が担当している。
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連邦政府における原子力利用面の担当は 経済大臣(Le Ministre des Affaires économiques)、安全規制面の担当は 内務大臣(Le Ministre qui a l'Intérieur) である。
連邦の政府機関・公共機関
ベルギーでは、環境保護分野の行政は連邦ではなく、3つのリージョン(Regions)それぞれが担当する。ただし、原子力事業活動や放射線防護については例外的に、連邦の所管事項となっている。リージョン当局の関与は、原子力及び原子力以外の環境問題を協力して取り組むという目的に基づいた協議及び情報交換に限られている。
放射性廃棄物管理の側面において連邦議会は、連邦原子力管理庁(FANC)とベルギー放射性廃棄物・濃縮核分裂性物質管理機関(ONDRAF/NIRAS)にほぼ似通った法的目標を与えてきた。その目標とは、特に放射性廃棄物が存在することによって発生する電離放射線に対する公衆と環境の保護を監督することである。しかし、これら2つの機関がこの目標を達成するために利用する手段や道具は異なっている。ONDRAF/NIRASの役割を、FANCの役割と混同してはならない。いずれの機関も補完的な役割を果たしている。
連邦原子力管理庁(FANC)
【規制機関】
〔オランダ語〕Federaal Agentschap voor Nucleaire Controle (FANC)
〔仏〕Agence fédérale de Contrôle nucléaire (AFCN)
〔英〕Federal Agency for Nuclear Control (FANC)
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2001年7月20日の「電離放射線に起因する危険からの一般公衆及び環境の防護、並びに連邦原子力管理庁に関する1994年4月15日法律の実施状況を監督することを任務とする連邦原子力管理庁の監督部の構成員の職責及び任命を定める王令」に基づいて、2001年8月1日から、連邦原子力管理庁(FANC)が原子力に関連する活動の監督を行っている。
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法人格を有する独立した政府機関(autonomous government agency)である。
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連邦政府が特定の科学的、専門的な能力に基づいて任命した14人の理事で構成される理事会による指導の下で活動を行う。
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理事は、その独立した立場を保証するため、任期中は原子力分野と公的分野でその他の責任を負うことはできない。
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FANCは、理事会に参加する政府委員を通じて内務大臣の監督を受ける。毎年、議会に活動報告を提出する。
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FANCは、許認可の発給、拒否、修正、保留及び取消し、並びに認定又は承認という行政上の法的行為を通じて、原子力事業者に対する権限を行使する。
Bel V
〔オランダ語〕Bel V |〔仏〕Bel V |〔英〕Bel V
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the subsidiary body of the FANC. Bel V constitutes the Technical Safety Organisation (TSO) of the Belgian Nuclear Safety Authority.
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Bel Vは、私法に基づいて創設された連邦原子力管理庁(FANC)の子会社である。
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FANCは、原子力施設での検査について、Bel Vの技術的専門知識に依存している。
ベルギー放射性廃棄物・濃縮核分裂性物質管理機関(ONDRAF/NIRAS)
【処分実施主体】 〔→事業者〕
〔オランダ語〕Nationale instelling voor radioactief afval en verrijkte splijtstoffen (NIRAS)
〔仏〕L'Organisme national des déchet radioactifs et des matières fissiles enrichies (ONDRAF)
〔独〕Nationale Einrichtung für radioactive Abfälle und angereicherte Spaltmaterialien (NERAS)
〔英〕Belgian Agency for Radioactive Waste and Enriched Fissile Materials
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使命・権限を規定する王令に基づいて創設されたベルギー放射性廃棄物・濃縮核分裂性物質管理機関(ONDRAF/NIRAS)は、理事会によって運営される公共機関(public body)であり、理事は連邦政府が指名する。
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ONDRAF/NIRASは、連邦のエネルギー大臣の監督を受け、理事会には政府委員が大臣の代理として出席する。内務大臣もONDRAF/NIRASの理事会に政府委員を派遣している。毎年、活動報告書を議会に提出する。
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安全な長期管理を考慮した処理済の廃棄物の品質の観点からのみ、廃棄物の貯蔵施設及び処理施設が条件を満足しているかを判断する。
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放射性廃棄物の発生者から拠出される処分に係る基金の管理も行う。
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活動を停止した施設の廃止措置に関する責任を負っており、処分場の開発も担当している。
(処分実施主体としての役割については事業者セクションを参照)
研究開発機関
ベルギー原子力研究センター(SCK•CEN)
〔英〕Belgian Nuclear Research Centre
〔仏〕Centre d'étude de l'énergie nucléaire (CEN)
〔オランダ語〕Studiecentrum voor Kernenergie (SCK)
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当初、1952年に公益財団(FPU、Foundation of Public Utility)の形態で設立
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研究炉を操業しており、閉鎖されたPWR研究炉の解体も行っている。
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研究分野は、先進的な原子力システム(GEN-IV & MYRRHA (ADS))、核物質、核融合技術、放射線防護、放射性廃棄物処分、原子力研究の社会的側面などの多岐にわたる。
