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《米国》NRCがユッカマウンテン処分場の建設認可に係る補足環境影響評価書(SEIS)の最終版を公表

米国の原子力規制委員会(NRC)は、2016年5月5日に、ネバダ州ユッカマウンテン処分場の建設認可に係る補足環境影響評価書(SEIS)の最終版を公表した。補足環境影響評価書(SEIS)は、潜在的に処分場から放出される物質により汚染された地下水が地表に流出する可能性及びその影響などを評価するものであり、環境への影響は小さいとの結論が示されている。補足環境影響評価書(SEIS)については、2015年8月にドラフト版の報告書が公表され、2015年8月21日から11月20日までの期間でパブリックコメントの募集、パブリックミーティング、電話会議を通じての意見募集が行われていた。今回公表された補足環境影響評価書(SEIS)では、1,200件以上のコメントを踏まえて修正・情報補足等が行われるとともに、コメントへの回答も付属資料として示されている。

ユッカマウンテン処分場に関する環境影響評価については、2002年2月に行われたユッカマウンテンサイトのエネルギー長官から大統領への推薦時に最終環境影響評価書(FEIS)が、2008年6月の建設認可に係る許認可申請書の提出時に補足環境影響評価書(SEIS)が、それぞれエネルギー省(DOE)によって作成され、NRCに提出されていた。これらDOEが作成した環境影響評価書(EIS)についてNRCは、2008年9月に、NRCの許認可申請書の安全審査における環境影響評価書(EIS)として採択できるとの判断を示した上で、地下水解析に係る情報の補足を行うようDOEに要求していた。今回の補足環境影響評価書(SEIS)は、2008年9月のNRCの指摘に対応するものであり、DOEは技術報告書を作成するのみで、補足環境影響評価書(SEIS)の作成は行わないこととなったため、NRCが自ら作成を進めていたものである。

NRCにおける許認可申請書の安全審査は、安全性及びセキュリティの審査と環境影響の審査の大きく2つに分けて行われるが、今回の補足環境影響評価書(SEIS)の作成により、2015年1月に公表されたユッカマウンテン処分場の安全性評価報告(SER)と併せて、裁判形式の裁決手続のヒアリングに向けたNRCスタッフによる主要な評価文書が揃ったこととなる。安全性評価報告(SER)及び環境影響評価書(EIS)では、土地の所有権及び水利権に関する要求事項を除いて、DOEが提出した許認可申請書はNRCの連邦規則の要求事項を満足しているとの結論が示されているが、ネバダ州等が提出した安全性及び環境影響等に係る299の争点が有効なものとして承認されており、裁決手続におけるヒアリングでは、これらの争点について審理されることとなる。今回公表された補足環境影響評価書(SEIS)など新しい情報については、今後のヒアリング手続の中で追加することも可能である。

ただし、ユッカマウンテン処分場の建設認可に係るNRCの許認可申請書の安全審査については、2013年8月の連邦控訴裁判所の判決により、利用可能な予算がある限りの実施が命じられているものの、2012会計年度 1 以降はNRCの許認可申請書の安全審査のための予算は付いておらず、ヒアリング手続の再開は目途が立っていない。補足環境影響評価書(SEIS)の作成、及び許認可支援ネットワーク(LSN)(詳細はこちら)に登録されていた文書のNRCデータベース(ADAMS)での公開などを終えた時点での利用可能な予算残額は、100万ドル(約1億1,500万円)未満と見込まれている。2017会計年度のユッカマウンテン処分場の許認可申請書の安全審査予算についても、NRCは予算要求をしておらず、連邦議会の下院で策定された歳出法案では20,000千ドル(23億円)の予算が計上されているものの、上院本会議で審議中の歳出法案では予算は計上されていない

【出典】

 

【2016年5月16日追記】

米国の原子力規制委員会(NRC)は、2016年5月13日付けの連邦官報において、ネバダ州ユッカマウンテン処分場の建設認可に係る補足環境影響評価書(SEIS)の最終版の発行を告示した。補足環境影響評価書(SEIS)の最終版は、2016年5月5日にNRCのウェブサイトで公表されていたものである。

連邦官報に掲載された告示では、エネルギー省(DOE)が作成した2002年の最終環境影響評価書(FEIS)及び2008年の補足環境影響評価書(SEIS)、並びに今回NRCが補足を行った補足環境影響評価書(SEIS)について、NRCの最終的な環境影響評価書(EIS)としての採択に係る決定は、裁判形式の裁決手続のヒアリングの完了後となることが示されている。

なお、ユッカマウンテン処分場の建設認可に係る許認可申請書のNRCによる安全審査については、2013年8月の連邦控訴裁判所の判決により、利用可能な予算がある限りの実施が命じられているものの、2012会計年度 2 以降はNRCの許認可申請書の安全審査のための新たな予算は付いておらず、裁決手続におけるヒアリングの再開は目途が立っていない

【出典】


  1. 米国における会計年度は、前年の10月1日から当年9月30日までの1年間となっており、2012会計年度は2011年10月1日からの1年間に対するものである。[]
  2. 米国における会計年度は、前年の10月1日から当年9月30日までの1年間となっており、2012会計年度は2011年10月1日からの1年間に対するものである。[]

(post by inagaki.yusuke , last modified: 2023-10-11 )