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ドイツ

ドイツの連邦放射線防護庁(BfS)は、2010年1月15日付のプレスリリースにおいて、放射性廃棄物の処分場、地下研究所であったアッセⅡ研究鉱山の閉鎖に関して、廃棄物の回収、同鉱山のより深い地層への処分、特殊なコンクリートによる埋め戻しという3つのオプションのうち、廃棄物の回収が最良な方法であるとする評価結果を公表した。これらの3つのオプションは、地下水の浸入によって処分坑道の安定性が確保できない可能性が見出されたことから、処分場としての閉鎖方策を早急に決定するために検討されたものであり、2009年9月3日にBfSによって公表され、その後、最良な方法を選定するための比較評価の作業が行われていた 。 今回行われた評価に当たっては、各オプションについて特に次の点に留意されている。

  • アッセⅡ研究鉱山の坑道の状態が不安定なため、いずれのオプションを講じるにしても時間的な猶予はほとんどないこと。
  • 既に定置されている放射性廃棄物のインベントリと収納容器の状態についての情報が不足していること。
  • 地下水(塩水)が浸入しているアッセⅡ研究鉱山の状態の推移を予測することは困難であり、原子力法で求められている処分場としての長期安全性の立証は困難であること。

これらの留意点を踏まえて評価が行われた結果、廃棄物が定置されている坑道の特殊なコンクリートによる埋め戻しについては、長期安全性が立証できるか否かは現状では判定できないとされた。また、アッセⅡ研究鉱山のより深い地層への処分については、適切な処分エリアが見つからない場合のリスクがあるだけでなく、他のオプションよりも実施に最も時間を要するものであると評価された。 以上のように、いずれのオプションも不確実性を有しており、最良の方法と言えるものはないとした上で、浸水量が今後増加し、鉱山に定置している廃棄物の状態が現状よりも悪化し、回収などの緊急対応が困難になる事態が発生する可能性が否定できないことから、安全性の確保を第一とし、廃棄物の回収を優先するオプションが最良な方法であるという評価に至ったとしている。 最良のオプションとして選定とされた廃棄物の回収については、今後、以下の計画などを検討していくとしている。

  • 実施可能な回収計画の立案
  • 処分坑道のデータを収集し、回収に係る不確実性を体系的に評価するための包括的方法を策定
  • 坑道の安定化に必要な技術的措置の実施
  • 浸水の影響を抑える緊急措置の実施

これらに加えて、BfSは、廃棄物の回収に伴う不確実性の低減を図るため、廃棄物が定置された坑道へのアクセスを確保しつつ、廃棄物収納容器の状況を調査するための方針を提示するとしている。 なお、BfSは、同庁のアッセⅡ研究鉱山に関するウェブサイトにおいて、今回のオプションの比較評価結果に関する情報を掲載した他、2010年1月18日に、アッセⅡ研究鉱山が位置するヴォルフェンブュテルにおいて、閉鎖オプションに関する説明会を開催している。

【出典】

【2010年4月30日追記】

連邦放射線防護庁(BfS)は、2010年4月27日付のプレスリリースにおいて、同日、アッセⅡ研究鉱山の廃止措置に係る緊急時対応計画に関する説明会を地元レムリンゲン村のコミュニティセンターで開催したことを公表した。説明会では、地下水の浸入によって、低中レベル放射性廃棄物が定置されている処分坑道の安定性が確保できない可能性があることを説明するとともに、実施体制、地下水が侵入するリスクを低減する措置、処分坑道の安定化に係る措置、廃棄物回収措置、及び監視から成る緊急時対応計画の説明が行われた。なお、BfSは、2010年2月末に、緊急時対応計画を策定したとしている。

【追記部出典】

  • 連邦放射線防護庁(BfS)アッセⅡ研究鉱山のウェブサイト、2010年4月27日付プレスリリース、 http://www.endlager-asse.de/cln_137/SharedDocs/Termine/DE/2010/0427_info_notfallplanung.html、 http://www.endlager-asse.de/cln_137/SharedDocs/Termine/EN/2010/0427_emergency_planning.html
  • 連邦放射線防護庁(BfS)アッセⅡ研究鉱山のウェブサイト、 アッセⅡ研究鉱山の廃止措置に係る緊急時対応計画 http://www.endlager-asse.de/cln_137/EN/3_WhatHappens/C_SafetyAnd_RadiationProtection/emergency_preparedness.html

【2010年5月7日追記】

連邦放射線防護庁(BfS)は、2010年5月5日付のプレスリリースにおいて、アッセⅡ研究鉱山での低中レベル放射性廃棄物の回収計画の立案に先立ち、回収に伴う不確実性を評価するために年内にも処分坑道の1つを試験的に掘削し、調査する意向であることを明らかにした。プレスリリースによれば、1970年代に低中レベル放射性廃棄物が試験的に処分された地下750mの処分坑道(第7処分室)まで掘削し、30年間にわたって廃棄物が閉じ込められてきた処分室の状態(処分室内部の空気の汚染状況、処分室及び廃棄物収納容器の状態、処分室内での地下水浸出の有無)を調査することにより、以下の事項を明らかにしたいとしている。

  • 回収作業により、作業員に対してどの程度の被ばくの発生が想定されるか
  • アッセⅡ研究鉱山内に定置されている約126,000体の廃棄物の回収には、どの程度の時間を要するか
  • 遠隔操作技術によって、どの程度の廃棄物を回収することができるか

BfSは、処分坑道内部の現状に関する最初の調査結果を2010年末までに取りまとめるとしている。なお、今回の確認作業の実施に当たっては、鉱山法に基づく特別操業計画に対するニーダーザクセン州鉱山当局の許認可に加えて、原子力法に基づく許認可を取得する必要があるとしている。

