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以前のリビジョンの文書です
(簡略版)
中国では、軽水炉より発生する使用済燃料は再処理され、発生する高レベル放射性廃液はガラス固化された後に処分されます。また、カナダ型重水炉(CANDU炉)から発生する使用済燃料については、再処理されずに直接処分されます。これらの廃棄物は、高レベル放射性廃棄物として区分され、集中的に地層処分されることになっています。高レベル放射性廃棄物の地層処分に関する研究開発方針として、中国では今世紀の半ばまでに処分場を建設することを目標に、現在、主に甘粛省北山地区においてサイト選定調査が行われています。
中国における高レベル放射性廃棄物処分は、専門の処分企業として国営企業体である中国核工業集団公司(CNNC)が行うことになっています。
原子力施設の安全監視や高レベル放射性廃棄物の管理等の原子力安全全般に関わる規制機関として中国環境保護部(MEP)があり、また原子力エネルギー開発、放射性廃棄物の管理、処理・処分の長期計画等の政策の立案、研究開発資金の確保等の実務管理を国務院に代わって行う国の機関として、国家原子能機構(CAEA)があります。また、CNNCの下部組織として、地層処分に関する研究開発を行う、中国核電工程有限公司(CNPE)、中国核工業地質局(CNG)、北京地質研究院(BRIUG)、中国原子能科学研究院(CIAE)があります。
放射性廃棄物の処分費用は廃棄物発生者である事業者が負担することになっています。この費用の拠出方法や管理方法については、国務院の財政当局、価格管理当局、環境行政管理当局及び原子力施設の管理当局が決定することになっていますが、現在は検討中であり、未定となっています。
中国では、1985年に旧核工業部科技核電局(現CNNC)が「高レベル放射性廃棄物地層処分研究発展計画」(DGD計画)を策定し、1986年2月より研究開発及びサイト調査が開始されました。このDGD計画は、①技術開発、②地質学的研究、③原位置試験、④処分場建設―の4段階からなっており、花崗岩を母岩とする地層処分場を2040年頃に建設する予定となっていました。
このDGD計画に基づき、サイトの1次選定が行われ、候補地域として西南地域、広東北部地域、内モンゴル地域、華東地域及び西北地域の5地域が選出されました。その後、各地域から数カ所ずつ合計数十区域が選定され、現在、西北地域にある甘粛省北山及びその周辺区域について、集中的にボーリング調査を含むサイト調査が行われています。
2006年2月に、国防科学技術工業委員会(2008年に国防科学技術工業局に改組)、科学技術部及び国家環境保護総局(2008年に中国環境保護部(MEP)に改組)が共同で作成した「高レベル放射性廃棄物地層処分に関する研究開発計画ガイド」が公表されました。このガイドには、中国における高レベル放射性廃棄物の地層処分に関する研究開発の全体構想や発展目標、計画綱要、第11次5カ年計画中における研究開発課題及び内容等が記載されています。
このガイドによれば、中国における高レベル放射性廃棄物の地層処分は、今後、以下の3つの段階で進められます。
国による関連法規制及び技術基準の制定に向けて、技術面でのサポートを行うとともに、地下研究所の設計及び処分場の概念設計、核種移行メカニズム等の研究及び安全評価研究を行います。また北山サイト以外の候補地も新たに含めた上で処分場サイトを選定し、様々な地質調査を行い、必要なデータを取得します。
地下研究所の建設、地下研究所での試験・研究を通じて、既存の施工技術、研究成果を検証するとともに、原位置での各種データを取得し、プロトタイプ処分場のフィージビリティ評価と建設の安全審査に向けた評価を実施します。
処分サイトの最終確認を行うとともに、プロトタイプ処分場での実廃棄体を用いた試験による処分場の総合的な機能を検証し、処分場の建設に向けた申請と安全評価及び環境影響評価を実施します。また処分場の操業管理、閉鎖及びモニタリング計画について検討し、処分場操業の申請と安全審査に向けた評価を実施します。
今後の予定
中国