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日本における高レベル放射性廃棄物処分
平成12(2000)年の「特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律」において、原子力発電から発生する使用済燃料を再処理した後に残る高レベル放射性廃棄物はガラス固化体とし、300m 以上深い地層において処分することが定められました。平成19(2007)年の法改正により、一部のTRU 廃棄物が地層処分の対象に加えられました。地層処分では、地下深くの安定した地層(天然バリア)に、複数の人工障壁(人工バリア)を組み合わせた「多重バリアシステム」により、最終的にはモニタリングなどの人為的な管理を終了しても安全を確保できるようにしています。
平成27(2015)年5月に最終処分に関する基本方針の改定が行われ、現世代の責任を将来世代に先送りしないよう、地層処分に向けた対策を確実に進めるとともに、可逆性・回収可能性を担保し、将来世代が最良の処分方法を選択できるような形で技術開発を進めるとしています。
日本における地層処分の実施主体は、原子力発電環境整備機構(NUMO)です。NUMOは平成12(2000)年に、「特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律」に基づいて設立が認可された法人です。
処分事業の監督に関わる主な行政機関は、経済産業省です。経済産業大臣は法律に基づいて最終処分に関する基本方針を定め、また5年毎に最終処分計画を定めます。こうした方針及び計画を定めるに当たっては、原子力委員会と原子力規制委員会の意見を聴き、閣議決定を経ることが必要とされています。
NUMOは平成14(2002)年12月から高レベル放射性廃棄物の最終処分施設の設置可能性を調査する区域の公募を開始していますが、その最初となる文献調査にも着手できていない状況が続いていました。このことから、平成27(2015)年5月改定の最終処分に関する基本方針では、国が前面に立った取組の必要性から、国が科学的により適性が高い地域(科学的有望地)を提示し、文献調査の実施を市町村に申入れを行う新たなプロセスが追加されました。
基本方針を受けて、国は平成29(2017)年7月に地下環境等の特性を示す「科学的特性マップ」を提示しました。地域の科学的特性をマップにて提示することは、地層処分に対する各地域の適性を客観的に示しつつ、最終処分問題を国民全体が認識・理解するためのきっかけとするものです。
令和2(2020)年10月には、北海道の寿都町が文献調査へ応募し、国が神恵内村に文献調査の申し入れを行いました。これを受けて、NUMOは事業計画の変更を申請し、11月の国の認可をもって、文献調査を開始しました。
令和3(2921)年4月から寿都町と神恵内村で「対話の場」が開催されており、文献調査の進捗を説明し、地層処分事業の仕組みや安全確保、地域の発展ビジョンの具体化などについて議論しています。
2015年5月、従来の政策の見直しを経て、高レベル放射性廃棄物の最終処分に関する新たな基本方針が決定されました。その中で、現世代の責任で地層処分を前提に取り組みを進めることや、国民や地域の理解と協力を得ていくため、地域の科学的特性を国から提示すること等の方針が決まりました。この方針の下、地域の科学的特性を提示するための要件・基準が総合資源エネルギー調査会に設置されたワーキンググループで議論されてきました。この検討結果が、2017年4月にとりまとめられました。
この検討結果に基づいて、経済産業省として「科学的特性マップ」を作成し、2017年7月に公表しました。
科学的特性マップ – Nationwide Map of Scientific Features for Geological Disposal
2020年 日本 | 単位: 億kWh (=0.01 x GWh) |
総発電電力量 (Total Production) | 10,177.78 |
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- 輸入 (Imports) | 0 |
- 輸出 (Exports) | 0 |
国内供給電力量 (Domestic Supply) | 10,177.78 |
国内電力消費量 (Final Consumption) | 9,074.03 |
source: «Energy Statistics 2022, IEA»
source: World Nuclear Power Reactors & Uranium Requirements (WNA, 世界原子力協会)