【追記部出典】

  • 連邦放射線防護庁(BfS)、アッセⅡ研究鉱山のウェブサイト、2010年5月5日付プレスリリース、 http://www.endlager-asse.de/cln_095/SharedDocs/Kurzmeldungen/DE/2010/0505_probephase_gestartet.html

【2010年6月2日追記】

連邦放射線防護庁(BfS)は、2010年6月1日付のプレスリリースにおいて、アッセⅡ研究鉱山での低中レベル放射性廃棄物の回収について、回収計画の策定に先立って実施を計画している処分坑道の試験的な掘削及び調査に関して、今後の作業スケジュールを明らかにした。プレスリリースによれば、BfSは、2010年5月に処分坑道の掘削及び調査の計画を示した文書を公表しており、以下の3段階の工程により掘削及び調査を進めることとしている。

  • 第1段階:処分坑道の一部の試験的な掘削及び調査
  • 第2段階:処分室の掘削
  • 第3段階:放射性廃棄物の試験的な回収

また、BfSは、2010年中に開始するとしていた第1段階の処分坑道の一部の試験的な掘削・調査について(2010年5月7日付追記参照)、2010 年11月初旬に処分坑道の掘削を行い、2010年11月末に調査を開始する予定であり、2010年末には最初の調査結果が得られるとしている。

【追記部出典】

  • 連邦放射線防護庁(BfS)、アッセⅡ研究鉱山のウェブサイト、2010年6月1日付プレスリリース、http://www.endlager-asse.de/cln_137/SharedDocs/Kurzmeldungen/DE/2010/0601_kammer7_november.html
  • 連邦放射線防護庁(BfS)、「アッセⅡ研究鉱山の処分坑道の試験的な掘削に関する確認調査-第1段階 第7処分室(750m)及び第12処分室(750m)の試験的な掘削の計画案」http://www.endlager-asse.de/cae/servlet/contentblob/1004886/publicationFile/64027/faktenerhebung_anbohren.pdf;jsessionid=BAF005045235497A44B4FAE7129491C0

【2010年8月17日追記】

ドイツ連邦議会は、2010年8月13日付のプレスリリースにおいて、原子力施設の廃止措置及び放射性廃棄物処分の費用に関する連邦議会資料を公表し、この中でアッセⅡ研究鉱山の閉鎖措置の費用見積を明らかにした。連邦議会資料によれば、アッセⅡ研究鉱山の閉鎖措置については、2009年までに3億8,600万ユーロが支出されたこと、及び2010年から2035年までに20億8,500万ユーロの費用が発生する見込みであるとしている。なお、2010年以降に発生する閉鎖費用については、モルスレーベン処分場の廃止措置 費用から推定したものとしているが、アッセⅡ研究鉱山の閉鎖オプションを検討する際に、放射性廃棄物の回収オプションの費用として見積られた37億ユーロという試算もあるとしている。

【追記部出典】

【2010年11月5日追記】

ニーダーザクセン州環境省は、自身のウェブサイトにおいて、アッセⅡ研究鉱山の処分坑道の一部の試験的な掘削及び調査(2010年6月2日付追記参照)の実施のため、2010年10月27日に連邦放射線防護庁(BfS)が、原子力法に基づく許認可申請を同省に提出したことを公表した。ただし、同省は、現時点では環境影響評価書、掘削技術の系統仕様書、並びに安全性及び事故の分析に関する書類などが未提出のため、BfSに対してこれらの申請書類を近日中に提出するよう求めている。 なお、試験的な掘削及び調査の実施に当たっては、原子力法に基づく許認可に加えて、鉱山法に基づく特別操業計画に対するニーダーザクセン州鉱山当局の許認可を取得する必要があるとされている(2010年5月7日付追記参照)が、今回の情報では、鉱山法に基づく許認可手続の状況については言及されていない。

【追記部出典】

【2011年2月7日追記】

ニーダーザクセン州環境省は、自身のウェブサイトにおいて、2011年2月1日時点でのアッセⅡ研究鉱山の処分坑道の一部の試験的な掘削及び調査(2010年6月2日付追記参照)の実施に係る許認可手続の状況を公表した。ニーダーザクセン州環境省及び同州鉱山当局は、原子力法に基づく許認可(州環境省が所管)及び鉱山法に基づく操業計画の許認可(州鉱山当局が所管)をそれぞれ2011年第1四半期末までに発給するとの意向を示している。

同ウェブサイトによれば、BfSは、処分坑道のうちの第7処分室及び第12処分室の試験的な掘削及び調査のため、2010年10月27日に原子力法に基づく許認可申請書類を提出した後(2010年11月5日付追記参照)、2010年11月9日、19日及び26日に追加の申請書類を提出した。その後、BfSは、2011年1月に州環境省から許認可申請書類に関する25の未解決項目を明らかにするよう求められたことを受けて、同月、17の申請書類の改訂版と新たに作成した1つの書類を州環境省に提出した。ただし、州環境省は、その他に未提出の重要な申請書類の改訂が残されているとしている。

また、鉱山法に基づく操業計画の許認可手続こちらについては、2011年2月1日時点での情報として、BfSによる許認可申請及び審査の状況が以下のように示されている。

 アッセⅡ研究鉱山での試験的な掘削・調査に係る、
鉱山法に基づく操業計画の許認可手続の状況(2011年2月1日時点)
操業計画 申請受理日 審査状況
主操業計画:試験的な掘削・調査(第1段階)措置のための目標の拡大に関する主操業計画2009/2011の補遺1 2010年12月8日 審査中
特別操業計画08/2010:第7処分室(750m)エリアの掘削(確認調査) 2010年12月13日 審査中
特別操業計画09/2010:ラドンモニタリング坑IIの掘削(第12処分室の調査を行うために必要となる条件) 2010年12月23日 審査中
特別操業計画01/2011:深度750mの東部方向北側坑道東部エリアの修復(第12処分室の調査を行うために必要となる条件) 2011年1月5日 審査中

