スウェーデンの使用済燃料処分の実施主体であるスウェーデン核燃料・廃棄物管理会社(SKB社)は、2007年3月29日付のプレスリリースにおいて、オスカーシャム自治体の北部にあるエスポ島に新たにベントナイト研究所を設置したことを公表した。ベントナイト研究所は、SKB社がこの10年間にわたり、使用済燃料の最終処分に関連する研究を実施してきたエスポ岩盤研究所を補完する位置づけとなるものであるとしており、ベントナイト研究所の設置により、ベントナイトの特性に関する大規模な試験の実施や、ベントナイトの技術的なハンドリングの手法のさらなる開発が可能になるとしている。
同プレスリリースによると、SKB社は新しいベントナイト研究所において、エスポ岩盤研究所での研究によって得られてきた知見をさらに充実させ、ベントナイトのハンドリング手順を実際の最終処分場の環境下に適合させる意向である。
同プレスリリースにおいて、エスポ岩盤研究所の所長は「ベントナイト研究所の設置により、種々の水の流れなど、最終処分場で生じうる様々な条件をすることが可能となる。また、ベントナイトのハンドリング技術の見直しが可能となることで、入手可能な最高の技術を導入することができる。特にキャニスタの周囲にベントナイト緩衝材を定置する方法のさらなる開発が可能になる。」とコメントしている。
なお、スウェーデンでは、現在、オスカーシャム、エストハンマルの両自治体においてSKB社がサイト調査を行っている 。両サイトから得られたデータに基づいて実施された予備的な安全評価の結果によれば、いずれの自治体においても安全な最終処分場を建設することに関して有望視されている 。SKB社は2009年末に、いずれかの自治体において最終処分場を建設するための許可申請を行う見通しを示している 。
【出典】
- スウェーデン核燃料・廃棄物管理会社(SKB社)2007年3月29日付けプレスリリース、http://www.skb.se/FileOrganizer/Pressrum/Pressmeddelanden%202007/PR%20070329_eng.pdf
(post by sahara.satoshi , last modified: 2023-10-10 )