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§ 2021年10月18日 発行 海外情報ニュースフラッシュ

英国リンカンシャー州が調査エリアの特定に向けてワーキンググループを設置

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英国イングランド東部に位置するリンカンシャー州議会は2021年10月12日に、地層処分施設(GDF)のサイト選定プロセスにおける「調査エリア(Search Area)」の特定に向けてワーキンググループを設置した。リンカンシャー州議会は、同州東部の北海に面したイーストリンジー市にあるテッドルソープ・ガスターミナル1 の跡地利用を検討する一環として、2021年7月には英国の地層処分事業の実施主体である放射性廃棄物管理会社(RWM社)との初期対話を開始していた。このため、このワーキンググループは「テッドルソープGDFワーキンググループ」(Theddlethorpe GDF Working Group)と名付けられている。テッドルソープGDFワーキンググループは、情報発信を目的としたウェブサイトを開設するとともに、当面はテッドルソープ及びその周辺エリアでの関心を高めるため、リーフレットの配布や情報イベントを開催する予定である。

テッドルソープWGエリア

テッドルソープGDFワーキンググループの検討対象エリア
(RWM社の初期評価レポートを元に原環センターにて作成)

RWM社は、既存の情報を基にリンカンシャー州議会向けに作成した初期調査レポートにおいて、テッドルソープ・ガスターミナル跡地及びその周辺エリアは地層処分施設(GDF)を設置できる可能性を有していると評価している。また、RWM社は、GDFの設置によって、イーストリンジー市2 が目指している地域経済の構造転換に貢献する可能性があるとの考えを示している。

 

■テッドルソープGDFワーキンググループの構成と今後の活動予定

英国において2018年12月から開始した地層処分施設(GDF)のサイト選定プロセスにおいて、ワーキンググループの設置に至ったのは、2020年11月のコープランド市、2021年1月のアラデール市 に続いて今回が3例目である。

テッドルソープGDFワーキンググループの設立時点では、RWM社とリンカンシャー州議会の代表者のほか、ガスターミナルが所在する地域自治組織(準自治体)であるテッドルソープ・パリッシュ議会がメンバーとして参加している。同ワーキンググループは、イーストリンジー市議会に参加要請をしていることを明らかにしている。今後、同ワーキンググループは、コミュニティ全体の市民の参画を得て、市民の意見を理解するとともに、適性を有するサイトや受け入れの意向を持つコミュニティを追求していくため、さらなる検討対象となる「調査エリア」の特定やRWM社とともにプロセスを前進させていく「コミュニティパートナーシップ」の初期メンバーの特定も行う予定である。

 

<参考:初期対話とワーキンググループの設置について>

英国政府の2018年政策文書『地層処分の実施-地域社会との協働:放射性廃棄物の長期管理』(以下「2018年政策文書」という)で設定されたサイト選定プロセスでは、地層処分施設の設置に関心を示す者、または、設置候補エリアを提案したい者であれば、地層処分事業の実施主体である放射性廃棄物管理会社(RWM社)と初期対話(initial discussion)を開始できることになっている  。

また、2018年政策文書で設定されたサイト選定プロセスでは、初期対話において、地層処分施設(GDF)の設置に向け、さらなる検討を進めていくことに合意した場合には、当該地域の自治体組織に報告して、コミュニティ全体での協議に発展させていくための準備組織「ワーキンググループ」を設置することになっている。

 

【出典】


  1. テッドルソープ・ガスターミナルでは、北海の約100kmを超える沖合にある海上掘削基地と海底パイプラインで結び、日産約400万m3の天然ガスを生産していた。2018年8月に生産を終了。プラント施設の廃止措置が行われており、2022年には農地への転用が可能な状態に戻される予定である。 []
  2. イーストリンジー市は、面積が約1,762km2、人口が約14万人の農業と観光業を産業の中心とした自治体である。 []

(post by f-yamada , last modified: 2021-10-18 )