【出典】

ドイツのキリスト教民主同盟(CDU)は、2009年10月26日付のプレスリリースにおいて、CDU、キリスト教社会同盟(CSU)及び自由民主党(FDP)の各党首と各党の議会会派代表が、同日、連立協定に署名したことを発表した。

2009年9月27日に行われたドイツ連邦議会選挙では、CDUが194議席、FDPが93議席、CSUが45議席を獲得し、3党合計で過半数(総議席数622)を獲得した。その後、3党は保守・中道の新連立政権の発足に向けて、2009年10月5日から連立協議を開始し、2009年10月24日に連立協定案に合意していたところである。

ドイツでは、1998年に誕生した社会民主党(SPD)と緑の党の連立政権が脱原子力政策を推し進め、2001年6月に原子力からの段階的撤退や高レベル放射性廃棄物等の最終処分場候補サイトとして調査中であったゴアレーベンにおける新たな探査活動の凍結等に関する電力会社との協定に署名していた。2002年4月には、原子力発電からの段階的撤退を規定する原子力法が制定された 。その後、2005年11月に発足したキリスト教民主・社会同盟(CDU/CSU)とSPDの連立政権においても、脱原子力政策が継続されていた。

今回、CDU、CSU及びFDPによって署名された連立協定では、原子力発電を、再生可能エネルギーによって確実に代替されるまでの過渡的なエネルギーとして位置づけており、原子力法に基づく原子力発電所の新設禁止は堅持するものの、既設原子力発電所の運転期間延長を承認するという方針が示されている。また、放射性廃棄物処分に関しては、次の方針が示されている。

  • 責任ある原子力利用では、放射性廃棄物の安全な最終処分もその条件となる。したがって、結果の出ていない調査作業を進めるためにも、ゴアレーベン(旧岩塩鉱山)における探査活動の凍結等をただちに撤廃する。ゴアレーベンが最新の国際基準に達しているか否かについては、国際的なピアレビュー・グループと共に検討する必要がある。これにより、プロセス全体が明らかになり、透明性が確保される。
  • アッセⅡ研究鉱山 及びモルスレーベン処分場 を、速やかに透明性のある手続により閉鎖しなければならない。閉鎖に当たっては、人と環境の安全確保を最優先事項とする。アッセⅡ研究鉱山の閉鎖については、電力会社が費用を負担する。
  • 国にとって重要な処分場を受け入れた地域に対しては、法的に補償を行う。

【出典】

  • キリスト教民主同盟(CDU)、2009年10月26日付プレスリリース、
    http://www.cdu.de/home/index_29125.htm
  • キリスト教民主同盟(CDU)、キリスト教社会同盟(CSU)、自由民主党(FDP)間の連立協定、2009年10月26日
    http://www.cdu.de/doc/pdfc/091026-koalitionsvertrag-cducsu-fdp.pdf

【2009年12月2日追記】

2009年11月18日に、高レベル放射性廃棄物処分の実施主体である連邦放射線防護庁(BfS)は、ゴアレーベンでの探査活動の凍結を早期に撤廃するという新連立政権の方針を受け、放射性廃棄物の最終処分場に関する問題を解決するため、目標を迅速に遂行するとするプレスリリースを公表した。また、BfSは、2000年から探査活動が凍結されていた間も、再開に向けて調査方法の検討などの準備を進めており、今後、国民の信頼を得て探査を進めていくためには、次の課題への対応が必要としている。

  • 1999年まで実施された調査計画について、最新の科学・技術レベルからの判断、安全要件への適合性の確認
  • 2015年に失効する、探査活動に必要な岩塩の採掘権の再取得
  • ゴアレーベンでの探査活動において、ステークホルダーや住民の参加プロセスを採用すること

【追記部出典】

  • 連邦放射線防護庁(BfS)、2009年11月18日付プレスリリース
    http://www.bfs.de/de/endlager/gorleben/gorleben_erkundungsmoratorim.html

【2009年12月2日追記】

ニーダーザクセン州環境省は、2009年11月26日付のプレスリリースにおいて、ゴアレーベン・サイトの適性を早期に確認するために、新しい安全要件に適合した方法で同サイトをさらに調査する必要があるとする同州の環境大臣のスピーチを公表した。大臣は、現時点でゴアレーベンの探査は90%が完了しており、順調に行けば7年後に探査が完了するとしている。

また、今後の探査では透明性を確保することが信頼を回復するために極めて重要であることから、今後の探査及びその結果の評価に協力することを目的とした、専門家と公衆とで組織されるゴアレーベン監視グループを支援すると述べている。

【追記部出典】

  • ニーダーザクセン州環境省、2009年11月26日付プレスリリース
    http://www.umwelt.niedersachsen.de/master/C60054136_N11281_L20_D0_I598.html

ドイツの連邦放射線防護庁(BfS)は、2009年10月21日付のプレスリリースにおいて、2009年10月22日よりザクセン・アンハルト州農業・環境省(MLU)が、モルスレーベン低中レベル放射性廃棄物処分場(ERAM、以下「モルスレーベン処分場」という。)の廃止措置に関するBfSの計画書等の資料を公開することを発表した。計画書等は、BfSが2005年9月に計画確定手続(詳しくは こちら)のために、手続を所轄するザクセン・アンハルト州農業・環境省(MLU)に提出していたものである。プレスリリースによると、計画書等は2009年12月21日まで公開され、閲覧することが可能であり、その間に計画書等に対して異議申し立てを行うことができるとされている。

