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《米国》NRCがユッカマウンテン処分場の安全性評価報告(SER)第4分冊「管理上及びプログラム上の要求事項」を公表

米国の原子力規制委員会(NRC)は、2014年12月18日に、エネルギー省(DOE)が2008年6月に提出したユッカマウンテン処分場の建設認可に係る許認可申請書について、処分場の管理上及びプログラム上の要求事項に関する審査結果をまとめた安全性評価報告(SER)の第4分冊「管理上及びプログラム上の要求事項」を公表した。NRCのプレスリリースにおいて、NRCは、DOEの許認可申請書はNRCの連邦規則(10 CFR Part 63「ネバダ州ユッカマウンテン地層処分場での高レベル放射性廃棄物の処分」)における管理上及びプログラム上のほとんどの要求事項を満たしているが、土地の所有権と水利権に関する規則の要求事項は満たしていないとしている。また、建設認可の付帯条件として、将来において安全上の疑問を解決するために研究開発プログラムを実施した場合について、NRCへの報告義務が提案されている。

ユッカマウンテン処分場に係る安全性評価報告(SER)は、5分冊で構成されている 。NRCは、2010年8月にSERの第1分冊「一般情報」を公表した後、SER策定作業を停止していた。しかし、2013年8月13日の連邦控訴裁判所判決を受けて、2013年11月18日にSERの完成方針を決定し、2014年10月16日にはSER第3分冊「閉鎖後の処分場の安全性」を公表している。今回公表されたSER第4分冊では、安全上の疑問を解決するための研究開発プログラム、性能確認プログラム、管理システムが評価対象とされている。

「性能確認プログラム」は、処分場の性能目標の遵守を評価する際に使用された仮定、データ及び解析の適切さを評価するため、処分サイトなどで試験、実験、解析を行うものであり、長期にわたる地層処分場の性能評価における不確実性に対応するための高レベル放射性廃棄物処分に独自の要件である。性能確認プログラムは、サイト特性調査の段階から開始され、地質工学及び設計パラメータの確認、設計試験、廃棄物パッケージのモニタリングなどによって性能評価の有効性を確認し、実質的に処分場の閉鎖の判断のための情報を提供するものである。10 CFR Part 63においては、「地層処分の設計は、廃棄物の定置期間中及びその後の期間を通じて、性能確認プログラムで得られた情報に関するNRCの審査が完了するまでの期間にわたり、廃棄物の回収可能性が維持されるものでなければならない」と規定されている。

なお、今回公表された安全性評価報告(SER)第4分冊において、10 CFR Part 63の要求事項を満たしていないと指摘された土地の所有権と水利権の取得については、それぞれ連邦議会による法律制定とネバダ州による許可が必要となる。

安全性評価報告(SER)の分冊構成・公表日

分冊名 公表日
第1分冊「一般情報」 2010年8月23日

第2分冊「閉鎖前の処分場の安全性」

(今後公表予定)

第3分冊「閉鎖後の処分場の安全性」

2014年10月16日

第4分冊「管理上及びプログラム上の要求事項」

2014年12月18日

第5分冊「許認可仕様」

(今後公表予定)

【出典】

(post by inagaki.yusuke , last modified: 2023-10-11 )