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§ 2021年11月22日 発行 海外情報ニュースフラッシュ

英国カンブリア州コープランド市で2つのコミュニティパートナーシップが設立へ

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英国カンブリア州コープランド市と地層処分事業の実施主体である放射性廃棄物管理会社(RWM社)は、2021年11月16日に、コープランド市で特定されていた2つの「調査エリア」のうち、同市中部の調査エリアでの地層処分施設(GDF)の立地を検討する「ミッドコープランドGDFコミュニティパートナーシップ」を設立した。これを受けて当該調査エリアでは、GDF設置の可能性について、より詳細な検討(わが国の概要調査に相当)が行われることになる。同市南側の調査エリアについても、初期の参画組織での手続きが完了次第、独立した「サウスコープランドGDFコミュニティパートナーシップ」が数週間以内に設立される予定である。なお、2018年12月から開始したサイト選定プロセスにおいて、コミュニティパートナーシップの設立に至ったケースは、今回のミッドコープランドGDFコミュニティパートナーシップが初めてとなる。

■コミュニティパートナーシップ設立までの経緯

コープランド市は2020年11月に、地層処分施設のサイト選定プロセスにおける「調査エリア」の特定と提案、並びにコミュニティパートナーシップの設立に向け、コープランドGDFワーキンググループを設置し、2021年9月には、2箇所の調査エリアを特定していた。調査エリアの範囲は、英国政府の2018年政策文書に基づき、コミュニティや自治体組織等から協議に参加可能な者が特定できるように、選挙区を最小単位として設定されている。これらの調査エリアに属する選挙区で構成される「コミュニティパートナーシップ」の設立に関して、コープランド市議会で検討が行われていた。コープランド市では、2カ所の調査エリアのそれぞれを対象として、2つのコミュニティパートナーシップが設立されることになった。

なお、これまで調査エリアの特定を行ってきた「コープランドGDFワーキンググループ」は作業を終了し、以降はコミュニティの関与の手段としての役割は各コミュニティパートナーシップが引き継ぐことになる。

ミッドコープランドGDFコミュニティパートナーシップの初期メンバーには、RWM社とコープランド市議会のほか、カンブリア州地方議会連合(CALC)が参加している。同パートナーシップは、ミッドコープランド調査エリア内に存在する地域自治組織(準自治体)等に参加要請を行っており、より多くのメンバーの参加を得た後に新たに議長が任命されるまでの間は、コープランドGDFワーキンググループの議長を務めたマーク・カリナン氏が暫定的に議長を務める。

■コミュニティパートナーシップの役割

コミュニティパートナーシップは、当該調査エリアでの地層処分施設の立地可能性を中長期的なスパンで検討していくグループである。RWM社は、地層処分施設の地下施設の設置可能性の検討に資するために、調査エリア沿岸海底部の物理探査の準備を進めており、2022年夏には船舶を用いた調査を開始する予定である。

ミッドコープランドGDFコミュニティパートナーシップは、参加メンバーそれぞれの長期ビジョン開発を手助けするために公衆参加を促進していく。また、同パートナーシップに対して、英国政府から年間最大100万ポンド(1億4,600万円、1ポンド=146円)のコミュニティ投資資金の提供が始まる。この投資資金は、地層処分施設プロジェクトが長期的な性質を持つため、それが実働するまでの数年間にわたり、雇用やインフラ、主要投資に関連する恩恵(ベネフィット)が実現しない可能性があることを念頭において提供されるものである。ミッドコープランドGDFコミュニティパートナーシップは、このコミュニティ投資資金の運用管理の役割を担うことになる。ミッドコープランドGDFコミュニティパートナーシップのウェブサイト(midcopeland.workinginpartnership.org.uk)では、コミュニティ投資資金の仕組みや申請方法の案内を開始している。

【出典】

(post by f-yamada , last modified: 2021-11-22 )