プレスリリースによれば、モルスレーベン処分場は、原子力法に基づいて廃止措置が行われる初めての処分場となることから、将来の処分場にとって先駆的役割を持つものとされている。現在、BfSは、この旧鉱山の安定化を図るために、2003年から放射性廃棄物が定置されていない領域に、岩塩・コンクリートを充填する作業を行っており、この作業は今後数ヶ月で完了するとしている。

また、計画書等の公開期間中に提示された異議申し立てについては、異議申し立て者との公開討論などが行われ、許認可官庁であるMLUにより審査される。これらの手続きを経て、最終的にMLUがモルスレーベン処分場の廃止措置に関する計画確定を決議することになる。BfSは、計画確定手続に基づいてモルスレーベン処分場の廃止措置が許可された場合、廃止措置の完了までに15~20年の期間が必要になるとしている。

なお、モルスレーベン処分場は、廃止された岩塩鉱山であり、旧ドイツ民主共和国(旧東ドイツ)の所轄官庁によって選定・許可されて1981年に操業が開始された低中レベル放射性廃棄物の処分場である。1990年10月の東西ドイツ統一によりモルスレーベン処分場の権限がドイツ連邦共和国に移管され、BfSが操業者となった。BfSは、2000年6月末までの操業許可を得てモルスレーベン処分場の操業を継続していたが、1998年のザクセン・アンハルト州上級行政裁判所の決定を受け、同年にモルスレーベン処分場の操業は停止された。その後、BfSは、安全性の問題から2001年に最終的にモルスレーベン処分場での放射性廃棄物の処分を断念した。モルスレーベン処分場には、1998年までに、3万7,000m3の低中レベル放射性廃棄物が処分されている。

【出典】

  • 連邦放射線防護庁(BfS)、2009年10月21日付プレスリリース、
    http://www.bfs.de/de/bfs/presse/pr09/pr0934.html
  • 連邦環境・自然保護・原子炉安全省(BMU)ウェブサイト、モルスレーベン低中レベル放射性廃棄物処分場(ERAM)
    http://www.bmu.de/atomenergie_ver_und_entsorgung/endlagerung/morsleben/doc/36634.php
  • 連邦放射線防護庁(BfS)ウェブサイト、モルスレーベン処分場に関する年表
    http://www.bfs.de/en/endlager/morsleben.html/Stilllegung.html

【2010年8月17日追記】

ドイツ連邦議会は、2010年8月13日付のプレスリリースにおいて、原子力施設の廃止措置及び放射性廃棄物処分の費用に関する連邦議会資料を公表し、この中でモルスレーベン処分場の廃止措置の費用見積を明らかにした。連邦議会資料によれば、モルスレーベン処分場の廃止措置については、2009年までに6億2,400万ユーロが支出されたこと、及び2010年から2035年までに14億2,300万ユーロの費用が発生する見込みであるとしている。

【追記部出典】

ドイツの連邦放射線防護庁(BfS)は、2009年9月3日付のプレスリリースにおいて、放射性廃棄物処分の地下研究所であったアッセⅡ研究鉱山の閉鎖に関して、廃棄物の回収、同鉱山のより深い地層への処分、特殊なコンクリートによる埋め戻しという3つのオプションの中から、2009年末までに最良のオプションを決定すると発表した。BfSは、この決定を透明性の高い形で行うことが可能としている。

プレスリリースによれば、連邦放射線防護庁(BfS)は、最良の閉鎖オプションの選定のため、市民運動家などを中心としたアッセⅡ監視グループとの協議を経て策定された評価基準と手続を公表しており、この評価基準に沿って選定が行われるとしている。

また、プレスリリースによれば、3つのオプションは、以下の観点において評価されるとされている。

  • 作業時の安全性
  • 制御できない地下水の浸入が生じた場合の環境への影響
  • 予備的な長期安全性に関する評価
  • 実現可能性
  • 必要とされる期間

プレスリリースによれば、以下のスケジュールでいずれの閉鎖オプションが最も安全かが決定され、2009年12月中旬に発表するとしている。

  • 2009年10月初めに、3つのオプションの実現可能性及び影響に関する研究が完了
  • インターネット及び公式のワークショップにおいて研究成果を公表
  • 2009年12月中旬までに、実現可能性の研究に対する連邦放射線防護庁(BfS)の専門的評価
  • BfSが2009年12月中に専門的評価の結果を公表
  • BfSの提案に対する公衆の意見聴取
  • BfSがアッセⅡ研究鉱山の閉鎖に関する最終決定

ドイツでは、放射性廃棄物処分に関する調査を実施するため、1965年に、現在のミュンヘン・ヘルムホルツセンター(HMGU)が岩塩鉱山であったアッセ鉱山を取得し、1967年から1978年まで低中レベル放射性廃棄物の試験的な処分が行われた。その後、アッセⅡ研究鉱山では、放射性廃棄物処分に係る地下研究所として調査活動が続けられた。一方で、近年になって、地下水の浸入により岩塩から成る処分坑道の安定性が確保できなくなる可能性が示されたことから、処分場としての閉鎖方策を早急に決定することが急務とされていた。なお、原子力法の改正(2009年3月改正)により、アッセⅡ研究鉱山の廃止措置が同法の規制を受けることとなった。また、2009年1月からは連邦放射線防護庁(BfS)がアッセⅡ研究鉱山の閉鎖手続の実施主体となっている。

