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《米国》廃棄物隔離パイロットプラント(WIPP)で地下処分施設の第8パネルの掘削が完了

WIPPの地下施設と第7・第8パネル(2021年6月15日時点)

WIPPの地下施設と第7・第8パネル(2021年6月15日時点)

米国のエネルギー省(DOE)環境管理局(EM)は、2021年10月12日付けのニュースリリースにおいて、軍事起源のTRU廃棄物の地層処分場である廃棄物隔離パイロットプラント(WIPP)において、地下処分施設で計画が進められている既存の8つの処分パネルのうち、最後となる第8パネルの掘削が完了したことを公表した。第8パネルの掘削は、2013年遅くに開始されたが、WIPPで2014年2月に発生した火災事故及び放射線事象により地下処分施設の掘削活動は中断され、その後、第8パネルの掘削活動は2018年1月15日に再開された

また、本ニュースリリースでは、第8パネルでは引き続き、電力、鉱山電話、壁面保護の金網(chain link)、空気モニタ等の設置作業が行われるが、現在廃棄物の定置が行われている第7パネルが一杯になる予定の2022年4月には、第8パネルでの廃棄物定置のための準備が整うことが示されている。第8パネルの各処分室は、幅が33フィート(約10m)、高さが15~16フィート(約4.6~4.9m)、長さが300フィート(約91m)となっている。なお、WIPPの各パネルは、7つの処分室で構成されている。

電動の連続掘削機による掘削

電動の連続掘削機による掘削



第8パネルへと進む岩塩運搬トラック

第8パネルへと進む岩塩運搬トラック

さらに、本ニュースリリースによれば、第8パネルの掘削活動では電動の連続掘削機が使用され、第8パネルのすべての処分室の掘削完了により、ニミッツ級空母の1.5倍に当たる157,000t以上の岩塩が掘削された。岩塩の掘削ずり(岩石片)は、岩塩運搬トラックでホッパーまで運ばれ、ホイストで5tずつ地上に搬出される。岩塩の掘削ずりの一部は、地下処分施設の閉鎖などで使用される。第8パネルの掘削活動が完了したことにより、連続掘削機は今後、既存の処分エリアから西側に向かって、建設中の立坑につながる坑道の掘削に使用されることとなる。

なお、WIPPでは、既存の8つの処分パネルの西側の離れた位置に2つの代替処分パネルを建設する計画が進められており、今後、代替処分パネルへのアクセス坑道の掘削も予定されている。

【出典】

(post by inagaki.yusuke , last modified: 2023-11-09 )