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放射性廃棄物処分の研究開発のため、処分の候補地層であるブーム粘土中に地下研究所(HADES)を整備している。
EIG EURIDICE
Economic Interest Grouping, European Underground Research Infrastructure for Disposal of nuclear waste In Clay Environment
〔英〕EIG EURIDICE |〔オランダ語〕ESV EURIDICE |〔仏〕GIE EURIDICE
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SCK・CENとONDRAF/NIRASとの経済的利益グループ(EIG)である。グループ名(「ユーリダイス」と読む)は英語での接頭語から。
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高レベル放射性廃棄物、長寿命中・低レベル放射性廃棄物の粘土層での処分のフィージビリティ調査を実施している。
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SCK・CENのモル研究所にある地下研究所(HADES)を運営している。
事業者
ベルギー放射性廃棄物・濃縮核分裂性物質管理機関(ONDRAF/NIRAS)
【処分実施主体】
〔英〕Belgian Agency for Radioactive Waste and Enriched Fissile Materials
〔オランダ語〕Nationale instelling voor radioactief afval en verrijkte splijtstoffen (NIRAS)
〔仏〕L'Organisme national des déchet radioactifs et des matières fissiles enrichies (ONDRAF)
〔独〕Nationale Einrichtung für radioactive Abfälle und angereicherte Spaltmaterialien (NERAS)
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ベルギー国内の全ての放射性廃棄物管理を一元的に行う機関として1980年に設置された公共機関(public body)。
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カテゴリA(短寿命低・中レベル放射性廃棄物)をデッセル自治体で浅地中処分する計画を実施中。ONDRAF/NIRASは、地域とのパートナーシップ(STORA、MONA)と共同で計画を進めている。
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カテゴリB(長寿命低・中レベル放射性廃棄物)及びカテゴリC(長寿命・短寿命高レベル放射性廃棄物)については、長期管理の方針の検討、関連する研究開発を実施している。
ベルゴプロセス社
〔オランダ語〕Belgoprocess N.V. |〔英〕Belgoprocess
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ベルゴプロセス社は、ONDRAF/NIRASの100%子会社である。
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ONDRAF/NIRASは、原子力施設の管理業務をベルゴプロセス社に出している。このため、モル(サイト2)とデッセル(サイト1)にある放射性廃棄物の処理・貯蔵施設の操業は、ベルゴプロセス社が当たっている(同社が施設の操業許可を取得)。
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ベルゴプロセス社が操業等に当たっている施設としては、EUROBITUM(廃水の処理によって生じた低レベル及び中レベルのスラッジと蒸気発生器濃縮廃液を処理及び調整してビチューメン固化)、BRE(高レベル及び中レベル液体廃棄物の処理)、CILVA(低レベル放射性固体廃棄物及び液体廃棄物の処理)、熱分解施設(ユーロケミック社の再処理プラントで発生した、α汚染された有機廃棄物の熱分解、セメント固化)、PAMELA(ユーロケミック社の再処理プラントで発生した高レベル液体廃棄物のガラス固化施設。α汚染廃棄物及び中・高レベル固体廃棄物処理に向けて改修中)などがある。
その他
エレクトラベル社
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フランスに拠点を置く電気事業者・ガス事業者であるENGIE(旧CDFスエズ)のグループ会社である。
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2カ所の原子力発電所(原子炉計7基)の操業者であり、原子炉から使用済燃料を取り出して燃料プールに移すまでの管理を担当する。
シナトム社
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エレクトラベル社の完全子会社であり、連邦政府はシナトム社の株式の一部を保有している。
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核燃料サイクルのアップストリームでは、濃縮ウランが燃料加工メーカーに払い出されるまでの管理を担当する。
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商業用原子炉から取り出された以降の使用済燃料の管理はシナトム社の担当になり、ONDRAF/NIRASに引き渡されるまでの中間貯蔵を担当する。
使用済燃料・放射性廃棄物の管理における、エレクトラベル社、シナトム社、ONDRAF/NIRAS の関係 (図式)
自治体関連
放射性廃棄物調査・協議グループ (STORA)
〔オランダ語〕Studie- en Overleggroep Radioactief Afval in Dessel (STORA)
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短寿命低・中レベル放射性廃棄物の処分プロジェクトについて、地域レベルで統合するような管理と協議の仕組みとして、地元とのパートナーシップという方法論を適用することによって、政府が希望している住民との協議方法を取った。
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STORAは、ONDRAF/NIRASとデッセル自治体との間に確立されたパートナーシップである。 «http://www.stora.org/en/node/200»
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… STORA の歴史の解説ページ(英語)
モル放射性廃棄物協議グループ(MONA)
〔オランダ語〕Mols Overleg Nucleair Afval (MONA) vzw
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MONAは、STORAと同様な主旨で、ONDRAF/NIRASとモル自治体との間に確立されたパートナーシップである。
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