【出典】

  • 連邦放射線防護庁(BfS)、2009年9月3日付プレスリリース、
    http://www.bfs.de/de/bfs/presse/pr09/pr0929.html
  • 連邦放射線防護庁(BfS)ウェブサイト、アッセⅡ研究鉱山:岩塩層での廃棄物処分の経緯
    http://www.bfs.de/en/endlager/asse/grundlagen/geschichte.html
  • 連邦放射線防護庁(BfS)ウェブサイト、アッセⅡ研究鉱山:地層及びその安定性の問題
    http://www.bfs.de/en/endlager/asse/grundlagen/geologie.html
  • 連邦環境・自然保護・原子炉安全省(BMU)、2008年11月19日付プレスリリース、
    http://www.bmu.de/pressemitteilungen/aktuelle_pressemitteilungen/pm/42605.php

ドイツの連邦環境・自然保護・原子炉安全省(BMU)は、2009年7月15日付のプレスリリースにおいて、発熱性放射性廃棄物(高レベル放射性廃棄物を含む)の地層処分に係る新たな安全要件を策定したことを発表した。この安全要件は、2008年7月29日に草案が公開され、2009年3月18日に草案の改訂版が出されていたものである。

今回策定された安全要件は、発熱性放射性廃棄物の地層処分のみに適用されるものであり、発熱性放射性廃棄物処分に適用されるという観点で、1983年の「鉱山における放射性廃棄物の最終処分に関する安全基準」に代わるものとされている。また、プレスリリースによれば、新たな安全要件は、最新の科学技術に適合したものであり、ドイツにおける放射性廃棄物の処分事業の実施主体である連邦放射線防護庁(BfS)が計画を立てる際の基盤となるものとされている。

プレスリリースによれば、今回策定された安全要件では、1983年の安全基準と比較して、主に以下の点が変更されている。

  • 処分場から放出される放射性物質は、僅かで限られたものであることが100万年にわたって示されなければならない。
  • 処分場の安全性は、処分場の計画段階から閉鎖に至るまで、定期的な安全性の確認により最適化されなければならない。
  • 問題が発生した場合に備え、少なくとも処分場の閉鎖までは、処分場からの放射性廃棄物の回収可能性を維持しなければならない。

さらに、今回策定された安全要件では、処分場の閉鎖後段階における放射線防護の基準(リスク基準)については、対象となる事象の発生確率により、以下の通り定められている。

  • 100万年の評価期間にわたる発生確率が10%より大きい事象(10-7/年): 個人が生涯に重大な影響を受けるリスク(放射線被ばくにより、ガンの発生、遺伝子損傷といった重篤な病気にかかる確率)は10-4未満(寿命70年とすると約10-6/年)とならなければならない。
  • 100万年の評価期間にわたる発生確率が10%未満かつ1%より大きい事象(10-8/年): 個人が生涯に重大な影響を受けるリスクは10-3未満(寿命70年とすると約10-5/年)とならなければならない。

なお、上記の「発生確率が10%より大きい事象」とは安全評価において通常発生する事象を、「発生確率が10%未満かつ1%より大きい事象」とは低頻度事象をそれぞれ示す。

【出典】

  • 連邦環境・自然保護・原子炉安全省(BMU)、2009年7月15日付プレスリリース、
    http://www.bmu.de/pressemitteilungen/aktuelle_pressemitteilungen/pm/44587.php
  • Sicherheitsanforderungen an die Endlagerung wärmeentwickelnder radioaktiver Abfälle
    (「発熱性放射性廃棄物の最終処分に関する安全要件」)、2009年7月
    http://www.bmu.de/files/pdfs/allgemein/application/pdf/endfassung_sicherheitsanforderungen_bf.pdf

ドイツの連邦環境・自然保護・原子炉安全省(BMU)は、2008年6月30日付のプレスリリースにおいて、放射性廃棄物管理に関してBMUに助言を与える独立した委員会として「廃棄物管理委員会」(ESK)が設立され、その設立会議が2008年6月30日に開催されたことを公表した。ドイツでは、原子力安全や放射線防護に関する諮問委員会として、すでに原子炉安全委員会(RSK)と放射線防護委員会(SSK)が設立されているが、ESKは新たな委員会として設立された。

同プレスリリースによれば、これまでは原子炉安全委員会(RSK)の小委員会が廃棄物管理の安全及び技術面の課題を担当していたが、廃棄物管理の重要性が高まっていることから、独立した委員会に廃棄物管理に係る事項を諮問することを連邦環境・自然保護・原子炉安全省(BMU)のガブリエル大臣が決定したものである。廃棄物管理委員会(ESK)は主に、放射性廃棄物と使用済燃料の処理及び中間貯蔵、原子力施設の廃止措置、全ての種類の放射性廃棄物の処分などを担当するとされており、BMUが諮問する喫緊の課題としては、アッセの立坑施設の廃止措置に関する安全技術的事項が挙げられている。

また、同プレスリリースによれば、廃棄物管理委員会(ESK)には11名の科学者が委員として召集されている。ESKの作業に国際的な経験と作業方法が活用されるため、委員として、フランスの規制機関である原子力安全機関(ASN)が諮問を行う「廃棄物管理常設グループ」(GPD)と、スイスの規制機関である原子力施設安全本部(HSK)の代表者も加えられている。

2008年6月12日に発効した廃棄物管理委員会(ESK)の規約によれば、ESKには放射性廃棄物処分小委員会(EL)、廃棄物処理・中間貯蔵小委員会(AZ)、廃止措置小委員会(ST)が設置される。また個々の専門分野及び複数の専門分野にまたがる課題等については、連邦環境・自然保護・原子炉安全省(BMU)との合意または要請に基づいて作業グループが設置されることとなっている。

