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《スウェーデン》SKB社がキャニスタの溶接方法を決定

スウェーデンの使用済燃料処分の実施主体であるスウェーデン核燃料・廃棄物管理会社 (SKB社)は、2005年5月12日付のプレスリリースにおいて、処分の際に使用済燃料を封入するキャニスタの溶接方法として、「摩擦撹拌溶接」(friction stir welding、FSW)を採用する見込みであることを発表した。 プレスリリースでは、使用済燃料を安全に密封する方法が開発できたことが、放射性廃棄物処分におけるマイルストーンであるとしている。

スウェーデンでは、使用済燃料は銅製のキャニスタに封入され、地下約500mに建設される処分場に定置されることとなっている。プレスリリースによる と、SKB社は、オスカーシャム自治体にあるキャニスタ研究所において数年間にわたり、キャニスタを密封するための2つの溶接方法について検討を行ってき たとしている。

プレスリリースでは、キャニスタを連続的に高品質で溶接できることが可能になり、放射性廃棄物処分に関する問題を解決するための手法開発において、画期的なポイントに到達したとのSKB社の社長のコメントが紹介されている。

また、プレスリリースによると、SKB社はキャニスタ封入施設をオスカーシャムにある集中中間貯蔵施設(CLAB)の隣に建設する予定であり、キャニスタ封入施設の建設許可申請を2006年に提出する予定である。なお、地層処分場の許可申請は2008年に提出するよう計画している。現在、オスカーシャム およびエストハンマルの2つの自治体においてサイト調査が行われており、同社の 2005年3月23日付けプレスリリースによると、両自治体でのサイト調査では、ボーリング調査が中間段階まで終了し、好ましい結果が得られていることが 示されている。

なお、キャニスタを密封する2つの溶接方法に関しては、2004年9月にSKB社により公表された「研究開発実証プログラム 2004」(RD&Dプログラム2004)において研究の状況が報告されていた。同プログラムによると、SKB社は、今回採用することとした「摩擦撹拌溶接」の他に「電子ビーム溶接」を研究していた。また、 スウェーデンにおいて使用される予定のキャニスタは、銅-鉄の二重構造(外部が銅製、内部が鋳鉄製)となっている。

【出典】

  • スウェーデン核燃料・廃棄物管理会社(SKB社)2005年5月12日付けプレスリリース
    http://www.skb.se/upload/Foretaget/Media/Pressmeddelanden/Safe%20method%20for%20encapsulation%20of%20the%20spent %20nuclear%20fuel_050512.pdf
  • 研究開発実証プログラム2004, SKB社 2004年 / RD&D-Programme 2004 Programme for research, development and demonstration of methods for the management and disposal of nuclear waste, including social science research. SKB, 2004
  • スウェーデン核燃料・廃棄物管理会社(SKB社)2005年3月23日付けプレスリリース
    http://www.skb.se/upload/Foretaget/Media/Pressmeddelanden/Promising%20results%20in%20both%20Oskarshamn%20and%20Forsmark_050323.pdf

(post by 原環センター , last modified: 2023-10-10 )