廃棄物管理委員会(ESK)の規約では、連邦環境・自然保護・原子炉安全省(BMU)からの諮問に加えて、ESKが独自に委託のテーマを定めることができるとしている。また諮問手続については、ESKが作業結果としてBMUのために科学的及び技術的な勧告または見解表明を作成するとしている。この勧告や見解表明は、州当局に伝達されるとともに、原則としてESKのウェブサイトに掲載される。なお、ESKの事務局は、連邦放射線防護庁(BfS)内に専門領域における指示からは独立した立場で組織されるが、当該事務局が組織されるまでは原子炉安全委員会(RSK)の事務局が代行するとされている。

【出典】

  • 連邦環境・自然保護・原子炉安全省(BMU)2008年6月30日付プレスリリース、
    http://www.bmu.de/pressemitteilungen/aktuelle_pressemitteilungen/pm/print/41912.php
  • 廃棄物管理委員会(ESK)規約(2008年6月12日)、
    http://www.entsorgungskommission.de/537870988c07d4e04/537870989309db81e/index.htm

ドイツにおける放射性廃棄物の処分事業の実施主体である連邦放射線防護庁(BfS)は、2008年5月15日付のプレスリリースにおいて、同日にコンラッド処分場(非発熱性放射性廃棄物の地層処分場)に関する情報提供施設「INFO KONRAD(インフォ・コンラッド)」を開設したことを公表した。インフォ・コンラッドは、コンラッド処分場があるザルツギッター市のザルツギッ ター・レーベンシュテットの中心部に設置されている。

同プレスリリースによると、連邦放射線防護庁(BfS)の長官はインフォ・コンラッドの開設に際し、BfSは信頼の構築を目指しており、そのためには率直で誠実なコミュニケーションが必要であること、さらに、透明性によってのみ、BfSに対して信頼がもたらされることを述べている。

プレスリリースでは、インフォ・コンラッドの訪問者は、次の4つの主要な展示物等を見学できるとしている。

  • 模型:100分の1規模の地上施設、1,000分の1規模の処分施設・地層断面
  • ガラスギャラリー:11枚のガラス板に、放射性廃棄物の発生から最終処分までの中間貯蔵、処理、輸送といった放射性廃棄物管理の過程に関する説明や対話形式の学習
  • ホームシアター:処分場への放射性廃棄物の定置の経過・工程を示したアニメーション映像の上映などに利用
  • ドイツ全土のガンマ線線量率のリアルタイム表示:コンラッドとその他の地域の線量率が比較可能

さらに、プレスリリースでは、対話促進の目的などのインフォ・コンラッドにおける情報提供に関して、次の点も示されている。

  • 関心を有する市民が意見を伝えることができる投書箱の設置
  • インターネット上(www.endlager-konrad.de)における市民フォーラムの開設
  • 職員による、電子メール、インターネット、電話での質問への対応
  • 将来的に、鉱山内の見学の予約受け付け
  • 学生・生徒の鉱山内の体験が可能

なお、コンラッド処分場については、2007年4月に原子力法による建設・操業の計画確定決議(閉鎖も含む)の法的効力が確定しており 、また2008年1月には鉱山法による処分場建設の主操業計画が許可されている

【出典】

  • 連邦放射線防護庁(BfS)、2008年5月15日付プレスリリース(http://www.bfs.de/de/bfs/presse/pr08 /pr0809.html)

2008年1月17日付の連邦放射線防護庁(BfS)プレスリリースにおいて、コンラッド処分場(非発熱性放射性廃棄物の地層処分場)建設のためのBfSの主操業計画がニーダーザクセン州鉱業・エネルギー・地質庁により許可されたことが公表された。これによって、コンラッド鉱山を低中レベル放射性廃棄物処分場へ転換するための改造が可能となった。

同プレスリリースによると、この主操業計画は、連邦鉱山法の規定に基づき事業の実施主体である連邦放射線防護庁(BfS)が2007年10月16日に申請していたものである。この計画が許可されたことにより、コンラッド鉱山を改造して放射性廃棄物処分場とするために必要な鉱山作業及び建設作業を実施することが可能となった。実施可能となった作業としては、最終処分場の操業開始後に最初の廃棄物搬入エリアとなる第一定置エリアの坑内の掘削などが挙げられる。また、最終処分場としての利用とは関係しないが、建設作業における安全確保のための立坑の搬送装置の改良も予定されている。主操業計画は、2013年末までのコンラッド鉱山を最終処分場とするための改造及び最終処分場操業準備にわたる全期間に適用されることとなっている。

また同プレスリリースによれば、連邦放射線防護庁(BfS)は、建設開始までに2007年から開始した一連の準備作業を終了しておく必要がある。この約2年間に及ぶ準備作業を通じて、必要なインフラ整備や建設作業の前提条件の整備が必要とされている。その後の立坑施設の改造には約4年かかることが見込まれている。

コンラッド処分場の建設・操業に向けた法的手続について、原子力法及び連邦鉱山法に基づく手続が必要となる。原子力法に基づく計画確定手続については、2002年5月にニーダーザクセン州環境省により処分場の建設・操業・閉鎖に関する計画確定が決議された。その後、この決議に対する異議申し立てに関する裁判が実施された結果、2007年4月に計画確定決議が法的に有効となった 。ただし、この計画確定決議では、鉱山法で要求される枠組み操業計画のみが許可され、鉱山法で要求される主操業計画の許可は含まれていなかった。今回鉱山法に基づく主操業計画が許可されたことにより、原子力法に基づく計画確定決議に含まれなかった作業の実施が可能となった。

【出典】

  • 連邦放射線防護庁(BfS)、2008年1月17日付プレスリリース(http://www.bfs.de/de/bfs/presse/pr08/pr0801.html)
  • 「非発熱固体放射性廃棄物もしくは固型化した放射性廃棄物を最終処分するための施設として、コンラッド鉱山(ザルツギッター)を設置及び操業するための2002年5月22日付計画確定決議(Planfeststellungsbeschluss für die Errichtung und den Betrieb des Bergwerkes Konrad in Salzgitter als Anlage zur Endlagerung fester oder verfestigter radioaktiver Abfälle mit vernachlässigbarer Wärmeentwicklung vom 22 Mai 2002)」

【2009年7月28日追記】

連邦放射線防護庁(BfS)は、2009年7月23日にウェブサイトにおいてコンラッド処分場の建設準備作業の進捗状況について報じ、処分場の操業開始の準備が整う時期が当初の予定である2013年から2014年となる見込みであることを明らかにした。同ウェブサイトでは、その理由として、直下に処分場が建設されるシャフト2の改造作業が重要な意味を持つものであり、工事請負企業選定のための入札手続を新たに行うことから、処分場建設のスケジュールの見直しが必要になることを挙げている。なお、入札手続は、BfSから処分場に係る研究・建設・操業に関する委託を受けているドイツ廃棄物処分施設建設・運転会社(DBE社)が行う。

注)コンラッド処分場には2本の立坑があり、「シャフト1」は建設資材・人員輸送用のもの、「シャフト2」は直下に処分場を建設するためのものとなっている。

【追記部出典】

  • 連邦放射線防護庁(BfS)、コンラッド処分場に関するウェブサイト、2009年7月23日
    http://www.endlager-konrad.de/cln_108/nn_1072862/sid_2ABA8852479E404B67A10DF13B46D761/nsc_true/DE/Aktuelles/Artikel/neue_20vergabe_20arbeiten_20konrad.html

【2010年5月19日追記】

連邦放射線防護庁(BfS)は、2010年3月8日時点での状況として、コンラッド鉱山の立坑を非発熱性放射性廃棄物の地層処分場に改造するための費用の見積りが約16億ユーロになることを公表した。

BfSによれば、この費用の見積りは、同庁が、コンラッド処分場の建設を委託している「ドイツ廃棄物処分施設建設・運転会社」(DBE)の協力を得て、初めて行った詳細な見積り作業の結果として示されたものとしている。なお、1980~90年代に行われた費用の概算見積りでは、9億ユーロ程度であったとしており、今回の見積額が大幅に増加した理由として以下に示す当時の状況との違いを示している。

  • 同鉱山での調査活動等に要する費用の増大
  • 2007年に法的に有効となった計画確定決議 の付帯条項を遵守する上で必要となる費用の追加
  • 現在の法的規制要件の遵守に応じた費用の追加
  • 既存施設の経年劣化への対応や物価及び税率の上昇など

また、同処分場に係る調査活動及び計画策定作業のために、2007年末までに9億4,500万ユーロが投じられたとしている。

【追記部出典】

  • 連邦放射線防護庁(BfS)、コンラッド処分場に関するウェブサイト、
    http://www.endlager-konrad.de/cln_153/nn_1072978/DE/Themen/Kosten/artikel.html

2007年4月3日付の連邦環境・自然保護・原子炉安全省(BMU)プレスリリースによると、コンラッド処分場(非発熱性放射性廃棄物の地層処分場)に関するニーダーザクセン州環境省の計画確定の決議に対する、地方自治体等からの異議申し立てを却下する決定が同日に下され、コンラッド処分場の計画確定決議が法的効力を持つこととなった。また、同プレスリリースにおいて、この決定を受けた連邦環境・自然保護・原子炉安全大臣(以下、環境大臣)の声明が公表された。

コンラッド処分場については、1982年に当時の実施主体であった連邦物理・技術研究所(PTB)により計画確定手続の申請が開始され、2002年5月には計画確定決議が行われたものの、地元自治体や住民より異議申し立てが出されていた。この異議申し立ては、2006年3月8日にリューネベルク上級行政裁判所により却下されたが、その際、原告に上告する権利が認められなかったことに対し、新たな異議申し立てが出されていた。同プレスリリースによると、ライプチヒ連邦行政裁判所において、上告の権利が認められなかったことに対する異議申し立てが却下され、これによりコンラッド処分場の計画確定決議に対する地方自治体等の異議申し立てを却下する判決が確定したことになる。

同プレスリリースに掲載された環境大臣の声明によると、本判決によりコンラッド処分場に関する行政法上の係争が終結し、計画確定決議に対する異議申し立てが最終的に全て棄却されたことになる。環境大臣は、「今後、連邦政府が、コンラッドを最終処分場へと変更するために準備する義務を負うこととなった」と述べている。また、同大臣は、ゴアレーベン・プロジェクト1 に関して、「コンラッドに関する本決定がゴアレーベン・プロジェクトについての検討に影響を与えることはない」とも述べている。さらに、「ゴアレーベン・サイトの場合、長期的な安全性が実証されていない。したがって、現在、我々は、ゴアレーベンの代替サイトがないかを調査する必要があると考えている。これは、国際的な基準に照らしても妥当な措置である」と言及している。

【出典】

  • 連邦環境・自然保護・原子炉安全省(BMU)、2007年4月3日付プレスリリース
    (http://www.bmu.de/pressemitteilungen/pressemitteilungen_ab_22112005/pm/ 39106.php)

【2009年12月2日追記】

連邦放射線防護庁(BfS)は、2009年11月26日付のプレスリリースにおいて、憲法判断を行う連邦憲法裁判所が、コンラッド処分場に関する2002年5月のニーダーザクセン州環境省の計画確定決議に対する憲法異議申立を受理しなかったことを公表した。これにより、今後、ドイツ国内では、計画確定決議に対する異議申立ができなくなる。なお、2007年に、ライプチヒ連邦行政裁判所によって、計画確定決議に対する異議申立の却下の判決が下され、コンラッド鉱山を処分場にするための準備作業が開始されている。

  • 連邦放射線防護庁(BfS)、2009年11月26日付プレスリリース
    http://www.bfs.de/de/endlager/publika/verfassungsbeschwerde_konrad.de

  1. ゴアレーベン・サイトでは、発熱性放射性廃棄物の処分場の候補サイトとして調査が行われていたが、1998年に成立した連立政権の原子力政策見直しの一環として、2000年10月から新たな探査活動は中断している。 []

2006年3月8日付の連邦環境・自然保護・原子炉安全省(BMU)プレスリリースによると、非発熱性放射性廃棄物1 用の地層処分場であるコンラッド処分場について、ニーダーザクセン州環境省の計画確定の決議(詳しくは こちら)に対する地方自治体や住民の異議申し立てをリューネベルク上級行政裁判所が2006年3月8日に却下したことを受け、連邦環境・自然保護・原子炉安全大臣(以下、環境大臣)の声明が公表された。

なお、コンラッド旧鉄鉱山は1976年より適合性調査が開始され、1982年には当時の実施主体であった連邦物理・技術研究所(PTB)により計画確定手続の申請が開始された。コンラッド処分場の操業は、2001年6月に署名された連邦政府と電力会社の協定において、裁判所への異議申し立ての判決が下るまで開始できないと合意されており、2002年5月に計画確定手続きが決議されたものの異議申し立てがあったため、この計画確定決議がこれまで法的に有効ではなかった。この決議が法的に有効となると、コンラッド処分場は米国の廃棄物隔離パイロットプラント(WIPP)に次ぐ世界で2番目の地層処分場となる。

判決では、コンラッド処分場の計画確定決議が法的な要件を十分に満たしていると判断され、地方自治体や住民の異議申し立てが却下されている。原告は、この判決そのものに対する上告は認められていないが、上級行政裁判所が上告を認めなかったことに対する異議申し立ての権利を有する。原告がこの権利を行使した場合、この異議申し立てに対する連邦裁判所の決定後に初めてコンラッド最終処分場プロジェクトに対する決定が法的に確定することとなる。

声明の冒頭で、社会民主党(SPD)に所属する環境大臣は、以前からコンラッド処分場プロジェクトに反対の立場であったが、20年以上に及ぶこのプロジェクトの「相続人」となり、同時にコンラッド処分場の建設申請を提出し、非発熱性放射性廃棄物の安全な最終処分の全ての問題において、このプロジェクトが適切と考える当局の上官となっていると述べている。引き続き、環境大臣は今後のコンラッド処分場プロジェクトについて次のような見解を示している。

コンラッド処分場に関する連邦行政裁判所の手続きの後、決議が法的に確定される場合(上告についての判決毎に12カ月から18カ月の期間が必要となる見込み)、当初の計画の準備及び調整に5年から6年の期間が必要となると見込まれる。また、計画確定手続が20年以上前に開始され、放射性廃棄物処分を取り巻く状況が変化したことから、コンラッド処分場の経済性に関するこれまでの計算を再検討し、廃棄物発生者であるエネルギー関連企業と協議する必要性がある。このような背景から、コンラッド処分場に対して法的に確定した判決が下されるまでの時間を利用し、ドイツにおける一般的な最終処分場概念を開発し、この概念に基づきコンラッド処分場における最終処分方法を評価することは有意義なことであろう。

環境大臣は次のような姿勢でこの概念を作成する作業を指導することになると述べている。

  • 国が責任を負う:ドイツの放射性廃棄物は国内で最終処分する必要があり、安全基準の低いことも考えられる他の国々に輸出することはできない。
  • 現世代で責任を負う:原子力を利用した世代が、廃棄物を最終処分する必要がある。
  • 安全性を最優先する:最終処分の際には、安全性が最優先される。このため、全ての放射性廃棄物が地層処分場に処分されることになる。
  • 透明性及び追跡可能性を確保する:このような最終処分場に関するコンセンサスのもとで、透明性が高く、追跡可能な手続きを実現することが不可欠である。

【出典】

  • 連邦環境・自然保護・原子炉安全省(BMU)、2006年3月8日付プレスリリース
    (http://www.bmu.de/pressemitteilungen/pressemitteilungen_ab_22112005/pm/36756.php)
  • 連邦エネルギー庁(BfS)、 「コンラッド鉱山 非発熱性放射性廃棄物を対象としたドイツの計画処分場」 (1990年)
  • BMU、「放射性廃棄物等安全条約第2報告書」
    (http://www.bmu.de/files/english/nuclear_safety/application/pdf/2nationaler_bericht_atomenergie_en.pdf)
  • DBE社ウェブサイト、http://www.dbe.de/index.htm

  1. ドイツにおける放射性廃棄物は、処分時に地層への熱影響を考慮しなければならない発熱性放射性廃棄物と、熱の影響を無視できる非発熱性放射性廃棄物とに大きく区分され、ドイツではこの区分毎に地層処分場が建設される計画である。なお、ガラス固化体や使用済燃料は発熱性放射性廃棄物に区分される。 []